夫の嘘を紐解くと数百万円の借金が!生命保険が失効の危機に【体験談】

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夫のギャンブルで借金を抱え、自己破産ののち離婚した私。

ところが養育費代わりに夫が支払うはずだった子供2人と私の生命保険を、夫は支払えなくなり、失効されそうになってしまいます。

私の健康状態はあまり芳しくなく、生命保険はどうしても必要です。

そこで保険を復活するための30万円+αを、消費者金融から借りた体験談です。

体験者の情報

名前:千種 まさこ
性別:女
年齢:現在43歳
借入件数:1件
会社名:アコム
利用期間:2004年9月〜2010年4月
借金合計金額:50万円

夫がギャンブルで借金

私の夫は、大手広告会社の営業マンでした。

営業成績は大変良く、かなりのお給料をもらっていました。

当時の私は、疑うということをまったくしない妻だったと思います。

お給料も私が銀行で引き出すのではなく、いつも夫から手渡ししてもらっていました。

「今日は給料を下ろす暇がなかった」と言われれば「そうなのかな」と信じていましたし、お給料が少ない月も理由を言われれば疑いなどしませんでした。

私は夫の給料明細すら見ようと思わず、このまま安泰な人生が続くと信じていました。

ところが実は夫は結婚4年目あたりから、ギャンブルにハマっていたのです。

「給料を下ろす暇がなかった」「人に貸した」「今月は成績が芳しくなく給料が下がった」と言って家に入れるお金が少なくなった理由はすべて嘘でした。

結婚5年目になって、債務がかさんで追い詰められた夫から事実を告げられました。

その時に聞いた借金の総額は400万円

でも、それを聞いても腹は立ちませんでした

むしろ黙っていた夫の方が苦しかっただろう、全く気がつかなかった私にも落ち度があると、その時は思っていたのです。

「400万円なら車一台分だ、何とか返そう」そう心に決めました。

しかし借金で追い詰められた人間は、いくらでも嘘をつくものです。

夫の借金の額は、実は900万円でした

私に告白した後もギャンブルをやめず、借金は膨らんでいたのです。

パチンコ程度であれば、短期間で900万円もの借金にはならないでしょう。夫がハマっていたのは競艇と野球賭博でした。

野球賭博は日本では違法です。

競艇も公営のものではなく、私営の悪質なもので、すぐに現金を出さなくても、電話一本で賭けが成立してしまうシステムでした。

そうなれば天井知らずです。期日が来れば、負けた分は払わなければなりません。

この支払いのために、夫はあちこちから借金してしまったのです。

私は自分名義のクレジットカードでお金を借りたりしながら、何とか返済しようと努めてきました。

しかし返済も追いつかなくなり、借金取りからの電話がひっきりなしに鳴り、ドアを叩く音にも怯えるようになります。

私も夫も、昼夜を問わず働きましたが支払いは追いつかず、生活はどんどん荒れてゆきました。

もうどこからいくら借金しているのかもよく分かりません。

それでも離婚を考えなかったのは、まだどこかに夫を信じる気持ちがあったからです。

彼がきっと立ち直ってくれると信じていました。

2千万円近くの借金

夫は消費者金融のほかに、質屋や車を担保に入れてお金を借りる車金融にも手を出したりして、借金は最終的に2千万円近くになっていました

これでは破産するしかありません。

このうち300万円は、夫の友人たちからの借金で、これも野球賭博の返済に使っていたようです。

その友人たちとは私も親しいので、破産したからといって返さなかったら、今後の付き合いに支障が出ます。

これは私が借りていることにすれば、破産申立で計上しなくても何とかなりそうです。

友人たちは、「夫の破産手続きその他が全て終わった後に月々返済する」ということで承諾してもらいました。

また私名義のクレジットカードから、返済のために200万円借りていたのですが、これは私の両親に「私が遊興で使った」と嘘をつき、完済してもらいました。

またこのこのほかに、夫は違法業者からも借りていましたが、こちらの方は何とか払わずに済みました。

警察からのアドバイス通り、「行き過ぎた督促などがあればすぐに警察に言う」と言い続けたので、相手もやがて諦めてくれたのです。

それでもまだ借金は1千300万円もありました

私たちはこれを破産申告することにしたのです。

弁護士なしで破産手続き

破産手続きは弁護士に依頼すると30万円以上かかると聞き、自分たちで行うことにしました。

本来なら、こんな深刻な問題は弁護士さんに依頼するのが普通です。

当時「法テラス」(日本司法支援センター)があったかどうか分かりませんが、あっても私は思いつかなかったでしょう。

破産手続きを自分で行うのは、大変煩雑な作業です。

また借金の原因がギャンブルですから、ちょっとやそっとの覚悟では、免責はおろか破産すら認められません。

私は1300円の破産手続きの本を購入し、それを参考にしながら破産宣告と免責を認めてもらえるように、自分たちで書類を揃えてゆきました。

借金に至る経緯などを陳述書として作成し、申立書類に添付します。

借金の原因がギャンブルであることを伏せるか、それとも正直に書くか悩みましたが、陳述書に嘘を書けば面接時にボロが出ることでしょう。

「私と子どもが路頭に迷っていることを救済してもらう」という方向で話を進めることにしました。

こういう時に男性は弱いものです。

夫は勝手に自分で借金を作ったくせに、何かと泣き言を言い、頭も働かないので、私はあまりの頼りなさにつくづく呆れてしまいました。

養育費代わりの生命保険

借金が発覚して1年後、何とか破産宣告と免責が認められます。

この時には、もはや夫に対して、不信感と嫌悪しかなくなっていました。

高校時代から友人だった夫を見捨てられず頑張ってきましたが、もはや私と夫だけの問題ではありません。

子どもたちの将来も考え、私は破産の翌年に離婚を決意します。

5歳と2歳の子供たちは私が引き取って、このまま今の家で暮らすことになり、夫が出て行きました。

私は旧姓に戻しましたが、子ども2人は前夫の苗字のままにしてあります。

前夫がどんなにダメな男でも、子どもにとっては大好きな父親であることに変わりはありません。

大人になったら私の苗字でも父親の苗字でも、好きなほうを選べばいいのです。

けれども一緒に暮らしているのに、母と子で苗字が違うと、別の問題が起こりました。

母子手当のことで役所に行った時「子供が父親の苗字だと、親権者は父親ということになる。母子手当を受け取るなら、親権者は母親でなければもらえない」と説明されたのです。

それでも私は子供たちの「苗字を変えたくない」という希望を尊重し、母子手当は諦めることにしました。

子供だからといって、大人が苗字でも何でも強制的に決めていいものではありません。小さくても、子供は自分の意志を持っています。

また前夫は離婚の際、自分が契約者になっている子どもと私の生命保険は払い続けると申し出てきました。

受取人は契約者でなくてもよいので、私の生命保険の受取人は子供、子供の受取人は私です。

入院費やガンの時の給付金といった、生きているうちの保障も大きい保険でした。

2人の子どもと私の3人の保険を合わせて、保険料は5万円ほどです

前夫は破産して免責を受けたのですから、この程度は払えて当たり前でしょう。

その代わりといってはなんですが、養育費はもらわないことにしました。

保険が失効していた

こうして私の再出発が始まりました。

前夫が友人に借りていた借金の返済が、月々15万円ほどあります。

私が払い続けていたので貯金は全くできませんでしたが、損害保険の営業として働き始め月々手取りが30万円弱ありました。

そんなある日、私と子供の生命保険の担当者から「保険が失効して4ヶ月経っている。契約者さんと連絡が取れないし、子供の保険の件もあるので心配している」と連絡が来ます。

なんと前夫は離婚して1年も経たないうちに、保険料を払えなくなっていたのです。

すぐに連絡を入れましたが、謝るばかりで埒があきません。

この時に、「今なら6ヶ月分の保険料と告知のみで保険を復活できるし、引き落とし口座などを変更すれば自分で支払うことが可能になる」と担当者から聞きました。

私は悩みました。6ヶ月分の保険料というと、30万円かかります。

失効させたままにして、他の保険会社の保険に加入すれば、それは用意しなくて済むのです。

しかし問題は健康状態でした。

子供2人は小さな保険であれば告知で済むでしょう。
充実した保険に、幼い頃から加入させておくことが親の務めです。

でも私自身は所定の医師による診察を受けなければ、同等の保険に加入することはできません。

私はこれまで大きな病気にはかかっていないものの、診察をすれば健康を損ねている可能性があります。

もしそうなると、保険に新たに加入することはできません。

「告知で済むうちに復活させるしかない」そう決心しました。

そして保険復活の手続に必要な30万円は、消費者金融から借りることにしたのです。

両親にはすでに迷惑をかけているので、これ以上おねがいすることはできませんでした。

クレジットカードのキャッシング枠も持っていましたが、一括払いの契約になっているので、それでは返済できません。

初めての消費者金融

会社の近くにある消費者金融は、アコムとレイク、プロミス、アイフルでした。

どれがいいかなど全く分かりません。

ただ、前夫が一番初めに借りていたのはアコムでした。

そのことを思い出し、申し込みのため電話をかけると、職業や家族構成・職場・年収・月々の手取り金額・希望融資金額・使用目的などを聞かれました。

使用目的は、保険の復活のためとはなんとなく言いにくくて、パソコン購入と旅行費用と答えたと思います。

電話から30分ほど経ち、50万円の枠で貸付が可能という知らせを受けて、直接店舗に行き契約しました。

社会保険証と免許証を持参するように言われたと思います。

契約書を書き、しばらくした後カードが手渡され、手続きは完了しました。

50万円の枠内であれば、いつでも出し入れは可能、金利は27.37%で、月々の支払額は2万4千円程度です。

また月々の返済には最低でも利息の1万2千円は入れるようにと説明を受けました。実際に借りるのは、アコムのATMからです。

ちょうどその頃、車検の時期も近づいていたので、私は50万円を引き出し、そのうち32万を保険の復活に、13万円を車検費用の不足分に使いました。

さらに5万円残ったので、イラストレーターとフォトショップの中古ソフトも購入します。

6年後に完済

友人への返済も合わせると、月々18万円もの支払額を抱えていたので、金利だけしか支払えない月もありました。

一方お給料は、その月の成績にもよりますが手取り30万円前後。

うちから徒歩3分の場所にある実家でよく食事させてもらっていたので、食費の心配はありませんでした。

それでも15万円を友人に返済し、家賃は5万程度、光熱費2万、教育費に3万5千円となれば、生活は厳しいです。

時々支払い日に間に合わず、電話をかけて遅延してもらったこともあります。

最長で2週間ほど遅れましたが、連絡を入れていたので、督促の電話が来るようなことはありませんでした。

離婚して4年後には、友人からの借金を完済しました。

また2007年に金利が18%まで引き下げられたため、返済額が4000円ほど減額し、少し楽になりました。

その後は途中再度借り入れたこともありましたが、地道に2千円程度を返し続けたのです。

こうしてアコムから借金をした6年後にようやく完済することができました

完済すると言っても別にカードを返さなくてもいいので、はっきり完済されたという証明はありません。

いまでも融資枠は残っているでしょう。
途中融資枠の増額が可能だというお知らせも頂きましたが、その手続きは取りませんでした。

前夫が増額増額で1件当たりの融資金額を大きくし、合計18件、1300万円にまで膨れ上がったのを見ていたからです。

借金の原因がギャンブルであっても、破産も認められて免責も受けることができたのですから、法律は無慈悲ではありません。ただし、それに甘えてはいけません。

私が借りた50万円には、消費者金融に返還請求ができる「過払い金」が若干発生しているようですが、今のところその手続きをとるつもりはありません。

2007年に金利が引き下げになっただけでも、儲けものだと思っています。

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