なぜ、個人事業主の私が日本政策金融公庫でお金を借り続けるのか?【体験談】

日本政策金融公庫でお金を借りたという体験を語ってくれた自営業の伊藤さん

日本政策金融公庫は政府が出資している金融機関です。銀行など他の金融機関にくらべ、比較的低金利でお金を借りることができます。中小企業や個人事業主の強い味方です。

今回は、実際に日本政策金融公庫を利用したことがあるという自営業の女性にお話をうかがいました。

体験者の情報

名前:伊藤 美智子(仮名)
性別:女性
職業:グラフィックデザイナー
当時の年齢:33~50歳
借入件数:消費者金融3件、信用金庫1件、公的支援
会社名(借入先):武富士、プロミス、ノーローン、たちばな信用金庫、母子福祉資金貸付金、日本政策金融公庫
利用時期:2000年~2013年(日本政策金融公庫)
借金の合計額:総額600万円以上

今では日本政策金融公庫の常連です

お話をうかがったのは、フリーのグラフィックデザイナー伊藤美智子さん(仮名)、52歳。

伊藤さんは自営業で働きながら、二人の娘さんを育ててきたシングルマザーです。

公的機関や銀行、消費者金融からお金を借りながら、仕事と家計をやりくりしてきました。

今回は、彼女が仕事の事業資金として「日本政策金融公庫」からお金を借りたときのことをうかがっています。

パソコンの購入資金を日本政策金融公庫から借りました

― どんなお仕事をしているのですか?

若々しい伊藤さん。50代で、成人した娘さんがいるとは思えません

フリーのグラフィックデザイナーです。

昔はデザイン事務所に勤めていたこともあるのですが、20年ほど前に独立して、自宅で仕事をしています。

― 収入はどれくらいですか?

景気がよかった2000年頃までは、年収が400万円くらいありました。でも、景気が悪くなってからは、月収10万円もあればいい方ですね。

娘2人が成人するまではシングルマザーとして家計を支えていたので、本業の収入だけでは足りないこともありました。

スナックのアルバイトなど副業もしながら、どうにか暮らしてきたんです。

― 日本政策金融公庫からお金を借りることになったのは?

初めて日本政策金融公庫に申込んだのは2000年頃のことです。グラフィックデザインの仕事で使うパソコンを購入するために申込みました。

当時はまだ娘たちにお金がかかる時期で、パソコンを購入するお金がなくて。

日本政策金融公庫に借入れの申込み!ここで必要になったものとは?

― 日本政策金融公庫とはどんな金融機関?

自営業者にお金を貸してくれる政府の金融機関です。サラリーマンでいうところの「ろうきん」ですかね。

駅の近くに店舗があったので、そこに相談にいきました。

― 手続きには何が必要でしたか?

身分証明書、印鑑証明書、所得証明書、パソコンの見積書です。所得証明書は前年度の確定申告書の写しを提出しました。

また、初めての借入れだったので、保証人が2人必要でした。

保証人を頼んだのは、母子家庭仲間の2人の友人です。日頃から色々と助け合っていて、かなり深い付き合いをしていた人たちでした。

保証人の身分証明書、印鑑証明書、所得証明書も一緒に提出する必要があります。

― いくら借りたのですか?

150万円申請しました。

パソコンのメンテナンスをお願いしていた出入りの業者さんに見積書を書いてもらったんです。グラフィックデザインに使うパソコンなので、高額なんですよね。

でも本当はここまで高くはないのですが、なるべくたくさんお金を借りたかったので...。

知り合いの業者なので、金額を高めにして書いてもらったんです。

― 審査は厳しかったですか?

日本政策金融公庫の人に、「今までのパソコンは使えないのか?」とか「ソフトがそんなに高いのか?」と追及されましたね。審査が下りるまで1ヵ月かかりましたよ。

また、初めての借入れだったせいか、150万円の融資は受けられず、90万円になりました。金利は8%くらいだったと思います。

また当時は、「パソコン購入資金」という借入項目がなかったので、「事業開始資金」という扱いになりました。

― 月々の返済額は?

月々1万5,000円ずつの返済です。

でも実際はパソコンに90万円も使わなかったので、余ったお金はすぐに返済用の口座に入れておきました。

日本政策金融公庫の利用者を保証人にすると、手続きがはやく・簡単になる?

― その後も日本政策金融公庫を利用されたようですね?

はい、最初の借入れから1年後のことです。まだ前回の借入れを完済していませんでしたが、並行して借りることができました。

このときは「パソコン購入資金」という名目で申請しました(このときには、もう「パソコン購入資金」という項目ができていました)。

今度は、150万円全額 審査に通り、金利も2%まで下がりました。初回よりも信用ができたからだと思います。

返済額は月2万円くらいでした。

― 手続きは前回と同じですか?

保証人は別の人に頼みました。以前勤めていたデザイン事務所の社長です。

この社長自身、長年日本政策金融公庫で融資を受けていた方なので、すでに信用がとても高かったんです。

そのせいか、前回に比べてだいぶ審査がスムーズだった印象です。借入額が上がり金利は下がりましたし、申込みから2週間くらいでお金が振込まれました。

前回は1ヶ月くらいかかったので、だいぶはやくなりましたよね。

― 日本政策金融公庫利用者を保証人にすると、手続きがはやく・簡単になるのでしょうか?

通常は、申込者本人にくわえ、保証人の分の必要書類を提出しなければなりません。

しかし、すでに日本政策金融公庫から融資を受けている人を保証人にすれば、保証人用の提出書類を用意しなくていいんです。本人に直接電話で確認するだけで済みます。

こちらで用意するものも少なくて済みますし、審査スピードもはやくなるのです。

返済のためにトリプルワーク

― 返済は順調でしたか?

日本政策金融公庫だけで毎月計4万円ほど返済しなければならないうえに、私は他の返済(信用金庫等)も抱えていたので、とても大変でした。

しかもちょうど仕事が激減して、デザインの仕事は月10万円くらいしか入らなくなって。

これでは返済どころか生活もままならないので、副業もしていました。昼間は三菱系列の工場でライン作業、夜はスナックでアルバイトというトリプルワークの生活です。

― トリプルワークは大変だったのでは?

40代の前半は一番働いていましたね。あまり寝てなかったです。3時間の睡眠が3年くらい続きました。それこそ血を吐いたり、血尿が出たりすることもあって(笑)

結局、これでは身が持たないと、途中で減額の手続きをしたんです。

― 「減額の手続き」とはどのようなものですか?

日本政策金融公庫の窓口に行って、「収入が激減したので生活が苦しい。毎月の返済額を減らしてもらえないか?」という交渉をするのです。

前年度の確定申告の書類を持っていっていったのですが、これを見せれば収入が激減したことが一目瞭然だったので、手続きは簡単に終わりました。

返済期間を延長し、かわりに4万円くらいあった毎月の返済額を8,800円まで圧縮してもらったんです。

生活費のためにも日本政策金融公庫を利用

― さいきんも日本政策金融公庫から借りることがありますか?

はい、最近では2010年頃 利用しました。やはり「パソコン購入資金」の名目で、金利2%、70万円を借りています。1ヵ月の返済額は3万円くらいです。

ただ、実はこのときの借入れの目的は、パソコン購入のためではなく、「生活費のため」だったんです。

日本政策金融公庫は、他の金融機関のローンにくらべて圧倒的に低金利ですよね。

だから、事業資金目的でなくても、こちらで借りたほうが有利なんです。たとえば消費者金融で借りたら、金利は18%とかになってしまいますからね。

それに、「途切れないように借り続けた方が次も借りやすい」と聞いたので、申し込みました。もちろん順調に返済をしていることが大前提です。

― 手続きも同じですか?

「今も昔も、貯金はまったくありません!」笑いながら話す伊藤さん

特に手続きに変わりはなかったと思います。

今度の保証人は、中学校時代の同級生の男性に頼みました。自営業で高額所得者の方です。

やはり彼自身も日本政策金融公庫を利用していて、高い信用がありました。ですから、この時もわずか2週間で審査が下りて、お金を借りることができました。

― 毎回、保証人を頼むのは大変ではありませんか?

1回目の借入れの時は、私も年収400万円以上あったので、友人たちも快く引き受けてくれました。

2~3回目の保証人は、同じ自営業同志で助けてくれたというかんじですね。いつもこういう人たちに支えられてありがたいです。

― 日本政策金融公庫から合計3回融資を受けました。返済はどうなりましたか?

最後まで滞納することなく、去年(2013年)すべて完済することができました。

結局、10年以上借りたり返したりを繰り返していたことになります。

日本政策金融公庫利用のポイントは「細く長く借りる」こと

― 返済が長期になってしまって、大変ではありませんでしたか?

日本政策金融公庫は金利が低いので、わざと長期間に渡って返済しました。たとえ時間がかかっても、きちんと返すことが大切なんです。

私たち自営業者の間では、「日本政策金融公庫はサラ金から借金してでも返せ」と言われています。公庫への返済を最優先しろということです。

なぜなら、一度でも返済が遅れると融資を受け付けてくれなくなってしまうからです。でも信用が上がれば、審査のハードルはどんどん下がっていきます。

地道に返済したおかげで、私の公庫からの信用はすっかり上がりました。

今でも、「借りてくれ」という電話がしょっちゅうかかってきますよ(笑)。

― 返済を滞納しないための工夫はありますか?

複数の返済を抱えながら、上手に金融機関を利用してきた伊藤さん

支払いが苦しいなら、収入を増やすしかないですね。私の場合は副業で稼ぎましたが。

働くことさえできれば借金は返せます!ですから、病気やケガをしないように気をつけることも大切ですね。

あとは、「50歳までに完済させよう!」という決意もありました。

また、私は消費者金融や信用金庫も利用していましたが、それらとのバランスも大切です。

日本政策金融公庫のような低金利の金融機関は「細く長く」借りて、銀行や消費者金融は早めに返すという工夫をしていました。

― これからも日本政策金融公庫を利用しようと考えていますか?

はい、さらに信用度を上げるためにも利用したいですね。

最終的には他の金融機関と合わせて合計1,000万円を借りられるところまで持って行って、老後資金に充てようかなと思っています(笑)。

歳を取っても、子どもたちに迷惑かけたくありませんから!

インタビューを終えて

複数の借金を抱えていたのに「一度も滞納したことはない」という伊藤さん。

これまで多くのローン利用者にインタビューしてきましたが、このようなケースは非常に珍しいです(複数の借金を抱えている方は、返済が困難になってしまうケースが多いので)。

それどころか順調に信用を上げて、すでに複数の金融機関にかなりの枠をお持ちだそうです。

日本政策金融公庫について

日本政策金融公庫は政府の金融機関です。中小企業をはじめ、伊藤さんのようにフリーランスで仕事をしている方も利用できます。

日本政策金融公庫
http://www.jfc.go.jp/

日本政策金融公庫のメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。

メリット

  • 金利が低い
  • 返済期間を長期に設定できる

デメリット

  • 必要書類が多い
  • 保証人が必要
  • 融資までに時間がかかる
  • 一度でも返済が遅れると、その後の融資が受けられない

ただし伊藤さんも話していたように、「自分の信用を上げる」もしくは「信用の高い人を保証人にする」と、審査にも有利になりますし、手続きが簡単になるようですね。

しかしそのためには、無理のない返済計画を立て、遅れずに返済することが大事です。

なお、伊藤さんは、日本政策金融公庫のほかにも、母子家庭向けの貸付制度や信金のカードローンを利用しています。

詳しくは次のインタビューに載っていますので、あわせて読んでみてください。

→ 【ビジネスローン徹底比較】都市銀行・地銀ノンバンクのレビューまとめ

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