借金が会社や親にバレるのではないかと本当に心配でした【体験談】

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10の業者から、総額500万円の借金を背負うことになった体験を語ってくれた坂本さん

公務員や大企業の社員は、ローンやクレジットカードの審査に有利だと言われています。

しかし、なかには簡単に審査に通るのをいいことに、次々と借入れ、どんどん借金を増やしてしまう方もいるようです。

今回、お話をうかがったのは、ある大手メーカーに勤めているという男性。

彼は10の業者から、総額500万円の借金を背負うことになってしまいました。

体験者の情報

名前:坂本 亮(仮名)
性別:男
当時の職業:会社員
当時の年齢:24歳
借入件数:ろうきん1件、銀行4件、消費者金融1件、クレジットカード4件
利用時期:2007年~2013年
会社名(借入先):九州ろうきん、住信SBIネット銀行、三井住友銀行、楽天銀行、西日本シティ銀行、モビット、ローソンパス、三菱UFJエネオスカード、トヨタファイナンスエネオスカード、九州石油ストークカード

次々と審査をパスして借入れ・・・気づけば500万円もの借金

お話をうかがったのは九州にお住まいの坂本亮(仮名)さん、24歳。

トイレを作っている某大手メーカーの工場にお勤めの男性です。

礼儀正しく優しい印象の彼ですが、趣味の野球や交際費などで浪費を重ね、500万円もの借金を背負ってしまいました。

大企業で働いているために、簡単に審査に通ってしまい、借金が増えてしまったとのこと。

彼がどのように借入れを増やしていったのか、最も多く利用した「ろうきん」のことを中心に話を聞きました。

はじまりはクレジットカードのショッピングから

― まずクレジットカードで100万円使ってしまったそうですが?

さわやかな野球青年、坂本さん

高校を卒業後、18歳で就職し県外で一人暮らしをしていたのですが、趣味で軟式野球のチームに入っていました。

それで、1本7,000円もする木製のバットを頻繁に買い変えていたんです。付き合いで飲みに行くことも多く、お金が必要でした。

当時はクレジットカードを複数枚利用していたのですが、リボ払いを繰り返しているうちに、気付けばショッピング枠だけで100万円以上使ってしまって。

― クレジットカードは何枚持っていたのですか?

ローソンパス、三菱UFJエネオスカード、トヨタファイナンスエネオスカード、九州石油ストークカードの計4枚です。

どのカードもショッピングや車の給油に使うため作ったものです。

ローソンパスは母がローソンで働いていたので作りました。このカードはJALと提携していてマイルが貯まるんです。

帰省で飛行機に乗る機会も多かったので、よく使っていました。

― 返済は順調でしたか?

何度か転職を繰り返して、2011年には地元に戻って、大手トイレメーカーの工場で働くようになりました。

この時は手取りが22万円くらいあったので、月々4万円前後のカードの支払いはどうにかできていたのです。

でも、携帯代やガソリン代もかかりましたし、生活費として実家に3万円くらい入れていました。さらに父親への借金を毎月3万円ずつ返していたので、かなりギリギリの生活でした。

ろうきんのフリーローンを超低金利で利用できる?!

― 九州ろうきんのフリーローンを利用したのは、どういうきっかけですか?

メーカーの工場で働き始めた際、会社の労働組合に加入したのですが、その福利厚生の一環で、「九州ろうきん」のフリーローンを低金利で利用することができるって知って...。とりあえず申込むことにしたんです。

限度額が120万円もあるうえに、金利は3%以下でした。

クレカの金利は13%~15%くらいですから、それに比べるとかなり低いですよね。それに、限度額いっぱい利用しても月々の返済は2万円でOKだったんです。

「これだったら余裕かな」と思って。毎月のカード返済の負担を減らすために、ろうきんで借り換えすることにしました。

― 何か手続き・審査はありましたか?

「あってないようなもの」でしたね。
ホームぺージから申し込んだのですが、フォームに必要事項を記入して、送信するだけです。

既に組合員でしたから、本人確認の必要もありませんし、すぐにOKの電話がありました。

それで九州ろうきんから120万円を借りて、その内の100万円でクレジットカードのショッピング枠(残高)をすべて完済させました。

残りの20万円は...やめておけばいいのに、当時はあまり深く考えずに、旅行や遊びに使ってしまって。

銀行カードローンの審査も通過し、増えていく借金

― 今度は銀行のカードローンにも申し込んだようですが?

同居しているご両親は、彼の借金のことを今でもまったくご存じないそうです

その後、三菱UFJエネオスカードと九州石油ストークカードは解約しました。

でも、ローソンパスとトヨタファイナンスのエネオスカードはまだ手元に残していたので、気付けばまたローソンパスで20万円、トヨタファイナンスで40万円、計60万円も使っていたのです。もちろんリボ払いです。

この60万円をまとめて返そうと新たに申し込んだのが、三井住友銀行のカードローンです。

― 三井住友銀行カードローンの申込手続き・審査・スピードは?

まず、朝の9時にホームページから申し込んで、夕方の4時半くらいには本人確認の電話がありました。

そのときに「会社に在籍確認の電話をして良いですか?」と聞かれたので、OKの返事をすると、30分後には会社に在籍確認の電話がありました。

夕方の5時には審査が下りていたので、審査や対応はとてもスピーディーだと感じました。

結局、限度額100万円、金利12%で審査が下りたんです。やはり自分の会社名が効いてたんでしょうか。

このうち60万円をクレジットカードの支払いに充て、残りの40万円はまたしても趣味や飲み会であっと言う間に使ってしまいました。

もう浪費癖がついてしまっていたのだと思います。一度の飲み会で3~4万円使うこともザラで、そんなことが毎週のように続いてましたから。

― さらに西日本シティ銀行、住信SBIネット銀行、SMBCモビットにも申込んでいますね?

三井住友銀行と同じ時期に、西日本シティ銀行、住信SBIネット銀行のカードローンにも申込みました。いずれもホームページからの申込みです。

それぞれ限度額50万円で審査に通ったので、こちらもすぐに使い切ってしまいました。金利はどちらも15%です。

もちろん、またすぐに返済に困るようになって、今度はモビットに申込みました。

それで、モビットから80万円を借りて、西日本シティ銀行と住信SBIネット銀行のカードローンを一度完済させました。

どのローンも、返済や遊びのために申し込んで、あっという間に使い切ってしまったかんじです。

九州ろうきんで2つ目、3つ目のローンを組む

― その後、再び九州ろうきんを利用したようですね?

「そうやけ...」ところどころ、九州の言葉が入っていた坂本さん

自業自得なのですが、また返済がキツくなってしまって...。

それで、再び九州ろうきんのフリーローンを利用しようと思ったんです。

― すでに九州ろうきんでローンを組んでいたのに、追加でローンを組むことができたのですか?

再び労働組合を通して申込むことはできなかったので、個人でフリーローンに申込みました。

最初と同じようにホームページから手続きしましたが、やはり本人確認はありませんでしたね。

その後2~3日で審査が下りて、直接店舗に行って手続きするように言われました。

もちろん、組合を通じて組んだ1本目のフリーローンの返済は終わっていません。それでも、また審査に通り、借りることができたんです。

今回は、組合の特典が適用されず、金利は7%でした。前回よりはだいぶ上がりました。

それでも65万円の融資を受けることができたので、それをまた他の返済に充てたんです。

― それとは別に、九州ろうきんで、さらに3本目のローンも申込んだそうですが?

これは最初に九州ろうきんのフリーローンを利用した時に、特典としてついてきたカードローンです。

金利は6%でした。手に入れた当初から寝かせたままだったのですが、このタイミングで使いました。こちらは25万円ほど利用しています。

つまり、九州ろうきんでは3つのローンを組んだことになりますね。

  限度額 金利
会社の組合で入ったフリーローン 限度額120万円 金利2.875%
個人で申込んだフリーローン 限度額65万円 金利7.0%
1つ目のローンについてきたカードローン 限度額30万円 金利6.0%

結局、九州ろうきんだけで、借金総額が200万円くらいになってしまったんです。

さらに増える借入れ・・・しかし滞納したことはない

― さらに追加で楽天銀行スーパーローンにも申込んだとか?

車の修理にお金が必要だったのですが、他の業者からこれ以上借り入れできなかったので。楽天銀行スーパーローンに申込みました。

ただ、申込んだ時点で、借金の総額は480万円になっていました。それでも、限度額40万円で審査に通ってしまったんです。

やはり大きな会社に勤めていることが審査に有利に働いたのでしょうか?

― これだけ多くの返済を抱えていると、滞納することもあったのでは?

この頃、月々の返済額の合計は11万円。さすがに苦しかったですよ。

家に入れるお金や父親への借金の返済、携帯代や自動車保険、ガソリン代の支払いもあったので、手元にはほとんど残りませんでした。

幸い実家住まいだったので、食べていくことはできましたが。

ただし毎月の返済は、遅れることなくマメに返していたので、一度も滞納はありません。

ただ「借りては返す」を繰り返していたから、元金は全然減らなかったですね。最終的に借金の総額は、500万円を超えてしまいました。

家族と会社にバレないように債務整理

― 債務整理をすることになったきっかけは?

2時間ほどのインタビューでしたが、最後までさわやかに対応してくれた坂本さん

さすがに将来が不安になってきて、親しい友人に借金のことを相談したら、債務整理をすすめられたんです。

実は友人も債務整理の経験者だったんですよ。

― 「自己破産」ではなく、「任意整理」を選んだようですが?

インターネットで見つけた弁護士事務所にお願いしたのですが、両親にだけは知られたくなかったので、自己破産を避けたんです。

「自己破産だと世帯収入などを申告する必要があるから、両親に内緒でするのは無理だ」と言われたので。

それで、金利を免除してもらって、元金だけを返済していくため「任意整理」をすることになりました。

任意整理の対象は、九州ろうきん以外の、クレジットカードや銀行カードローンからの借入れです。

結局、それらはすべて金利0になって、その後は元金のみの返済となりました。月々の支払いが6万5,000円にまで圧縮されたんです。

― なぜ九州ろうきんからのローンを任意整理の対象にしなかったのでしょうか?

任意整理は5年以内に返さなければならない決まりがあるので、九州ろうきんのローンを対象にしてしまうと、逆に月々の返済額が増えてしまうんです。

弁護士さんから「九州ろうきんは金利も低いし、そのまま返済したほうが良い」とアドバイスを受けたので、整理せずに返済を続けることになりました。

それにろうきんのローンは、会社の組合を通して借りたものもあるので、「任意整理をしたら会社に知られるかもしれないな」と思って。

だから個人で申し込んだフリーローンも含め、ろうきんからの借入れはすべて、任意整理から外しています。

※編集からの補足
実際はろうきんのローンを債務整理の対象にしてもそれが組合にバレたり会社にバレることはないようです。

ですから、九州ろうきんへの返済は、今後も毎月合計4万円を、7年かけて払っていくことになるんです。

― ということは、任意整理をした現在も合計で10万円以上の返済があるということですよね?

はい。もちろん大変ですが、現在はクレジットカードもローンも使えない状態なので、「もうこれ以上借りることはできない」という歯止めがあります。

任意整理をしなかったら、いつまでも借りたり返したりを繰り返していたと思います。これ以上ローンもクレジットカードも使えない状態を作ったことで、自分を崖っぷちの状態に追い込めたのです。

苦しいですが、できるだけ繰り上げ返済をして、早めに終わらせたいと考えています。

― 弁護士費用はいくらかかりましたか?

全部で30万円ほどかかりましたが、毎月6万円ずつ10回に分けて支払っているところです。

それをちょうど払い終える頃に、任意整理した分の返済が始まるので、予行演習のつもりで弁護士費用も支払っています。

ようやく終わりが見えた借金生活

― 借入れできなくなって、生活は大丈夫ですか?

節約していますよ!飲み会を3ヶ月に1回に減らしたり、仕事帰りの買い食いをやめたり...。それから木製のバットを丈夫な金属バットにして、買い換え費用を抑えてます。

あと、財布の中にお金をあまり入れないようにしていますね。

また、「家の近くに転職すれば、車も使わないしガソリン代も節約できるな」と考えたりもしています。

とにかく少しでも早めに返せるように、努力は惜しまないつもりです。

― ローンやクレジットカードを利用した感想は?

後悔しかありませんね。

ろうきんや銀行カードローンを利用したのは2年間くらいなのですが、こんなに短い期間でここまで借金が膨れ上がってしまうなんて思いもしませんでした。

今はようやく先が見えてきて、ホッとしています。

「苦しくても今我慢をすれば、先々楽になるだろう」と期待しながら生活しているところです。新しい借入ができないのも、自分への戒めですよね(笑)。

インタビューを終えて

月収は20万円程度なのに、最終的に500万円もの借金を抱えてしまった坂本さん。

彼は大企業の社員であることが審査に有利に働いて、借金が膨らんでしまった可能性があります(カードローンの審査では、職業や収入だけでなく、さまざまな点が査定項目なので、一概には言えませんが)。

しかも坂本さんが利用した銀行カードローンは、「総量規制」の対象外。

本来なら、年収の3分の1以上の借入れは制限されるはずですが、その歯止めもありませんでした。

彼のように「借りられるから」といって、次々とローンに申込んでしまうと、後からとんでもないことになってしまいます。

借入れの際は、自分の収支のバランスを見極めて、計画的に利用しましょう。

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