カードローンの審査担当が見ている年収や他社借入以外のポイント

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キャッシングやカードローンの融資審査でチェックされるのは、主に職業や収入、他社借入だと思っている方が多いのではないでしょうか。

しかし、これらと同じくらいチェックされているのが、お客さんの外見や雰囲気なのだそうです。

たとえば、コンピューターの審査の結果「限度額30万円」となっても、本人の雰囲気を見て20万円に減額することがあるのだとか。

キャッシングの審査では、あなたが「客観的にどう見られているか」がとても重要です。

たとえば、ブランドのバッグや時計を身につけて来店する人は、どのように見られるでしょうか?

  • Aお金をたくさん持っていそうだから、きちんと返してもらえそう
  • B金遣いが荒そうだから、お金の管理もだらしないかも

これは簡単ですよね。
答えはBです。

この例はとてもわかりやすいですが、相手は金融のプロです。

自分では気がつかないような細かなところまでチェックされています。

そこで今回は、大手消費者金融A社の窓口で審査を担当していた女性に、「来店したお客さんのどんなところを見ているのか」を中心にお話をうかがいました。

服装、話し方、それから乗っている車まで、ありとあらゆる点をチェックしているそうですよ。

  • 目次
  • 実はしっかり見られていた!お金を借りに来たあなたの姿
  • 大切なのは「お金を返してくれる人かどうか」を見極めること
  • 審査通過までにクリアすべき関門は5つ
  • こんな雰囲気の人は審査で不利になる!
  • 特に警戒される職業とは?
  • 良い印象を与えるにはどうすればいい?
  • インタビューを終えて

今回インタビューに答えてくれたのは...

名前:村山 奈美(仮名)
性別:女性
当時の年齢:20代
勤務していた金融会社:大手消費者金融A社
勤務していた期間:1996年~2006年頃まで
仕事内容:窓口営業、コールセンター

実はしっかり見られていた!お金を借りに来たあなたの姿

今回、インタビューに答えてくれたのは、CMでも有名な大手消費者金融のA社に10年ほど勤めていたという村山奈美さん(仮名)。

A社の支店窓口で数千人のお客さんの審査を行ってきたという女性です。

村上さんには、「審査では主にどこをみているのか?何が重要なのか?」という質問をしました。

もちろん、審査で重要なのは本人の職業や収入、他社借入です。

しかし、村上さんとお話するうちに、それらと同じくらい重要なポイントがあることがわかってきました。

それが、来店時のお客さんの外見や雰囲気です。

消費者金融の担当者はお客さんの様子をチェックして、審査の参考にしているそうなのです。

最近は、申込手続きをすべてインターネットで済ませられる業者が増えてきましたが、即日カードの発行を希望するなら自動契約機や店舗に出向く必要があります。

電話申し込みで、カード発行時に自動契約機を利用する方もいますね。

そのとき、消費者金融の担当者は、お客さんの様子をしっかりと観察しているのです(自動契約機内にはカメラが付いています)。

では、その担当者はお客さんのどんなところを見ているのでしょう?

審査にマイナスに働く要素、プラスに働く要素は何なのか、村山さんにお話をうかがいました。

大切なのは「お金を返してくれる人かどうか」を見極めること

― 村上さんはA社でどんなお仕事をされていたのですか?

私は1996年~2006年までおよそ10年、A社に勤めました。

勤務していたのは、東北地方のいくつかの支店と東京にあるコールセンターです。

主に融資の審査を担当していました。

― 審査とはどのような仕事でしょうか?

審査とは、窓口や自動契約機にお金を借りに来たお客さんに「お金を貸していいかどうか」「いくらまでなら貸せるか」を判断する仕事です。

審査で一番大切なのは、「お金をきちんと返してくれる人かどうか」を見極めることでした。

審査通過までにクリアすべき関門は5つ

― 一般的な審査の流れを教えてください。

審査では主に次のようなことが行われます。

  • 信用情報の照会
  • 在籍確認(勤務先への電話)
  • 本人確認書類の確認
  • 職業や年収などをもとにスコアリング
  • 店長の最終決済

これらの審査内容について、もう少しくわしくご紹介しましょう。

信用情報の照会

― 信用情報の照会とは?

お客さんが来店されたら、はじめに名前と生年月日を書いてもらいます。

そして、信用情報機関にアクセスし、その人の信用情報を照会します。

信用情報とは、簡単に言うとローンやクレジットカードの利用記録です。

したがって、信用情報を確認すれば「その人が他社でいくら借りているか」がわかるのです。

※編集より補足
現在は総量規制という法律があります。消費者金融などの貸金業者は、利用者の年収の3分の1以上の金額を貸し付けることはできません。村上さんが勤務されていた時代に総量規制はありませんでした。

それだけではありません。

過去に債務整理、破産、長期(3ヶ月以上)の返済延滞をしたことがあれば、それもわかってしまいます。

当然、それらの記録があった時点で融資は即お断りです。

在籍確認(勤務先への電話)

― 在籍確認とは?

お仕事をしていない人に融資はできません。

そこでお客さんに勤務先の電話番号を教えていただき、在籍確認の電話をかけるのです。

この在籍確認で、「申告された勤務先に本当に勤めているのか」を確認します。

ただしA社の社名は名乗りません。

個人名で電話をかけて、「○○さんいらっしゃいますか?」と勤務先の人にたずねるだけです。

「○○は席をはずしております」と答えがあれば、在籍確認が取れたことになります。

しかし「そんな者はおりません」と言われたら、在籍確認はできなかったということになり、融資はお断りします。

本人確認書類の確認

― 本人確認書類の確認とは?

申込みのときに、運転免許証、健康保険証、パスポートのうちどれかを提出していただきますが、これらの書類が本物かどうかを確認します。

なかには偽造の確認書類を持ってくる人もいますから。

偽造かどうかを確かめるために、A社では独自のチェックポイントがありました。

しかし、具体的にどんな点をチェックしていたかは、ここでは紹介できません。

悪用される恐れがありますからね。

職業や年収などをもとにスコアリング

― スコアリングとは?

ここまですべて問題ないとわかったら、改めて「いくら貸せるか」をコンピューターで計算します。

これにはA社独自の与信システム、スコアリングが用いられます。

お客さんが申込時に記入した個人情報をもとにコンピュータが限度額を算出してくれるのです。

たとえば、「公務員」は○点、「勤続年数3年」だと○点、「年収500万円」だと◯点など、いろいろな項目が点数化されているので、その合計点をもとに、限度額が算出されます。

店長の最終決済

― 最終的に店長が融資を判断するのですか?

はい。
ここまでの4つの工程をすべて踏まえたうえで、店長が「融資するか」「限度額をいくらにするか」を決めます。

この最終判断に大きく影響してくるのが、お客さんの外見や様子です。

たとえば、スコアリングの結果、Bさんは「50万円まで融資可」となったとします。

しかし、Bさんの外見や様子に不審な点があると、「この人はスコアリングで50万円融資可と出たけれど、ちょっと不安があるから限度額は20万円におさえておこう」などと減額することがあるのです。

一方で、「スコアリングでは20万円まで融資可となったけれど、きっちりしている人みたいだから大丈夫そうだ。限度額は50万円でいこう」と増額することもあります。

また、私たち社員から店長に、そういうことを提案することもありました。

つまり私たちは、「きちんと返済してくれる人かどうか」を、お客さんの言動からも判断しているのです。

こんな雰囲気の人は審査で不利になる!

― では「きちんと返済してくれる人かどうか」を判断するため、お客さんのどんなところを見ているのですか?

これについては基準やチェック項目はありません。

店長や私たち社員の経験やカンが頼りです。

ただし、窓口で3~5年ぐらい審査に携わっていれば、外見を見ただけで「この人はだらしなさそう、返済してくれそうもない」「この人は貸してはいけない人だ」などのことがだいたいわかってきます。

私が長年の経験で、お客さんのどんな点に注目していたかを具体的にご紹介しましょう。

身なり

― まずは見た目ですよね?

はい。
まず店舗に来たお客さんの身なり、入ってきたときの第一印象を見ています。

一目見てあやしい人・身なりがだらしない人・派手な人は要チェックです。

あやしい人

― あやしい人とはどんな人ですか?

まず、反社会的な人(暴力団関係者)かどうかをチェックします。

反社会的な人に融資できません。でもけっこう来店していましたね。

反社会的な人は入れ墨が見えるとか、話し方が違うとか独特の雰囲気があるので、普通の人とは明らかに違います。

また、店舗の前をウロウロして、なかなか店内に入って来ないような挙動不審な人もチェックします。

こういう人は偽造書類を使って融資を受けようとするなど、詐欺を働く事例がありました。

身なりがだらしない人

― 身なりがだらしない人とは?

服装が汚い、きちんとしていない人です。

身なりがきちんとしていない人はお金の管理をできないことが多いのです。

本当に返済してくれるのか不安になりますよね。

派手な人

― 派手な人とは?

カバンや時計など、持ち物も見ていますが、ブランド物をジャラジャラつけているような人は印象がよくありません。

そういう人は金遣いが荒いことが多いので...。

文字

― 見た目以外だと、どのような点をチェックされていたのでしょうか?

たとえば、申込書の文字ですね。
申込用紙の文字にも性格が出るので、見ています。

きっちりしている人はきっちり書くし、だらしない人は空欄も多くて字も汚いです。

また、職業や勤続年数についてハッキリ書かなかったり、あいまいにしている人は、嘘をついていることがあるので要注意でした。

話し方・態度

― 他にもチェックされていた点はありますか?

の話し方や態度も見ています。

嘘をついている人は、目を合わせなかったり、話のつじつまがあっていなかったり、挙動不審なことが多いです。

そういう人には、根掘り葉掘りいろいろ質問しますね。

また、聞いてもいないことをペラペラしゃべる人も要注意です。

たとえばこちらから要求していないのに、わざわざ収入証明書を提出してくる人がいます(収入証明書の提出は必須ではありません)。

この場合、実はすでに仕事を辞めていて、それを隠すための作戦だった、ということがあります。

在籍確認をすれば一発でわかってしまいますが、実際このようなケースは多くありました。

乗っている車

― 他には何かありますか?

お客さんの乗ってきた車も見ていました。

私の勤務する店舗は田舎だったので、車で来店する人が多かったのです。

なかでも注意していたのは、職業を「運送業」と申告していたのに白ナンバーの車に乗っているような場合です。

一般的に、仕事用の営業車やトラックは緑ナンバーで登録しているはずです。

でも、なかには緑ナンバーを登録せずに、モグリでダンプの運転手をやっているような人がいます。

そして、そういった人はお金に関してもいいかげんで、回収率が悪いケースが多かったのです。

車は、接客している間に別の社員に頼んで、ナンバーや車種などを見てもらっていました。

店舗の前に停めていなかった場合は、「どの辺にお車を停められたのですか?」と聞いて、わざわざ確認しに行くこともありましたね。

― 以上のような点から「この人は信用できなそう」と判断した場合、限度額が減額されたり、融資を断ったりするのでしょうか?

反社会的な人や、犯罪行為があるとわかった場合は確実にお断りします。

また、無職の人もダメですね。

これら以外は、必ずしも審査に不利になるとは限りません。

職業などを見て総合的に判断します。

特に警戒される職業とは?

― 職業によって、より入念にチェックしなければならない場合もありましたか?

どんな職業の人でも、本人の言動は注意して見ていましたよ。

たとえば、公務員や大企業の社員など安定した職業の方でも、なかにはお金にだらしない人がいますからね。

そういった人を見分ける必要があるんです。

ただ、強いて言うなら、水商売、建設作業員、運送ドライバー、清掃員、タクシーの運転手など、普通の人があまりやりたがらないような仕事の方は特に入念にチェックしていましたね。

― たとえばキャバクラで働いていて、派手な印象の人は「危ない」と判断するのですか?

水商売だからと言って一概に危ないとは言えませんが、やはりリスクは高いので「返せる人かどうか」はよく見極める必要があります。

また、ひとつの特徴として、キャバクラやホストクラブに勤めている人の場合、どんなに稼いでいても最初は限度額20万円までしか出さなかったですね。

― 他に、「こういう人だったら特に注意せよ」という人はいましたか?

20歳過ぎの若い人で、初めて来たようなお客さんも注意して見ますね。

これまで借入れしたことがない人は、返済の実績がないので、信用できる人かどうかがわかりません。

ですから、限度額も最初は10万円程度におさえます。

― 契約・派遣社員、フリーターなど、正社員に比べると収入が少ない人はどうですか?

もちろん、区別して見ています。

貸す側の気持ちになるとわかると思いますが、「正社員なら、クビにならない限り給料が入ってくるから返済できるだろう」と思いますよね。

でも、派遣・契約社員、フリーターの場合は、正社員より安定していないので、こちらも貸すのを躊躇しますし、どんな人かより注視しますね。

― 今まで挙げたような「要注意な人」でも、印象が良ければ初回の限度額が上がることはあるでしょうか?

それはほとんどありません。
初回はおさえた額になります。

せいぜい10万~20万円です。

ただし印象が良く、きちんと返済していれば、確実に限度額は上がっていきます。

ちなみに、当時は正社員や公務員なら初回の限度額で最高50万円ほど出していました。

― では正社員以外の人は、収入証明書を出した方が審査に有利になるのでしょうか?

収入証明書の提出は基本的に必要ありませんし、収入の少ない人が証明書を持ってきても、あまり意味がありません。

公務員や大企業に勤務している人が、高額の給与を証明できる証明書を持ってきたら、大きなお金を貸すことができるので、こちらとしてはありがたいです。

しかしフリーターの人が月10万円、20万円の収入証明を持ってきても、ほとんどプラスにはなりませんね。

良い印象を与えるにはどうすればいい?

― 担当者に良い印象を与えるにはどうすればいいのでしょうか?

特別なことはありません。

嘘をつかず、普通に受け答えができればOKです。

やましいことがない人はこちらが質問してもきちんと答えられますから、「信用できる人かどうか」は会話していればわかるものです。

なかには背伸びをして「少しでも良く思われよう」と考える人もいますが、かえって逆効果です。

嘘をついたりごまかしたりせず、聞かれたことに正直に答えれば問題ありません。

やましいことがない人はこちらが質問してもきちんと答えられますから、「信用できる人かどうか」は会話していれば分かるものです。

― 審査のときは、どんなことに気を付ければいいでしょうか?

繰り返しになりますが、嘘をつかないことです。

収入を多めに申告したり、職業を偽っても必ずどこかでバレてしまいます。

そのことがわかれば、かえって信用を失ってしまいますよ。

審査では正直に自分のことを話してほしいですね。

インタビューを終えて

短大卒業後、給料体系や待遇のよさに惹かれてすぐA社に入社したという村上さん。

最初は、支店で一般職として採用されたそうですが、最終的には総合職になり、東京のコールセンターではリーダーも務められたそうです。

村上さんに「消費者金融でお仕事して、印象に残っていることは?」と聞いたところ、「お金にだらしない人は金融業では働けない」という答えが返ってきました。

やはり「信用できる人かどうか」を見抜くためには、自分自身お金に関してきちんとしている人でないといけないようです。

さて、消費者金融の担当者は、私たちが想像している以上に細かいところまでお客さんの見た目や雰囲気を見ていることがわかりました。

近年はインターネットで申込手続きを完結できる業者も多くなったので、直接顔をあわせずに審査を受けることもできます。

しかし、店舗や自動契約機を利用するときは、外見や雰囲気をチェックされていると思ったほうがいいでしょう。

緊張したり、背伸びをする必要はありませんが、社会人らしくきちんと対応しましょう。

また、自分のこと正確に、正直に伝えるようにしましょう。

村上さんが言うように、嘘をついてもマイナスにしかなりませんからね。

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