ポイントが付くと勧められ作ったクレジットカードが原因で自己破産【体験談】

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日々の買い物のために複数のお店でカードを作り、最終的には自己破産してしまったという体験を語ってくれた森岡さん

スーパーやショッピングセンターが発行するクレジットカード。

しかし、こうしたクレジットカードは、身近な存在であるために、つい使いすぎてしまう可能性もあります。

今回は食品や日用品など、日々の買い物のために複数のお店でカードを作り、最終的には自己破産してしまったという女性から話を聞くことができました。

体験者の情報

名前:森岡 温子(仮名)
性別:女性
当時の職業:アルバイト・パート~専業主婦
当時の年齢:18~40歳
借入件数:クレジットカード6件、信販系2件、信用金庫1件
会社名(借入先):ライフ、JCB、OMCカード、マイカルカード、三井ファイナンス、イオンクレジット、ポケットカード、イズミヤカード、地方の信用金庫レディースローン
利用時期:1988~2010年頃まで
借金の合計額:およそ360万円

スーパーやショッピングセンターのカードで多額の借金

お話をうかがったのは森岡温子さん(仮名)、42歳。若々しく華奢な姿をされていますが、なんと6人ものお子さんをお持ちのお母さんです。

明るくハキハキと受け答えをする姿からは想像もつきませんが、過去に自己破産を経験したことがあります。

彼女は生活費に困った時、食料品や日用品をすべてカード払いにして購入。

スーパーやショッピングセンターなどで次々とカードを利用し、借金を作ってしまいました。

ここでは彼女がカードを作りはじめた18歳から、40歳で自己破産するまでの22年間の経緯を、詳しく聞きました。

18歳でもクレジットカードが作れた!

― 初めてカードを作った目的は?

「サバサバとした面倒見のいいお姉さん」タイプの森岡さん

初めてカードを作ったのは18歳の頃です。

当時は高校を中退して服屋さんでアルバイトをしていたのですが、アパレルの仕事って自分のショップの服を着なきゃいけないから、結構お金がかかるんです。

当時の月収は10万円くらいだったから、それだけでは厳しくて。ですからショッピングのためにカードを作りました。

― 未成年でもカードを作れたのですか?

「ライフカードだったら作りやすいよ」と知人から聞いたのですが、実際に保証人も必要なかったので、手続きも簡単でした。親の承諾を得る必要もなかったです。

― ライフカードの審査や限度額は?

聞かれたことは会社名、勤続年数と年収くらいでしょうか。最初はショッピング枠の限度額が10万円。

当時はショッピング枠(分割払い)の手数料が32%もありました。月々の返済は3,000~5,000円くらいです。

このカードには最初キャッシング枠が付いていなかったのですが、利用しているうちに「キャッシング枠を付けませんか」という案内が来たので、申し込みました。

― JCBカードも利用していたんですね?

ライフカードを作ってから1年後くらいにJCBカードを作ったのですが、これも同じくショッピング用でした。

限度額も同じ10万円。ショッピング枠(分割払い)の手数料はライフカードより若干低めの20%台後半でした。

ただライフカードと違って、JCBカードには最初からキャッシング枠が20万円付いていました。

これは海外旅行に行く時に2回ほど使いましたね。

金利はショッピング枠より高くて、29%もありました。その返済が後々響くことになったのですが...。

主婦になり、スーパーで次々とカードを作る

― その後も次々とカードを作られたようですね?

21歳の時に結婚をして、その頃から食品や日用雑貨を扱うスーパーのカードを作るようになりました。

ダイエーのOMCカードやマイカルカードです。

「ポイントが付くから」とお店の人にすすめられ、「だったらお得だよね」と、当時は本当に軽い気持ちで(笑)

― 月々の支払いは順調でしたか?

独身時代のライフカードとJCBの借金も残っていたから、返済はキツかったです。

結婚してからの返済額の合計は、月に3~4万円だったのですが、この頃のパート収入は7~8万円しかなかったので、とてもやっていけませんでした。

それで普段、食料品を買うのにも、OMCやマイカルのカード払いを利用するようになっていました。

また、どちらのカードもショッピング・キャッシングでそれぞれ10万円の枠が付いていたので、返済が苦しくなるとそれも利用しました。

ただしショッピング枠(分割払い)もキャッシング枠も金利が30%前後で、今と比べるとやっぱり高かったですね。

― 他にもスーパーのカードを作ったようですね?

はい。ダイエー系のカードが限度額いっぱいになると、今度はイオンカードとイズミヤカードを新しく作りました。

もう思いっきり自転車操業状態ですよね(笑)

イオンカードのショッピング枠は10万円で、キャッシング枠が20万円。イズミヤカードはどちらとも限度額は10万円。

ショッピング枠(分割払い)・キャッシング枠どちらの金利もだいたい30%前後くらいだったでしょうか。それでも結局は、限度額いっぱい使ってしまいました。

しかもそのうち子供が生まれて、私自身の収入は途切れてしまったんです。

それでも5~6件分の返済をしなければならなかったので、あっちから借りたのを、こっちに返すという風に、明細を見ながら必死に回していましたよ。

返済のために銀行からも借りた

― ご主人を頼ることはできなかったのですか?

関西弁で、ノリの良い森岡さん

主人は私と同じ洋服屋さんに勤めていたのですが、彼もまだ若かったので収入が少なくて、家族を支えるという風ではなかったんです。

― その後、信販会社や銀行からも借り入れしたそうですが?

はい。月の返済額が5~6万円になってしまった頃、今度は返済目的でカードを作るようになりました。

それが三井ファイナンスとマイカル系列のポケットファイナンス、地元の信用金庫のレディース専用カードローンでした。

レディースローンのキャッシング枠は10万円でしたが、金利は当時でも20%くらいと低かったことを憶えています。

それでも借金は減るどころか増えるばかりで、このころは総額150万円になっていました。

― その後、離婚を経験されたそうですが?

25歳の頃、私も夫も、私の父が経営する会社で働くようになりました。

給料は安かったのですが、自分の親がやっている会社だから子供も連れていけるし、都合が良かったんです。でも夫はそうは思っていなかったようで。

相変わらず生活が苦しいうえに、返済もあるから、毎日ギスギスしてケンカが絶えなくなっていました。

父にも給料を上げてくれるように頼んだのですが、身内には厳しい人なので一蹴されてしまって(笑)。

そういうことの積み重ねで、30歳の時に私が二人の子供を引き取って、離婚することになったんです。

離婚・そして再婚、それでも返済生活は続いた

― 離婚後、生活はどうなりましたか?

実家には戻らず、公営住宅へ引っ越しました。

私は子供を保育園に預けて、パートに出るようになったのですが、仕事を2件掛け持ちしても収入は10万円もいかなかったので、生活は厳しかったですね。

もちろん税金の免除や国民年金の猶予はありましたし、母子手当ても4ヶ月に1度子供二人分で10万円くらいありました。

それも生活費の補填でほとんどが消えてしまって、返済どころではなかったです。

― ではさらに借り入れしたということですか?

はい。結局、生活費のためにまたキャッシングを重ねるようになっていました。

一番付き合いの長かったJCBカードのキャッシング枠は、50万円まで増額されていたので、当然それも使って。

正直今でも「キャッシング枠が増額されていなければ、使わずに済んだのに」と思ったりもします(笑)

本当に自転車操業状態にどっぷり浸かっていて、当時は債務整理の知識もないから、「どうにかして返すしかない」と本当に必死でした。

― 2年後に再婚されたそうですが、生活は変わりましたか?

変わりましたよ!再婚相手との間に4人も子供が生まれて、6人の子持ちになりました(笑)

でも子供が6人もいると、生活費も半端ないですからねぇ。

民主党政権の時に一度子供手当てが上がったじゃないですか?その時は助かったけど、それも1年と持たなかったし。

私も働ける時はパートに出ていたし、主人もわりと協力的だったのです。

でも最終的には返済だけで8万円にもなってしまって、再婚してからも返済生活は7年以上も続きました。

それでだんだん「これはもう無理かな」と思うようになって...。

偶然知った債務整理、ようやく自己破産へ

― 自己破産をしたきっかけは?

友達に自己破産をした人がたまたまいたんですよ。

本来なら、借金の話なんて恥ずかしいからなかなかしないけど、何かのきっかけかそういう話になった時「自己破産したほうが楽だよ」と言われて。

それで「そんなんあるの?」ってなって(笑)。

それで弁護士さんに相談することにしたんです。

― 弁護士はどうやって探したのですか?

市の広報誌に「月1くらいで借金に関する法律相談をやっている」と書いてあったので、その時に相談に行きました。

そこで紹介してもらった弁護士さんだから、わりと良心的だったと思いますよ。

それでも解決するまでには1年近くかかりましたが。

― 自己破産の手続きをする際、自分で用意したものは?

使っているカードそのものと、引き落としされていた通帳、残っていればカードを作った時の書類を提出しました。

足りない書類に関しては、弁護士さんが直接カード会社に問い合わせて調べてくれました。

すると借金の総額が360万円にもなることが分かって。

最初は「できれば債務整理で」と考えていたのですが、弁護士さんも「どう考えても無理でしょ?」と、やっぱり自己破産をすすめられて。

それであとは収入を証明するもの、児童手当の書類や主人の年収の証明も提出する必要がありました。

主人には借金のことは伝えてあったから、この時も協力的で本当に助かりました。

― 自己破産をした感想は?

「結構、私の周りにも借金していた人がいたんですよー!」と笑いながら話す森岡さん

「もっと早くにやっておけば良かった」
これに尽きますね(笑)

自己破産をしたからといって、貯金も持ち家もないから、失うものは何もありませんでした。

もちろんカードが使えなくなったことは不便です。

でも弁護士さんに借金の整理をお願いすると、すべての返済がストップするんです。

だからその時点でものすごく楽になったというか、「辛い毎日を送っていたことが嘘みたいだな」って。本当にスッキリした生活を送れるようになるんですよ。

弁護士費用の10万円なんて安いもの、というか返済に比べればなんてことないですよね。しかも分割がききましたし(笑)。

― 過払い金は返ってこなかったのですか?

私の場合、キャッシングよりもショッピングの利用が多かったんです。ショッピングだと過払い請求はできないそうなので。

それに返済が苦しいからといって、消費者金融から借りることだけはしませんでした。

テレビで取り立ての様子とかやっているのを見ると、そっちにだけは絶対に行かないでおこうと。

それでスーパーのカードでなんとかやり繰りしていたのですが、それが良かったのか悪かったのか(笑)

まあ、例え過払い金が返ってこなくても、借金に頭を悩まされる生活から開放されたので、それだけで満足しなければいけませんね。

22年間も悩み続けていたのですから、長かったです。

インタビューを終えて

20年以上に及ぶ借金生活を、サバサバと明るい口調で語ってくださった森岡さん。

たくさんのお子さんを抱え、今後もお金がかかる生活が続くと思いますが、ご主人と二人三脚で頑張っていかれることでしょう。

今回森岡さんは、クレジットカードの使いすぎで返済困難に陥ってしまいました。

クレジットカードの分割払い・リボ払い、キャッシングは紛れもない借金です。

今いくら借りているのか、毎月いくらまでなら返済できるのか、どのくらいで完済できるのか、見通しを立てて利用しないと、森岡さんのようにひたすら返済を続けることになってしまいます。

さらに森岡さんは自己破産してしまいました。

自己破産は、合法的に借金を帳消しにする救済措置ですが、債権者(今回の場合はクレジットカード会社など)に多大な迷惑をかけることになってしまいます。

そのことを忘れてはいけませんね。

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