高報酬!パチンコの打ち子!こんな勧誘にご用心。打ち子詐欺の実態【体験談】

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「打ち子詐欺」の被害に遭い、130万円もの借金を背負ってしまった事を語ってくれた三浦さん

「打ち子さん大募集!」

「打ち子のバイトなら主婦やサラリーマンでも効率よく稼げますよ!」

「パチンコには必勝法があるんです!欠陥のある台で打てば必ず儲かりますよ!」

パチンカーにとって、趣味を仕事にできる打ち子のアルバイトは最高の仕事ですよね。

しかも、必勝法まで教えてもらえるなんて、願ったり叶ったり!

もしかしたらパチンコで生活できてしまうかも・・・。

そう思ってしまう気持ちはよくわかります。

でも、世の中そんなにうまい話はありません。

もしあなたがこれから打ち子のアルバイトをしようとしているなら、それは絶対に止めておきましょう。

最悪の場合、100万円以上のお金を騙し取られてしまうかもしれませんよ・・・。

こんにちは。
母がパチンカーなので子供の頃はパチンコ玉が遊び道具だった編集部の松田です。

もしかすると、あなたは今まさにパチンコの打ち子の求人をみつけて、申込みしようとしているのかもしれませんね。

あるいは、あやしいと思いながら、やりたい気持ちを拭(ぬぐ)いきれないのかもしれません。

実はここ最近、打ち子をやりたいパチンカーを狙った詐欺が多発しています。

おいしいキャッチコピーを並べている求人のほとんどは、悪質な詐欺かもしれないんです。

今回私は、打ち子詐欺に遭われた5名に取材をしたのですが、みなさん非常に巧妙な手口で詐欺師の毒牙にかかっていました。

その手口はひとつやふたつではありません。

パチンカーたちの、「楽して儲けたい」という欲望のすき間を巧みに突いてくるのです。

もっとも被害額の大きい方で130万円。

借金まで負ってしまった方もいらっしゃいます。

では、打ち子詐欺に引っかからないためには、どうすればいいのでしょうか?

まずもっとも大切なのは、どのような詐欺の手口があるのか学ぶこと。

これが先決です。

また、今回の記事を通して、巧妙化している打ち子詐欺の手口はもちろん、

「打ち子詐欺にもう少しで騙されてしまうところだった」

「いやいやまんまと騙されてしまったよ」

という方々の貴重な体験談もご紹介していきます。

打ち子のアルバイトはほぼ詐欺。

最初から疑ってかかることが大切です。

軽い気持ちで手を出すのは絶対やめておきましょう。

この記事のアドバイザー情報

  • 寺林 智栄 監修者

    寺林 智栄弁護士

    2007年より弁護士として活動しています。私の強みは、男女問題・離婚問題・セクハラ・パワハラ・借金問題など、私たちの身近にあるトラブルの相談・弁護を数多くこなしてきている点です。悩みを抱える方々のお力になれるように、法律の専門家の視点から丁寧にわかりやすくアドバイスをさせていただければと思っています。
    ※こちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。

  • 松田 一郎 編集者

    松田 一郎編集者

    博多生まれ横浜育ち。アラフィフの3児の父。出版社に12年勤務後、フリーランスに。結婚後、住宅ローンに教育費、生命保険に国民年金などなど、否応なしにかさんでいく家計を少しでも節約すべく、お金の勉強をはじめました。自分の体験や節約術が、同じような悩みを抱えている方々のお役に立てばという思いを込めて、ファイグーの記事制作にいそしんでいます。フィナンシャルプランナー2級技能士。日本サッカー協会公認D級指導員。

打ち子で稼ぐつもりが、130万円の借金を背負うことに・・・(体験談)

今回お話をうかがったのは、会社員の三浦雄一さん(仮名)。

真面目で優しそうな雰囲気の男性です。

もともとパチンコが趣味だったという三浦さん。

あるとき、「パチンコで高収入を得られる」という打ち子(※1)の求人に惹かれ、そのアルバイトに応募してみることにします。

しかし、そのアルバイトは卑劣な詐欺の入り口でした。

だまされてしまった三浦さんは、複数の消費者金融から多額の借金を背負い、最期は破産することになります・・・。

悪徳業者にだまされたせいで人間不信に陥った三浦さん。

破産から立ち直った今も苦悶(くもん)の日々を送っています・・・。

今回は、打ち子詐欺の巧妙な手口と、三浦さんがだまされてしまった経緯について、くわしくうかがいました。

体験者の情報

名前:三浦 雄一(仮名)
性別:男
職業:会社員
年齢:32歳
借金の合計額:約130万円
借金の理由:打ち子詐欺の被害に遭って

※1
打ち子とは、誰からに雇われてパチンコ・パチスロを打つ人のこと。

「パチンコを打つだけで高報酬」なんて最高だと思った

― 打ち子のアルバイトを知ったきっかけは?

2009年頃のことです。

ある日、携帯に、『グラッド』という会社からメールが届きました。

タイトルは、「高報酬アルバイト募集」

内容は、要するに打ち子の募集でした。

丁寧な文章で仕事内容が説明されていて、「主婦やサラリーマンでも効率よく稼げます」なんてことも書いてありましたね。

― あやしいと思いませんでしたか?

もちろん最初はあやしいと思いましたよ。

でも、「熱意が必要」とか「選考がある」とか書かれていたので、なんだか信憑性があるように感じてしまったんです。

― 応募の決め手は何でしたか?

もっと収入が欲しかったからですね。

当時の手取りは20万円くらいで、あまり余裕がなかったので・・・。

それに、もともと私はパチンコ大好き人間でした。

パチンコに月10万円ほど使っていたので、「趣味で稼げたら最高じゃないか!」と思ってしまったんですよね・・・。

― 応募方法は?

届いたメールに載っていたリンク先のエントリーフォームに、必要事項を記入して応募しました。

たしか、自分の長所・短所とかを書いたように思います。

その後、1~2日後に、「グラッドのタナカ」と名乗る男性から電話がありました。

― タナカはどんな人物でしたか?

声の印象は30歳台半ばくらい。

とても落ち着いたしゃべりかたで、いかにも真面目そうな雰囲気でしたね。

― タナカと話した内容を教えてください。

「たくさんの応募の中からであなたが選ばれました」告げられました。

ただ、この時点で即採用というわけではなく、「まだ第一段階だから、次の審査に進む必要がある。ほかにも残っている人はいるけど、私が上司に推薦すれば採用される」という説明を受けたように思います。

「審査をパスした人、厳選された人だけが働けるお仕事です」などといわれて、すっかりこっちもその気になってしまいました。

― 審査では、なにかテスト等を行ったのでしょうか?

とくになにも行ってません。

私は、ただタナカからの電話報告を受けるだけでした。

「あと少しですね」「三浦さんを応援したい、勝ち抜いてもらいたい」みたいな内容で3~4回電話がありましたね。

こちらも電話がかかってくるごとに期待が高まっていましたから、「もうちょっとで採用される!」とワクワクしていて、今思うと完全に踊らされている状態でした。

― この時点でおかしいとは思わなかったですか?

そうですね・・・。

打ち子の仕組みについて気になっていたので、タナカに質問しました。

すると、「パチンコ屋と提携しているから、どこのパチンコ屋の、どの台がいいかわかっている。もし不利益を被ってもなんとかできる」と説明されて、信用してしまいましたね。

130万円の保証金を支払うことに

― お金を要求されたのはいつでしたか?

真面目で優しそうな印象の三浦さん

最初のコンタクトから1週間後くらいに、「見事、三浦さんが選ばれました」という連絡がありました。

そのとき、はじめてお金の話になりましたね。

タナカがいうには、ライト級、ミドル級、ハイクラスのコースがあって、それぞれにメリットとデメリットがあるとのこと。

ライト級の場合、保証金は安いけど、そのぶん利益の取り分も少ない。

一方で、ハイクラスの場合、保証金は高いけど、月収300万円は余裕だといわれました。

そもそも、保証金は機密性の高い情報を提供するために必要とのこと。

保証金がないとお互いの信頼を築けないから、仕事も任せられないというのです。

保証金は、ライト級で30~50万円、ミドル級で60~90万円、ハイクラスで100万円以上と説明を受けました。

― 保証金を要求されて、どう思いましたか?

「それだけ稼げるのだから、そういうルールがあってもしょうがないな」と思ってしまいましたね。

でも、急にお金の話をされて正直困りました。

すぐに何十万円なんて用意できませんから。

― なぜ断らなかったのですか?

タナカに、「すぐにはお金を用意できない」と伝えたところ、「はやく保証金を入れないと三浦さん以外に権利が譲渡される」といわれて・・・。

今まで冷静に話していたタナカが熱心に説得してくるので、私も「どうにかしないと」という気持ちになりました。

結局、腹をくくって、「ライト級で検討したい」とタナカに伝えてしまったんです。

数十万円の出費は痛いですが、もし本当にお仕事できたらこんなに効率のいい仕事はありませんから。

お金も30万円くらいならなんとかなると思ったのです。

― ライト級で契約したのでしょうか?

いいえ。

タナカいわく、「ライト級ではあまり儲からない。しかも、一度ライト級を選ぶと変更できなくなる」と。

さも私のことを考えてくれているような口振りでいうんです。

最終的には、ハイクラス(保証金100万円以上)で契約することになってしまいました。

電話で指示を受けて・・・サラ金から借入れ

― どうやって保証金を工面したのですか?

サラ金からの借入れを勧められました。

それまでサラ金から借りた経験はなかったので二の足を踏んだのですが・・・「期限が迫っている」「すでにギリギリ」「今日中に振込明細(画像)を送れば間に合う」とたたみかけられましたね。

タナカは、サラ金から借りることを「保証金の立替え」と表現していました。

「あとから返ってくるお金だから」と説得され、私も納得してしまいましたね。

― その日のうちにサラ金で借りたのですか?

はい。

でも、サラ金から借りた経験がないので、「今日中」といわれても何をすればいいのかわかりません。

するとタナカに、「近くのレイク(自動契約機)に行ってください」と指示されたのでそのようにしました。

タナカは私の住所も知っているので、どこに自動契約機があるのかもわかっていました。

結局、レイクのあとにアコムでも契約し、計130万円の借金をすることになります。

― 借入れの手続きについて、タナカからなにか指示はありましたか?

はい。

「借入目的は『買い物』としたほうがいい」とのことだったので、そのとおりにしました。

― 130万円は全額タナカたち(グラッド)に振込みしたのですか?

いいえ。

10万円は軍資金として残すようにいわれたので、残りの120万円をメールで指定された口座に振込みました。

指示通りに打ってもまったく当たらない!

― 実際に打ち子として仕事をしたのですか?

「本当は忘れたい過去」と、苦々しげに当時のことを語ってくれた三浦さん

はい。

初日は、タナカに指定された店舗の指定された台へ向かいました。

ただ、すでに男性のお客さんが座っていたのでタナカに電話をかけると、「今日は見学ですから、先輩が打つ様子を見てください」とのこと。

とりあえず、何回出ているのかを黙って見ていました。

タナカに、「話しかけてはいけない」といわれていたので、その人とタナカがグルだったかどうかは今でもわかりません・・・。

電話では、タナカが『大当たり本数26回』などと具体的な数字をあげて、いかにもパチンコ店と情報を共有しているような表現をしていましたね。

― 2回目から自分で打つようになったのでしょうか?

はい。

次の勤務では、実際に自分でパチンコを打つことになりました。

ただ、指定された台に座るだけではなく、打つ前に一定の手順を踏むよう指示されます。

たとえば、レバー・ボタンを決まった順序で操作するとか、触れるとかそういったことです。

でも、やってみると、これが意外と難しくて・・・。

何度かやっているうちに慣れてはくるのですが、うまくいっているのかよくわかりません。

結局、手順どおりにやってもまったく当たらず、限界まで打って止めてしまいました。

電話が繋がらなくなり詐欺だと気づく

― 当たらなかったことをタナカに訴えたのですか?

はい。

その日の夜に電話したら、「ちゃんと手順通りにしていただかないとダメです」と文句をいわれました。

こちらが正しい手順を踏んだのか確信できないのをいいことに、「当たらなければ手順が間違っている」というんです。

こうなるといくらでも言い逃れができますよね。

そんなやり取りを1~2回したあと、連絡が取れなくなりました。

― 向こうが電話に出なくなったのですか?

いいえ。

電話番号がなくなってしまったんです。

本当に不思議なのですが、携帯電話の連絡帳にあったはずのグラッドの電話番号が、「000-0000-0000」みたいに全部0に書き換わっていたのです。

こちらからかけられない状態になっていました。

警察に相談するも・・・最後は破産

― 警察には相談されたのですか?

はい。

断片的な情報しかありませんが、「東京の銀座にあるグラッドという会社で、担当者はタナカ」ということを警察に伝えました。

警察の方も丁寧に対応してくださいましたが、「同様の事件の被害者が少ないので・・・」といわれ、なんの成果も得られませんでした。

こちらも、「これ以上被害が増えないようにしてください」というしかなかったですね・・・。

― 130万円の借金はどうなりましたか?

はじめの頃は、がんばって月6万~9万円ずつ返済していたのですが、7ヶ月目には挫折しました。

自分のための借金ではなく、だまされて負った借金なので、やはりお金を払い続けるのは苦痛でしたね。

もともと余裕もありませんでしたし、「なんのために働いているんだろう」と思うと絶望的な気持ちになります。

結局、破産を選択しました。

― 破産の手続きはどのようなものでしたか?

インターネットで、債務整理専門の弁護士さんを見つけて相談しました。

弁護士さんからは、「3ヶ月間の収入・支出を家計簿につけてお金の流れを把握するように」と指示されましたね。

自己管理ができていないと、破産の免責が下りないのだそうです。

結局、弁護士さんに依頼してから、3ヶ月くらいで免責が下りました。

私の場合は弁護士さんに頼んでよかったですね。

もし弁護士さんなしでやっていたら、半年以上かかっていたと思います。

弁護士費用は約30万円だったので、分割で支払いました。

― 当時を振り返って、どのような感想をお持ちですか?

詐欺に遭い、人間不信に陥ってしまい、その傷は今も癒えていない様子の三浦さん

本当に馬鹿だったと思います。

別に普段の仕事とか、サラリーマンであることに不満があったわけではないのです。

ただ、「パチンコを仕事にできるなら、こんなにありがたいことはない」と思ってしまったんですよね。

そんなうまい話あるはずないのですが・・・。

見知らぬ人を簡単に信用しすぎてしまいました。

今なら、同じような詐欺にはだまされない自信があります!

そのかわり、人を疑うのがクセになってしまって・・・それがイヤですね。

人付き合いで、「相手に不快感を与えているのではないか?」と不安に思うこともあります。

まとめ

いかがでしたか?

今回のポイント(打ち子関連詐欺の手口)をまとめてみましょう。

  • 打ち子募集詐欺
    パチンコ打ち子のアルバイトを募集し、応募者から保証金や入会金などのお金をだまし取る手口
  • 攻略法詐欺
    雑誌やインターネットの広告で、「必ず勝てる攻略情報」「会員だけの限定情報」などとうたって会員登録させ、徐々に高額な情報を買わせるように仕向ける手口
  • 救済詐欺
    打ち子詐欺の被害者に近づき、相談に乗るフリをして調査料や手数料をだまし取る手口

結論からいうと、打ち子関連の求人やパチンコの攻略法は詐欺に関係する可能性が高いので、関わらないようにしましょう。

また、そもそも打ち子そのものがグレーゾーンのアルバイトです。

やり方次第では違法行為に該当します。

あなたが詐欺被害に遭う可能性もあるし、加害者になってしまう可能性もあるわけです。

最後になりましたが、打ち子などのあやしいバイト、闇バイトについては以下で特集を組んでいます。あわせて読んでみてくださいね。

あーあ。お金がなくてメープルシロップ買えないや。

よし!

あれ?野球のバットなんか持ってどこ行くの?

パチンコ打ちに行ってくる!

・・・打つの意味が違うよ。

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