20年以上にわたる返済。気軽に借りたつもりが総額500万に!【体験談】

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21歳の頃から20年以上に渡ってキャッシング。総額500万円以上の借金を返済し続けた体験を語ってくれた安曇さん

長年、お金を借りていると、いつしか借金が生活の一部となり、そこから抜け出せなくなってしまいます。

借金することが当たり前になってしまうので、借入が増えることに対する危機感も感じなくなってしまうのです。

今回お話をうかがったのは、21歳の頃から20年以上借入れを続け、総額500万円もの借金を抱えたという男性です。

体験者の情報

名前:安曇 健一(仮名)
性別:男
当時の職業:学生~会社員
当時の年齢:21歳~
借入件数:消費者金融10社、クレジットカード20社以上(累計)
借入先:ディック、ニコニコクレジット、アイク、クレディア(一部)
利用時期:1992年頃~2013年頃
借金の総額:およそ500万円(住宅ローンや教育ローンをのぞく)

気軽に借りたつもりが・・・その後20年にわたる借金生活

今回インタビューに応じてくれたのは、安曇健一さん(仮名)、43歳。

現在は自営で情報関係のお仕事をされているそうです。

彼は、学生時代に借入れしたのを最初に、その後20年以上にわたって借金生活をおくることになります。総額はなんと500万円。

返済に追われるうちに、消費者金融やクレジットカードなどおよそ30社から次々と借入れすることになったのだとか。

彼の借金がどうして膨らんでいったのか...まずはそのことについてお話を聞いてみました。

金利30%なんて「たいしたことない」すぐ返せると思っていた

― はじめてキャッシングをした経緯を教えてください

最初は、大学2年か3年の頃でした。

何となくお金が足りなくなってしまい、すぐ返すつもりで10万円借りたんです。

当時は金利が高くて、たぶん30%以上。

でも、そのときの私はアルバイトをしていたので、バイト代を使って1~2ヶ月でぜんぶ返すつもりでした。それなら「たいした利息でもないな」と思っていました。

― 学生時代に利用したのは1社だけですか?

ほかに1~2社です。学生にお金を貸してくれるところは少ないので...

借りて返して、またすぐ借りるのを繰り返していたので、借金はだんだん増えていきました。

車、家電、教材・・・新たなローン返済のために増えていく借金

― 就職されてからも、借金生活は続いていたのでしょうか?

大学を卒業して、23歳の時に情報関係の会社に就職しました。

当時の給料は、18万~19万円ぐらい。借金はすでに20万~30万円あったと思います。

滞納はありませんでしたが、この頃も借りて返して、またすぐ借りるのを繰り返していました。

結局、利息しか払っていなかったので、借金がだんだん増えていきました。

― 新たなローンを組みましたか?

メガネをかけた痩せ型の安曇さん

はい。まずは車のローンですね。
200万円ぐらいの外車を買ったので。

一般的なマイカーローンを組みましたが、返済額を月2万~3万円にしたので、それが結構厳しくて...

ほかには、教育教材や高額の印鑑、テレビやパソコンなど、だいたい10万~20万円程度のものをローンで購入しました。

これらのローンはみんなボーナス払いを設定していたので、ボーナス時期になると返済が苦しくなりました。

そして、その返済のためにまた別のところから借りる...このようなことを繰り返していましたね。

ただし、海外旅行に行くとか、浪費をするとか、特別贅沢をしていたという感覚はないんですよね。

― 結局、消費者金融は何社くらい利用したのですか?

消費者金融だけでもトータル10社くらいですかね。

ディック、ニコニコクレジット、アイク、クレディア...それから、地方の中小もいくつか利用しました。

もちろん全社同時に利用していたわけではないですよ。利用時期はバラバラですし、途中で完済したものもあります。

― 消費者金融以外に、クレジットカードからも借りていますね?

はい。クレジットカードのキャッシングですね。

ただ、支払いが遅れがちだったので、ときどき引き落としができなくなって。カードが失効することもありました。

で、今あるカードの支払いのために、また新たに別のカードを作って...その繰り返しです。

ローソンカードから始まって、トータル20種類ぐらいは作ったと思います。

スーパーや量販店で買い物するとき、カードを利用すると割引の特典がつくことがありますが、ああいうのはだいたい申込んでいましたね。

ただ、全てのカードの審査に通るわけではないし、失効して使えなくなるものもあったので、手元にあるカードは常に3枚ぐらいでした。

最後にクレジットカードを作れたのは、1年前。インターネットで申し込んだ、楽天カードとJCB Yahoo!カードです。

なぜ借金は500万円もの大金に膨れ上がってしまったのか?

― それにしても、なぜ借金が500万円まで増えてしまったのでしょうか?

それが自分でもよくわからないのですが、やはり利息だと思います。

当時は金利30%ぐらいだったので、どんどん返済額が増えていきましたね。

月10万円返済しても利息だけで7~8万円取られていましたから、元金がぜんぜん減っていかないのです。

― 借金500万円は私から見ても相当な金額だと思うのですが、焦りはありませんでした?

ありました。
でも当時、会社の給料がボーナス込みで手取り年収600万円程度あったので、それがむしろよくなかったのかもしれません。

ある程度給料をもらっていたので、「返せる」と思い込んでしまったんですね。

また、去年独立して自営業を始めてからも、すぐにお金が入ってくる見込みがあったので、なんとなく「大丈夫。返せるだろう」と思っていました...。

― 返済を滞納したことはなかったのでしょうか?

2~3日遅れたことはあります。でも1ヵ月とか、長期で遅れたことは一度もありません。

どうしようもなくなったら、「クレジットカードの現金化」などで現金を調達していました。

― 今まで合計で利息をどのくらい支払ったのか計算したことはありますか?

借入れの総額や利息を計算したことは、一度もありません。

自分がいくら借金をして、いくら利息を払っているか、最近までよく分かっていませんでした。

借りてしまったものを計算しても仕方がないですからね。

住宅ローン・教育ローンの返済も重なり...

― 住宅ローンや教育ローンも組んでいたようですね?

借金を抱えていることに、後ろめたさや恥ずかしさのようなものを感じていない様子の安曇さん

ええ。住宅ローンは4,500万円ほどです。
もちろん利息を入れないで、ですが。

教育ローンは、昨年 国の教育ローン「日本政策金融公庫」を利用して、私の名義で200万円借りています。

一昨年、100万円ぐらいの太陽光発電もローンで購入しました。

それから、最近会社をやめて独立するために、事業資金ローンにも申込んだのですが、これは審査に通らなくて・・・。

仕方がないので、教育ローンのお金を自営業の運転資金にまわしました。

― 奥さんは借金のことをご存じだったのですか?

なぜ借金が500万円まで増えてしまったのか?お話を聞いても、最後までよくわかりませんでした

実は最近まで知りませんでした。

うちは私が給料を管理しているんです。

妻には生活費を渡して、光熱費や食費などは任せていますが、彼女は家計を把握していません。

住宅ローンや教育ローンのことは妻も知っていますが、支払うのは私です。

結婚前からずっと続いている消費者金融やクレジットカードの借金のことは、最近まで妻には隠していたんです。全て私が一人でやりくりしていました。

― 「500万円の借金」と聞いて、どう思われますか?。

今考えれば、ばかばかしいですね。借金の大半は利息ですから、それだけでいくら払っているのだろうと思うと・・・。

調べてもらったら、過払いだけで500万円ぐらい払っていることになるそうです。

少なくとも、その5倍か6倍ぐらいは、利息で消えてしまったのでしょうね。

インタビューを終えて

40代と伺っていましたが、インタビューに現れた安曇さんは、どう見ても60代。痩せて、やつれた雰囲気の方でした。

安曇さんは、自身の借入れが膨らんでしまった原因について「金利が高かったから」と述べていましたが、本当にそうでしょうか?

たしかに、安曇さんがキャッシングをはじめた90年代は、まだグレ―ゾーン金利が撤廃されていませんでした。

金利30%以上なんて今からすると考えられませんが、当時はこれくらいの金利が普通にまかり通っていたんですね。

安曇さんも「いくら返済しても元金が減らない」とおっしゃっていたように、高い金利のせいでなかなか元金が減らなかったのも事実だと思います。

しかし、安曇さんが自分の借入額や支払っている利息額をちゃんと把握しないまま、ただ目の前の返済をやり過ごすために借入れを重ねてしまったことにも大きな問題があります。

新たな借入れをしないと返済できない、この時点で、すでに自力での完済は難しいです。はやめに弁護士などの専門家に相談していれば、このように多額の借金を抱えることにもならなかったでしょう。

この後、消費者金融やクレジットカードから新たに借入れできなくなった安曇さんは、月々の返済のため、さまざまな手段で現金を調達することになります。

それも、「自動車担保ローン」「クレジットカードの現金化」、「携帯キャリア決済の現金化」など、法的にグレーゾーンな方法ばかりです。

詳しくは、続きの『車に乗ったままお金を借りられるという広告に引っかかってしまいました』をご覧ください。

今回のインタビューの様子は動画でもご覧になれます

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