季節ごとに発売される「ジャンボ宝くじ」

数字を当てる「ロト」「ナンバース」

その場で結果がわかる「スクラッチ」

日本人には馴染みが深い宝くじは、あなたも何かしら購入したことがあるのではないでしょうか？

「もしかしたら当たるかも・・・」

皆さん、そんな儚い夢を抱いて宝くじを買い求めますが、実はそんな人たちを狙った詐欺が流行っているんです。

その名も「宝くじ詐欺」。一攫千金を夢見る人たちの心につけ込む悪質な詐欺です。

今回は、

• 宝くじ詐欺の手口
• 宝くじ詐欺に遭わないための対策
• 宝くじ詐欺に遭ってしまった場合の対処法

など、宝くじ詐欺について詳しく解説していきたいと思います。

宝くじ詐欺ってどんなもの？

宝くじ詐欺といっても、その手口には様々なものがあります。代表的なものを紹介しましょう。

海外宝くじ詐欺

ある日、あなたのもとに一通のダイレクトメールが届きます。

内容を読んでみると、なんと！「○○○（国名）の宝くじに当選した」と書いてあるではありませんか。

「あなたは500万円の宝くじに当選しました。ただし、当選金を受け取るためには5,000円の申込金が必要です。」

「500万円が手に入るなら、5,000円くらい安い安い＾＾」

あなたはそのメールにある案内の通り、5,000円を振り込んでしまいます。

ウキウキして連絡を待ちますが、その後、待てど暮らせどその宝くじ業者から連絡がくることはありません。当然500万円も支払われずじまいです。

これが海外宝くじ詐欺の主な手口です。

金額が少額（数千円から1万円程度が多い）なので、気軽に支払ってしまう人が多いようですね。

「海外の宝くじが当たった」なんて、そんなあやしい誘い文句に騙されるわけがない！と思われる方も多いと思うのですが、海外宝くじ詐欺に関する国民生活センターへの相談件数は2011年度で8,000件にのぼっています。

ただ、その半数以上が70歳以上の高齢者ということもあり、「高齢者を狙った悪質な詐欺」のひとつといえるでしょう。

他にも悪質なケースがあるのでご紹介します。

ある日、Aさんは、「高確率で高額賞金が当たる抽選にチャレンジ出来ます」という内容のダイレクトメール（エアメール）を受け取りました。

ただし、エントリー費用として3,000円必要とのこと。

Aさんは軽い気持ちでクレジットカードを使い、3,000円を支払いました。

その後、落選通知が来たのですが、支払った費用が少額だったため、Aさんはあまり気にしませんでした。

それからしばらく経ったある日、Aさんがふとクレジットカードの明細を確認してみると、その海外宝くじ業者に数回3,000円を支払った記録があったのです。

確かに最初の一回はAさんが自分で支払ったものですが、その後の何回かは勝手に支払われたもの。

Aさんは急いで消費生活センターに連絡しました。

そこでようやく「自分が詐欺に遭っていた」ことに気づいたのです。

このように、クレジットカードを不正に利用されて被害額が大きくなってしまうケースもあります。

ロト6詐欺

ある日、Cさんの携帯電話に見知らぬ男性から着信が入りました。

「自分は情報関係の会社に勤めている者です。ある筋からの情報で、ロト6の当選番号が発表前にわかるのですが、よかったらその情報を買いませんか？もし信じられないということでしたら、試しに明日朝刊で発表される当選番号を言い当てましょう。」

Cさんは半信半疑で言われた番号をメモし、翌日の朝刊を見てみることにしました。

翌日、朝刊に載っている番号を見てびっくり！昨日の電話の男が言っていた番号と全く同じではありませんか！

すっかり男のことを信じこんでしまったCさんは、ロト6の情報を買うことに。

たくみに誘導され、数回に分けて450万円を振り込んでしまったのです。

もちろん、その後Cさんがロト6を当てることはありませんでした。

これが、いわゆる「ロト6詐欺」のよくある手口です。

では、なぜ詐欺師はロト6の当選番号を言い当てることができたのでしょう？

種明かしをしてしまえば、なんてことはありません。

ロト6の当選番号は、発表日の夜にはインターネット上に公開されてしまいますが、新聞に載るのは翌日の朝。

当選番号がネット上に公開されることを知らない人を騙すのは簡単ですね。

ターゲットは主にインターネットに疎い中高年層。被害額も数百万円以上など、高額な場合が多いのが特徴です。

また、インターネットで「ロト6　攻略法」などと検索すると、様々な攻略サイトと共に当選番号を予測するソフト（数千～数万円）が売られていますが、こうしたものも全て詐欺の一種と思って警戒してください。

ロトやナンバーズなど、数字選択式の宝くじでは、当選番号の決定方法に法則はありません。完全にランダムです。

また、事前に数字が決まっていることもありませんし、数字を操作することもできません。

宝くじに攻略法は存在しないので、それを肝に銘じておきましょう。

銀行員を騙る詐欺

宝くじ売り場で券を購入しようとしている人に近づき、「自分は○○銀行（大手銀行名）の関係者です。今、あなたが買おうとしているくじの当選数字を教えます。」などと言って巧みに誘導し、お金を騙し取る詐欺です。

「ロト6詐欺」に近い手口ですね。

しかし、何度も言うように宝くじに攻略法は存在しませんし、宝くじを販売している銀行の行員が事前に当選番号を知っているということもありえません。

売り場の人に当たりくじを騙し取られる

当選番号の発表が終わった後、売り場にくじを持って行って「当たっているかどうか」確認してもらう人も多いと思うのですが、売り場の人にくじを騙し取られるケースもあるというのだから驚きです。

「残念！ハズレですねー」と言いながら、高額当選のくじを自分のポケットに忍ばせ、着服。

「宝くじ売り」の立場を利用した犯罪です。絶対に許されません。

宝くじの販売権を売買する詐欺

「宝くじの販売権を売ります」と持ちかけてくる詐欺もあります。

結論から言いますと、宝くじの販売権を勝手に譲渡したり売買することはできません。

宝くじの販売は、

• 地方自治体から業務委託されているみずほ銀行
• みずほ銀行から業務委託されている個人や企業

のみ行うことができます。

それにもかかわらず、「全国宝くじの販売権の一部が開放され、預託金10万円、加盟料400万円を支払うと、宝くじの販売権利を手に入れることができる」などと言って、お金を騙し取る詐欺事件が起きています。

「宝くじの販売権を売ります」という誘いや告知があっても、全て詐欺だと思ってください。

宝くじ詐欺に遭わないために気をつけること

いろいろな宝くじ詐欺の手口を紹介してきましたが、被害に遭わないためにはどのようなことに気をつければいいのでしょう？

うまい話にはウラがある

「宝くじが当たる」「当選番号を教える」などという うまい話はこの世に存在しません。宝くじは地方自治体が財源確保のために発行するもので、特定の個人の利益のために情報公開されるなんてありえないのです。

おいしい話、うまい話が来ても徹底無視！うかつに連絡をとったり申し込みをしないことが一番です。

安易に連絡をとって、住所・氏名・クレジットカード番号などを明かしてしまうと、知らぬ間にクレジットカードの引き落としが行われたり、大量のダイレクトメールが届いたりする危険性があります。

そもそも、海外の宝くじを日本国内で購入したり、海外業者に購入を代行してもらうことは法律で禁止されています！

うかつに申し込みすると　お金を失うだけではなく、最悪、罪に問われる可能性もあります。絶対に申し込まないようにしましょう。

宝くじに攻略法はない

宝くじには、必勝法や攻略法の類はありません。事前に当選番号が分かることも決してありません。

インターネットで宝くじ攻略法を調べると、「必ず当選できる」と謳っている業者がありますが、間違いなく詐欺と思ってください。

迷ったら第三者に相談を

おいしい話が舞い込んできて「これだ！」と思ったときも、まずは一旦冷静になりましょう。そして、必ず家族や友人に相談してください。

宝くじ詐欺の首謀者たちは、最新情報やインターネットに弱いお年寄りをターゲットにしています。

身近に相談できる人が身近にいない場合は、警察や消費生活センターでも構いません。必ず第三者に相談しましょう。

もし被害に遭ってしまったら？

万が一、宝くじ詐欺の被害に遭ってしまったらどうすればいいのでしょうか？

クレジットカードを停止

支払いをクレジットカードで行った場合、カード会社に連絡し、そのカードをすぐに使用停止してください。

でないと、その後も無断でお金が引き落とされてしまう可能性があります。

既に支払ってしまった分を取り戻すのは難しいかもしれませんが、それ以降の被害を阻止することはできます。

適切な機関に連絡を

被害に遭ってしまっても1人で悩まず、国民生活センターや法律事務所、警察に相談して、その後の対応について判断を仰ぎましょう。

• 国民生活センター及び、全国の消費生活センター
  http://www.kokusen.go.jp/map
• 各都道府県警察の被害相談窓口
  http://www.npa.go.jp/higaisya/shien/prf/index.htm

宝くじを確実に当てる方法など存在しません。

それを忘れて甘い誘いに乗ってしまったら、一攫千金どころか大きな被害に遭ってしまう可能性があります。

うまい話はないということを自覚し、常に冷静に行動しましょう。それが、詐欺を回避する一番の対策かもしれません。

詐欺の被害事例と対処法