更新日:2018/07/20
即効性あり!資金ショートを回避するための5つの応急処置。何を削るべきか?
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評価を設定してください ×資金繰りが悪化したので、つい悪徳業者に手を出してしまった!
借金が膨れ上がり、取り返しのつかない事態に...!
資金ショートを避けようと誤った手段を選び、最悪の結果を招いてしまう会社は少なくありません。
非常事態に直面した時、経営者は冷静さを失い、普段では考えられないような判断ミスをしてしまうことがあるのです。
こうした事態に陥らないためにも、いざという時に最優先で取り組むべき事項について整理しておきましょう。
ここでは、資金ショートが目前に迫った時、すぐに使える5つの応急措置をご紹介します。
- 目次
- 資金ショートを回避するための5つの方法(即効性あり)
- 銀行に対してリスケの交渉を行う
- 税金・社会保険料の支払いを遅らせる
- コスト削減はリスクが低く、すぐに実行できるものから
- 遊休資産の売却で、手持ちの現金を増やす
- つなぎ資金ならノンバンクの活用も検討する
資金ショートを回避するための5つの方法(即効性あり)
資金ショートとは、支払いが集中したり、期待していた収入が突然入って来なくなったりで、収支のバランスが狂い、手持ちの資金が底をつくことをいいます。
資金ショートを回避するには、収支のバランスを調整する必要があります。
具体的には、次の(1)~(4)の切り口から、様々な方法が考えられます。
- 1入金のタイミングを早くする。
例: 売掛金支払いの前倒し、現金決済への切り替え、ノンバンクローンの利用など。 - 2出金のタイミングを遅くする。
例: リスケ申込み、社会保険・税金の延滞、買掛金支払いの先送り、給与の遅配など。 - 3収入を増やす。
例: 売り上げのアップ、遊休資産の現金化など。 - 4支出を減らす。
例: 人件費の削減、仕入れの値引き、通信費・光熱費の削減などコスト削減。
これらの方法の中には、「売り上げアップ」のように難易度の高いものや、「買掛金支払いの先送り」のように今後の信用を失うリスクがあるものも含まれています。
しかし資金ショートの応急処置としては、難易度やリスクが低く、即効性が見込める方法を選ぶ必要があるでしょう。
そうした観点から、まっさきに実行すべきと考えられるのは、以下の5つの方法です。
- 銀行へのリスケ申し込み
- 税金・社会保険の延滞
- コスト削減
- 遊休資産の現金化
- ノンバンクローンの利用
これら5つの方法につき、どんな点に注意して実行すればいいかを解説していきます。
ただし、慢性的な赤字体質が原因で資金ショートしそうな場合は、長期的に大掛かりな対策を講じる必要があるでしょう。
ここで取り上げる方法を実行しても、問題の先送りにしかなりません。
銀行に対してリスケの交渉を行う
資金繰り悪化の主な要因が「銀行への返済の負担が大きい」ことである場合、リスケを行うのが効果的です。
リスケとは「リスケジュール」の略で、返済期限を引き延ばしたり、月々の支払額を減らしたりなど、返済の条件を変更することをいいます。
例: 今まで毎月50万円ずつ返済していたものを、今後1年間だけ30万円ずつの返済に減額してもらう
リスケの交渉にあたっては、リスケ申込書、経営改善計画書、資金繰り予測表などの資料を用意し、銀行の担当者に申し込みます。
交渉のポイントは、今後の返済の見通しについて「わかりやすいストーリーを作って説明すること」です。
そのためには、「なぜリスケが必要か」「現在の苦境をどう打開するか」「返済再開(もしくは通常の返済に戻す)の見通し」に焦点を絞り、わかりやすく説明する必要があります。
また、銀行員を説得するために具体的な根拠や数字の裏付けを示すことが重要です。
リスケ交渉の成功率は全体の20~30%といわれています。
しかし、経営再建の目途が立っている会社が、具体的で説得力のある資料を用意出来れば70~80%の確率でリスケ交渉は成功するのです。
なお、銀行とのリスケ交渉についてはこちらでも解説しておりますので、あわせてご覧ください。
税金・社会保険料の支払いを遅らせる
税金・社会保険料を滞納してしまうと、会社の不動産や買掛金、預金などを役所に差し押さえられる可能性があります。そうなると事業遂行に大きな支障が出てしまいますよね。
そのため、税金・社会保険料は「支払いの優先順位が高い」と考える経営者が多いですが、必ずしもそうではありません。
確かに役所は、無断で税金や保険料を滞納すると、強制執行などの厳しい対応を取ります。
しかし、苦しい資金繰り事情を説明して協力を求めれば、支払いを分割払いにするなど、柔軟な対応をとってくれるケースも多いのです。
税金・保険料の支払いが難しい場合は、税務署や年金事務所に足を運び、資金繰り表などの資料を示して現在の状況を説明し、協力を求めましょう。
ただし、支払いを遅らせるとその分延滞税が掛ります。
延滞税の税率は14.6%なので、その点には注意して下さい。
コスト削減はリスクが低く、すぐに実行できるものから
コスト削減の中には、従業員給与の削減のように慎重な配慮が必要なものもあります。
コスト削減に取り組む場合は、社員のモチベーションが下がらず、それでいて効果の大きいものから取り組みましょう。
例えば、以下の方法は比較的簡単に実行できると思います。
- 役員報酬を削減する。
- 最短経路で通勤してもらい、交通費の支給額を抑制する。
- 出張費削減のため、金券ショップや新幹線の回数券、格安航空券などを活用する。
- 出張費の支給を実費精算にする。
- 会社が負担する携帯電話代を基本通話料のみに変更する。
遊休資産の売却で、手持ちの現金を増やす
業務と関係のない遊休資産を保有している場合は、売却して現金化しましょう。
たとえば、投資用の不動産、ゴルフ会員権、リゾート会員権などを現金化するとよいでしょう。不動産を売却すれば、固定資産税や管理費も削減できます。
ただ、不動産の価格が下落している場合は注意が必要です。
売却損が発生し、会社の業績が悪化し、リスケ交渉に悪影響が出る可能性があります。
資産の売却だけで資金ショートを回避できる場合は問題ありませんが、そのあとでリスケの交渉を行う場合は、この点に注意してください。
また、積立式の生命保険があれば、解約して掛け捨ての生命保険に切り替えましょう。こうすれば解約返戻金が手に入り、保険料の節約にもなります。
つなぎ資金ならノンバンクの活用も検討する
ノンバンクのローンは金利15~18%程度。
高金利のため、「絶対に利用してはいけない」と思い込んでいる経営者が多いです。
しかし、資金不足が一時的なものですぐに返済が見込める状況であれば、ノンバンクを活用してもリスクは低くなります。
例: 50万円を年利18%で借りて⇒1か月後に返済した場合、かかる利息は7,500円程度
また、ノンバンクは審査が速く、遅くても1週間ほどで融資が受けられます。
付き合いの浅い取引先に、買掛金の支払いを先送りする交渉をして信用を失うより、少額の利息を支払う方が、精神衛生上良いかもしれません。
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この記事の筆者
新藤智之(仮名)
1975年生まれ。20代後半から30代前半まで法律業界で働いていたが、30代後半からは法律系、ビジネス系、金融系のライティングの仕事を開始し、現在に至る。
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