水商売だとキャッシングの審査に通らないと言われ偽装会社を利用【体験談】

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水商売だと借入れできないと言われて、偽装会社を利用した事を語ってくれた佐藤さん

最近、水商売...夜の接客業に就く若い女性が増えています。

こうした職業は収入が不安定なために、ローンを組んだり、マンションの賃貸契約を結ぶのが難しいのですが、そんな働く女性をターゲットにした「偽装会社」というものが存在します。

偽装会社は水商売の人が普通の会社に勤めているかのように見せかけるために、偽の給与明細を発行するのですが、これは違法行為にあたるのです。

今回はキャバクラで働いていた頃に、偽装会社を使って100万円もの借入れをしたことがあるという女性から話を聞きました。

体験者の情報

名前:佐藤 かな(仮名)
性別:女性
当時の職業:アルバイト
当時の年齢:21歳~
借金の合計額:100万円
会社名(借入先):アコム、レイク、マルイ
借入件数:消費者金融2件、クレジットカード1件
利用時期:2007年~2011年

偽装会社を利用したら、水商売でも借入れできてしまった!

お話をうかがったのは佐藤かな(仮名)さん28歳。真面目で慎ましやかな印象の女性で、現在は専業主婦として子育ての真っ最中です。

そんな彼女も独身時代はキャバクラでアルバイトしながら、遊ぶお金のために複数の消費者金融から多額の借入れをした経験があります。

この時、水商売だと審査に通りにくいと言われた佐藤さんは、お店が紹介した偽装会社を利用して、借入れを行ったそうです。

佐藤さんが「偽装会社」を利用することになった経緯や、偽装会社の実態について、詳しく語ってくれました。

架空の会社を装い身分を保証する偽装会社の存在

― 初めて消費者金融を利用したきっかけは?

まだ小さいお子さんを育てている、しっかりしたお母さんという印象の佐藤さん

20歳くらいの頃、東京に出てきてアルバイトをしながら一人暮らしをはじめたのですが、上京してまもなく麻疹(はしか)にかかってしまい、1ヶ月くらい入院する羽目になりました。

大人になってかかったせいか入院が長引き、おまけに二人部屋しか空いてなかったため入院費が16万円もかかってしまって。

しかも感染する病気なので、すぐに職場復帰ともいかず、結局2ヶ月も仕事を休むことになってしまいました。

アルバイトだからその間の給料はもちろん入りません。貯金も無いし、親も年金暮らしだから頼れなくて...。

それで入院費用や生活費のためにアコムから50万円を借りました。

― アコムではどのような審査を受けましたか?

職業や勤続年数を聞かれましたね。アルバイトをしていて月収18万円くらいあるけれど、上京したばかりだから勤続年数が少ないということは伝えました。

「厳しいだろうな」と思ったのですが、「この仕事をする前は飲食業に5年くらい勤めていて、月収も20万円くらいあった」ということを説明したらOKでした。

それで限度額は50万円、金利はまだグレーゾーン規制される前でしたから当時の上限の29%です。

最初は入院費と休職中の生活費で30万円を下ろしたのですが、その後も生活費の補填に使ったりしたので、すぐに限度額の50万円を使い果たしてしまいました。

― 返済は順調でしたか?

どことなく「デキル女」という雰囲気が漂ってた、佐藤さん

入院から2ヵ月後には仕事に復帰できたのですが、返済のことがあるので、昼間の仕事とは別にキャバクラの仕事も始めました。

夜だけでも月に16~17万にはなりましたね。昼の仕事と合わせると月収は40万円くらいだったでしょうか。

アコムの返済は月に1万5千円で、余裕がある時にはまとめて返すようにしていました。

でもせっかく返済しても、空いた枠ですぐに借りてしまうことを繰り返していたから、なかなか50万円から減らなかったですね。

水商売を始めたために、かえってお金を使う癖がついてしまって、生活費が足りなくなることも結構あったんです。

しばらくして昼の仕事は辞めて、夜の仕事一本にしました。

すると月収は60万円くらいに増えました。昼の仕事の3倍以上ですから真面目に働くのが馬鹿らしくなってしまって(笑)

偽装会社を使ってローン審査をパスする

― その後、レイクも利用されたそうですが?

昼の仕事を辞めようか考えていた頃、マンションの更新期限がきたので、もっと良い部屋に引っ越すことにしたんです。

新しい部屋は歌舞伎町の近くで、家賃も10万円以上しました。

でも旅行や遊びに散財していたから、引越し費用を用意できませんでした。

それで今度はレイクから引越し費用を借りようと思ったのですが、そのことを働いているお店の人に話すと「水商売一本だとローンの審査に通るのは難しい」と言われて。

ローンだけじゃなく、普通に部屋を借りるにしても水商売の人は敬遠されるらしくて、借りられる物件も少ないし、家賃も高くなってしまうそうです。

大家さんのいるようなちゃんとした所を安く借りようと思うなら、保証人やちゃんとした会社の在籍証明が必要なんですよね。

「水商売一本でやっています」と言うと、露骨に嫌な顔をされることもあるみたいです。

だから水商売の人は、ローンを組んだり部屋を借りたりする時に「偽装会社」を使っている人が多いんです。

― 偽装会社というのはどういうものですか?

偽装会社というのは、営業実態のない架空の会社なんですが、会社名や電話番号はちゃんと実在していて、給料明細や源泉徴収票を発行してくれる会社です。

ローン審査の時は在籍確認の電話にも対応してくれます。それで「ちゃんとした会社で働いていますよ」という体裁を整えることができるんんです。

そうすると審査にも通りやすくなりますし、場合によっては限度額が上乗せされることもあるようです。

部屋を借りる時にも保証人になってもらえますから、仮に親の承諾が得られなくても大丈夫です。

― 偽装会社に支払う手数料はいくらくらいですか?

私が働いていたお店には、系列に普通の飲食店を装う偽装会社が用意されていました。

そこにお給料から手数料として毎月5千円くらいを支払うことで、在籍確認や不動産審査の時に対応してもらえるようになっていました。

ただしサービスの内容次第で料金は変わってくるそうです。この業界はこうした需要が多いので、お店自体が偽装会社を抱えていることもあるみたいですね。

― 偽装会社を利用したレイクの審査は、どのような感じでしたか?

レイクの審査では申し込み用紙に「飲食店店員、月収20万円」と記入して、普通の会社に勤めをしているように装いました。

本当はもっと稼いでいたのですが、あえて普通のOLが稼ぐような金額を申告しました。

在籍確認も、偽装会社の会社名や電話番号を記入して、そちらのほうに電話が行ったようです。もちろん「確かに在籍しています」と対応してもらえました。

ただし収入証明書は求められていなかったので、偽装会社に発行してもらっていませんが。

結局、限度額は10万円でしたが、レイクの人からも特に追求されることもなく、無事審査もパスしたのでほっとしました。

すぐに限度額のいっぱいの10万円を借りることができました。この時もグレーゾーン金利が撤廃される前だったから、金利は27%と今と比べると高かったですね。

― 偽装会社についてどう思われますか?

偽装会社という存在があったからこそ、私のような水商売の人間でも部屋を借りたり、ローンを組んだりできたのでとても助かりました。

でも嘘をついて審査を受けることには不安がなかった訳ではありません。自分の返済能力を無視して、どんどん借入れができるという状況も怖いですね。

― 最終的には借金はどれくらいになったのですか?

レイクの限度額は、当初10万円しかなかったのですが、毎月定期的に返していると増額の案内が来て段階的に限度額が上がっていったので、最終的には限度額いっぱいの30万円借りました。

収入は普通の会社員よりあるはずなのに、夜の仕事をしていると贅沢が身に付いてしまうんです。

それで無計画に借入れを重ねて、最終的にはアコムから50万円、レイクで30万円、マルイのクレジットカードのキャッシングも含めると、100万円近くの借金を抱えることになりました。

月々の返済額は6万円くらいありましたが、幸い滞るようなことはなかったです。

でも返済して空いたぶんの枠を使って借入れることを繰り返していたので、借金が減らないばかりか利息まで膨れ上がってしまい、さすがに自分でもこの状況はマズイと感じるようになりました。

偽装会社を使って借金をするのは厳禁

偽装会社を利用して、複数の消費者金融から借入れをした佐藤さん。

水商売や風俗業、無職の人など、社会的信用が得難い立場の人にとって、健全な会社勤めを装うことができる偽装会社は、とても便利な存在です。

ある意味「必要悪」として認識されている節もあり、ネット上にもたくさんの情報が溢れています。

しかし、キャッシングの審査の際、偽装会社を使って在籍確認をしたり、偽造された源泉徴収表や給与明細を提出したりすると、詐欺罪に問われる可能性があります。

実際、過去に偽装会社を利用した人が詐欺罪で摘発される事件もありました。

(詳しくは、『在籍確認にアリバイ会社を使っちゃダメ?知らないと怖い法律の話』にて解説しております。)

幸い佐藤さんは、業者から警告されたり、警察に捕まったりすることはありませんでしたが、嘘をついてお金を借りていることに違いありません。

偽装会社を安易に利用することは、絶対に避けましょう。

その後佐藤さんは、ご主人との結婚のために、完済を決意。

返済のために、払い過ぎた利息「過払い金」を自力で取り戻すという行動に出ます。

詳しくは後半のインタビューをごらん下さい。

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