騙された!他人の携帯電話を自分名義で契約したため料金滞納【体験談】

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私は、ある女性に頼まれて自分名義の携帯電話を貸しました。
彼女がとても可哀想な境遇の人だったので、同情心から助けてしまったのです。

ところが女性とは突然音信不通になってしまい、携帯電話は元にもどらないばかりか、携帯利用料金10万円を滞納されてしまいます。

体験者の情報

氏名:中田 由里(仮名)
年齢:52歳
滞納額:10万円
滞納された理由:携帯電話貸与後、料金を滞納
時期:平成18年4月~平成18年10月

知り合った女性と意気投合

私は現在、東京にある2DKの団地で独り暮らしをし、調査の仕事をしながらわずかな収入で暮らしています。

私は単純で人を信じやすく、痛い思いをしながらも、同じ事を繰り返してしまう人間です。そういう自分の性格にうんざりすることもありますが、結局、人に頼られると放っておけないのです。

私はある日、京王沿線の駅で娘と待ち合わせをしていました。

娘達とお茶や買い物を楽しんだ後に別れたのですが、その時ちょうど駅前でキリスト教の教会の人たちが、イベントの宣伝をしていました。

その宣伝をしていたのは、韓国人の方々。

実は私は、以前から大の韓流ファン。

しかもキリスト教にも興味があったので、声をかけられるまま、真剣に話を聞いてしまいます。

話をしているうちに、近くにある彼らの教会へ行くことになりました。

教会には7人ほど人がいて、そのうち3人が日本人でした。

結局そこで食事会に参加させてもらい、いろいろな話をしました。

そして、そこにいた日本人の一人、Aさんと特に親しくなったのです。

Aさんとは、教会を出た後も二人でお茶をすることになり、帰りに駅近くの喫茶店に入ります。

私たちは出会ったばかりだというのに意気投合して、3時間ぐらい話し込みました。 

話してみると、Aさんは大変な境遇にありました。

彼女は夫と喧嘩をして家を出ていたのですが、その夫にストーカーのように執拗に追いかけられていたのです。

彼女は「今は家を出てちょうど3日目で、駅の近くにある健康ランドに寝泊りしている」と言っていました。

夫から逃げる女性を家に匿う

Aさんがとても辛そうだったので、私は可哀想になってしまいます。

私はいつもの同情心が湧いてしまい、つい彼女に「健康ランドに泊まるのもお金がかかるし、私も独り暮らしなので、もし良ければうちに来る?」と言ってしまいました。

私は東京にある2DKの団地住まい。一人増えても十分スペースはあります。

Aさんはこれから家を探すと言っていたので、新居が見つかるまでは私の家にいて、家探しや職探しをすればいいと思いったのです。

こうして、私はよく考えもせず、出会ったばかりの彼女を連れて帰りました

私は彼女に、家にあった簡易ベッドを貸し、翌日からは彼女のために、交通手段を教えてあげたり、買い物に付き合ったりして彼女をサポートしたのです。

しかしそうしている間もずっと、Aさんの携帯には、彼女の夫からの鬼の着信が入っていました。

Aさんはそれを無視していましたが、余りにもしつこいので、仕方なく出ることもあったのです。

ところが、なるべく応答しないようにしているうちに、今度は、都内に住むAさんの娘にまで攻撃が及んでしまいます。

Aさんの娘はすでに独立していましたが、Aさんは娘にだけは自分の居場所を知らせ、電話で連絡を取り合っていました。

そこでAさんの夫は自分の娘に対し、「母親の居場所を教えなければ、職場まで行ってやる」と脅していたのです。

Aさんの娘は、その状況を訴えて、怯えているようでした。

Aさんは娘を困らせたくはないけれども、夫に居場所を明かす訳にもいかず、二人の狭間にいて辛そうです。

しかもAさんの娘は、付き合っている彼氏のせいでうつ病を抱えていて、精神的に不安定な状況でした。

そこでAさんは娘の恐怖を取り除くために、私にある提案をしてきました。

なんと、Aさんのために「新しく携帯を作って貸して欲しい」と言うのです。

確かに彼女の携帯には、間隔を置かずに夫からの着信が延々と入り、娘さんとゆっくり連絡を取れるような状態ではありません。

しかしAさんが使用するための携帯を、私名義で作るということです。

私は少し考えさせて欲しいと告げました。

自分名義で他人の携帯電話を契約

Aさんは夫からの攻撃電話を防ぐため、「携帯電話を作って欲しい。必ず支払いはするし、旦那と決着がついたら、ちゃんと自分で契約をするから」と言ってきたのです。

私は一日中悩みました。

しかし、今の状況では、Aさんだけでなく、うつ病にかかっているAさんの娘まで追い詰められてしまいます。

彼女を受け入れてしまった以上、無視できません。

こうして私はこの提案を承諾し、二日後、私はAさんと二人で携帯を作りに行きました。

契約は数時間で終わり、私はAさんに新しい携帯を渡しました。

Aさんはすぐに、その電話を使って娘さんへ連絡をし、ほっとしたようでした。

しかし彼女は、自分の携帯電話を解約する様子はなく、そのまま使用していました

その理由を彼女に聞いたところ、「夫に何も言わずに携帯を解約してしまうと、突然連絡が途絶えてしまい、もっと彼を無視した形になるので、さらに刺激してしまう恐れがある」という返事でした。

そこで彼女が使用していた携帯電話は、夫からの「鬼の着信」を受けるだけの状態にし、娘さんとの連絡には新しい携帯電話を使うことにしたようです。

支払いは本人任せに

電話を作ってから二週間ほど経った頃、Aさんの夫から娘への攻撃が、さらに激しくなってきました。

そこでAさんは娘と話し合い、一度家に帰り、夫と話し合うことになりました。

私はこれに内心反対でしたが、彼女のことなので様子を見守ることにしたのです。

ところが家に帰っても、Aさんは、一向に夫と別れる様子がありませんでした。

「親が病気になった」とか、「その病気が長引きをそうだ」と言って、離婚話はまったく進んでいないようです。

しかし私が作った携帯電話は相変わらず使用していて、夫の目を盗んで、娘さんや私と定期的に連絡を取っていました。

彼女の使用分の携帯の明細は、私のところに届くのですが、その料金の大半は通話料で、およそ2~3万円位だったと思います。

この支払いは私ではなく、彼女が直接携帯ショップに行き、使用している番号を告げて、精算をしてもらっていました。

彼女からも「自分の分はちゃんと支払っているから、大丈夫だからね」という連絡をもらっていたので、安心していたのです。

そうしたやりとりが3ヶ月くらい続きました。

一方的に音信不通に

その後、しばらくAさんと電話で話をしていない時期がありました。

ある日ふと、彼女に電話をしてみたところ、その時は出てくれませんでした。

折り返しの電話もなかったので、彼女も忙しいのかなと思い、私もそのまま、しばらく連絡しませんでした。

すると突然、私が使用していた携帯が通話できなくなってしまったのです。

携帯電話会社に確認すると、もう一本の料金が未払いでした。

系列契約だったので、どちらか一本が止まると、自分の携帯も止まったのです。

しかも全部で4ヶ月分の料金が未納になっており、未払い額の合計は10万円でした。

私はすぐにAさんの以前の携帯に電話しました。

ところが、すでに携帯は解約されています。

しかも、連絡手段は携帯だけだったので、住所を詳しく聞いていませんでした。

彼女はいずれ家を出て、新しい所に住むものだと思っていましたし、まさか一方的に音信不通にされるとは想像もしなかったのです。

裁判所からの通知

私には、10万円もの支払いができません。

しかも彼女との音信は途絶えたまま。

そして呆然としていた矢先、とうとう簡易裁判所から支払いを求める通知がきてしまったのです。

携帯会社から裁判所へ依頼があったようでした。

しかし、このような多額の料金を支払うほどのお金はありません。

こうして私は裁判所からの通知をそのままにし、出頭はしませんでした。

今のところ差し押さえのようなことはありませんが、これでどの携帯会社とも新たな契約はできなくなってしまいました

仕方なく、私の携帯電話は家族に契約してもらって使用しています。

後日、警察署に行き、今回のことを説明しました。

警察ではAさんを探してくれると言っていましたが、未だに何の連絡もないままです。

私は、本当に信じやすく、それが仇になってしまうことがよくあります。

今回も自分の愚かさに反省し、後悔しているところです。

「つい可哀想な人を見ると、同情して助けたくなってしまう」これは自分の性格なので、なかなか直すことができないのですが、今後は本当に気をつけないといけないなと痛感しています。

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