ミュージシャンになるため上京するも実家へ戻ると借金を抱えていた【体験談】

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複数の消費者金融からの借入を「おまとめ」した体験を語ってくれた小森さん

おまとめローン。
それは、複数の借入れをひとつにまとめて一本化するローンです。

現在より金利の低いローンにまとめることで、利息や毎月の負担を減らすことができます。

借金問題の解決に有効な手段のひとつです。

今回は、複数の消費者金融からの借入を「おまとめ」した男性に話を聞くことができました。

体験者の情報

名前:小森 悠人(仮名)
性別:男性
当時の職業:アルバイト
当時の年齢:18~30歳
借入件数:消費者金融6件、銀行2件、信用金庫1件、クレジットカード2件
会社名(借入先):武富士、アコム、アイフル、レイク、ディック、青森銀行、青森地方信用金庫、マルイカード、セゾンカード、JAバンク(父親名義のおまとめローン)
利用時期:1998年~2013年
借金の合計額:750万円

家族の助けで借金を返済した、破天荒な音楽青年

お話をうかがったのは、青森県にお住まいの小森悠人(仮名)さん、32歳。

人なつこく話好きな男性で、現在はご実家の農業を手伝いながら、パソコンの内職で収入を得ているそうです。

そんな彼ですが、過去に複数の業者から借金を重ねた経験があります。

そして結局、お父さまの名義でおまとめローンを組み、窮地を救われたとのこと。

今回は、消費者金融を初めて利用したきっかけから、「おまとめ」に至るまでの経緯について、詳しく語っていただきました。

最初はお金を借りることにビビっていた

― 一番最初に利用した業者はどこですか?

気さくで話好きな小森さん

初めてキャッシングを利用したのは18歳の時です。

当時は高校を中退して実家を離れ、青森市内で友達と暮らしていました。

「将来、音楽で食べていくんだ!」と真剣に考えていた頃です(笑)。生活に困っていたうえにバンド活動にお金が必要だったので、武富士で借りました。

― 当時のお仕事や収入は?

マクドナルドで働いていたのですが、月収は手取りで10万円くらい...。ただし「準社員扱い」だったので、社会保険に入れてもらってました。

― 武富士への申込み手続き・審査はどうでしたか?

自動契約機で申込んだのですが、申込書に必要事項を記入して保険証を提示するだけの簡単な手続きでした。ただ職場へ在籍確認の電話はありましたね。

限度額は15万円。金利はグレーゾーン金利が撤廃される前だから、27%くらいです。

最初は「お金を借りること」にビビっていて、3万円借りたけれど、翌月にはすぐ返済してしまいました。

でもすぐに緊張感が薄れてきて、「僕にはお金がある!」と気が大きくなってしまったんですよね(笑)。

バンドの活動費やパチンコにどんどん使ってしまいました。

ただ、毎月5,000円の返済はきちんとしていましたよ。

― 増額の案内はありましたか?

はい。初めての借入から8ヶ月後くらいに、「15万円から30万円に増額します」という電話がありました。

向こうが「借りて欲しい!」と必死な様子だったので、あまり深く考えずにOKしましたね。

結局、この増額された15万円もすぐに使ってしまいました。

上京するも夢破れ、度重なる借金

― その後、上京されたそうですが?

やはり音楽をやっていくのなら東京だろうと(笑)。それで19歳の時に、武富士から借りたお金を元手に上京したんです。

この時は親戚の家に厄介になったので、家賃も食費もいりませんでした。

しかも東京でもマクドナルドで働くようになったのですが、田舎とは時給が違うので、月収は20万円に増えました。

それで武富士から借りた30万円を、毎月5万円ずつ返済し、半年くらいで一度完済することができたんです。

すると、限度額が30万円から80万円に一気に増額されました。

― 一度完済したのに、また借金が増えたのはなぜですか?

20歳になってから親戚の家を出て、町田のアパートで一人暮らしをするようになったんです。その初期費用を再び武富士から借りました。

ところが、この頃はパチンコにどっぷりはまっていて、給料の半分はパチンコ代で消えるような生活で。

結局2ヶ月くらいで限度額の80万円を使い切ってしまいました。

― 他の消費者金融からも次々と借りたようですが?

浪費癖がついたうえに、彼女と暮らし始めたせいで、一気に出費が増えてしまったんです。

なぜなら、この彼女が精神的に弱く、外で働くことができなかったので、彼女の生活費もすべて出してあげていたんですよ。彼女も僕にお金があると思っていたんでしょうね。

レイク、アイフル、マルイカードから総額200万円くらい借りましたが、彼女に借金のことは秘密でした。

― 返済は順調でしたか?

給料の20万円は家賃や生活費に消えていき、手元に残るのはせいぜい2~3万円です。利息だけを返して、元金が一向に減らない状態が続きました。

そんななか、21歳の時に彼女と入籍してしまいました。

でもこんな状態では結婚生活どころではありません。

そこで彼女が妊娠したのをきっかけに音楽を諦め、借金を抱えたまま青森の実家に帰ることになりました。

離婚と免許停止...!次々と問題が起こる

― 地元に戻って生活は変わりましたか?

いいえ。僕の地元は、車がなければ仕事にも行けないんです。それなのに運転免許を持っていませんでした。

そこで親に教習所の費用を出してもらって、すぐに免許を取りました。

それからようやく、マクドナルドとコンビニで、かけもちで働くことができるようになったんです。

この時は昼も夜も働いて、月収は16万円くらい。しかし返済やガソリン代、子供にもお金がかかります。生活は苦しいままでした。

― 借金のことは奥さんに話していなかったのですか?

この頃、すでに300万円近くの借金を抱えていたと思います。でも相変わらず借金のことは嫁に内緒でした。

でも一人でお金のことを悩むうちにストレスが溜まってしまって、夫婦仲がギクシャクするようになりました。

そんな時に、消費者金融の領収書が嫁に見つかってしまい、大喧嘩に...。

しかも、もともと嫁は僕の両親と仲が悪くて。結局、向こうが子供の親権を持つかたちで、離婚することになりました。

― 離婚後、今度はせっかく取得した免許を取り消されてしまったのですね?

はい。通勤途中に40キロオーバーで捕まるという、とんでもないバカをやらかしてしまいました。

「一発免停」というのがかなり痛かったです。仕事に行く「足」がなくなってしまったので。

またマクドナルドでは免停を食らうと、本来は仕事を辞めなければいけないのです。

ただし、今回はオーナーの温情で、首にはならずに済みました。でも役職は下がってしまって、月収は12万円まで激減してしまいます。

それなのに、スピード違反の罰金は40万円も払わなければいけません。

また消費者金融からお金をかき集めることになってしまいました。

― 借金の総額はいくらになりましたか?

最終的に400万円以上に膨れ上がってしまいました。

これだけの借金を抱えると、利息を払うだけで毎月8万円かかりました。でも僕の給料では、それ以上支払うことができません。

仕方なく、その後の2年間は、まったく元金が減らないまま、この利息だけを払い続けたんです。

最後に助けてくれたのはお父さんとJAのおまとめローン

― 利息だけを払い続ける生活を変えようと思ったきっかけは?

波瀾万丈の半生を、明るくざっくばらんに語ってくれた小森さん

消費者金融から「返済してください」「いつ完済できるのか?」と電話がかかってくるようになったんです。

本来、利息だけでも払っていたら、催促は受けないはずなのですが...。

それでもう自分だけの力ではどうすることもできないと思い、親に泣きついてしまいました。

― ご両親はどうやって助けてくれたのですか?

父親は以前農協に勤めていて、JAバンクに顔が利いたんです。ですから父親の名義で400万円のおまとめローンを組みました。

ただし「返済はJAから直接業者に支払う」という条件付きです。

しかし毎月8万円も払い続けていたものが、6万円の支払いで済むことになりました。

金利も3%ですから、かなり優遇されていたと思います。

何より利息だけを払い続けるのではなく、元金が減っていくことがうれしかったです。これで抱えていた9社の返済を、すべて完済することができました。

― その後、JAバンクへの返済は順調でしたか?

実家住まいだったので食うには困らなかったし、それからは返済に専念しましたね。

ただしJAバンクへの返済のほかに、元嫁に2万円の養育費を支払っていたので、自由になるお金は1万5千円しかありませんでしたが。

― おまとめをされた後の生活は?

JAバンクでおまとめをしてから3年くらい経った頃、弘前市に異動になり一人暮らしをするようになりました。

そしてそのことをきっかけに、会社からお金を借りて、失効していた免許の再取得をしました。

勤めていたマクドナルドには、会社独自の貸付制度があるんです。

ここから僕は30万円を借りることができました。返済は月々の給料から少しずつ天引きされます。

また一人暮らしでお金がかかるので、JAバンクへの返済を、「毎月6万円」から「年間70万円」の年払いに変更してもらったんです。ボーナスが出たタイミングで返す方法です。

この頃は給料も少しずつ上がって15万円くらいになっていたし、ボーナスも30万円前後あったので、順調に返していました。

インタビューを終えて

膨れ上がった借金を「おまとめ」した経緯を気さくに語ってくださった小森さん。

しかし彼の場合は周りに恵まれ、運よくピンチを救われたに過ぎません。

今回の小森さんの場合、本人ではなくお父さまの名義でおまとめローンを組んでいます。しかもお父さまのコネがあったため、すんなり審査に通ってしまいました。

ただ、本来なら、小森さんの年収だと400万円のおまとめローンを組むのはかなり難しいと思った方がいいでしょう。

また、おまとめローンにはデメリットもあります。「おまとめ」で完済したローンにはまた限度額に空きができてしまうので、せっかく返したのに再び借りてしまう人がいるのです。

実は小森さんもそのひとりでした。
その後、完済した業者から再び借入れをしてしまった彼は、また多額の借金を抱えて、とうとう自己破産することになります。

(インタビューは後半へ続きます。後半は準備中です。)

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