更新日:2018/07/20
これでまるわかり!中小消費者金融の知られざる実態
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「大手で融資を断られた!中小の消費者金融で借りたいけど どうなの?」
消費者金融といえば、テレビCMを流している大手の会社が思い浮かびますよね。
しかし、そういった大手のほかに、中小の消費者金融がたくさんあるってご存じでしたか?
中小の消費者金融といっても、金融庁に登録しているれっきとした金融機関ですが、どのようなサービスを提供しているのかは意外と知られていません。
「中小の消費者金融ってなんだかコワそう...」
どうしても、こんなイメージがありますよね。
では、実際のところどうなのでしょうか?
今回は、消費者金融のなかでも中堅どころのE社に勤務していた男性にお話を聞くことができました。
E社がどんな消費者金融で、大手とは何が違っていて、どんな審査が行われているのか?
このあたりをじっくりうかがっています。
今回インタビューにご協力いただいたのは...
名前:新見 聡(仮名)
性別:男性
勤めていた金融機関:中堅消費者金融E社
勤めていた期間:2008年~2013年頃
仕事内容:窓口業務、債権回収業務
- 目次
- 中小の消費者金融の実態に迫る!
- 実は優しい?パンチパーマのお兄さん
- 審査時間は20分!来店から融資までの流れ
- 職業と収入 融資可否の分かれ目は?
- 他社借入れありの人はココを見られている!
- 職場への在籍確認は絶対
- こんな人は審査に通らない!
- 融資額を上げるには?
- インタビューを終えて
中小の消費者金融の実態に迫る!
今回 お話をうかがったのは、中堅の消費者金融E社の店舗で、審査や取立て業務を行っていた新見聡(仮名)さん。
5年間、E社の店舗でお客さんの対応にあたっていました。
中小の消費者金融というと、マンガの「ナニワ金融道」や「ミナミの帝王」を思い浮かべる人も多いでしょう。
雑居ビルに事務所があって、コワいお兄さんがたくさんいるという、あやしい雰囲気を想像するかもしれません。
では、実際の中小の消費者金融はどのような雰囲気なのでしょう?
また、「中小は大手よりも審査ハードルが低い」という都市伝説がありますが、これは本当なのでしょうか?
そして、中小の消費者金融を利用するメリットはどんなところにあるのでしょうか。
新見さんに詳しいお話をうかがいました。
実は優しい?パンチパーマのお兄さん
―E社はどんな消費者金融ですか?
中堅の消費者金融です。
アコムやプロミスなどのCMを流している大手と比べると、非常に小規模ですね。
店舗は全国に20数店舗しかありません。
僕は都内の店舗に勤務していましたが、スタッフは店長も含めてだいたい4~5人です。
―E社の店舗はどんな雰囲気でしょうか?
E社の店構えは、大手の消費者金融と変わらないと思います。
でもスタッフの見た目はみんな悪そうな感じです (笑)
スモークのかかったメガネや、パンチパーマの人もいましたね。
こういう外見をしていれば、お客さんも「ちゃんと返さなきゃ」という気持ちになってくれますから。
でもお客さんへの対応は普通で、みんな親切で優しいです。
現在は貸金業法という法律があり、怒鳴ったり、脅したりするのは固く禁止されていますから、そういうことは絶対にありません。
そのかわり、服装や髪型の規定はないので、まずは見た目で威圧しているんですよね(苦笑)
―新見さんはE社でどんなお仕事をされていたのですか?
僕は2008~2013年まで勤務していましたが、審査から取立てまで業務全般を行っていました。
また、返済が難しくなってしまったお客様の相談に乗ったりもしていましたね。
―新見さんの店舗には、1日に何名のお客さんが来店していましたか?
日によって違いますが、1日に数名~十数名くらい。
お客さんが多くなるのは、お金が必要な月末・年末・給料日前・週の初めと週末。
一方、手が空いているのは火・水曜日でした。
―E社に来店するお客さんは、どんな人ですか?
他社で融資を断られたお客さんが半分を超えますね。
平均すると、すでに3~5社以上から借りている人(業界では、汚れている人と呼んでいました)が多いですね。
大手消費者金融で利用限度額いっぱいまで借りてしまった人が、E社へ借りに来られます。
若い人より、30~60代が多かったでしょうか。
職業は、中小企業にお勤めか、アルバイトが多いですね。
大企業の社員や公務員は、E社にはほとんど来ません。
―お客さんはどこでE社を知るのでしょうか?
広告や2ちゃんねる(インターネット上の掲示板)でしょう。
「ここなら借りられる」というような情報を見て来るのだと思います。
審査時間は20分!来店から融資までの流れ
―お客さんはどこから申込むのですか?
申込方法はインターネット、電話、店頭窓口です。自動契約機はありません。
僕が勤めていたころは窓口で申込む人がたくさんいましたね。
あくまで個人的な感覚ですが、窓口まで来てもらえれば微妙に審査が有利になります。
そのままだと融資が難しい人にも積極的に話を聞いて、「どうにか融資できないか」を探ることができますから、心理的に貸しやすいです。
―来店してから、審査結果が出るまでどのくらいかかりますか?
だいたい 20分ぐらいでしょうか。
ただし、先ほど話したように、審査が難航した場合は「どうにか融資できないか」を探るため質問をたくさんするので、時間が長引いてしまいます。
―申込みのときに必要なものは何ですか?
申込みのときは、これらが必要です。
- 1顔写真付きの本人確認書類(運転免許証、パスポート等)
- 2上記以外の本人確認書類(健康保険証等)
- 3収入証明書(直近2ヶ月分の給与明細、源泉徴収票等)
- 4シャチハタ以外の印鑑
最近は、収入証明書なしで申込める消費者金融が多いですが、E社では必ず提出してもらっています。
また、本人確認書類も顔写真付きのものが必須でした。
―来店して申込みをした場合の流れを教えてください。
お客さんが来店してからの流れは以下の通りです。
- 1氏名・住所・勤務先などの個人情報を確認する
- 2信用情報を照会する
- 3勤務先への在籍確認を行う
- 4店長が決済(融資の可否・融資額の決定)
それぞれの項目を見ていきましょう。
職業と収入 融資可否の分かれ目は?
―E社では、申込みのときにどんな情報を申告するのでしょうか?
主に、下記のような情報です。
- 名前
- 生年月日
- 性別
- 電話番号、メールアドレス
- 現住所
- 家族状況(既婚/未婚)
- 配偶者の名前、生年月日
- 勤務先の住所、電話番号
- 月収
- 住居状況(持家/アパート/公営/社宅/借家)
- 希望連絡日時と希望連絡先
- 借入希望額
―大手の消費者金融やカード会社では、こうした個人情報をもとにコンピュータで自動審査を行うようですが、E社はどうですか?
E社にはそのようなシステムはありません。
審査をするのは人間です。
審査はコンピュータに頼るより、来店したお客さんを見て、直接 話を聞いたほうが確実だと思います。
ですから、他社の審査ではダメだった人にE社が融資することもあるんですよ。
僕らは「返済してくれるお客さんかどうか」を見極めて審査を行います。
シンプルにいえば、返せる人に貸すのです。
―申告する情報のうち、審査で重要になるのはどの情報でしょうか?
重要なのは勤務先と月収です。
勤務先は、会社の規模や仕事内容よりも勤続年数が重要です。
また、月収より、収入と支出のバランスが重要です。
正社員・契約社員の審査
―では、審査でどのような点がチェックされるのか、雇用形態ごとにうかがっていきます。まずは「正社員」「契約社員」についてです。
はい。
勤務先
―正社員や契約社員の場合、職業や勤務先はどのように審査するのでしょうか?
E社には顧客情報を蓄積したデータがあります。
一度でもE社で借りたことがあれば、そこに氏名・年齢・住所・勤務先や借入・返済の履歴が残されているんです。
たとえば、来店されたお客さんがA社に勤めていたとしましょう。
そうしたら、E社の顧客データからA社に勤めていた過去のお客さんを探し、彼らの返済実績をチェックします。
それにより、「A社に勤めているお客さんは遅れず返済している」とか「A社に勤めているお客さんは延滞が多い」などのことがわかります。
A社に勤めているお客さんの返済実績が悪ければ、それだけ審査に悪影響を与えてしまいます。
―顧客データにない会社はどうするのでしょうか?
もちろんそういったこともあります。
日本にあるすべての会社が網羅されているわけではありませんから。
ですから、お客様には必ず収入証明書の提出をお願いしています。
ただし、誰もが知っているような大企業に勤めている人や公務員の場合、収入証明書なしでもOKなんですけどね。
―では、一部上場企業や公務員は審査に有利でしょうか?
会社の規模や売上げはあまり関係ありません。
大企業の社員や公務員でも、多額の借金を抱えてたり、違法金融業者に手を出している人って案外いますからね。
月収
―収入証明書の提出が必須ということですが、「月収は最低○万円」という基準はありますか?
そういう基準はありません。
収支から総合的に判断します。
ただ、最低でも手取り20~25万円あれば貸しやすいです。
この手取りなら、家賃や生活費を差し引いても、返済にまわせるお金が残ると思うので。
―では手取り15万円程度だと融資は難しいでしょうか?
いいえ、次のようなケースなら貸すことがあります。
- 他社でまったく借りていない
- 過去にE社で完済経験がある
手取り15万円で、家賃や生活費を差し引いた残金が8万円だったとします。
それなら、毎月5,000円以上返せるということなら貸しますね。
融資額は10万円未満ですが。
勤続年数
―勤続年数も重要なのですね?
来店したお客さんには必ず確認します。
本人確認書類として社会保険証を提出されたら、そこに記載された雇用期間もチェックしますね。
勤続年数について決まった基準はありませんが、僕の感覚では最低3年は欲しいです。
もし勤続年数3年未満なら、前職の勤務先や勤続年数についてたずねます。
前職も1~2年で辞めていたら、「今の仕事もすぐに辞める可能性がある」と判断しますね。つまり、審査には不利になります。
一方、5~10年以上働いているなら、「会社が潰れない限り働くだろう」と判断するので、審査にかなり有利に働きます。
―勤続年数3年未満は審査に通らないのでしょうか?
勤続年数が3年未満でも、貸せる人には貸しています。
それも信用情報次第です。
たとえば 勤続年数1年でも、他社で5年間の返済実績があったり、他社の借入れを完済していたりすれば問題ありません(信用情報について詳しいことは後ほど説明します)。
住宅ローン・家賃
―住宅ローンや家賃の金額も確認しますか?
基本的に金額までは聞きません。
ただ、審査が難航した場合は、判断材料を増やすために確認することもありました。
初回の融資額
―正社員、契約社員の初回の融資額はどれくらいでしょうか?
E社の融資限度額は50万円ですが、どんなに大企業に勤めていても、初回から50万円を融資することはほとんどありません。
正社員の初回融資額は 20~30万円 。
契約社員は 10万円程度です。
いずれも他社借入れがないことを前提とした金額です。
自営業の審査
―自営業の審査はどのように行っていますか?
自営業にも収入証明書を提出してもらいますが、場合によっては追加で下記のものを提出してもらっていました。
- 青色申告
- 銀行の通帳(入金確認のため)
また、在籍確認ができない場合は取引先を聞くことがあります。
―自営業も融資額の上限は50万円ですか?
はい。
自営業もマックスは50万円です。
でも初回から50万円出すことはありません。
まずは 5万円からの少額を融資して、返済実績ができてから増額していきます。
そして増額のときは、会社の経営状況がわかる詳しい資料を持ってきてもらい、それをもとに再審査します。
―自営業のお客さんは多いですか?
それほど多くはありません。
消費者金融は金利が高いですから。
自営業のお客さんはもっと頭を使って、低金利で借りられるところを調べていますね。
アルバイト・パートの審査
―アルバイトやパートでも融資を受けられますか?
他社借入件数や収入にもよりますが、かなり厳しいです。
特に派遣会社に登録しているアルバイトは、収入が安定していないので難しいです。
アルバイトは、下記の条件をすべてクリアするくらいでないとダメでしょう。
- 以前、大企業に20年ほど勤めていた
- 信用情報に問題なし
- 他社での返済実績がある
- 違法金融業者を利用していない
- お金を必要とする理由が納得できるものである
―勤続年数は最低何年くらい必要でしょうか?
僕の判断基準では、アルバイト・パートも最低3年以上ほしいです。
勤続年数1~2年だと貸せません。
―融資可能な場合は、いくらから貸しますか?
アルバイトやパートの場合、融資額は10万円以下、だいたい5万円くらいからでしょうか。
もちろん収入証明書の提出が必須です。
返済実績ができれば、10万円まで増額できるでしょう。
仕事をしていない人・高齢者・専業主婦・学生の審査
―仕事をしていない人には貸せませんよね?
貸せません。
―高齢者はどうでしょうか?
返せると判断すれば貸せます。
正社員で働いているなら、 65歳くらいまでは大丈夫です。
―専業主婦には貸しますか?
昔は貸していましたが、今は貸していません。
―学生はどうでしょうか?
申込みは可能ですが、学生にむやみにお金を貸すと、「借金まみれで人生狂ってしまった」ということになりかねないので、あまり貸したくないですね。
アルバイトで収入がある学生もそうです。
ですから、状況を聞いたうえで、その人に合ったお金の借り方をアドバイスしていました。
大手消費者金融から借りたほうがいいとか、親から借りたほうがいいとか。
そうすれば、数年後にその子が就職した後、本当にお金に困ったときに、「そういえばあのときに話を聞いてくれたE社さんに相談してみよう」と、借りにきてくれるかもしれません。
そのほうがお互いメリットがありますから。
他社借入れありの人はココを見られている!
―信用情報は審査でもっとも重要な項目のようですが、どのようなものでしょうか?
信用情報は、いわばお金に関する履歴書です。
専用データベースでお客さんの名前と生年月日を入力、検索すれば、その人のローン・クレジットカードの利用履歴・利用状況を確認することができます。
申込みがあったら、必ず信用情報をみて、審査の判断材料としていました。
信用情報では、主に下記のようなことを確認します。
- 現在、他社からいくらの借入れをしているか
- 現在、他社への返済を延滞していないか
- 過去に金融事故(破産、債務整理など)や長期延滞を起こしていないか
※編集より
信用情報について詳しくはこちらで解説しています。
他社でいくら借りていると審査に響く?
―他社で、「何件以上」「いくら以上」借入れていたらNGという基準はありますか?
まず金額については、総量規制の範囲内であることが大前提です。
※編集より
総量規制により、貸金業者からの借入れは年収の3分の1までに制限されています。なお、ここでいう「貸金業者」とは主に消費者金融やクレジットカード会社のことです。したがって、銀行は含まれません。また、クレジットカードのショッピングは総量規制の対象とならないので注意してください(クレジットカードのキャッシングは総量規制の対象となります)。
したがって、すでに他の貸金業者から年収の3分の1以上の金額を借入れている人には貸せません。
一方、借入件数には規定がありません。
返せる見込みがあれば何社から借りていてもOK です。
たとえば、消費者金融3社から5万円ずつ借りていても、返せそうなら貸します。
一方、1件の消費者金融から200万円借りていても、返せる見込みがなさそうなら貸しません。
―申込時に「他社借入件数」「他社借入金額」を記入することになっていましたよね。お客さんが申告した情報と、信用情報の情報が異なっていた場合(つまり、お客さんがウソをついていた場合)はどうなりますか?
他社借入件数や金額でウソをつく人は門前払いですね。
本当のことを言ってもらえないと貸せません。
「言えなかった」という人もいますが、ウソとわかった時点でアウトです。
また、信用情報に載っている件数より申告された件数のほうが多い場合は、違法金融業者を利用している可能性があります(違法金融業者は正規の業者ではないので、信用情報に載りません)。
違法金融業者利用の疑いがある場合は、直接聞いて確認します。
―お客さんが違法金融業者を利用しているとわかったらどうなりますか?
違法金融業者を利用している人には貸せません。
そういった場合は、「まず弁護士に相談して、違法金融業者からの借入れを全て整理したうえで借りにきてください」とアドバイスしていました。
金融事故歴がある場合は?
―破産や債務整理などの事故歴がある場合はどうでしょうか?
基本的に、事故歴がある人には貸しません。
ただ、破産や債務整理から7年以上経っていれば、10万円など少額だけ貸すこともありました。
それには、「勤続年数が長い」「他社借入れがない」「違法金融業者を利用していない」などの条件を満たす必要がありますが。
―大手の消費者金融だと、事故歴がある場合は一切貸さないところが多いですよね
大手は貸さないでしょうね。
お客さんの数が多いので、事故歴があるとわかったら一発で否決にするでしょう。
E社のような中小なら、ひとりひとりに「どうして破産したのか?」などの理由を聞いてあげることができます。
そのうえで大丈夫そうなら貸すこともあるんです。
たとえば、「違法金融業者から借りた額が大きすぎた」など、やむを得ない理由で破産することがあります。
また、今回は同じことにならないように、細かく返済計画を立ててあげることもできます。
それでも、また潰れてしまう人はいますけどね。
―他社で延滞している場合はどうでしょうか?
他社で3ヶ月以上延滞すれば、信用情報に「長期延滞」という記録が残ります。
ただ、長期延滞から7年以上経過していれば、それを理由に断ることはありません。
一方、現在進行形で他社の返済を延滞している場合はお断りしますね。
職場への在籍確認は絶対
―在籍確認とはどのようなものでしょうか?
お客さんの勤務先に電話をかけて、本当に在籍しているか確認するものです。
在籍確認できなかったら絶対に貸しません。
在籍確認時は、E社の社名は名乗らず、個人名で電話をかけます。
「○○さんいらっしゃいますか?」とたずねて、「○○は席を外しております」という返事があれば基本的にOKです。
ただ、偽装会社を利用している疑いがあるときは別です。
この場合は、本人が職場で電話に出るまでOKとなりません。
※編集より
偽装会社は、人に言いづらい仕事(例:水商売)に就いている人や仕事をしていない人を、健全な会社に勤務しているように見せかけることを商売にしている会社です。
―偽装会社を使っていそうな場合、どのように見分けるのですか?
お客さんと話して、これまでの経験と勘で判断するしかありませんね。
あやしいと思ったら、勤務先の住所を電話帳で調べたり、登記簿を検索したりして、本当に実在している会社なのか調べます。
ただ、なかには登記簿に登録している偽装会社もあるので、100%見破るのは難しいんです。
※編集より
登記簿とは、国の機関である登記所が日本の会社の帳簿をまとめたもの。登記簿には、会社名・住所・資本金・役員・代表取締役などが掲載されていて、コンピュータでも閲覧可能。
お金を貸した後で「偽装会社だった」とわかることもありますが、それでもちゃんと返済してくれるなら問題ありません。
そういう時はスルーしてしまいますね。
―自営業の在籍確認はどうやって行いますか?
本人に電話に出てもらうことが必須です。
また、「連絡先が携帯電話のみ」など 経営実態が確認できない場合は、取引先の連絡先を聞いてそちらに確認することもあります。
こんな人は審査に通らない!
―融資の可否を最終的に決めるのは誰ですか?
最終的な判断をするのは店長です。
まず、担当した社員がお客さんの希望金額を聞いたうえで、融資額を店長に提案します。
すると店長が改めてデータを確認し、融資の可否と融資額を決定するのです。
融資を断られる人とは?
―融資を断られるのはどんな人ですか?
僕らが食いつくのは、返済実績と収入がある人ですから、次のような人は申込みの段階でNGとなります。審査もしません。
- 仕事をしていない
- 勤めはじめてまだ日が浅い(例:勤めはじめて3日目)
さらに、次のような人も融資は難しいです。
- 専業主婦・学生
- 7年以内に破産、債務整理、長期延滞をしている
- 他社の借入れを延滞している
- 他の貸金業者から年収の3分の1以上の金額を借入れている
- 違法金融業者を利用している
初回の融資額は?
―E社が融資するのは最高いくらですか?
最高50万円です。
基本的に、それ以上は貸しません。
ちなみに最低融資額は1万円ですが、1万円の融資はほとんどありません。
最低でも5万円からですね。
―では初回の融資額はいくらでしょうか?
他社借入れがない場合に限りますが、だいたいこれくらいの金額です。
雇用形態 | 初回融資額 |
---|---|
正社員 | 20~30万円 |
契約社員 | 10万円 |
年金生活者 | 10万円(収支による) |
自営業 | 5~30万円(収支による) |
アルバイト・パート | 5万円 |
融資は一括、手渡しか振込み
―融資はどのように行われるのでしょうか?
現金手渡し、ないしは銀行振込みです。
融資額全額を渡します。
大手の消費者金融なら、各々に設定された利用限度額の範囲内で自分の好きな金額を借入れることができますが、E社にはそのようなサービスはありません。
―E社では、一度完済しないと次の融資を受けられないということでしょうか?
はい。
大手の消費者金融であれば、設定された利用限度額の範囲内で借入れを繰り返すことができます。
たとえば、利用限度額10万円の利用者が10万円を借入れたとしましょう。
その後、返済が進んで借入残高が8万円になったら、もう2万円追加で借入れることができます。
しかしE社では、このように追加で借入れることができません。
基本的には、一度完済しないと次の融資を受けられないのです。
ただし、返済実績によっては追加借入れをOKにする場合もあります。
たとえば、10万円借りているお客さんの借入残高が5万円になったときに、そのお客さんが「追加で5万円貸してほしい」と言ってきたとします。
普通は断りますが、返済実績のいい人なら「残高が2万円になったら8万円貸します」といったような形でOKにすることもあるのです。
融資額を上げるには?
―E社の融資限度額は50万円ですが、初回から50万円出すことはないのですね?
はい。
返済実績を作ってもらわなければ、お客さんを信用することができません。
そのためには他社の返済実績ではなく、E社での返済実績が必要です。
―では融資額を上げるにはどうしたらいいでしょうか?
一番は、 E社で完済の実績を作ることです。
また、毎月きちんと返済して、元金を減らしていくことが大切ですね。
毎月の返済には、必ず元金と利息が含まれているので、それを毎月しっかり支払っていきましょう。
返済を1~5年続けると実績になります。
実績ができたら、改めて審査を行い、信用できると判断できれば融資額が上がります。
―お金を借りる人にアドバイスすることはありますか?
一度、お金を借りて味をしめると、借り癖がついてしまいます。
借り癖がつくと、最悪、こんな悪循環にハマってしまうおそれがあります。
必要ないのにお金を借りてしまう
↓
まともな消費者金融から借りられなくなる
↓
違法金融業者に手を出してしまう
違法金融業者から借りてしまったらもう手遅れです。
痛い目に遭うだけでは済みませんよ。
返済で大変な思いをしたら、「もう借りない」と思う勇気を持ってほしいですね。
インタビューを終えて
コワモテ風な社員が多いE社のなかで、「自分はごく普通の外見だった」という新見さん。
「イカつい格好って、ダサくないですか?僕はそういう外見は必要ないと思っていたので」
そんな新見さんは申込みに来店されたお客さんに対して、親身に相談に乗ることを心掛けていたそうです。
「E社のお客さんは、大手消費者金融で断られた人、必要書類を用意できないような人、つまり普通なら融資できないようなお客さんが多いんです。そこを何とか融資するには、お客さんの現状を細かく聞いてあげるしかありません」
だからといって、大手の消費者金融よりも中小の方が審査のハードルが低いというわけではありませんでした。
ここまでみてきたように、E社はかなり慎重な審査を行っています。
- 収入証明書の提出必須
- 初回の融資額は少額
- 増額は返済実績を作ってから
しかし、直接 窓口に行って、自分の状況を正直に説明すれば、担当者が融資のために試行錯誤してくれるかもしれません。
最後になりましたが、新見さんが言うように、借り癖だけはつけないようにしましょう。
特に、すでに2社以上借りている人は要注意。
無駄な借入れをしていないか、今一度冷静に考えてみてください。
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