質屋とキャッシングはどっちがお得?金利で比較すると圧倒的でした

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質屋では、品物を担保として預けることで、それに見合ったお金を借りることができます。

そのはじまりは鎌倉時代ともいわれ、長い間、庶民の融資の主力でした。

最近はひっそりとたたずむお店が減り、駅前にドーンっとお店を構えるところが増えましたね。

今回は、その質屋とキャッシング(カードローン)を比較して、どちらがおトクなのかを徹底解説していきたいと思います!

質屋もキャッシングもお金を借りることができる点は同じですが、

金利、融資額、借入期間、融資スピードなど、おどろくほど違いがあるんです。

とくに金利。

質屋とキャッシングの金利の違いはケタ違いです。

知らないと、あとで必ず後悔することになりますので、この機会にぜひ知っておいてくださいね。

それではまいります!!

この記事の編集者情報

  • 松田 一郎私が編集者です!

    博多生まれ横浜育ち。アラフィフの3児の父。出版社に12年勤務後、フリーランスに。結婚後、住宅ローンに教育費、生命保険に国民年金などなど、否応なしにかさんでいく家計を少しでも節約すべく、お金の勉強をはじめました。自分の体験や節約術が、同じような悩みを抱えている方々のお役に立てばという思いを込めて、ファイグーの記事制作にいそしんでいます。フィナンシャルプランナー2級技能士。日本サッカー協会公認D級指導員。

質屋では担保が必要!キャッシングは担保不要

質屋とキャッシングの最大のちがいは、「担保が必要かどうか」です。

質屋では担保が必要

質屋(質店)とは、「品物と引換えにお金を貸す」サービスを行っているお店のことをいいます。

つまり、質屋に担保として預ける品物があれば、お金を借りられるということです。

具体的に、どのような品物が質入れ(※1)の対象になるのかチェックしていきましょう!

業者名 質入れ対象商品
大黒屋 腕時計、アクセサリー(指輪、ネックレスなど)、宝石、金・プラチナ、記念金貨・外国金貨、ブランド品(バッグ、財布など)、ボールペン・万年筆、カメラ・レンズ、パソコン・タブレットなど
高山質店 腕時計、アクセサリー(指輪、ネックレスなど)、宝石、金・プラチナ、記念金貨・外国金貨、ブランド品(バッグ、財布など)、カメラ・レンズ、パソコン・タブレット、楽器(ギター、サックスなど)、カーナビなど
質屋かんてい局 腕時計、アクセサリー(指輪、ネックレスなど)、宝石、金・プラチナ、記念金貨・外国金貨、ブランド品(バッグ、財布など)、カメラ・レンズ、パソコン・タブレットなど
LIPS 腕時計、アクセサリー(指輪、ネックレスなど)、宝石、金・プラチナ、記念金貨・外国金貨、ブランド品(バッグ、財布など)、金券・切手、電化製品、カメラ・レンズ、パソコン・タブレットなど

融資額は、質入れする品物の価値に応じて決まるので、利用者本人に関する審査はありません。

20歳以上であれば誰でも利用可能なのです。

※1
質屋に、担保となる品物を預けることを質入れといいます。

キャッシングは担保不要

キャッシングを利用する場合は担保不要です。

そのかわり、キャッシングでは、利用者本人の収入、勤務先、他社借入れなどの情報をもとに審査が行われます。

審査によって、「融資の可否」「いくらまで貸せるか」を決定するのです。

また、キャッシングの場合は業者ごとに申込資格が定められています。

条件は各社さまざまですが、最低でも「20歳以上」「安定・継続した収入がある」の条件を満たしていないと申込みできません。

金利で比べると圧倒的にキャッシングがおトク!

ここからは、金利・利息の観点から、「質屋とキャッシングのどちらがおトクなのか」を解説していきますね。

質屋の「月利」表記に要注意

突然ですが、次の2つのうち金利が高いのはどちらだと思いますか?

  • 大黒屋(質東京駅前店)...0.95~8%
  • アコム...3.0~18.0%

これをみて、「アコムのほうが高金利」と思った人は要注意です。

なぜなら、質屋は「月利」、金融業者は「年利」で金利を表記しているんですね。

大黒屋の月利0.95~8%を年利に換算すると、なんと11.4~96%という高金利になります。

ここで、質屋とキャッシングの金利(年利)を比較してみましょう。

業者名 金利(年利)
質屋 大黒屋(質東京駅前店の場合) 11.4~96%
高山質店 24~96%
(一部店舗により異なる)
質屋かんてい局 12~96%
LIPS 24~72%
キャッシング アコム 3.0~18.0%
プロミス 4.5~17.8%
アイフル 3.0~18.0%
SMBCモビット 3.0~18.0%

一般的に高金利といわれている消費者金融のキャッシングでも、上限金利の相場は年利18%程度。

それに対し、質屋の上限金利は年利72~96%と圧倒的に高いことがわかります。

圧倒的に高い?質屋の利息

それでは実際にいくらの利息(利子・手数料)がかかるのか、質屋とキャッシングを比べてみましょう。

今回は、大黒屋(質東京駅前店)とアコムを例にシミュレーションしてみました。

借入額5万円・借入期間1ヶ月の場合

まずは5万円を借入れ、1ヶ月(30日)後に完済した場合の利息額です。

業者名 金利 借入額 利息額
大黒屋
(質東京駅前店)
月利6% 5万円 3,000円
アコム 年利18% 739円

大黒屋(質東京駅前店)で5万円を借りると、金利は月利6%。

年利換算すれば72%ですから、もちろんアコムのほうが利息は安いです。

借入額10万円・借入期間1ヶ月の場合

次は10万円を借入れ、1ヶ月(30日)後に完済した場合の利息額です。

業者名 金利 借入額 利息額
大黒屋
(質東京駅前店)
月利5% 10万円 5,000円
アコム 年利18% 1,479円

借入額が10万円になると、大黒屋(質東京駅前店)の金利は月利5%に下がります。

それでも年利60%ですから、今回もアコムに軍配があがりますね。

注意!質屋は1ヶ月単位で利息が加算される

利息が発生するタイミングにも注意が必要です。

キャッシングの利息は日割りで発生するので、借入日の翌日に完済すれば、支払う利息は1日分で済みます。

一方、質屋の場合は1ヶ月ごとに利息が発生するため、たとえ借入日の翌日に完済したとしても1ヶ月分の利息を支払わなければなりません。

こちらもシミュレーションしてみましょう。

借入額20万円を借入日の翌日に完済する場合、大黒屋(質東京駅前店)とアコムの利息は次のようになります。

業者名 金利 借入額 利息額
大黒屋
(質東京駅前店)
月利5% 20万円 1万円
アコム 年利18% 98円

利息だけで比較すると、圧倒的にキャッシングのほうがおトクですね。

質屋を利用しても、信用情報機関に記録が残らない?

次に、信用情報機関 (※2)への記録の有無について解説していきます。

※2
信用情報とは、簡単にいうとローン・キャッシング・クレジットカード等の利用履歴です。借入れや返済の履歴はすべて信用情報として記録され、日本に3つある信用情報機関で管理されています。

質屋を利用しても信用情報機関には記録が残らない

質屋を利用しても、信用情報機関には一切記録が残りません。

信用情報機関に記録が残れば、その後のローンやクレジットカードの審査に悪影響を与えることもあるのですが、質屋を利用する場合はその心配がないのです(※3)

※3
ローン・キャッシング・クレジットカード等の審査を行う際、金融業者は信用情報機関で利用者の信用情報を検索して確認します。そして、「これまでの借入れや返済に問題がないか」「借りすぎていないか」等を確認するのです。

キャッシングを利用すると信用情報機関に記録が残る

キャッシングを利用すると、信用情報機関に、契約内容、借入履歴、返済履歴などの記録が残ります。

たとえば、返済を延滞した場合はそのことも信用情報機関に記録されるのです。

場合によっては、その後のローンやクレジットカードの審査に悪影響を与えることもあります。

質屋とキャッシング、大きな金額を借りられるのはどっち?

次は、融資額で質屋とキャッシングを比較していきます。

質屋の融資額は品物次第

質屋の場合、いくら借りられるかは、「担保にする品物の価値」で決まります。

つまり、品物の価値が高いほど、質屋から借りられる金額は大きいということですね。

ちなみに、高額査定になりやすいのは、主に次のような品物です。

  • 世間の需要が高いもの
  • 人気ブランドのもの
  • 保存状態のよいもの

キャッシングの融資額は利用者次第

一方、キャッシングの場合は、各金融業者が下記のように融資限度額を定めています。

業者名 限度額
アコム 1~800万円
プロミス 1~500万円
アイフル 1~800万円
SMBCモビット 1~800万円

ただし、だれでも限度額の上限まで借りられるわけではないですよ。

各利用者に設定される利用限度額は、審査で決まります。

当然、利用者の借入希望額に満たないこともあるのです。

ちなみに、利用限度額が高くなりやすいのは、次のような方ですね。

  • 公務員、大手企業の正社員
  • 年収が高い
  • 勤続年数が長い
  • 他に借金をしていない

質屋の場合は「品物」、キャッシングの場合は「利用者」によって借りられる金額が決まるということですね。

質屋とキャッシングはどっちが長く借りられる?

次は、借入期間で質屋とキャッシングを比べていきます。

質屋の借入期間は原則3ヶ月

質屋の場合、3ヶ月が借入期間の目安です。

3ヶ月以内に「借りた金額+利息分」を支払うことで、品物を返却してもらえます。

利息を支払えば延長可能

利息を支払えば、借入期間の延長も可能です。

  • 利息1ヶ月分を追加で支払う借入期間1ヶ月延長
  • 利息2ヶ月分を追加で支払う借入期間2ヶ月延長

このように、支払う利息額に応じて無制限に借入期間を延長することができます。

ただ、先ほど説明したように、質屋の金利は非常に高いですから、延長すればするほど高額な利息を支払うことになってしまいますね。

キャッシングの借入期間は利用状況により異なる

一方、キャッシングの場合は、質屋のように借入期間が決まっていません。

借入期間がいつまでになるかは、借入残高と毎月の返済額によって決まります。

たとえば、アコムで10万円を借りた場合、毎月の返済額ごとの借入期間は以下の通りです。

  • 毎月3,000円ずつ返済する場合...借入期間は47ヶ月
  • 毎月4,000円ずつ返済する場合...借入期間は32ヶ月
  • 毎月5,000円ずつ返済する場合...借入期間は24ヶ月

借入期間が数年にまたがることも珍しくありません。

ちなみに、借入期間・毎月の返済額・利息総額の関係は次のようになっています。

  • 借入期間が長い毎月の返済額は安くなるが、支払う利息の総額は高くなる
  • 借入期間が短い毎月の返済額は高くなるが、支払う利息の総額は安くなる

ゆったり余裕をもって返済したい場合は、キャッシングのほうがよいかもしれませんね。

質屋とキャッシング、どっちが早く借りられる?

次は、申込みから融資までにかかる時間を比べてみましょう。

業者名 申込みから融資までの時間
質屋 大黒屋 最短10~15分
高山質店 不明
質屋かんてい局 20分程度
LIPS 不明
キャッシング アコム 最短20分
プロミス 最短3分(※)
アイフル 最短18分
SMBCモビット 最短15分

※ 申込みの時間帯や審査の進行等により希望通りにならないことがあります。

質屋なら最短数十分

質屋でお金を借りるまでは、

店舗に品物を持っていき査定してもらう融資を受ける

という流れで進んでいきます。

店舗によって所要時間は異なりますが、大手の質屋なら10~20分程度で借入れまで完了することも珍しくありません。

ただし、品物によっては査定が当日中に終わらないこともあります。

たとえば、宝石類やブランド品など、より専門的な査定・鑑定が必要な場合、翌日以降に再来店を求められることがありますね。

このような場合は、融資も翌日以降になりますので、注意しましょう。

キャッシングは最短でも1時間

キャッシングの場合は、

申込手続きを行う審査が行われる契約手続きを行う借入れを行う

という流れで進んでいきます。

まず、申込手続きの段階で、申込書や申込みフォームに、個人情報・勤務先情報・他社借入情報を詳細に入力する必要があるため、それだけで10~20分はかかってしまうでしょう。

また、審査は最短でも30分程度かかるので、もろもろ合わせて融資まで1時間以上は必要なのです。

質屋は来店必須、キャッシングは来店不要?

次は、「来店の要否」について、質屋とキャッシングを比べてみました。

業者名 来店の要否
質屋 大黒屋 来店必須
高山質店 来店必須
質屋かんてい局 来店必須
LIPS 来店必須
キャッシング アコム 来店なしでも利用可能
プロミス 来店なしでも利用可能
アイフル 来店なしでも利用可能
SMBCモビット 来店なしでも利用可能

質屋は来店による手続きが必要

質屋でお金を借りる場合は、実際に質入れする品物を持って来店しなければなりません。

そして、返済時も、基本的には店舗に行ってお金を返し、品物を返してもらう必要があります。

キャッシングは来店ナシでも利用可能

一方、キャッシングの場合、業者によっては来店ナシで利用できます。

  • 申込み・契約...ホームページ・電話・郵送で手続き可能な場合は来店不要
  • 借入れ...振込みで融資を受けられる場合は来店不要
  • 返済...口座振替やインターネットバンキングで返済可能な場合は来店不要

業者によっては、上記のような手続きをすべて来店なしで行うこともできるのです。

返済が遅れたらどうなる?で比較

質屋とキャッシング、それぞれで返済が遅れたらどうなるのでしょうか。

質屋では担保にした品物が自動的に店舗のものに

質屋の場合、返済が遅れると、担保に預けていた品物が店舗のものとなってしまいます。

これを質流れといいます。

たとえば大黒屋の場合、借入期間である3ヶ月以内に返済できないと、自動的に質流れが起こります(※4)

その際、利用者に連絡がいくことはありません。

※4
さきほど説明した通り、1ヵ月分の利息を追加で支払えば、借入期間を延長することができます。延長回数に制限はありません。

キャッシングでは督促を受けることに

キャッシングの場合は、毎月返済期日までに最少返済額(※5)以上の金額を返済しなければなりません。

遅れてしまった場合は、業者からメール・電話・郵便等で督促されます。

また、本来の返済期日の翌日から遅延損害金(最大で年利29.2%)が発生するため、注意が必要です。

※5
最少返済額とは、少なくとも支払わなければならない金額のことです。最少返済額を決めるルールは各業者によって異なります。

まとめ

それでは最後に、今回のポイントをおさらいしましょう。

担保の有無で比較

  • 質屋でお金を借りるには、担保となるが必要(利用者本人に関する審査はなし)
  • キャッシングでお金を借りる場合は担保不要(利用者本人に関する審査がある)

金利・利息を比較

  • 質屋の上限金利の相場は年利72~96%
  • キャッシング(消費者金融)の上限金利の相場は年利18%
  • 質屋の場合は月利表記なので注意すること(年利に換算した方がいい)
  • 質屋の利息は1ヶ月単位で発生する
  • キャッシングの利息は日割りで発生する

信用情報機関への記録で比較

  • 質屋を利用しても信用情報機関には一切記録されない
  • キャッシングを利用すると、その履歴はすべて信用情報機関に残る

融資額を比較

  • 質屋での融資額は「質入れする品物の価値」に応じて決まる
  • キャッシングでの借入限度額は本人の返済能力に応じて決まる(審査で決まる)

借入期間を比較

  • 質屋の借入期間は原則3ヶ月(利息を追加で支払えば延長可能)
  • キャッシングの借入期間は借入残高と毎月の返済額によって決まる

融資スピードで比較

  • 質屋の場合、申込みから融資までにかかる時間は最短10~20分(ただし、専門的な鑑定が必要な場合は当日中に査定が終わらないこともある)
  • キャッシングの場合、申込みから融資までにかかる時間は最短1時間

来店の要否で比較

  • 質屋の場合、申込み・返済のタイミングでいずれも来店が必要
  • キャッシングの場合、業者によってはすべての手続きを来店なしで行える

返済が遅れたらどうなる?で比較

  • 質屋の場合、借入期間である3ヶ月以内に返済されないと、自動的に質流れが起こる
  • キャッシングの場合、毎月返済期日までに最少返済額以上を返済しないと、業者からメール・電話等で督促を受けることになる
  • キャッシングの場合、毎月返済期日までに最少返済額以上を返済しないと、翌日から遅延損害金(最大で年利29.2%)が発生する

質屋は何といっても金利が高いので、質屋でお金を借りるのはおすすめできません。

また、キャッシングもけして金利が低いわけではないので、安易に利用しないほうがいいでしょう。

いずれにせよ、「どうしても利用したい」という場合は、今回の記事で説明したようなデメリットや注意点をよく確認してから検討するようにしてくださいね。

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