楽しい・辛い日雇いバイト体験記。モデルルーム解体、工場の深夜作業

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無職時代、実家に居づらくてなんとなく始めた日雇いアルバイト。
今回はそのときの経験談について綴って行きたいと思います。

体験者の情報

名前:木手 栄治(仮名)
性別:男性
当時の年齢:21歳
当時の職業:無職(専門学校卒業後)
日雇いのきっかけ:無職で実家に居づらいため

就職できずに卒業を迎え、実家でゴロゴロしている訳にもいかず...

夢と希望を持って進んだ服飾専門学校のはずでしたが、私は卒業を間近にして業界への興味を失い、就職活動をまともにしませんでした。

結局、そのまま就職は決まらず、「無職」という肩書きのまま卒業を迎えることになるのです。

当然、親もそんな人間にタダ飯を食わせて黙って置いてくれるということはないでしょうし、「はやく仕事を探さなければ・・・!」と思いながら日々を過ごしていたのですが、だんだん狭くなる肩身・・・家に居づらくなって来ました。

とりあえず何かしなきゃと思い、日雇いアルバイトでもしようかなと思ったのがはじまりです。

田舎に住んでいるとやりづらい?

私の実家は大阪の片隅にある田舎町で、都心まで出ようと思えば、電車で往復1,000円以上かかってしまいます。

私が登録した派遣会社の事務所は都心にあり、仕事内容も都心部での事務所移転や、引越し作業が主流でした。

派遣の仕事は基本的に現地集合、現地解散のものが多いのですが、交通費は上限1.000円という形で提示されている給料の金額に含まれていました。

結局、現場への交通費、コンビニなどで買う昼食代がかかりますし、作業の保険料や備品のレンタル代など(数百円)も日当から差し引かれますので、実質2,000円ほどは自己負担の形になってしまいます。

また、給料は直接事務所に赴いて受け取る制度だったので、(現場帰りに事務所に立ち寄って受け取ることができれば幸いなのですが)受付時間を過ぎてしまった場合は、後日また事務所を訪ねなければいけませんでした。

さすがに、お金を受け取るためだけに高い交通費を払って都心へ出て行くのは非常に残念な気持ちになります。

登録事務所はなるべく自宅に近いほうがいいです。

日雇いアルバイトのメリット:様々な体験ができる

もちろん"日雇い"と銘打っているわけですから、最大の特徴・長所は、「お給料がすぐ手に入る」ことです。

しかし、それ以上に私が「メリット」に感じたのは、「さまざまなおもしろい仕事を体験できる」ことです。

楽しかった仕事:モデルルームの解体作業

私の経験した派遣の仕事で特に楽しかったのは、『モデルルームの解体作業』でした。

プレハブの中にマンションの一室を再現したモデルルームを、ハンマーやバールなどで徹底的に破壊していく作業です。

雇い主の解体屋の方からも特に細かい指示は出ず、ピカピカのシンクや壁、天井などを与えられた工具で各々が好きなように壊していきました。

私は、漫画やドラマで有名な『GTO』の主人公「鬼塚英吉」が、ハンマーで壁を叩き大穴を開けるあの有名なシーンを思い描きながらの作業に陶酔していました。

当然、最初はとても楽しいので、すごく張り切るのですが、破壊の衝撃は体にも返ってきていますので、お昼前には全身が痛くなってきました^^;

しかし、気持ち的には終始楽しむことが出来ました。

全力で何かを破壊するなんて、なかなか経験できないのではないでしょうか。

辛かった仕事:深夜の工場での作業

私の経験した仕事の中で一番きつかったものは、『深夜の梅干工場の瓶詰め作業』です。

作業は至ってシンプル。
夜の8時から朝の8時まで、ひたすらベルトコンベアに乗って流れてくる梅干のビンをダンボールに詰めていく仕事です。

まず、最初に襲って来るのが眠気でした。

単調すぎる作業と深夜の薄暗い工場内に響く規則正しい機械音が、どんどん意識を朦朧とさせてくるのです。

そして、序盤の数時間、眠気との格闘を終えた後に襲ってくるのが体の各部の痛みです。

単調作業の小さなモーションでも、同じ動きを数時間繰り返していると、疲労は確実に肉体に蓄積されてゆきます。

まずは、ビンを持ち上げる指の関節が悲鳴をあげ始めました。

次に、体の動きの起点となっていた右足の膝も激痛を帯び始め、今すぐその場にしゃがみ込みたい気持ちを抑えながら必死に終わりのない作業を繰り返し続けていました。

時計の針の進行はいつもよりはるかに遅く感じ、何度見ても長針は同じ位置にあるように思えました。

他の人達は平気でこの作業をこなしているのだろうか?と辺りを見回してみると、すでに生気のまったく感じられない作業員の顔が並んでおり、死後の世界を連想させられました。

3日間の参加を予定していた現場でしたが、2日目で完全に心が折れ、3日目の仕事予約をする電話を掛けることができませんでした。

今だかつて、これほど苦痛を伴う現場にはお目に掛かった事がありません。

この仕事をした後は、どんなに辛い作業でも楽に感じることができたくらいです。

日雇いアルバイトのメリット:色々な人間に出会える

日雇いアルバイトも、新米の頃はベテランの方に気を使ったり、わからないことばかりで窮屈な思いをするのですが、慣れてくると以前の現場での顔見知りがいて打ち解けたり、当日の作業の大体な流れも把握でき、のびのびと働くことができるようになります。

そして、普通に生活していたら出会えないような人達とも話をする機会があるので楽しいです。

私の出会った人だけでも、ミュージシャン、漫画家、芸能人の親族、K-1選手など、いろいろな方がいました。

そのような方たちと休憩時間や待機時間などにお話すると、どの方も独特の価値観をお持ちで、とても新鮮で刺激的です。

日雇いアルバイトの経験を活かして

日雇いアルバイトをはじめてから1年後、ようやく職がきまり、次の春から定職につくことになりました。

就職先はテレビ照明の業者です。

一日ごとに現場が変わったり、体力勝負な部分も多かったのですが、そういったときに日雇いでの経験が非常に役に立ちました。

たくさんの現場を見てきた私の適応力は「同期の者たちよりも抜きん出ている」と先輩達に褒められたことは単純に嬉しかったです。

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