更新日:2018/07/20
あの時、債務整理をしていなかったら今頃どうなっていたか...【体験談】
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評価を設定してください ×複数の借金を抱えて返済困難に陥っているのに、債務整理をためらう方は多いようです。
しかし、実際に債務整理した方から感想を聞くと、「整理してよかった!」「もっと早く専門家に相談していれば...」と、ほとんどの方がおっしゃいます。
今回お話をうかがった男性も、6年間返済に苦しんだ末に、債務整理を決意したひとりです。
体験者の情報
名前:斉藤 祐介(仮名)
性別:男性
当時の職業:料理人
当時の年齢:36歳
借入件数:消費者金融9件、クレジットカード1件
会社名(借入先):武富士、アコム、プロミス、三和ファイナンス、アイフル、日本ファンド、ぷらっと、ニコニコローン、ユニズム、オリコ
利用時期:2002年~2009年
借金の合計額:260万円
※体験談中に複数社への借入れに関する記述(プロミス等)がありますが、複数社へ申込み、及び利用をしますと状況によって審査に通らないことがあります。
複数の借金を抱え、債務整理をされた過去を持つ男性
今回お話をうかがったのは斉藤祐介さん(仮名)、36歳。
現在、台所用品を扱う外資系メーカーで働いていて、奥様と2歳になるお子さんと暮らしています。
誠実で爽やかな印象の男性ですが、かつて複数の借金を抱えて返済困難になり、債務整理をされた経験があります。
今回は借金を重ねていった過程と、債務整理を決意した経緯について、詳しく語ってくださいました。
借金のきっかけは遠距離恋愛
― 最初に借入をしたのはいつですか?
25~26歳の頃、大阪に住んでいる彼女と遠距離恋愛をしていたんです。
私は東京に住んでいたので、月に2回くらい彼女が会いに来てくれたのですが、その度に上京費用を私が負担していました。
それが毎月10万円くらい。電話代も加えると合計15~6万円くらいかかっていたと思います。
自分の収入だけでは足りなかったので、その時初めて消費者金融を利用しました。
― 当時の収入はどれくらいですか?
当時はコース料理を出すようなビストロで料理人をしていたのですが、従業員3人の小さなお店でした。一応正社員でしたが、給料は手取りで10万円くらいです。
実家暮らしだったのですが、ある程度、生活費は必要ですし、両親も裕福ではなかったから、お金を借りることはできませんでした。
― 武富士を選んだ理由は?
家の近くにたまたま無人契約機があったんです。
人目が気になりましたが、実際に利用してみると、誰に会わずに借りることができました。
― 武富士ではどのような審査を受けたのですか?
申込用紙に、住所・氏名・年齢・勤め先・年収などを記入して、給与明細も提出しました。
職場へ在籍確認の電話をかける際は、事前に「どういう名前で電話をかけましょうか?」と聞いてくれたので、銀行を装ってかけてもらいました。やはり同僚の目も気になったので...。
― どのくらいの金利で、いくら借りることができましたか?
限度額いっぱいの30万円を、最初から一気に借りました。
金利は29.8%。今思えば相当高い金利ですが、当時は「金利がどれくらいかかるのか」よく分かっていなかったので、特に疑問に思いませんでした。
返済は、最初の1~2ヶ月は3万円くらい返すようにしていたのです。
でもいつの間にか、最低返済額の1万円だけを支払うようになってしまいました。でもそれだと利息分しか支払っていないことになるんですよね。
当時はそのことにまったく気がついていなかったんです。
― アイフルからも借りたようですね?
武富士で借りてから4ヶ月後のことです。
手続きは武富士とほとんど同じ。
金利、限度額、月々の最低返済額もほぼ一緒でした。
これで、武富士と合わせて月々2万円の返済になったわけですが、アイフルからの借入を武富士の返済にあてたりもしていましたね。
他にもデート代や飲み会に使ったので、1~2ヶ月でアイフルの限度額の30万円はなくなってしまいました。
雪だるま式に増える借入れ
― その後さらに借金が増えていったようですが?
アイフルから借りた2~3ヵ月後に、プロミスから借りました。次第に次の業者へ申込む間隔が短くなっていったんです。
その後も、4件目アコム、5件目三和ファイナンスと立て続けに利用してしまいました。
どの業者も限度額は30万円、それらをすべて借入れていましたね。
毎月5社分の返済があったのですが、もう感覚がマヒしていたと言うか...。
― どのあたりから感覚が麻痺してしまったのでしょうか?
最初の武富士とアイフルくらいまでは緊張感があったのですが、3社目のプロミスからは戸惑いもなくなり、気軽に借りるようになっていました。
結局5社から借りるのに、1年もかかりませんでしたね。
でもこの頃はまだ「利息分だけ払えば大丈夫だろう」と軽く考えていました。
― 中小の業者からも借りたようですね?
6件目の「ぷらっと」は当時プロミスと同系列だったのか、同じ店舗の中に無人契約機があったので利用しました。
ここは限度額10万円でしたが。
さらに同じ頃、オリコカードのキャッシング枠にも申込みました。
これは限度額が60万円もあったので、後々一番苦労することになりました(笑)
その他にも、インターネットで「融資」というキーワードで検索して、日本ファンド、ニコニコローン、ユニズムという業者を見つけました。
これらの業者はクチコミで「借りやすい」と評判だったので、申込みました。
この頃にはもう遠距離恋愛の彼女とも別れていたので、「完全に返済のための借入れ」でしたね。
最終的に、3年間で利用した業者は10社。
月々の返済は6万円くらいになっていたと思います。
厳しい取り立て!武富士の人が自宅にやってきた!
― 返済は順調でしたか?
いいえ。働いていたお店の資金繰りが悪くて、給料が支払われず、手取りが5万円くらいの時期もあったんです。
そうなるともう利息分を支払うことさえ難しくて、滞納してしまうこともありました。
武富士は、実家まで催促に来たことがあるんです。
― どのくらいの期間、滞納していたのですか?
2~3日返済が遅れると、まずコールセンターから女性の声で電話がかかってきます。
そこで「2~3日待ってください」と伝えると、すぐに男性社員が出てきて、「それは認められない!」「いつ払えるんですか!」と、かなりキツイ口調で言われて。
そして後日、いきなり朝の8時くらいにスーツを着た男性が訪ねてきて、「この場で支払ってください」と。両親と一緒に住んでいる家に来てしまったんです!
すでに両親には借金のことを知られていましたが、それでも驚きましたよ。
結局、その場で遅延損害金を含む1万数千円を支払いましたが。
怖くなって真っ先に完済した業者とは?
― その後、アイフルと三和ファイナンスだけ先に完済したそうですが、それはなぜですか?
アイフルは返済が遅れがちになった時点で連絡が来て、「利息をゼロにするから、元金を分割で返してください」と言われました。
だから月に2万円ずつ、1年半かけて2004年に完済させました。
恐らく信用情報で(斉藤さんの)他社の借入状況を知って、取りはぐれがないよう先手を打たれたのでしょうね。
三和ファイナンスは、返済が滞りがちになってしばらくすると、催促の電話がかかってきたんです。
それがかなり強い口調で、とても怖かったんです。
そこで初めて両親に助けを求めて、毎月2万円ずつの返済を肩代わりしてもらいました。そのおかげで三和ファイナンスも2004年に完済しました。
― それ以外の借金はどうなりましたか?
残り8社は、「借りては返す」の自転車操業状態になっていました。
しかも勤めていた店が潰れてしまったんです。最後は自分の方が、お店に10万円くらいお金を貸しているような状況で...。
ただ幸いなことに、次の仕事がすぐに見つかりました。
今度は営業の仕事で月収は20万円くらい。
それでも毎月7万円の返済は、ほとんどが利息分、元金は一向に減らない状態でした。
以降、5年間は返済に追われる毎日でしたね。友達にも言えないし、本当に行き詰っていました。
―行き詰まっているのに、なぜ債務整理をしなかったのですか?
実は、私には弁護士事務所に勤めている友人がいたんです。
だから「債務整理」という方法があることも知っていました。もっと早くに相談をすれば良かったんです。
でもやっぱり「友達だからこそ言えない」ことってあるじゃないですか?
それに、弁護士費用もありませんでしたし...。
ついに債務整理を決意!友達のツテで弁護士費用が割引きに
― それでも債務整理をしたんですね?
借金をしはじめてから7年目、どうしても切羽詰った状況になってしまったんです。
結局は友人に頼んで弁護士の先生を紹介してもらい、債務整理をすることになりました。
― 債務整理の手続きはどういったものでしたか?
弁護士に業者と直接交渉してもらう、「任意整理」という手続きを行いました。
借金260万円から利息が除かれ、120万円まで圧縮されたので、だいぶ負担が軽くなりましたね。
その後は毎月決まった金額を振込みましたが、新しい仕事でボーナスが100万円くらい入ったので、それも返済にあてて、結局1年ちょっとで完済できました。
― 弁護士への報酬は?
本来なら任意整理の弁護士費用は、1社につき2~3万円、私は8社整理したので、20万円以上かかるらしいんです。
でも友人のツテで紹介された弁護士だったから、全部で10万円、かなり安くしてもらえました。
それを月々1万円ずつ、10回に分けて支払いました。
当時を振り返って
― 現在の生活はどうですか?
債務整理をすると、当分ローンを組んだりクレジットカードを作ることができなくなりますが、特に不便を感じていません。
ただし子供がまだ小さいので、これからお金が必要になりますよね。
だから現在は、本業のかたわら、副業でパソコンを使って入力作業の内職もしているんです。
家に帰ってから、深夜2時くらいまで作業することもあります。コツコツ貯金して、今後に備えるつもりです。
― 当時を振り返って、どう思いますか?
「一体何をやっていたんだろう」と思います。金銭感覚が狂っていましたね。
ゼロを一つ見落としている...30万円が3万円くらいの感覚になっていました。
当時の自分は「友人に借りるよりも、消費者金融の方が気楽」「ちょっと用紙に記入するだけで、10~20万円簡単に借りられる」、そんな風に考えていたと思います。
結局、恐ろしい目にも遭いましたし、追い詰められました。でもそれは自業自得ですよね。
債務整理を決断したおかげで、今こうやって生きていられるのだと思います。
インタビューを終えて
料理人という経歴を生かして、現在は外資系の台所用品を扱うメーカーに勤務し、世界中を飛び回っているという斉藤さん。
債務整理をして、彼の生活は変わりました。
そして、債務整理後に知り合った奥さんには、過去のことを正直に告白しているそうです。
たしかに、斉藤さんにとって「債務整理」は正しい選択だったと思います。本人がおっしゃるように、もっとはやく専門家に相談すべきでした。
返済のために新たな借入れをする時点で、もうアウトです。自力での完済はあきらめ、すみやかに専門家に相談しましょう。
現在は多くの法律事務所が初回無料で相談に乗ってくれますし、各市区町村や法テラスでも無料の法律相談会を行っています。
善は急げです。
もし借金の問題に悩んでいるなら、できるだけはやめに相談しましょう。
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