借金督促(取り立て)の9ルール。これに違反していたらすぐに警察へ

「借金して、もし返済に遅れてしまったら、こわい取り立てがあるのではないか?」

「しつこく電話が鳴ったり、何通も手紙が届いたり、怖い人に待ち伏せされたり...」

テレビドラマの影響か、借金の取り立てに対して、このようにこわいイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

でも、安心してください。

現在、取り立ては法律で厳しく取り締まられているので、ドラマのようなおそろしい取り立てに遭うことはまずありません。

今回は、違法な取り立ての内容、合法な取り立ての流れ、また、違法な取り立てにあったときの対処法を詳しく調査しました。

私は以前 某大手消費者金融に勤めていたので、そのときの内部事情も含めて、解説していきます。

どんな取り立てが違法なの?

違法な取り立てとは?

現在、消費者金融などの貸金業者は、貸金業規制法(以下、貸金業法)という法律で取り締まられています。

そして、貸金業法の第21条に「取立行為の規制」という項目があり、私生活や仕事の妨げになるような取り立ては禁じられています(違反すると罰則の対象となります)。

では、そこで禁止されている取り立て行為とは具体的にどのようなものでしょうか?代表的なものを挙げて説明していきます。

正当な理由(※1)がないのに、午後9時~午前8時以外の時間に債務者に電話をかけたり、FAXを送ったり、自宅を訪問すること

真夜中や早朝に取り立てをおこなうことは禁じられているのですね。なお、ここでいう債務者には、お金を借りた本人だけでなく保証人も含まれます。

※1
「正当な理由がある」と認められるのはどんなケースでしょう?
たとえば、債務者と連絡が取れないケースなどが挙げられます。携帯・自宅に電話をかけたり、自宅を訪問しても一切連絡がとれない場合、債務者の勤務先へ連絡することが認められてしまうのです。しかし、この「正当な理由」の内容について法律で厳密に定められているわけではありません。

正当な理由(※1)がないのに、債務者の勤務先やその他 自宅以外の場所へ電話をかけたり、FAXを送信したり、訪問したりすること

債務者以外の人に迷惑をかけたり、債務者の借金についてまわりに知らしめる行為はすべて禁止されています。

債務者から、訪問に対して退去するように意思表示されたにもかかわらず、退去しないこと

自宅に取り立てに来ること自体は違法ではありませんが、退去するよう言われたのに退去しないのは違法です。

張り紙や立て看板やその他の方法で債務者の借入れに関する事実や私生活に関する事実を債務者以外に明らかにすること

債務者の借金やプライベートについてまわりに知らしめる行為はすべて禁止されています。

債務者に対して、債務者以外の者からの借入れ等の方法で返済資金を調達するように要求すること

債務者に対し、「他社(もしくは他者)からお金を調達して返済しろ」と要求することは禁じられています。

債務者以外の者に対して、債務者に代わって返済するよう要求すること

返済の義務を負うのは債務者のみです。
ただ、債務者の家族などが自主的に肩代わりすることはできるので、業者はそこにつけこみます。債務者の妻、夫、両親、兄弟など近い間柄の人に「代わりにあなたが払ってくださいよ」などといって、返済を要求する場合があるのです。これは当然違法です。

債務者が債務の整理を弁護士等に依頼した旨の通知をうけたにもかかわらず、債務者に対して返済を要求すること

債務者が、弁護士や司法書士に債務の整理を依頼したら、業者側にその旨通知がいきます。この通知をうけた後、業者側は一切の取り立て行為をやめなければならないのです。

本当にあった!違法な取り立ての事例

かつては、中小の業者や違法業者だけでなく、テレビCMを流しているような大手の業者も堂々と問題のある取り立てをおこなっていました。

では、当時はどのような取り立てがおこなわれていたのでしょうか?
いくつか例を紹介します。

  • 真夜中や早朝にもかかわらず、ひっきりなしに電話がかかってきた。電話にでると、脅されたり罵言雑言をあびせられた
  • 自宅におしかけてきて、こちらから帰るよう要求しても、なかなか帰ってくれなかった。あげく、まわりに聞こえるよう大声で話すので、近所中に借金のことが知られてしまった
  • 正当な理由なく、勤務先に督促の電話がかかってきた。その後、「勤務先に電話しないでください」とお願いしたのにもかかわらず、勤務先への電話は止まなかった
  • 実家に督促の書面を送られた。また、電話もかかってきて、家族に「親なんだから代わりに返済しろ」と要求された(ひどい場合は、家族の勤務先まで取り立ての連絡がある)
  • 「親や友人、もしくは他社から借りて返済しろ」と迫られた
  • 玄関に張り紙がはってあった(たとえ内容が「連絡をください」だけであっても、消費者金融の名前が入っているだけでまわりに借金の事実が知られてしまう)
  • 弁護士に債務整理を依頼し、弁護士からその旨業者に通知を出したのに、取り立てが止まなかった。それどころか、「債務整理をするな、手続きを中止しろ」と脅された
  • 「臓器を売って返済しろ」「生命保険に入っているなら死んで保険金で支払え」などと脅された

その他、生活保護を受けている人から取り立てたり、入院している債務者に見舞金で返済させたり...などのこともあったようです。

どれも目を覆いたくなるようなひどい取り立てですね...。

なお、過去におこなわれていた取り立てについて元消費者金融の方にインタビューにした記事もあります。現在の取り立て手法とは異なる点も多いと思いますが、参考に読んでみると面白いですよ。

現在はどのような取り立てがおこなわれている?

現在は取り立て行為について法律で厳しく規制されていますが、だからといって取り立て自体がなくなったわけではありません。

返済期日までに返済できなければ、必ず何らかのカタチで取り立てがおこなわれます。

私がかつて勤めていた消費者金融では、下記のような流れで取り立てをおこなっていました。

取り立ての流れ

携帯電話へ電話

自宅へ督促の手紙

自宅へ電話

自宅への訪問

最初の、「携帯電話へ電話」の段階できちんと電話に出るか かけ直すかすれば、その後のステップにすすむことはありません。

携帯に連絡がつかないと、自宅に督促の手紙が送ったり、電話をかけたりします。最終的に、自宅に訪問する場合もありましたが、非常にまれでしたね。また、勤務先への連絡は基本的に禁じられていました。

取り立ての際のきまり・注意点

さきほど「違法な取り立てとは?」の章で紹介した行為はもちろん禁止されていましたが、それ以外に もろもろ社内ルールが設けられていました。

  • 電話の回数は基本的に1日3回まで
  • 自宅へ訪問するときの人数は最大2名
  • 電話でも訪問でも、暴力的な態度をとったり、乱暴な言葉を使ったり、大きな声や音で脅してはならない
  • 郵便物を送る場合は社名を載せてはならない
  • 電話をかける際、留守番電話にメッセージを入れる際に社名を名乗ってはならない(担当者の個人名のみで対応します)
  • 不適切な時期(盆、正月や、震災や台風などの災害で被害が甚大な時期)に取り立てをしてはならない
  • 基本的に男性スタッフが督促業務をおこなうが、3日~2週間程度の延滞(初期延滞)の場合、もしくは、女性スタッフによる応対を希望している女性顧客の場合は、女性スタッフが対応する
  • 取り立ての際、「○日までに支払う」と期日を指定されたなら、その日より前に正当な理由なく連絡してはならない

私が勤めていた業者だけではなく、大手はどこも取立てについて独自のマニュアルを作り、厳しく自主規制していました。

というのも、貸金業法21条をもとに、金融庁が具体的なガイドラインを掲げているのですが(「事務ガイドライン」といいます)、それに違反すると、「業務停止命令」など厳しい処分が下される可能性があるのです。

そのため、各社は事務ガイドラインをさらに厳しくしたマニュアルを作成し、それに沿った取り立てをおこなっていました。

また、最近の大手業者は業務内容をすべてコンピューターで管理しているので、「どのスタッフが・どの顧客と・いつ・どんな内容の会話をしたか」などのことが全て記録されています。

つまり、マニュアルを違反すると後々わかってしまうのです。そのため、私たち督促の担当者は徹底的に社内マニュアルを頭に叩きこんでから業務にあたっていました。

どんな取り立て電話がかかってくるの?

取り立ては主に電話でおこなわれますが、「実際どのような電話がかかってくるのか」気になる方も多いのではないでしょうか。

少し例をあげてみましょう。

業者スタッフ:もしもし、こちら山田太郎さまの携帯電話でよろしいでしょうか?

債務者:はい、そうです

業者スタッフ:ご本人さまでしょうか?

債務者:はい、そうです

業者スタッフ:わたしく△△△(業者名)の田中と申します。今月の入金期日は15日でしたが、いかがなさいましたか?

債務者:あ、すみません。忘れていました。

業者スタッフ:了解いたしました。いつ頃でしたらご入金いただけそうでしょうか?

債務者:給料日が一週間後なので、30日までに払います。

業者スタッフ:了解いたしました。では、30日に入金ということでよろしくお願いいたします。

このように、期日について申し出があれば感謝の意を述べて会話を終了させます。当然、声を荒らげたり暴力的な言葉を使ったりすることはありません。

理由もなく「返さない」「いつ支払えるかわからない」の一点張りとか、顧客が相談をもちかけてきた場合は話が長引くこともありますが、そうでなければ「いつ支払えるか」を聞いて終了です。何もこわいことはありません。

万が一 違法な取り立てをされたらどうすればいいの?

現在は、「違法な取り立てとは?」で紹介したような取り立てをされることはまずありません。特に、CMを流しているような大手の消費者金融、銀行、クレジットカード会社の場合は心配いりません。

ただ、万が一、違法な取立てをされた場合はどうすればいいのでしょうか?

ここでは、違法な取り立てをされた場合の対処法を紹介しましょう。

警察に通報する

下記は、取り立ての際に起こりやすい犯罪の一覧です。

このような取立てにあったら、迷わず警察に通報しましょう。

罪名 内容
住居侵入罪 勝手に自宅などに立ち入る
不退去罪 何度も帰るようにと言っているのに、しつこく居座る
恐喝罪 大声を出したりひどい嫌がらせをしたりなど、恐怖感を与えるような言動をする
強要罪 「他から借金してでも返せ」など、無理に義務のないことをおこなわせようとする
監禁罪 債務者やその関係者を閉じ込めて出られないようにする
業務妨害罪 職場に何回も連絡するなど、仕事の邪魔をする
器物損壊罪 物を破壊する、隠す、落書きするなど、正常に使えないようにする

「これって通報するほどのことなの?」と迷う場合も 身の危険を感じたらすぐ通報してください。はやく通報しないと、犯罪行為がエスカレートすることもあります。

警察が居合わせた場合は現行犯逮捕できますし、居合わせなくても警察に通報し、連れて行ってもらいましょう。

弁護士などの法律の専門家に依頼する

弁護士など、法律の専門家に依頼する場合は債務整理をたのむことになります。

整理を依頼すると、弁護士等は業者に対して通知を出します。業者がこれを受領した後は、債務者に直接取り立てできません。

これにより、結果的に取り立てが止むことになります。

また、このような借金関係のトラブルは、ほとんどの弁護士事務所で取り扱っています。ただし 司法書士の場合は、借金問題を取扱っている事務所を探す必要があります。また、 1件あたりの債務額が140万円以下でないと司法書士に依頼できません。

公的な機関に相談する

いきなり弁護士や警察署に相談することに抵抗がある場合は、まず下記のような機関に相談してみましょう。

今後、どうしたらよいかアドバイスを受けることができます。

消費生活センターの相談窓口

国民生活センターの相談窓口では、無料で電話相談に応じてもらえます。

国民生活センター相談窓口
http://www.kokusen.go.jp/map_tajuusaimu/

役所の法律相談窓口

自治体によりますが、役所で無料法律相談会をおこなっている場合があります(電話か対面)。

しかし、相談可能日時が限られているので、急ぎの方には向いていません。

法テラス

こちらも電話のみですが、無料で相談することができます。

また、提携している弁護士や司法書士を紹介してもらえる場合もあります。

法テラス
http://www.houterasu.or.jp/

業者に「通報します」と宣言する

業者に、「おたくが違法な取立てをしていること、警察(もしくは金融庁)に通報しますよ」と言うだけで、効果がある場合もあります。

実際に通報するかどうかは、その後の対応で判断すればよいでしょう。

違法な取り立ての証拠があった方がいい

違法な取り立てをする業者に限って、追及すると「そんなことはしていません!」とシラを切るものです。シラを切らせないためにも、日頃から取り立ての証拠を集めておきましょう。

例)

  • 違法な取り立てを受けた日時、具体的な内容を毎回メモしておく
  • 張り紙を貼られた場合はそれをとっておく(貼られた日付もメモしておく)
  • 電話の内容、留守電の内容を録音しておく(日時と共に残しておく)

証拠があったほうが、相談されたほうもスムーズにコトを進められます。できるだけ証拠は集めておきましょう。

いかがでしたか?
ここまで述べてきたとおり、まっとうな業者を利用するうえでこわい取り立てを受けることはありません。

しかし、相手が違法業者など、まっとうな業者でなかった場合はこの限りではありません(違法業者については、別の記事で特集しておりますので、こちらもあわせてご確認ください)。

そもそも取り立てをうけたくないなら、返済を滞納しないことです。期日までにきちんと返済するようにしましょう。

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