ドロップシッピング商法の主な手口と被害事例、対処法、相談先まとめ

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ドロップシッピングとは、ネットショップが受注のみを行い、商品の管理と発送を卸売業者に委託するというタイプのビジネスです。

販売者は、在庫を持たずに自分の好きな価格で商品を販売できるというメリットがあります。

ドロップシッピング自体はごくまっとうなビジネスなのですが、これを利用した内職詐欺の一種が横行しており、ドロップシッピング商法と呼ばれています。

都内消費生活センターで受け付けたドロップシッピングサービスに関する相談件数は

平成19年度:6件
平成20年度:60件
平成22年度:149件

と急激に伸びており、被害金額も数百万円にも上る例もあるなど、社会問題化しています。

今回は、ドロップシッピング商法の主な手口、被害の事例、被害に遭わないための対策、被害に遭ってしまったときの対処法について解説していきます。

ドロップシッピング商法の主な手口

ネットショップは個人でも簡単に開設できます。

ただし、利益を出すためには適切な在庫管理と、集客できるサイトの制作が必須となりますが、それらを全て個人で行うのは難しい面もあります。

ドロップシッピング業者の中には、

「当方がサイトの制作、仕入れ、在庫管理、発送を代行する」
「あなたは商品の宣伝と販売のみを行えば、卸売価格と販売価格の差が利益となり、だれでも簡単に儲かる」

などと偽って、金銭をだまし取る悪質な業者がいます。

だまし取られるのは、

  • 登録料(契約料)
  • サイト制作費
  • SEO対策費
  • サーバー運用費
  • 保証金

などで、サービスを契約すると、これらの名目で高額な金銭を請求されるというものです。

仮にこういった初期投資にお金がかかっても、それを上回る利益を出すことができれば問題はないのですが、全く受注できなかったり、受注して業者に発注しても、在庫がなくキャンセルせざるを得ないケースが少なくありません。

その結果、赤字のまま終わってしまうというのが、ドロップシッピング商法の被害の典型です。

契約では、利益が出せなかった場合の返金保証がついていても、実際には返金を受けられなかった、という事例も多数報告されています。

被害の事例

事例1

東京都がドロップシッピングサービス業者2社(「株式会社ネット」および「株式会社バイオインターナショナル」)に対し、全国初の業務停止命令

「株式会社ネット」および「株式会社バイオインターナショナル」に関し、東京都が受けた消費者からの相談件数は平成19年度・20年度・21年度で2社合計55件(平成22年2月末現在)被害額(契約額)の最高は300万円にも達しています。

これら2社の手口の特徴は、

  • 何十万も稼げるネットショップが、ノーリスクで開業できると広告する
  • サイト制作やSEO対策、商品の発送等は業者が行う と謳う
  • 広告につられて業者に連絡すると、「消費者は注文の受付や入金管理などを行うだけでよい」「業者が万全のバックアップをするので、必ず儲かる」などと説明。高額なサービスの契約をさせる
  • 短期間で投資資金は回収できると、高額な収入が確実に得られるように言われるが、始めてみると売上はほとんどなく、赤字のまま終わってしまう
  • 特別価格で商品を提供すると言いながら、いつでも提供できるわけではない
  • 返金を行わないにもかかわらず、あたかも儲からなかった場合は返金が受けられるような誤解をうませる

といったものです。

東京都は、この2社が

  • 事実と異なる内容を告知している、誇大広告
  • 重要な事項を告知していない

以上のことから、特定商取引法に抵触しているとして、9ヶ月間の業務停止を命令しました。

事例2

ドロップシッピング商法で警視庁が初摘発

警視庁生活経済課は、平成24年3月3日、詐欺の疑いでネット関連会社「サイト」の実質経営者を逮捕しました。

サイト社は勧誘のパンフレットで、「産地直送の魚介類、家電製品などが相場より安く手に入る」「契約をしてネットで販売すれば、必ず儲かり、2ヶ月で元が取れる」などとうたっていました。

しかし実際の仕入れ先は架空のもので、注文があった場合は「在庫がない」「仕入れ先が倒産した」などとはぐらかし、それでも納得しない場合には、家電量販店などで仕入れたものを包装し直して発送していたということです。

こうした手口で、全国の約400人から約4億円をだまし取ったとして、サイト社の実質経営者ら7人が逮捕されました

被害に遭わないためには?

ドロップシッピング商法から身を守るためには、どうしたらよいか考えてみましょう。

きちんとした業者と契約する

当然のことですが、全てのドロップシッピング業者が詐欺行為を行っているわけではありません。

利用料金が無料で、豊富な品揃えや在庫を持ち、ユーザーサポートも手厚く行っているところが何社もあります。

ちなみに私のおすすめは、国内最大級のネットショップ開業サービス「もしもドロップシッピング」です。

あなたが利用を検討している業者名などを事前に検索し、悪い評価や苦情などがないか調べてみるのも有効です。

ただし、事例で紹介した会社のように、社名を「ネット」「サイト」などとして、検索しても膨大な検索結果に埋もれて、苦情などが発覚しにくい工作を行っているところもあるので、要注意です。

契約前に良く検討する

だれでも簡単に楽して儲かる方法があるはずがないことを認識しましょう。(そんな方法があったら、人に教えたりしませんよね)

安く仕入れて高く売れれば、確かにだれでも儲かりますが、この「安く仕入れること」「高く(たくさん)売ること」が素人にはむずかしいのです。

真っ当な業者であれば、契約料などが発生する場合は、ちゃんとした契約書を交わし、その中で、業者がどこまでサポートするか、どんな保証があるか、どんなリスクがあるかなどを明確にうたっているはずです。

単に広告やパンフレットの内容を鵜呑みにして、安易に契約することのないよう注意しましょう。

事前に高額な契約料などを求められる業者は、避けた方が無難

しっかりした業者であれば、利用者が商品を売ってくれたら自分のところにもきちんと利益が入る仕組みを持っています。

裏を返すと、事前に金銭を要求する業者は、自分のところにそういった仕組みを持っていないと考えられます。そんなところと契約しても、思ったような売上が上げられないのは当然ですよね。

被害に遭ってしまったらどうすればいい?

うっかりドロップシッピング商法の被害に遭って契約金などを支払ってしまった場合、そのお金を取り戻す方法を考えてみましょう。

クーリングオフ制度を利用する

訪問販売などで勧誘され、あまり深く考える前に契約してしまった場合に、一定期間内であれば契約を取り消して返金を受ける事ができるのが、クーリングオフ制度です。

頭を冷やして(クーリング・オフ)考え直すための制度ですが、販売方法によっては適用されない場合があります。(店頭で何かを購入した場合など)

事例で取り上げた業務停止命令を受けた2社の販売方法は、「業務提供誘引販売取引」を行う事業者に該当すると認定されましたので、この場合は契約を交わしてから20日以内であれば、クーリングオフ制度が利用できます。

専門機関や専門家に相談する

「消費者相談窓口」で検索すると、被害にあった場合に相談できるところが多数あるのが分かります。

総合的に色々な情報が得られるのが「国民生活センター」のサイトです。ここでは、各種の相談事例や、苦情や問い合わせなどに対処してくれる、全国の消費生活センターの一覧などを見ることができます。

また、費用はかかりますが、弁護士などの専門家に相談するのが最も確実な方法と言えるでしょう。

役所などで無料の相談会も開催されておりますし、法テラス(無料で相談できる法律の総合案内所)を利用するのもいいでしょう。

被害金額によっては弁護士に依頼しても充分、元が取れるケースがあるかもしれません。

【この記事の筆者】
三条 竜馬
1950年生まれ。某大学の工学部応用物理学科卒。
大学卒業後、広告代理店に就職。代理店時代は、マーケティング部門に属し、市場調査などのデータを積み上げて報告書にまとめる、といった仕事に従事していました。独立後は、主にサイトの企画提案や、IT系のサポート業務を行っておりました。もともと文章を書くことが好きで、最近はライター業務に従事しております。ライティングは、主にブログ向けに債務整理、FX、健康、医療 、保険などをテーマとした記事作成を経験しています。

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