独占インタビュー、キャッシング会社の元社員に聞く審査の裏側

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消費者金融でお金を借りる時に必ず行われる審査。

審査に通るのか、いくら借りられるのか、結果がわかるまでドキドキしますよね。

キャッシングやカードローンの審査は、各金融機関の社員さんが、あなたの職業、収入、過去の利用履歴、表情、服装など細かいところまでチェックをして決めています。

審査が不安な人は、審査を有利に運ぶ方法を知りたいと思います。しかし、インターネットで公開されている情報は信ぴょう性が低かったり、そもそも出処が曖昧なものが少なくありません。

そこで今回は、某大手消費者金融で審査業務にあたっていた元社員の方に話を聞き、審査に有利な職業、不利な職業、お客さんのどんなところをチェックしているのか、そしての限度額の相場まで、審査の裏側についてインタビューすることしました。

審査に自信のない方は、ぜひ一度読んでみてください。

今回インタビューにご協力いただいたのは...

名前:小林 智(仮名)
性別:男性
勤めていた金融機関:大手消費者金融 A社
勤めていた期間:2002年~2007年頃
仕事内容:主に営業、債権回収

  • 目次
  • 大手消費者金融の元社員にインタビュー
  • お金を貸すことが商売の会社へ入社
  • 客の言うことは嘘だと思え。まずは疑ってかかれ
  • 審査に有利な本人確認書類とは?
  • 審査に有利な職業、不利な職業ってあるの?
  • 在籍確認は絶対にやらなくちゃダメ?
  • 信用情報はどうやってチェックするの?
  • 借入目的は審査に影響する?
  • 審査の最大の決め手とは?
  • 最終的な決定を下すのは支店長
  • 限度額の相場はいくらなのか?
  • インタビューを終えて

※編集より補足
今回、インタビューに応じてくださった小林さん(仮名)が大手消費者金融にお勤めだったのは2002年~2007年頃のこと。したがって、現在の状況とはだいぶ異なる部分もあるかと思います。そのことを念頭に入れてお読みください。また、インタビューでは専業主婦の審査についてもお話をうかがいましたが、今と昔では総量規制の関係で条件が大きく変わっているため、今回は省略させていただきました。

大手消費者金融の元社員にインタビュー

お話をうかがったのは、東京都にお住まいの小林智(仮名)さん。2002年~2007年までの5年間、業界大手の消費者金融A社に勤務していました。

入社以来、都内にある店舗で、営業や債権回収を担当。
多い日は、1日に20人ものお客さんの審査を担当したことがあるそうです。

小林さんの体験をもとに審査の裏側がどうなっているのか詳しく話を聞きました。

お金を貸すことが商売の会社へ入社

― 消費者金融で働こうと思ったきっかけは?

20代、漫画の「ナニワ金融道」や、竹内力さん主演のVシネマ「ミナミの帝王」を見て、金融に興味を持ってしまったんです。

それで業界大手のA社の面接を受けてみたら、受かってしまって(笑)

実際に働いてみると、お金を通して人や物の見方が変わりましたね。「金融って面白いなぁ」と思いながら刺激的な毎日を過ごしていました。

― お仕事の内容は?

私が担当していたのは、主に営業と債権回収です。他社のことはわかりませんが、A社の男性社員はこの2つがワンセットになっていました。

ただセットといっても、あくまで「お金を貸すこと」が商売の会社ですから、審査と融資を行う営業が最も重要な仕事です。

そして、その営業の中心が、店頭でお客さんの対応にあたる窓口業務でした。

客の言うことは嘘だと思え。まずは疑ってかかれ

― 窓口を訪れるお客さんの数は、一日にどれくらいですか?

私が勤めていた店舗には、無人契約機も含めて1時間で3人くらいのお客さんが来店されていました。

朝の10時~18時まで営業しているので、毎日20人以上は来られますね。

― 窓口業務の仕事はどんなことをするのですか?

まず、お店に来たお客さんに申込用紙を書いてもらいます。記入するのは、住所、氏名、勤務先、勤続年数、他社の借入件数や金額などです。その内容が本当かどうかを確かめるために、お客さんに質問もします。

次に、本人確認書類を提示してもらって不備がないかチェック。また、お客さんの職場に電話をかける在籍確認を行います。

さらに、信用情報機関でそのお客さんの信用情報を参照し、チェックします。

つまり、申込用紙の情報、本人確認書類、在籍確認、信用情報の4つの要素から審査を進めていくのです。

私は新人研修で、「客の言うことは嘘だと思え。まずは疑ってかかれ。」と教わりました。お客さんが「信用できる人かどうか」見極めるのが、窓口業務で一番の仕事なのです。

審査に有利な本人確認書類とは?

― 窓口で審査を受ける時に絶対に必要な書類は何でしょうか?

本人確認書類として提示してもらうのは、運転免許証かパスポート、健康保険証です。

そのなかで最も審査に有利なのは、会社員や公務員が所持している社会保険証や組合保険証ですね。

社会保険証や組合保険証には、「いつから勤務しているか」年月日まで記載されています。

ですから、運転免許証や国民健康保険証より本人確認書類として格が上なのです。これはどの消費者金融でも同じだと思います。

― 本人確認書類だけでなく、収入証明書(給与明細書、源泉徴収票など)も提示した方がいいですか?

基本は本人確認書類だけで問題ありませんが、希望する借入額によって収入証明書を求められる場合があります。

また、求められなくても収入証明書があれば提示すると良いと思います。審査に有利になる可能性がありますから。

たとえば、収入証明書のおかげで限度額が上がることも考えられます。

審査に有利な職業、不利な職業ってあるの?

公務員・一部上場企業の正社員の審査は本当に有利?

― ズバリ、審査に有利な職業って何でしょうか?

やはり「優良なお客さま」として扱われるのは、公務員と一部上場企業にお勤めの方です。

限度額50万円はすぐに用意できますね!

― 公務員でも、たとえば自衛隊員の方はどうですか?

自衛隊の方はちょっと特殊です。
そもそも自衛隊のルールとして、消費者金融などでお金を借りてはいけないらしいんですよね。だから在籍確認が困難になります。

でも公務員ですから、もちろん優良なお客さまです。

― 一部上場企業というと、たとえばソニーやトヨタなどのメーカーでは、オフィス勤務のホワイトカラーと工場勤務のブルーカラーの方がいます。これらを区別することはありますか?

ホワイトカラーとブルーカラーを区別することはありません

たとえば自動車メーカーだったら、スーツを着て働く技術職や事務職の人も、生産に携わる工場勤務の人も、同じ社会保険に加入しています。

収入差があっても、どちらも優良企業に勤めていると判断されるので、両者に差はありません。

― 公務員と一部上場企業以外に「優良客」とされている職業はありますか?

外資系企業にお勤めの方や、プロスポーツ選手は優良客ですね。

― 外資系企業やスポーツ選手は、給料はいいけれど年俸制なので、収入が不安定ですよね?「融資が受けにくい」という印象がありますが?

年俸制といっても、お給料は12分割して月給で支払われています。

たとえば年俸6,000万円なら「毎月500万円の収入がある」と考えますから、優良扱いになりますよね。

プロスポーツ選手が借りに来ることはよくあります。

私の支店ではありませんでしたが、有名な選手が来ると他の支店でもすぐウワサになってました。

― 一部上場以外の企業にお勤めの方はどうでしょうか?

一部上場以外の会社だからといって、審査に不利ということはありません。

正社員で収入が毎月25~30万円くらいある方なら、公務員や一部上場企業の方と同じくらいの限度額を用意していました。

フリーター・派遣社員・年金生活者・学生の審査は?

― 公務員や正社員にくらべて審査に不利になるのは?

たとえ収入があっても、毎月の収入が安定せず波がある方は難しいですね。

なかでもフリーターは「定期収入がない」と見なされるので、審査は厳しいと思います。

― フルタイムで働いているフリーターもですか?

フルタイムで働いていて、安定した収入があれば、フリーターでも問題ありません。

ただし、限度額は少なめ...多くても20万円くらいになってしまいますが。

― 派遣社員の場合は?

派遣社員と一口に言っても、派遣会社はピンからキリまであります。

私の店舗では、派遣会社を「上」「中」「下」のようにランク分けし、審査に利用していました。

たとえば、ニチイ学館やアシストなど、医療事務の派遣会社は給料が低いので、派遣会社の中でも下の方にランクづけされていました。審査に通過しても、限度額はせいぜい10万円くらいですね。

一方、最もランクの高いのは、広告代理店の電通関連の派遣会社でした。こちらは給料が高いので、限度額も30万~50万円くらいになっていたと思います。

そして、中間の位置にあるのが、テンプスタッフ、パソナなど、いわゆる事務系の派遣会社です。限度額は20万~30万円くらいが相場でした。

― 同じ派遣社員でも、工場勤務の「派遣工」はどうですか?

自動車メーカーなどで働く派遣工の方は、派遣先が大手なので、ランク付けは「中」程度になります。

私の勤めていた店舗には、派遣社員の過去の返済実績や回収率などを派遣会社ごとにまとめてグラフ化したデータがありました

たとえば、「B 社に登録している派遣社員はきちんと返済してくれる方が多いが、C社は少ない」などのことがひとめでわかるのです。

こうした返済実績のデータも審査の参考にしていました。

― 年金生活者はどうでしょうか?

高齢の方は年金を受給していても、フリーターよりも審査は難しいです。

― 学生はどうですか?

学生さんは、20歳以上でアルバイトの収入が一定以上あっても、私の店舗ではすべてお断りしていました。

ただし、大学院生でアルバイトをしていて社会保険に加入しているという方は例外です。審査に通ることもありました。

自営業の審査は、何が決め手になるのか?

― 経営者の方はどうやって審査するのですか?

自営業の方は、「会社を持っている」ことが前提です。

会社の謄本を持ってきてもらって、どういった仕事をしているのかを見せてもらってから審査を行います。

謄本が絶対必要です。
謄本がないと、どんな仕事をしているのかわかりませんから。

― 限度額は、会社の大きさや従業員の数によって変わるのでしょうか?

中小企業の場合、たとえ会社の規模が大きくても、限度額は50万円からです。最初から100万円以上を貸すことはありません。

ただこれは自分が働いていた頃の限度額なので、今は(2014年現在)総量規制の範囲内なら100万円を超えることがあるかもしれません。

しかし、経営者の来店は少なく、100人お客さんがいたら、1人いるかいないかでしたね。

消費者金融は金利が高いので、経営者の方はあまり使いません。低金利の銀行を利用するのでしょうね。

― 自営業には、業務委託契約やフリーランスの方もいます。こういう方の審査は?

業務委託契約の場合、業務を委託している会社に在籍確認をします。

フリーランスでも、一人ぼっちで仕事しているという方はほとんどいませんよね。必ずどこかの会社やチームに所属していると思います。

そこで在籍確認できれば問題ありません。

また、収入証明書や仕事に関する契約書が絶対に必要というわけではありません。あれば有利というくらいです。

基本的には会社員の審査と同じです。

― 水商売の方はどうでしょうか?

安定した収入があり、働いているお店に在籍確認が取れれば、「水商売だから」と言って区別をすることはありません。

しかし、水商売であることを伏せて、アリバイ会社を利用したり、ウソをついたりする人がいますが、その方がかえって審査で不利になってしまいます。

もちろん、「虚偽申告」がわかった時は、審査には通りません。

勤続年数

― 勤続年数はどれくらいあった方が有利でしょうか?

どの職業でも、勤続年数が長ければ長いほど「優良なお客さん」と判断されます。望ましいのは5年以上でしょうね。

1年未満だとイマイチです。仕事や収入のことをいろいろ追及される可能性があります。

ただし勤続年数が短くても、転職の理由がキャリアアップやヘッドハンティングなど、ポジティブなものであれば問題ありません。

在籍確認は絶対にやらなくちゃダメ?

― 在籍確認は必ずやらなければなりませんか?

どんな職種であっても在籍確認は必ず行います。

みなさん心配されますが、在籍確認で会社名・サービス名を名乗ることはありません。

お客さんの職場に電話をかけ、「○○と申しますが、▲▲さんいらっしゃいますか?」とたずねるだけです。担当者が個人名を名乗ります。

その時、本人が電話口に出なくても、職場に在籍していることが確認できれば良いので、たとえば「ただいま外出しております」でも確認が取れたことになります。

また私たちが名乗るのは自分の本名ではなく、偽名でもいいことになってました。

私は「小林」という名前ですが、在籍確認の時は、「鈴木」や「山田」など別の名前を名乗ってましたね。

※ 編集より補足
現在は、偽名を使って在籍確認等の電話をかけることは禁じられています。

窓口では、来店されている間に在籍確認の電話をかけました。さすがにお客さんの目の前ではなく、裏に回ってかけますが。

― 在籍確認をする際、お客さんから名前や肩書を指定されることはありますか?

ありますね。
「保険会社や病院関係者を装ってかけて欲しい」と言う方もいます。

たとえば、「○○病院の■■と申しますが、▲▲さんはいらっしゃいますか?検査結果のご連絡です。」というような感じです。

こういう申し出をするのは、自衛隊など特殊な職業の方か、すでに複数社から借入れをしていて「会社に知られたくない」と考えている方です。

※ 編集より補足
現在は、実在する病院や保険会社にふんして在籍確認等の電話をかけることは禁じられています。

― 派遣社員の在籍確認は、派遣会社と派遣先、どちらに電話をかけるのでしょう?

派遣先ではなく、登録している派遣会社に電話をかけます

たとえば派遣工の場合、勤務している工場が愛知県でも、派遣会社が東京にあれば、そちらにかけて在籍確認をしますね。

ほとんどの派遣会社は在籍確認に応じてくれましたが、大きい派遣会社で答えてくれないところもありました。私の記憶に残っている在籍確認に応じない派遣会社と言えば、アデコです。

しかし、在籍確認が取れない、応じてもらえない場合は融資できません。

― 「在籍確認なしでお願いします」と言われたら、どうするのですか?

「在籍確認できないと融資できません。どうされますか?」とストレートに聞きました。するとほとんどの方は納得してくれます。

それでも難しい人には、先ほどのように「では小芝居をしましょうか?」と提案していました。

― その場で在籍確認できない場合は?

その場でできない場合は、在籍確認できるときに改めて電話をかけます。

たとえばキャバクラやホストクラブなど、いわゆる水商売に勤めている方は、昼間に申込みに来ても、お店が夜まで開かないので、その場で在籍確認が取れません。

ですから、お店が開く18時半~19時くらいに電話をかけます。

水商売の方は、申込んだその場で審査が下りることは少なく、カードが使えるようになるのは翌日以降になることが多かったですね。

― 自営業の方はどうやって在籍確認するのですか?

従業員がいる場合は、会社にかけて「○○さんいますか?」と聞きます。

ひとりでやっていて、自宅が仕事場の方の場合、家族が出たらOKとするか、本人が自宅にいる時間にかけます。

― アリバイ会社を使って在籍確認をする方がいると聞きますが?

アリバイ会社を使っても、雰囲気でバレますね。

私も実際、アリバイ会社を使っているお客さんに当たったことがありますが、すぐにあやしいとわかります。

あやしいお客さんは、挙動が不自然で言っていることにも矛盾があるんです。最初から理論武装をして、こちらが聞いてもないことをペラペラ話し始めたりする人もあやしいですね。

アリバイ会社を利用しているとわかった時点で融資は不可となるのでご注意ください。

― 収入証明書や社会保険証は、在籍確認の代わりになりますか?

いかなる書類も、在籍確認の代わりにはなりません
どのようなケースでも、在籍確認は必ず行います。

社会保険証で勤め先がわかっても、実は「会社を辞めてそのまま保険証を持っていた」というケースも考えられるからです。

※ 編集より補足
在籍確認については、『在籍確認 入門!元キャッシング会社の担当者が明かす在確の対処法』にて詳しく説明しています。あわせてご確認ください。

信用情報はどうやってチェックするの?

― 信用情報について簡単に説明をお願いします

信用情報は、過去の申込履歴、借入履歴、返済履歴そして滞納や債務整理などの事故歴がすべて記されているデータです。

パソコンで照会できるようになっていて、お客さんの名前と生年月日を入力するだけで、○年○月、どこで、いくら借りて、いつ返済して、何件借りれして、借入総額・・・というすべてのクレジットヒストリーを見ることができます。

借入れ経験がない方は登録をされていないので、「該当なし」としか出てきません。

信用情報は、信用情報機関というところで管理されています。日本には3つの信用情報機関あり、私が勤めていたA社もそのうちのひとつに加盟していました。

現在は一部の情報を3つの機関で共有しているようですが、当時は自社が加盟している信用情報機関の情報しか参照することができませんでした。

― お客さんの信用情報はどのようにチェックするのですか?

店舗内のパソコンで信用情報機関にアクセスし、お客さんの名前と生年月日を入力すると見ることができます。

他にどこから、いくら借りているのかなど、その人のクレジットヒストリーを見ることができるのです。

― 他社借入件数が何件以上だと融資不可、などの基準はありますか?

他社借入件数は3件がボーダーラインですね。いくら金額が低くでも、件数が4件以上あるとそれだけでダメです。

「なんでこの人はこんなにこまめに借りているのだろうか?」とあやしまれます。

たとえば年収600万円の方が、3件から総額200万円を借りていたらギリギリOKです。

でも総額が同じ200万円でも、件数が4件になると、アウトになってしまうこともあります。

※ 編集より補足
ここでいう「他社借入」に住宅ローンやカーローンなどは含まれません。一般的に、無担保のキャッシング・カードローンのことを指します。また、借入金額については、総量規制により年収の3分の1以上の金額を借入れることはできません。

― 事故歴があると絶対に審査に通りませんか?

事故歴とは債務整理や滞納の記録で、1件だけでもアウト、まず審査には通りません。

通常2~3日の滞納では「事故扱い」にならないのですが、1ヶ月以上の滞納があったら事故歴として残ります。

それが何度もあれば、回数まで必ず記録が残っています。

しかし、場合によっては信用情報に滞納の記録が残っていても審査に通過することがあります。滞納が解消してから1年以上経っていて、収入や勤続年数など、他の条件を満たしている場合です。

たとえば、1年以上前に滞納した過去を持っていて、新たに同じA社に申し込みに来た場合、収入や勤続年数など一定の条件さえ満たしていれば、審査に通る可能性もあると思います。

※ 編集より補足
信用情報や信用情報機関については、『ローン審査に通らない人は何がいけないのか?原因は信用情報にある?』、『信用情報機関を徹底解説!ローンの利用記録はいつまで残る?』で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

― A社は自社内で顧客の情報を保持していましたか?

自社の顧客の借入履歴は、おそらく会社ができた当時からのすべてのデータが残されているでしょう。

1回でもA社を利用したことのある方なら、その方の名前と生年月日で検索すれば、過去の利用履歴が出てきます。

借入・返済・滞納などの利用履歴だけでなく、当時の仕事や年収などの情報も残っています。

借入目的は審査に影響する?

― 申込用紙には「借入目的」も記入しますよね?どんな目的で借りる方が多いのでしょうか?

特に多いのはレジャー資金ですね。
4月の中旬頃になると、ゴールデンウィークのために利用する方が増えてきます。

その次が生活費など、「必要に迫られた」シチュエーションになるのですが、これは12月が一番多くなります。

12月は何かとお金が必要な時期ですが、思ったようにボーナスが入らず、「足りなかった分を借入れで補填する」新規のお客が増える時期でした。

他には、車やバイクの購入資金、葬儀費用も多かったです。医療費や結婚資金などで借入れる方はほとんどいませんでした。

― 「生活費の補填」「他社への返済のため」という目的でも審査に通るのですか?

「生活費の補填」は、まったく問題ありません。「他社への返済のため」は、他社借入れ件数と総額を検討してから判断ですかね。

絶対にNGなのは、ギャンブルのための借入れです。これは絶対に審査に通りません。

審査の最大の決め手とは?

― ズバリ、審査の決め手は?

「信用情報に事故歴がないこと」が最大のポイントかつ、大前提です。そのうえで、職業や年収などの属性、現在の他社借入状況が加味されます。

また国民健康保険証より、社会保険証・組合保険証のほうがおすすめで、限度額も高くなります。

ですから、電話でお客さんから問い合わせがあった時には、身分証として運転免許証ではなく、「社会保険に加入しているのなら、保険証を持ってきてください」と伝えていました。

それらの条件をクリアしたならば、最短25分程度で審査が下りるでしょう。

― 事故歴以外で、審査に落ちてしまうことはありますか?

あたりまえですが、嘘をついていたら審査に通りません。そういう方は信用できませんからね。

虚偽の申告は、たとえ公務員や一部上場企業に勤めている人でも、信用を失ってしまうことになります。

― どうやってウソをついている人を見分けるのですか?

私の経験では、あやしい人はお店の前をウロウロし、すぐにお店に入って来ません。

それから、話が噛み合わない人、言っていることに矛盾がある人も嘘をついている場合が多いです。

たとえば、「なぜ転職されたのですか?」という質問を投げかけたとき、話を濁す人はあやしいです。やましいことがあるので言葉が続かないんでしょうね。

勤務先や勤続年数に矛盾がないかは、社会保険証を見ながら確かめていました。

― 窓口業務をはじめてどれくらいであやしい人がわかるようになりましたか?

窓口業務を3ヶ月もやっていると、ある程度わかるようになります。それでも迷った時は、支店長の判断を仰ぎましたね。

審査のうえで一番重要なのは、やはり信用情報に事故歴がないことです。

ですから、「少しあやしいな」と思った方でも、信用情報に問題がなく、一定以上の安定収入があり、他社からの借入件数・金額が許容範囲内なら、審査に通る場合が多かったですね。

「あやしいから」という理由で多少限度額を抑えることはありましたけど。

最終的な決定を下すのは支店長

― 融資の可否や限度額を決めるのは、小林さんのような窓口業務の社員なのですか?

特に何も問題がなければ、限度額の算出までは窓口業務の社員が行います。しかし最終的な判断をし、「融資決定」のハンコを押すのは支店長です。

支店長のハンコをもらってはじめて「審査に通った」ことになります。

実際は接客中、お茶を呑みに行くふりをして、お客さんには気付かれないように、さり気なく支店長の机の上に書類を置きます。

それから2~3分後に、さり気なくハンコが押された書類を回収して、お客さんに結果を伝えます。

でもお客さんにはその2~3分間がものすごく長く感じるようですね(笑)

― 融資不可の場合はどのような感じなのですか?

たとえば信用情報に事故歴があった場合は、その時点で書類にバツ印をつけます。

でもすぐに結果をお客さんに伝えるわけではなく、一旦 支店長に書類を上げ、それからおもむろに「今回はご融資を見送らせていただきます」と伝えます。

限度額の相場はいくらなのか?

― 初回申込みの限度額は最大いくらくらいですか?

消費者金融の利用が初めての場合、「とりあえず10万円借りたい」という方が多いです。

しかし、審査の結果 優良なお客さんであることがわかったら50万円の枠を用意しますね。

お客さんが「必要ない」と言っても、営業的にはたくさん貸したいのが本音ですから。

もちろん、優良顧客以外のお客さんでも問題がなければ10万~30万円の枠は用意します。貸してナンボの商売ですから!

ただし、どんなにいい属性でも、最初から100万円の枠を用意することはほとんどありませんでした。

― ズバリ、職業ごとの限度額の相場を教えてください。

雇用形態・収入・勤続年数によって、限度額の相場は少しずつ異なるので、一概には言えません。

ただ、ざっくりした金額を挙げるなら、だいたいこんなかんじでしょうか?

雇用形態・職業 限度額(目安)
公務員・一部上場企業の正社員 最大50万円
自営業、中小企業経営者 最大50万円
一部上場企業以外の正社員 最大30~50万円
中堅の派遣社員・派遣工 最大20~30万円
フリーター・水商売・一部派遣社員 最大10~20万円
医療事務など収入の少ない派遣社員 最大10万円

ただし、これらはいずれも他社借入件数なしの場合を想定しています。他社借入れがあれば、また違ってきますからね。

インタビューを終えて

小林さんが大手消費者金融A社に勤めていたのは2002~2007年まで。

まだインターネットからの申込み制度が普及していない頃なので、消費者金融を利用する方の多くが、窓口か無人契約機を利用していました。

小林さんは、窓口で多くのお客さんを審査するうちに、日常生活でも「その人が信用できる人か」見抜く力が養われてしまったそうです。

審査を行っているのは、まさに人間鑑定のプロということですね。下手な嘘をついても信用を失ってしまうだけです。

申込みの際、嘘をつくのは絶対にやめましょう。

そして、小林さんにはまだまだお話をうかがっています。次は「限度額の増額はどのように行われるか?」についてのインタビューです。

さらにそのあとでは、「債権回収(つまり返済の督促)」のお仕事に関してお伺いしています。

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