保険料滞納危機を年金担保の借金で乗り越えました【体験談】

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独立して会社を立ち上げ数か月。
まだ顧客の開拓もままならない時期に、仙台の異業種交流会で ある生命保険の営業マンに出会ったことが全ての始まりでした。

【体験者の情報】
名前:蓮見 浩志(仮名)
性別:男性
当時の職業:サービス業
当時の年齢:36歳
お金に困った理由:無理をした生命保険料の契約
何を滞納したのか:生命保険料の支払い
滞納金額:36,730円

断れなくて入ってしまった保険

初めての異業種交流会に参加したのは、2012年の1月。多くのメンバーが新規会員の私をやさしく出迎えてくれて、とても楽しい会だったので、私はそれから足を運ぶようになりました。

交流会に参加するうちに仲良くなった生保の営業マン(異業種交流会の事務局担当)から電話が掛かってきたのは、6月の初めごろ。

「せめて話だけでも聞いてほしい(保険のセールス)」ということで、「邪険にするのも角が立つかな」と思い、とりあえず話だけ聞いてあげることにしました。

数日後、私の事務所に営業担当が2人やってきました。
初回にもかかわらず、ご丁寧に提案書まで持ってくる用意周到さ。

暗に、「保険の勧誘を断れば今後交流会に参加させないぞ」という雰囲気をだされ、私はたじたじに・・・。

ただ、私は過去に二度手術をしたことがあったので、それを告知に書いたら保険の契約はできないだろうなぁと思い、それをそのまま告知書に書いて、あとは断られるのを待つのみ、と高をくくっていました。

それから1週間後。

なんと、こちらの思惑とは裏腹に、見事に告知も含めた引き受けが通ることになってしまったのです!私はかなりうろたえました。

このままでは、今までかけていた保険の3倍もの保険料が毎月かかってきてしまう!それどころか、初回の保険料支払いすらあやうい!軽い気持ちで勧誘を受けてしまったことを後悔しました。

どう計算しても、このままではお金が入らない!

ただでさえ月々の生活費で一杯一杯。
今回の勧められた保険とは別に、義理で入った保険を解約してもなお、月々のやりくりに支障を及ぼすのは間違いありません。

その営業担当から、「初回月は保険料のお支払いはありません。その間に既存の保険契約を解除する時間を設けるためです。」と言われていたので、とりあえず安心していたのですが・・・それが、実は翌月に2ヶ月分まとめて支払うという意味だったことを後に(生命保険会社から来た封書で)知りました。

というわけで、最初から引落不能になり、保険料滞納状態に。このまま滞納が続けば、保険契約が無効になる、という督促状も届きました。

滞納額は36,000円
私にとってはおいそれと払える額ではありません。

当時は簡単なアルバイトも並行して行っていましたが、そのバイト代は生活費として消えていくことは決定しているし、ギリギリまで削っているのでもうこれ以上は無理。

普通ならここで持っているものを売ったりするのでしょうが、売れるものは以前売りつくしてしまい、手元には何もありません。

わずかな年金を動かすことに

ピンチになった私は、年金を担保にしてお金を借りるということができるという話を思い出しました。ホームページを調べたところ、やはり福祉医療機構という独立行政法人が、銀行を窓口にして貸付を行っていることがわかりました。

10年以上前からうつ病にかかっていて、障害年金を受給していた私は、2か月に一度入ってくるわずかな年金を担保にして、お金を借りることにしました。もうこれしか手はありません。

ホームページに書いてある書類で計算したところ、借入限度額は120万円。連帯保証人を付けることができないので、それから保証料を差し引いても117万は手元に入ってくる計算になります。

問題は、保証会社と 融資を実行する福祉医療機構の審査に通るかという一点に掛かってきました。

無事通った審査

書類を提出するために、銀行口座のある宮城県白石市まで行かなければなりませんでした。

銀行の窓口担当はただ淡々と書類に不備がないかどうかチェックするだけ。審査のことについては何も言われませんでしたが、「融資実行日が決まっているので、その数日前に連絡をする」とだけ言われて、白石を後にしました。

融資実行日は8月17日と言われましたが、処理によっては遅れる可能性もあるらしく、本当に綱渡りのような心境でした。毎日毎日、どうか審査が通りますようにと祈りながら、長いお盆休みを待っていました。

そして8月14日。

銀行から電話があり、「予定通り振り込まれます」とのこと。
私は安堵で力が抜けてしまったのを覚えています。

8月17日には予定のお金が入金され、無事保険料2か月分も引き落とされました。

もし、保険料が払えなかったら?

年金を担保に入れたので、これから入ってくる年金は半額になります。今までは2か月に一度度、2月分の年金が入ってきていたのですが、1か月分が返済に消えるので、今後2年半の間は2か月に1月分しか入らないことになります。

一時的に大金が入ったとはいえ、今後の生活が心配で仕方がありません。でも、それでも払わなければならないものは、いつかは払わなければならないのですから、仕方のない選択だったと思います。

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