更新日:2019/04/11
大家「家賃滞納者は出て行け!」を法律的に正しいのか調べてみた
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評価を設定してください ×「家賃が払えないなら、すぐに出ていってといわれた!」
「家賃を滞納していたら、大家さんから立ち退きを求められてしまった!」
もし、あなたがこんな事態におちいったら、どうされますか?
すぐに家賃を支払えればいいですが、手持ちがないときもあるはずです。
お金もなく、行くアテもない状態で家を追われたら、最終的に路上生活になってしまうんじゃ・・・
そんな恐怖が頭をよぎりますよね。
でも、安心してください。
口頭や文書で立ち退きを求められたぐらいで、今すぐ家を出ていく必要はありません!
日本は基本的に家を借りているほうが強い立場なのです!
もちろん、何年も滞納できるわけじゃありませんよ。
滞納が長期になれば、最終的には追い出されてしまう可能性もあります。
では、どのような状況になると、強制退去となってしまうのでしょうか?
そこで今回は、家賃滞納による強制退去の流れについて、弁護士・司法書士にお話を聞いてみました!
これを読めば、今のあなたの危険度がわかります!
すでに家賃を滞納中の方はもちろん、これから滞納する可能性がある方は、ぜひ一度ご覧になってみてくださいね。
- 目次
- 家賃未払いで立ち退きを求められても出ていく必要はない
- 訴えられる前に話し合いで解決しよう!
- どのくらい滞納すると訴えられる?
- 自主的に退去するならいつまでがいい?
- 訴えられたらどうなる?裁判の流れ
- むりやり退去させられる!?強制退去までの流れ
- 滞納分の家賃はあとから請求される!?
- 保証会社・連帯保証人がいる場合はどうなるの?
- まとめ
この記事の編集者情報
-
松岡 慶子司法書士
2014年司法書士登録。
大阪市内の司法書士法人で、債務整理、訴訟業務に従事した後、2016年に「はる司法書士事務所」を開設。債務整理業務を中心に、依頼者に利益となる問題解決方法を提案し、生活再建に向けたサポートをしています。
監修した書籍は「不動産登記のしくみ」「商業登記のしくみ」「NPO、一般社団法人、社会福祉法人のしくみと設立登記・運営マニュアル」「これならわかる 入門図解 任意売却と債務整理のしくみと手続き」(ともに三修社発行)。 -
田中 靖子私が編集者です!
編集・ライター歴20年。読み手にわかりやすく、正確・誠実に情報を伝えることをモットーにしています。ファイグーでは読み手が求める情報をいかに適切に把握し、発信できるかを日々模索中。ささやかでも生活に役立つヒントをお届けできたら幸いです!現在は保育士とのダブルワーク中。高校球児の母。朝5時起きで白飯大盛弁当づくりが日課です。
-
糸井 耕佑弁護士・司法書士
地方法律事務所に勤務する若手の弁護士。離婚、交通事故、債務整理、労働トラブル、刑事事件など幅広い案件を取り扱っています。
※ アドバイザーはこちらの記事の筆者ではありません。記事の途中でアドバイザーとしてコメントしております。
家賃未払いで立ち退きを求められても出ていく必要はない
大家さんから「出ていってください」といわれたり、退去を求める手紙を受けとった場合、すぐに出ていかなければならないのでしょうか?
答えはNOです。
大家さん(以降「貸主」とします)が、家賃滞納者であるあなた(以降「借主」とします)を追い出すには、法的措置をとる必要があるからです。
具体的にいうと、貸主は借主を訴える必要があります。
したがって、訴えられていない状況なら、すぐに退去する必要はないのです。
裁判なしで強制退去させることはできない
借主が家賃を滞納していたとしても、裁判なしで強制退去させることはできません(公正証書で賃貸借契約等を締結していないという前提です)。
松岡 慶子(司法書士)
違法なやり方で立ち退きをせまられたら警察に
借主を強制退去させるには、「借主を訴える ➡ 建物明け渡しの強制執行を申し立てる」の手順を踏むほかありません。
しかし、一部の貸主は正規の手続きを踏まず、力技で追い出そうとすることがあります。
以下のような違法行為で立ち退きをせまられたら、すぐに警察に相談しましょう。
違法行為 | 罪名 |
---|---|
勝手に部屋の中に立ち入る | 住居侵入罪 |
部屋から出ていくよう求められているのに、部屋に居座る | 不退去罪 |
大声をあげる、暴力をふるう、怖いことを言って脅かす | 脅迫罪、強要罪 |
部屋の中のものを運び出す、壊す | 器物損壊罪 |
勝手にカギを変えてしまう | 住居侵入罪 |
訴えられる前に話し合いで解決しよう!
現在家賃を滞納中なら、できるだけはやい時期に貸主と話し合いましょう。
実は、貸主も「裁判はできるだけ避けたい」と考えています。
裁判を起こすと、それだけ時間も費用もかかりますからね・・・。
話し合いの際は、「失業中」「病気を抱えて収入が減っている」など、家賃の支払いが難しいと説明してください。
そのうえで、「月◯万円ずつ支払うので引き続き入居させてほしい」など、自分の希望を伝えて交渉してみましょう。
ただし、応じてもらえるかは相談次第、貸主次第ですね。
家賃・賃料を滞納してしまった時に必ずやっておきたい4つのこと
どのくらい滞納すると訴えられる?
基本的には、
貸主と借主の信頼関係が破壊された
賃貸借契約の解除
貸主が裁判所に訴える
・・・という流れで進んでいきます。
「信頼関係が破壊されているか」が大事
厳密にいうと、貸主は、いつでも好きなときに借主を訴えることができます。
ただし、信頼関係の破壊にいたっていない状態で訴えても、負けてしまう可能性が高いのです(正式に賃貸借契約を解除できないため)。
糸井 耕佑 (弁護士)談
「信頼関係が破壊された状態」とは?
「信頼関係が破壊された状態」とは、下記の2つを満たしている状態のこと。
- 最低でも3ヶ月分の家賃滞納がある
- 貸主が継続的に支払いを求めたにも関わらず、家賃の支払いがない
ちなみに、上記の条件は、契約書の内容よりも優先されます。
たとえば、契約書に「2ヶ月分の家賃を滞納すると賃貸借契約を解除する」と書かれていて、実際に2ヶ月分の家賃を滞納していたとしても、契約解除の理由にはなりません。
「信頼関係が破壊されていない状態」で契約解除通知を受けたら?
信頼関係の破壊にいたっていないのに、貸主が賃貸借契約の解除通知を送ってくることもあります。
この場合、借主は貸主に「信頼関係破壊の条件を満たしていない」と伝えたうえで、今後の支払いについて相談するようにしましょう。
糸井 耕佑 (弁護士)談
家賃を払っているのに「信頼関係の破壊」となるケースも?
家賃を一部支払っている状態でも、場合によっては「信頼関係の破壊」と認められることがあります。
家賃が200円足りないだけで・・・
200円足りない家賃を42ヶ月にわたって支払っていたケースを、「信頼関係の破壊」と認めた裁判例があります。
糸井 耕佑 (弁護士)談
契約解除の前に通知が届く
信頼関係が破壊された状態なら、貸主は賃貸借契約を解除できます。
ただし、なんの連絡もなく、いきなり解除されることはありません。
通常は、契約解除の前に、通知(内容証明郵便)が届きます。
通知には、
本書面を受領した日から◯週間以内(◯日以内)にお支払いいただけない場合は賃貸借契約を解除します
と書かれており、期日を過ぎたら契約解除となってしまうわけです。
自主的に退去するならいつまでがいい?
家賃滞納者のなかには、
「滞納分の家賃は払えないけど裁判や強制退去は回避したい!」
という方もいると思います。
その場合、賃貸借契約を解除しないかぎり、滞納家賃は増え続けるので、貸主と話し合い、合意のうえで契約解除し、なるべく早めに退去しましょう。
退去予定日、滞納家賃の支払方法については、貸主とよく話し合って決めてください。
家賃滞納者は新しい部屋を借りられる?
新たな引越し先を見つけてから退去するのが基本ですよね。
しかし、「家賃を滞納しているのに新しく部屋を借りられるの?」と不安に思うかもしれません。
でも、そこは安心してください。
「家賃の滞納情報が全不動産業者に共有されている」ことはないので、他の部屋を契約することは可能です。
もちろん、家賃を滞納した部屋の貸主・不動産会社・保証会社に関係ある物件だと、契約は難しいでしょうけどね・・・。
訴えられたらどうなる?裁判の流れ
賃貸借契約の解除後は、訴えられる可能性がでてきます。
そこで、ここからは裁判の流れを簡単に説明していきましょう。
1.貸主が借主を訴える
貸主が、「建物の明け渡し」や「滞納した家賃・遅延損害金の支払い」を求める訴えを起こします。
2.訴状が届く
裁判所を通して、借主に訴状・呼出状などが届きます(訴状には訴えの内容、呼出状には裁判の日時・場所が記載されています)。
訴状が届いたら、同封の答弁書に必要事項を記入し、期限までに裁判所と貸主に提出しましょう。
できれば答弁書を提出したほうがいい
答弁書を提出しなくても、初回の裁判で直接主張すれば問題はありません。
ただ、裁判に不慣れな方が自分の主張を伝えるのは案外難しいものです。
自分に不利な情報を話してしまうこともあります。
そのため、できれば期限までに答弁書を提出しておいたほうがいいでしょう。
糸井 耕佑 (弁護士)談
答弁書を提出したら、あとは指定の日時に裁判所へ出廷してください。
答弁書にはどのようなことを書くの?
答弁書では、借主の主張を述べることができます。
例)
部屋からはすみやかに退去いたします。
ただし、現在の収入は手取り10万円と経済的に苦しいため、未払いの賃料、遅延損害金の一括払いは難しいです。
未払いの賃料、遅延損害金については、月◯万円の分割払いを希望いたします。
初回の裁判は欠席してもOK?
初回にかぎり、答弁書を提出して欠席することもできます。
この場合は、答弁書に、
第1回口頭弁論期日は所用により出席できないので、本答弁書をもって陳述とさせていただきたくお願い申し上げます。
・・・と記載しておきましょう。
なお、2回目以降は基本的に欠席できません。
本人もしくは代理人(弁護士などの専門家)が出廷することになります。
弁護士や司法書士に依頼したほうがいい?
貸主に訴えられた場合、弁護士や司法書士などの専門家に依頼すべきでしょうか?
弁護士に依頼してもよい
退去を拒否する場合や、退去時期・滞納家賃の支払方法について貸主と交渉したい場合は弁護士に依頼してもよいでしょう。
糸井 耕佑 (弁護士)談
場合によっては依頼したほうがいい
平日に裁判所に出廷するのが難しい場合、答弁書の記載方法がわからない場合、貸主の訴えについて争いたい場合などは、弁護士などの専門家に依頼したほうがよいでしょう。
松岡 慶子(司法書士)
ちなみに、弁護士に相談、依頼した場合の費用の相場は以下のとおりです。
- 相談料・・・1時間あたり5,000円~1万円
- 着手金・・・20万円前後
- 報酬金・・・10万円~20万円前後
なかには無料で相談できる機関もあります。
法テラス
http://www.houterasu.or.jp/
法テラスなら、弁護士・司法書士に直接話を聞いてもらうことができます。
1回30分、最大3回まで無料で相談可能です。
ただし、収入・資産が一定以下の方が対象となりますので、注意してください。
法テラス「無料の法律相談を受けたい」
http://www.houterasu.or.jp/nagare/faq/index.html#step2
訴状を無視するとどうなるの?
答弁書を提出せず、さらに初回の裁判にも出席しなかった場合、貸主の主張が全面的に認められ、判決が確定してしまいます。
訴状を受け取ったらまず答弁書を提出するようにしましょう。
3.裁判が行われる
裁判では、借主・貸主がお互いに主張し、主張の裏付ける証拠を提出します。
借主は、家賃を支払えなかった理由や分割払いの希望などを述べることになるでしょう。
貸主の主張を裏づける証拠(例)
- 賃貸借契約書
- 不動産登記事項証明書
- 家賃振込み口座の通帳
- 催告書とその配達証明書
- 契約解除通知書とその配達証明書
- 陳述書
借主の主張を裏づける証拠(例)
- 家賃の振込明細書
- 家賃の領収書
- 家賃引き落とし口座の通帳
- 信頼関係が破壊されていないことを示す証拠(貸主との手紙・メールなど)
ちなみに、借主が訴状の内容を認め、和解内容についてのみ話し合う場合、裁判は2回で終了することが多いです。
1回目と2回目の間は約1ヶ月なので、はやければ裁判開始から1ヵ月で終了します。
4.和解か判決か
裁判の結末は、和解か判決の2択です。
和解した場合
貸主と借主の間でうまく折り合いがつけば、和解となります。
貸主が譲歩してくれるケースも
貸主としては、できるだけはやく滞納者に出ていってもらいたいですよね。
そのため、「滞納家賃の一部免除」「借主の私物の処分費用を負担」など、借主に有利な条件を提示してくれることもあります。
糸井 耕佑 (弁護士)談
和解したら、双方が合意した内容をもとに和解調書を作成します。
以降は、和解調書での決まりごとを守っていかなければなりません。
例)
- ◯月△日までに退去すること
- 毎月□日までに貸主の口座に3万円ずつ振り込むこと
借主が和解調書の内容を守らなかった場合、貸主は裁判所に強制執行を申し立てることができます。
判決になった場合
最後まで和解できなかったときは、裁判官が双方の言い分や証拠をもとに判決を下します。
残念ですが、さきほど紹介した「信頼関係破壊」の条件にあてはまる場合、基本的に貸主の主張が認められるでしょう。
つまり、借主に「建物の明け渡し」や「滞納家賃・遅延損害金の支払い」を命じる判決が下ります。
借主が困窮していても容赦ない判決が下る!?
裁判で、「信頼関係が破壊された状態」だと認められたら、貸主側の主張が通る可能性が高いです(借主が失業中など、困窮しているケースであっても同様です)。
松岡 慶子(司法書士)
借主が判決に従わなかった場合、貸主は裁判所に強制執行を申し立てることができます。
判決に納得できない場合は?
判決に不服なら、上級裁判所(例、地方裁判所から高等裁判所)に控訴することもできます。
この場合、判決が確定するまで(約2週間以内)に控訴しなければなりません。
むりやり退去させられる!?強制退去までの流れ
以下の2つのうち、いずれかの条件を満たすと、貸主は裁判所に「建物明け渡し」の強制執行を申し立てできるようになります。
- 和解後、借主が和解調書の内容を守らなかった
- 借主が判決に従わなかった(借主が訴状・判決を無視した場合も含まれる)
1.貸主が裁判所に「建物明け渡し」の強制執行を申し立てる
いつ申し立てるかは貸主の自由です。
貸主に「いつまで待ってほしい」と交渉することもできますが、応じてもらえるかはわかりません。
2.強制退去の予告
まず、貸主・執行官(裁判所の職員)・運搬業者・弁護士が借主の家を訪れます(訪問日は事前に通知されません)。
このとき、居留守を使ってもムダです。
貸主たちは合鍵を使って勝手に入ってきます。
借主不在の場合も同様です。
貸主たちは、「1ヶ月以内に部屋を明け渡さない場合は強制的に退去させます」と書かれた文書(※1)をカベなど目立つ位置に貼り付けて去っていきます。
また、借主が駐車場を利用している場合、そのスペースにも同じ文書(※1)を貼られてしまうので、注意してください。
近所の人にみられる可能性大です。
※1
このとき貼られた文書をはがすことは禁止です。
3.強制退去
期限までに部屋を明け渡さなかった場合は、強制的に追い出されます。
執行官・貸主・運搬業者が、借主の部屋を訪れ、部屋のなかの人・モノをすべて外に出してしまうのです。
もちろん、カギは変えられてしまいます。
ちなみに、貸主が裁判所に訴えてから強制退去までは、最短で2~3ヶ月と考えてください。
強制退去後の荷物はどうなるの?
部屋から運び出された荷物は、一定期間、倉庫・空き部屋などに保管されます。
借主は、保管期間内(数週間以内)へ取りに行かなければなりません。
期限までに借主が取り行かなかった場合、荷物は競売にかけられてしまいます(売れなかったものは貸主が処分します)。
滞納分の家賃はあとから請求される!
裁判で「滞納した家賃・遅延損害金の支払い」を命じる判決が下りたら、下記をあわせて負担しなければなりません。
- 滞納分の家賃
- 遅延損害金(※2)
- 貸主が負担した訴訟費用
- 切手代(6,000円程度)
- 収入印紙代(※3)
- 貸主が負担した建物明渡執行費用
- 裁判所に預ける予納金(6万5,000円程度)
- 執行事業者に支払う費用(1人暮らしの場合、20~25万円程度)
支払いに応じなかった場合、貸主が強制執行を申し立てれば、借主の財産(預金・給料・車など)を差し押さえ可能です。
もちろん、退去後も同様です。
引越しても、住民票を手がかりに追跡しますので、逃げおおせる可能性は低いですね。
ちなみに、財産の差し押さえについては下記で詳しく解説しています。
※2
遅延損害金=滞納中の家賃×遅延損害金の金利(年利)÷365日×滞納した期間
遅延損害金の上限は年14.6%です。
賃貸借契約書で遅延損害金の金利について定められていない場合は、年5%となります。
※3
印紙代は裁判の訴額によって異なります。
裁判所「手数料」
http://www.courts.go.jp/saiban/tesuuryou/index.html
(「手数料額早見表」を参考にしてください)
なお、訴額の算出方法は以下の通りです。
建物の固定資産評価額÷建物の床面積×明け渡しを求める部屋の専有面積×1/2
固定資産評価額300万円、床面積100㎡、明け渡しを求める部屋の面積が25㎡の場合、訴額は37万5,000円です。よって印紙代は4,000円になります。
保証会社・連帯保証人がいる場合はどうなる?
賃貸の契約をする際は、通常、連帯保証人を設定したり、保証会社と契約することになります。
では、連帯保証人や保証会社がいる場合に家賃を滞納すると、どうなるのでしょうか?
連帯保証人がいる場合
連帯保証人は、借主と同等の支払義務を負います。
そのため、借主が家賃を滞納した場合、いつ連帯保証人に請求がきてもおかしくありません。
ただし、現実的に連帯保証人に請求がいくのは、借主に支払能力がないケースか、請求できないケースです。
たとえば、次のようなケースが考えられます。
- 借主が自己破産をした
- 借主が行方不明になった
- 借主が死亡した
- 借主に財産がなく差し押さえできない
保証会社を利用している場合
保証会社は、その名の通り、連帯保証人の役割をつとめる会社です。
借主が一定期間以上家賃を滞納したら、保証会社が滞納分を肩代わりし、貸主に支払います(これを代位弁済といいます)。
この説明をすると「保証会社が肩代わりしてくれたのだから、家賃の支払い義務はなくなるんじゃ?」と思う方もいるでしょう。
でも、そんなうまい話はありませんよ。
代位弁済がされると、今度は保証会社から取り立てを受けることになります。
そして、取り立てに応じなければ、保証会社から訴えられます(※4)。
※4
代位弁済が行われた場合でも、貸主は借主に対して「建物の明け渡し」を求める裁判を起こすことができます。
まとめ
最後に今回のポイントをおさらいしましょう。
家賃滞納者が立ち退きを求められたらどうすればいい?
- そもそも訴えられてないなら、すぐに退去する必要はない(家賃滞納者を法律的に追い出すには、貸主が裁判を起こすしかない)
- 下記のような違法行為で立ち退きをせまられたら、すぐに警察に相談するべき
- 勝手に部屋の中に立ち入る
- 部屋に居座る
- 大声をあげる、暴力をふるう、怖いことをいって脅かす
- 部屋の中のモノを運び出す・壊す
- 勝手にカギを変えてしまう
- できるだけはやい段階で貸主と話し合うこと(自分の希望を伝えて交渉すること)
いつ訴えられてしまうの?
- 裁判までの流れ
- 貸主と借主の信頼関係が破壊された ➡ 賃貸借契約の解除 ➡ 貸主が裁判所に訴える
- 「信頼関係が破壊された状態」とは、下記の2つを満たしている状態のこと
- 最低でも3ヶ月分の家賃滞納がある
- 貸主が継続的に支払いを求めたにも関わらず、家賃の支払いがない
- 信頼関係が破壊された状態なら、貸主は賃貸借契約を解除できる
- 契約解除の前に、契約解除を予告する通知(内容証明郵便)が届く
- 裁判を避けたいなら訴えられる前に自主退去すること(貸主と話し合い、合意のうえ契約を解除して、なるべく早めに退去すること)
裁判の流れ
- 裁判所を通して訴状、呼出状などが届く
- 訴状に同封された答弁書に必要事項を記入し、期限までに裁判所と貸主に提出すること
- 答弁書を提出せず、さらに初回の裁判にも出席しなかった場合、貸主の主張が全面的に認められ、判決が確定してしまう
裁判では、借主・貸主がお互いに主張し、主張の裏付けとなる証拠を提出する
- 和解したら、双方が合意した内容をもとに和解調書を作成 ➡ 以降、和解調書の内容を守らなければならない
- 最後まで和解できなかった場合、裁判官が双方の言い分や証拠をもとに判決を下す
- 判決になった場合、「信頼関係の破壊」が認められれば、基本的に貸主の主張が通る(借主に「建物の明け渡し」や「滞納した家賃・遅延損害金の支払い」を命じる判決が下る)
強制退去までの流れ
- 貸主が裁判所に「建物明け渡し」の強制執行を申し立てできるケース
- 和解後、借主が和解調書の内容を守らなかった
- 借主が判決に従わなかった
- 貸主が強制執行を申し立てた後、貸主・執行官・運搬業者・弁護士が借主の部屋を訪問し、強制退去日が書かれた文書を部屋内に貼りつける
- 強制退去日までに部屋を明け渡さなかった場合は、人もモノも強制的に外に出されてしまう
退去後も滞納家賃を請求される?
- 裁判で「滞納した家賃・遅延損害金の支払い」を命じる判決が下りたら、下記をあわせて支払う必要がある
- 滞納分の家賃
- 遅延損害金
- 切手代
- 収入印紙代
- 裁判所に預ける予納金
- 執行事業者に支払う費用
- 判決に従わない場合、貸主が強制執行を申し立てれば、借主の財産(預金・給料・車など)を差し押さえ可能
家賃を滞納して大家さんに訴えられると、部屋から追い出されるだけでなく、財産を差し押さえられてしまうリスクがあります。
すでに滞納中の方はもちろん、今後の支払いに不安がある方面はやめに貸主と話し合いましょう。
最後になりましたが、実際に強制退去させられた方の体験談に興味がありましたら、こちらの記事も一緒にご覧になってみてくださいね。
UR賃貸住宅で家賃滞納してから強制退去までの流れ【体験談】
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