給与カットで増えた借金。おまとめで月々の負担が減ると思っていたら【体験談】

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次々とおまとめローンを利用しているという高田さん

おまとめローンは複数の業者からの借入れを一本化することで、利息や毎月の返済額を抑え、利用者の負担を軽減させることが目的のローンです。

しかし「おまとめ」の仕組みをきちんと理解しないまま、月々の負担減ばかりを重視すると、かえって負担が増してしまうこともあります。

今回は、次々とおまとめローンを利用しているという男性から話を聞くことができました。

体験者の情報

名前:高田 義男(仮名)
性別:男性
当時の職業:会社員
当時の年齢:35~39歳
借金の合計額:200万円
会社名(借入先):アイフル、プロミス、じぶん銀行、楽天カード、VISA、JCB
借入件数:消費者金融系2件、銀行系1件、クレジットカード3件
利用時期: 2009年~現在
※体験談中に複数社への借入れに関する記述(プロミス等)がありますが、複数社へ申込み、及び利用をしますと状況によって審査に通らないことがあります。

2つのおまとめローンを経験したサラリーマン

お話をうかがったのは高田義男さん(仮名)、39歳。札幌市にお住まいの会社員の男性です。

真面目なサラリーマンといった印象の方ですが、生活のために複数の業者から200万円もの借金を重ねています。

今回はそんな彼が初めて消費者金融を利用するようになったきっかけと、現在利用しているおまとめローンのこと、今後の返済について語ってくれました。

生活費が足りず消費者金融を利用

― 最初に業者を利用したきっかけは?

明るく前向きな印象の高田さん

生活費のためです。2009年当時、会社の業績が悪くて、給料が25%もカットされてしまったんです。

元々の収入は手取りで24万円くらいあったのですが、20万円くらいまで下がってしまって。

加えて会社から与えられているPHSの通話料の負担もしなければならなくなったので、実際の手取りはもっと少なかったですね。

それと札幌に住んでいるので、冬場は燃料手当てがあったのですが、それもカットされてしまって。

さらにこの時期に結婚をしたので、それを機に広い部屋へ引越しをしました。

当然、家賃も上がって、それまで以上に家計が苦しくなりました。しかも子どもも生まれるし、検診代とか色々と出費も重なって。

元からカツカツだったのに、いよいよ生活が回らなくなってしまって、アイフルからお金を借りることにしました。

― アイフルへはどのように申し込みましたか?

実はアイフルのカード自体は前の年の2008年に、すでに作っていたんです。でもその時はお金を借りたくて申し込んだ訳ではないんですよ。

私は副業でアフェリエイトをやっていたんですが、自分の広告からカードを申し込むだけで報酬が入るという、「セルフバック」というシステムがありました。

それで2万円くらいの報酬が入るというので、申し込んでみたんです。

何故アイフルを選んだのかというと、プロミスや他社のものに比べて一番報酬が高かったからです。

ただ当時は「どうせ使うこともないだろう」と軽い気持ちでした(笑)。

手続きは最初にウェブから申し込んで、その後無人契約機で身分証や源泉徴収表などの必要書類をATMの機械に読み込ませました。

郵送する方法もあったのですが、無人契約機のほうが手っ取り早いと思ったからです。

― 金利や限度額はどうなりましたか?

金利は18%で、やはり銀行に比べると高いですよね。

それから1年以上はまったく使うこともなかったのですが、生活が行き詰まって、利用してみることになりました。

最初は一時しのぎで2万円くらい借りたのですが、妊娠中の妻の体調が思わしくなくて緊急入院があったり、その間、食事が作れないために外で買ってきたりして、食費がかさんでしまったり。

気が付くと30万円の限度額まであっという間でした。

ただし月2万ほどの返済は毎月キチンとしていたので、限度額は利用しているうちにどんどんと上がっていって、半年後に50万円、最終的に80万円まで上がりました。

しかし80万円借りてしまうと、さすがに返済がキツくなってしまって。

返済のためにプロミスを利用するようになったんです。

― なぜ次にプロミスを選んだのですか?

これもアフェリエイトサイトから申し込んだんです。それで1万5千円の報酬を手にしました。それくらいお金が貴重だったので(笑)。

手続きはアイフルの時と大体一緒ですね。ネットで申し込んでから、無人契約機で必要書類を提出して。

金利もアイフルと同じ18%で、限度額は60万円でした。

― 返済はできていたのですか?

「アイフルから借りてプロミスを返して、プロミスから借りてアイフルに返す」という自転車操業状態に陥ってしまいました。

その後、借金はアイフル80万円とプロミス20万円で、合計は110万円くらい。返済額は利息を含めてアイフルが2万6千円、プロミスが1万6千円の合計4万円以上。

手取り20万円のうちから払っていくには、相当厳しい状況に追い込まれてしまいました。

申し込みに時間がかかったじぶん銀行

― じぶん銀行から借入れをした経緯は?

とても気さくで、優しいお父さんのような高田さん

消費者金融からの借り入れが総量規制の額に達してしまい、これ以上の借入れができなくなってしまったんです。

そこで総量規制対象外になる銀行系なら大丈夫なのではないかと思い、じぶん銀行のカードローンに申し込みました。

― じぶん銀行の審査や申し込みは?

消費者金融と比べると審査に時間がかかりますね。

最初にネットから申し込むところは同じなのですが、そこから送られてきた書類に記入して、身分証と源泉徴収表のコピーを同封して送り返さなければなりません。

でも忙しくてなかなか返送できずに2週間くらいかかってしまって、更にそこから審査になるから、最終的にカードが送られてくるまでに1ヶ月くらい必要でした。

在籍確認も土日を挟むと時間がかかるし、とにかく時間がかかった印象です。

結局、じぶん銀行は限度額100万円で審査に通りました。利息も12%と消費者金融の18%と比べると随分と低くて。

そこで一旦じぶん銀行から80万円を借入れて、最初にプロミスの20万円を完済させて、アイフルも50万円を繰り上げて返しました。

今回は特におまとめローンという名目で借りた訳ではなかったのですが、実質的にはおまとめみたいなものでした。

― じぶん銀行で借りて、少しは返済が楽になったのでしょうか?

じぶん銀行の返済は、借入額が90万円を超えていると、月々2万円を支払わなければなりません。

それに自分を取り巻く状況は依然として厳しいままだったので、結局、またアイフルとプロミスから借り入れするようになってしまって。

そのうえ、じぶん銀行の返済もあるから、余計に苦しい状況になって、さすがにこのままではマズイなぁと思うようになりました。

東京スター銀行のおまとめローンを断られる

― その後、おまとめローンを申し込まれたそうですが?

アイフルから「おまとめローンにしませんか?」という電話がかかってきました。

利率も18%から14%に下がるし、アイフルとプロミスで4万円近い支払いが、月々2万2千円くらいになると言われて、それは考える余地があるなと。

でも「銀行系のおまとめの方が利息も低いのではないか?」と思ったので、一旦返事を保留して、東京スター銀行でも「おまとめローン」の審査を受けました。

― 東京スター銀行の審査は、どのような内容でしたか?

実は東京スター銀行のおまとめローンは、ネットに名前や住所などの情報を入力しなくてもいい簡易審査があったので、まずそれを受けてみたんです。

ただし、職業や他社でどれくらい借りているのかなどの項目は本当の審査のように細かいチェックがありました。

しかも自動審査ではないので、返事が来るまでに1週間くらい必要で。

しかし、この審査に落ちてしまったので、東京スター銀行の本審査は諦めました。

― それで結局アイフルのおまとめローンを利用したんですね?

はい。アイフルのおまとめローンの手続きでは、アイフルのキャッシング専用カードを、おまとめ専用のものに切り替える必要がありました。

そこで改めて無人契約機で手続きをして、初めてカードを作った時と同じように、源泉徴収表の提出もしました。

ただ「消費者金融系のおまとめローンでは、銀行からの借り入れをおまとめできない」と言われたんです。

ですからおまとめと言っても、アイフルとプロミスの合計110万円をアイフル1本にまとめただけで、じぶん銀行はそれまで通り返済しなければなりません。

アイフルのおまとめと、じぶん銀行を合わせると、月々の返済額は4万数千円でした。

プロミスからもおまとめローンの誘い

―アイフルで おまとめをしてから返済は順調でしたか?

借り入れやローンのことも、ご自分でいろいろ調べている様子の高田さん

それがアイフルでおまとめローンを組んで1年くらい経ったころに、突然プロミスから電話がかかってきて、私の与信を調べたのでしょうか「アイフルでおいくら払っていますか?」と聞かれました。

私が2万2千円と答えると「プロミスだったら月々の返済が1万6千円になるし、利率もアイフルに合わせるから、うちでまとめませんか」と言われて。

いっぱいいっぱいの生活だったから正直その申し出はとても魅力的でした。

まさかプロミスからおまとめの案内が来るとは思ってもなかったから、何か入金を忘れていたのかと思って驚きましたよ。

まぁ貸してなんぼの世界だから、「おまとめの奪い合い」のようなこともあるのでしょう(笑)。

結局、プロミスのおまとめローンに乗り換えることに決めて、実際に支払いの条件を詰めていきました。

プロミスでのおまとめの方法は、アイフルの利息を含めて120万円くらいある残債を、プロミスが私名義で完済してくれて、改めて私がプロミスに返済をしていくという方法です。

おまとめローンは限度額関係なく組めるらしいですよ。

結局、残債自体は変わらない訳ですが、月々の負担は減ったので良かったと思います。結局問題を先延ばしにしたようなものですが(笑)。

― アイフルからプロミスに乗り換えることで、払う利息が増えたのでは?

トータルするとそんなに変わらないのではないかと思います。

1年間払った利息が無駄になったような気もしますが、資金繰りを楽にすることのほうが重要でした。

最終的にはいっぱい払わなければならないかもしれません。でも今を乗り切ることが大切ですから。

返済に苦しむ日々

― その後返済は順調ですか?

正直、キツイし厳しいです。お給料は22万円くらいには戻ったけれど、月々の返済だけで10万円くらいありますから。

実はじぶん銀行とプロミスのおまとめローンの返済だけでなく、それ以外にも、楽天カードやJCBなど、クレジットカードの返済がいくつかあるんです。

楽天カードは義母が入院してまとまったお金が必要な時に、他に借りられるところがなくて利用しました。

楽天カードは元々持っていたもので、今まで使ったことはなかったのですが、キャッシング枠が30万円あったことを思い出したので。月々の支払いは2万5千円くらいです。

他にもJCBのショッピング枠で月々3万円、VISAでも1万円ずつ返しています。それで月の返済額はトータルすると10万円近くになるんです。

義母の入院費はしょうがないとしても、JCBやVISAに関しては独身時代に遊んで作った借金だから自業自得なのですが......

― 返済のためにどのような努力をしていますか?

おまとめのことも勿論そうなのですが、アフェリエイトなどの副業で2万円くらいは稼いで自分の小遣いはそこから賄うようにしています。

他にもアパートから公営住宅に引っ越しました。

2011年に運よく当選したんです。それで家賃5万5千円から2万円になったので随分と節約になりました。

― これからに不安はありませんか?

常に不安ですよ(笑)。「もし誰かが病気になったらどうしよう?」とか。今でもギリギリの状況ですからね。

仕事に関しては、幸いなことに特需があって、今年のボーナスは人並みにありそうなのです。

でもそれを返済に回す気にはなれません。いざという時のために使えるお金はとっておかないといけませんから。それに来春には二人目の出産も控えていて。

だから将来のことより今、ここ数年をどう乗り切るかが最重要課題です。

これを乗り切ることができたら、繰り上げ返済を考える余裕も生まれるのではないでしょうか。

― また借入れが必要になるのでは?

返済のために、お仕事の傍ら、パソコンで副業も行っているという高田さん

さすがにこれ以上の借り入れをしようとは思いませんよ(笑)。

プロミスからはついこないだ連絡が来て、「おまとめの枠が空いたから普通のカード(借入れのできるカード)に戻さないか」と言われたのですが、考えるまでもなくお断りしました。

二人目が無事生まれて、妻がまた働きに出るようになれば、世帯収入も増えて今の状況も少しは変わるのではないかと期待しています。だからこそ今はじっと耐えるところなのだと思いますよ。

インタビューを終えて

話の内容はとても切羽詰ったものでしたが、高田さんは終始明るい声でハキハキと語ってくださいました。

しかし高田さんのおまとめローンの利用には、やや疑問が残ります。

おまとめローンを利用すると月々の返済額を抑えられるなどのメリットもありますが、デメリットもあることを忘れてはいけません。

特に高田さんのように目先の負担を少なくしようとして、安易におまとめローンを利用すると、かえって借金が増えてしまう人もいるので注意が必要です。

月々の負担が減った分余裕ができたと勘違いしがちですが、借り換えによって返済が長期化し、その分利息を多く支払うことになる可能性もあるからです。

高田さんの場合、現在のペースで返済を続けていくと、また借入れをしなくてはいけなくなる時が来るかもしれません。

返済が長期化するようであれば、債務整理を考える必要がありそうです。

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