カードローンのお試し審査はあてにならない!実際の審査難易度を調べてみた

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カードローンやキャッシングのお試し審査とは、簡単な項目を入力するだけで融資可能かどうかを教えてくれるサービスで、多くのカードローンの申込みページで利用することができます。

本審査より早く結果がわかるので、人気があるんです。

でも、このお試し審査、結果がまったくあてになりません。

お試し審査に通過しても、本審査ですぐに落とされるちゃう人って、すごく多いんですよ。

そこで今回は、お試し審査ではわからないカードローンのリアルな審査難易度を調べてみることにしました。

カードローンの審査に落ちた経験を持つ4名の方にヒアリングを行い、何が原因で審査に落ちたのか、徹底的に洗い出したのです。

この記事を読むことで、実際に審査に落ちた方の本当の審査落ちの原因がわかりますので、これからカードローンに申込む予定のある方には必ず参考になる内容になっていると思います。

この記事の編集者情報

  • ささき 英雄私が編集者です!

    七夕生まれ、編集・ライティング歴10年。前職ではグルメ雑誌の制作に携わっていましたが、30歳の誕生日をきっかけに独立しました。ファイグーでは「自分の仕事は書くことではなく伝えること」という意識で記事に取組んでいます。担当記事は、利息や審査などライバル記事だらけのテーマが多いです。そのため、「他のどの記事よりも正しい」のは当然として、さらに「どうすれば読みやすくなるか」を日々追求しています。

原因は他社借入れにあり!荒川さんのケース

まずは、2015年5月~6月にオリックス銀行カードローンとみずほ銀行カードローンに申込み、いずれも審査に落ちてしまった荒川さん(仮名)のケースからみていきたいと思います。

まずは、当時の荒川さんの情報をまとめてみましょう。

項目 荒川さんの情報
年齢 30歳
年収(税込) 550万円
勤務先 上場企業(東証一部)
雇用形態 正社員
勤続期間 8年2ヵ月
居住形態 賃貸マンション
住居費 月6万5,000円(家賃)
同居家族 3名
扶養家族 3名
保険の種類 社会保険
他社借入総額(※1) 782万円
他社借入件数 4件
金融事故の履歴 なし

※1 他社借入総額には、ローン(種類問わず)が含まれます。クレジットカードのショッピング利用は含まれません。

荒川さんは、4社から借りている総額782万円のローンをおまとめするため、高限度額のオリックス銀行カードローン(限度額最高800万円)やみずほ銀行カードローン(限度額10~800万円)へ申し込みました。

原因は他社借入れにあり

荒川さんは審査に落ちてしまった原因は他社借入れにあると考えられます。

荒川さんの当時の他社借入状況についてまとめてみましょう。

種類 業者名 金利 借入額 毎月の支払額
銀行カードローン 楽天銀行スーパーローン 10.05% 150万円 2万円
消費者金融のカードローン SMBCモビット 15.0% 132万円 3万4,000円
レイクALSA 18.0% 50万円 9,000円
自動車ローン トヨタファイナンス 8.0% 450万円 7万円

その他、クレジットカードのリボ払いも利用していました。

種類 業者名 金利 借入額 毎月の支払額
クレジットカード
(ショッピング)のリボ払い
アプラス 15.0% 50万円 1万円
セディナ 15.0% 100万円 2万7,000円

すべて合計すると、総額932万円にのぼります。

返済負担比率が何%以上だと審査に落ちる?

銀行は総量規制のうえで、法律的には借入額の制限を受けません(※2)

ただし、銀行の場合は、「返済負担比率(年間返済額÷年収)がOO%以上で審査に落ちる」といった基準を持っているところが多いのです。

例)

  • 現在の返済負担比率が35%以上で審査に落ちる
  • 現在の返済負担比率が40%以上で審査に落ちる
  • 今回申込みしたローンの分も含めて、返済負担比率が35%以上だと審査に落ちる
  • 今回申込みしたローンの分も含めて、返済負担比率が40%以上だと審査に落ちる

※上記は実在の銀行の審査基準です(元審査担当者にヒアリングしたもの)。ただし、オリックス銀行・みずほ銀行のものではありません。

このように銀行によって基準は異なりますが、返済負担比率が35%以上、もしくは40%以上の場合に審査に落ちるケースが多いようですね。

なお、年間返済額とは、ローン(種類問わず)・クレジットカードの分割払い・リボ払い・携帯電話の割賦払い・奨学金等の年間支払額(合計)のことです(※3)

荒川さんの場合、毎月17万円を返済しています。

つまり、

17万円×12ヶ月=204万円

年間返済額は204万円です。

では、返済負担比率はどのくらいでしょうか。

204万円÷550万円=約37%

微妙なラインですが、返済負担比率が35%以上であることを理由に審査に落ちた可能性は否めません。

※2
総量規制とは、貸金業者(主にクレジットカード会社と消費者金融会社)が個人に貸付けできる金額を制限したルールのことです。上限は、「税込年収の3分の1まで」と決められています。

※3
「年間返済額」に含まれる支払いの種類は、銀行によって微妙に異なります。家賃を含む銀行もありますし、クレジットカードの支払い、携帯電話の割賦払い、奨学金を含めない銀行もあります。ただしローン(種類問わず)は必ず含まれます。

特に問題なのがカードローン

荒川さんの場合、特に問題になっているのがカードローンです。

すでに332万円を借入れていましたが、「さらにいくら借りられるのか」は定かではありません。

種類 業者名 借入金額
銀行カードローン 楽天銀行スーパーローン 150万円
消費者金融のカードローン SMBCモビット 132万円
レイクALSA 50万円

カードローンでは、利用者それぞれに利用限度額が設定されており、その範囲内なら好きに借入れできるからです。

たとえば、荒川さんが楽天銀行スーパーローンで利用限度額300万円を設定されている場合、いつでも150万円まで追加借入れできます。

「すでに返済負担比率37%なのに、これからさらに比率が増える危険がある」ということで審査に落ちた可能性も否定できません。

おまとめ専用ローンに申込めば審査に通る可能性も

通常の銀行カードローンに「おまとめ目的で借りたい」と伝えても、審査で特別扱いされるわけではありません。

荒川さんの審査でもっともみられるのは、

「すでに800万円近い借金がある年収550万円の人に追加で800万円貸せるか」

ですから、通過は難しいでしょう。

一方、借入先への返済を代行するような おまとめ(借換え)専用ローンであれば、審査に通ったかもしれません。

おまとめ専用のローンは審査基準が一般のカードローンと異なるからです。

金融事故は致命的!金森さん・斉藤さんのケース

次は、金森さん(仮名)と斉藤さん(仮名)のケースをまとめて紹介します。

金森さんは2012年4月にプロミスとレイクALSAに申込み、いずれも審査に落ちてしまいました。

また、斎藤さんは2016年5月にレイクALSAに申込み、審査に落ちました。

では、当時の金森さんと斉藤さんがどのような状況だったのか確認してみましょう。

項目 金森さんの情報 斉藤さんの情報
年齢 39歳 22歳
年収
(税込)
510万円 250万円
勤務先 上場企業(マザーズ) アパレルショップ
雇用形態 正社員 正社員
勤続期間 5年3ヵ月 1年6ヵ月
居住形態 賃貸マンション 一戸建て(親名義)
住居費 月8万5,000円(家賃) なし
同居家族 なし 3名
扶養家族 なし なし
保険の種類 社会保険 社会保険
他社借入総額(※1) 340万円
(銀行から200万円、クレジットカード会社から140万円)
70万円
(消費者金融から70万円)
他社借入件数 4件 2件
金融事故の履歴 長期延滞 延滞(常習)

※1 他社借入総額には、ローン(種類問わず)が含まれます。クレジットカードのショッピング利用は含まれません。

2人とも、生活費補てんのためにプロミスやレイクALSAに申込みをしましたが、審査に落ちてしまいました。

金融事故の記録があると審査に通らない

金森さんが審査に落ちたのは、信用情報金融事故の記録があったためです。

信用情報と金融事故とは?

信用情報とは「利用者と金融業者との取引の記録」です。

主に、ローン(種類問わず)・クレジットカード・携帯電話機種代金の割賦払い・奨学金の利用状況や支払状況がすべて記録されています(金融業者問わず)。

そして、信用情報は各金融業者間で共有されています。

金森さんがプロミスとレイクALSAに申込みした際、両社は金森さんの信用情報を確認し、「これまでの借入れや支払いに問題がないか」をチェックしたはずです。

仮に、信用情報に金融事故の記録があると、審査通過は大変厳しくなります。

ここで主な金融事故の種類と信用情報に登録される期間を下記の表にまとめてみました。

金融事故の種類 内容 登録期間
長期延滞 ローン(種類問わず)・クレジットカード・携帯電話機種代金の割賦払い・奨学金などの支払いを2~3ヵ月以上延滞した 延滞解消後1~5年
債務整理 債務整理(借金を整理して減らす手続き)を行った
例)任意整理、破産など
発生後5~10年
(破産以外は最長5年)
代位弁済 保証会社が支払いを肩代わりした 発生後5年
強制解約 支払いの長期延滞などを理由に、金融業者(銀行・消費者金融・クレジットカード会社・携帯電話会社など)から契約を打ち切られた 発生後5年

ちなみに、こちらでは金融事故の詳細を解説していますので、あわせてご確認ください。

審査に落ちたのは長期延滞が原因

金森さんは、2011年にカードローンの返済を半年~1年間にわたって延滞しています。

そのため、金森さんの信用情報には長期延滞の記録が残っていました。

長期延滞の登録期間は、延滞解消後1~5年ですから、2012年4月頃(プロミスとレイクALSAに申込みをした時期)にはまだ消えていません。

金森さんは、信用情報に長期延滞(金融事故)の記録があったせいで審査に落ちたのだと考えられます。

延滞の常習犯は審査に落ちる?

一方、斉藤さんは金融事故を起こしていませんでした。

しかし、斉藤さんは短期の延滞を繰り返す悪い癖があります。

ここ最近でも、2~3日の延滞が5~6回、3週間~1ヵ月程度の延滞が1回ありました。

このような短期の延滞でも信用情報に記録されることがあります(※4)

斉藤さんの信用情報に延滞の記録がみつかれば、レイクALSAも審査でチェックしたでしょう。

そして、延滞を繰り返す斉藤さんに対し、レイクALSAが「信用できない」と判断し、審査に落ちた可能性があります。

短期の延滞でも、連続したり、繰り返したりすると、審査に落ちる可能性が高まります。

例)

  • 月をまたいで延滞し、現在も延滞していると審査に落ちる
  • 過去2年以内に3回以上延滞していると審査に落ちる
  • 過去1年以内に3回以上連続して延滞があると審査に落ちる
  • 2ヵ月連続で延滞した記録があると審査に落ちる
  • 過去に3回以上延滞した記録があると審査に落ちる

※上記は実在の銀行や消費者金融の審査基準です(元審査担当者にヒアリングしたもの)。ただし、レイクALSAのものではありません。

ちなみに、短期の延滞の記録も最長で5年間は信用情報に残ります。

※4
ローン(種類問わず)・クレジットカード・携帯電話機種代金の割賦払い・奨学金などの延滞情報は、すべて記録されます。ただし、延滞情報を信用情報に記録するタイミングは、金融業者の判断次第です。「1日でも遅れたら記録する」ところもあるでしょうし、「1週間延滞しても記録しない」ところもあるでしょう。なかには、「事前に遅れの報告があれば、延滞の記録はつけない」という金融業者もありますので、期日通りの支払いができない場合は、事前に連絡しておきましょう。

延滞を解消していれば審査に通る可能性も

延滞分の支払いが完了し、延滞が解消された場合、信用情報には延滞解消と記録されます(延滞解消が記録されるのは最長1年間です)。

信用情報に延滞の記録があっても、延滞解消の記録もあれば審査に通ることもあるようです。

ウソがバレてしまった!中村さんのケース

次は、中村さん(仮名)が審査に落ちた理由を探ってみましょう。

2016年6月、中村さんは生活費調達と借金返済のためにアコムとプロミスに申込み、審査に落ちてしまいました。

では、当時の中村さんがどのような状況だったのか確認してみましょう。

項目 中村さんの情報
年齢 63歳
年収(税込) 190万円(生活保護)
勤務先 無職(生活保護)
居住形態 賃貸マンション
住居費 月4万5,000円(家賃)
同居家族 なし
扶養家族 なし
他社借入総額(※1) 55万円(クレジットカード会社から55万円)
他社借入件数 2件
金融事故の履歴 債務整理(※5)

※1 他社借入総額には、ローン(種類問わず)が含まれます。クレジットカードのショッピング利用は含まれません。
※5 中村さんは2010年に債務整理(任意整理)を行っていますが、任意整理の登録期間は最長5年です。アコムとプロミスに申込みをしたのは2016年6月なので、この時点で任意整理の記録は信用情報から消えていたと考えられます。

そもそも生活保護受給中は審査に通らない

基本的に、生活保護受給中の方はカードローンの審査に通りません(※6)

生活保護で定期的な収入はありますが、それは自治体から支給された必要最低限の金額です。

業者としては、そのような方にお金を貸すことはできませんよね。

しかし、生活保護を受けているという話は、中村さんが申告しない限り金融業者に伝わることはなく、実際に中村さんも申告はしていません。

では、なぜ中村さんは審査に落ちたのでしょうか?

※6
収入が生活保護のみの方、年金のみの方、失業手当などの手当のみの方は、基本的に審査に通りません(一部、年金収入のみでも審査に通る業者もあります)。

職業・収入・他社借入から総合的に判断

中村さんは、アコムとプロミスに、「自営業で年収190万円」とウソをついていたのです。

そのウソをアコムとプロミスが信じたと仮定すると、中村さんは、職業・収入・他社借入などから総合的に判断されて審査に落ちたのだと考えられます。

まず、自営業は「収入が不安定」という理由で審査に不利です。

また、中村さんの年収は190万円とかなり少額です。

そして、アコムやプロミスは貸金業者なので総量規制の対象となります。

総量規制により、貸金業者(主にクレジットカード会社と消費者金融会社)は「個人の年収の3分の1まで」しか貸付けできません(※7)。

中村さんの年収は190万円なので、貸金業者から借りられるのは最大63万円までということになります。

そして、中村さんは、生活保護受給前にクレジットカードでキャッシングしており、その借入残高が55万円残っていました。

よって、アコムやプロミスが中村さんに貸付けられるのは、

63万円-55万円=8万円

最大でも8万円しか貸付けられません。

さらに、中村さんは当時63歳で比較的高齢のため、今後収入が大きく増える可能性も低いでしょう。

まとめると、

  • 自営業のため収入が不安定
  • 収入が190万円と少額
  • 総量規制により最大でも8万円しか貸付けできない
  • 63歳と高齢

このように複数の要素から総合的に判断されて、審査に落ちた可能性があります。

※7
貸金業者は総量規制を超えた金額を貸し付けることはできません。そのため、すでに貸金業者から年収の3分の1の金額を借入れている人が別の貸金業者に申込みをした場合、審査に落ちます。

ウソを見抜かれた可能性も

もちろん、中村さんの「自営業である」というウソを見抜かれた可能性もあります。

実際にアコムの担当者は、事業内容、売上げ、取引先などについて、中村さんに細かく質問をしてきたそうです。

アコムの担当者とのやり取りを、下記にまとめました。

アコム

ご職業に自営業とありますが、どんな内容の仕事をされていますか?

インターネットで古物の売買を行っています。

中村
アコム

客先はどんなところですか?

インターネット上の応募者が対象なので、特定の取引先はありません。

中村
アコム

収入は月にどれくらいありますか?

まちまちですが、だいたい15万円くらいです。

中村
アコム

融資目的は"仕入れの為"とのことですが、どのような仕入先がありますか?社名がわかれば教えてください。

全国の骨董市で仕入れているので、特定の会社からの仕入れはありません。

中村
アコム

最近の仕入れに関する明細や領収書はありますか?

たぶんあると思います。

中村

以上でやりとりは終了したそうです。

取引先の名前など、具体的な情報がぜんぜん出てこないため、あやしいと思われた可能性はありますね。

極めつけは、明細や領収書についての回答です。

自営業の場合、「過去5年分の明細や領収書を保管しておかなければならない」という決まりがあります。

中村さんが本当に自営業を営んでいるなら、「明細や領収書はありますか?」の質問に対して「たぶん」などと濁さずに、「はい」と断言できたはずです。

このようなことから、アコムが、「中村さんはウソをついている(実際は自営業を営んでいない)」と判断し、審査で落としたのかもしれません。

まとめ

今回の4名の情報からわかった、「カードローンの審査に落ちる条件」をおさらいしましょう。

  • 銀行カードローンの場合、返済負担比率(年間返済額÷年収)が35~40%以上になると審査に落ちる可能性が高まる
  • 信用情報に金融事故(長期延滞・債務整理・任意弁済・強制解約)の記録があると審査に落ちる可能性が高い
  • 過去に、ローン(種類問わず)やクレジットカードなどの支払いを延滞したことがあると、審査に落ちる可能性がある(複数回延滞していたり、連続して延滞していたりすると可能性が高まる)
  • 収入が、生活保護のみの方、年金のみの方、失業手当などの手当のみの方は、基本的に審査に通らない
  • 審査に不利な条件が重なると審査に落ちる
    例)
    • 自営業のため収入が不安定
    • 収入が少額
    • すでに総量規制の制限ギリギリまで借入れている
    • 高齢
  • 申込時にウソの申告をすると審査に落ちる可能性が高い

いかがでしたか?

カードローンの審査では、あらゆる情報を総合して判断されるので、一概にいえない部分も多いですが、申込前に審査落ちの条件に当てはまっていないか確認しましょう。

審査に落ちる人の条件をさらに詳しく知りたい場合は、銀行や消費者金融の元審査担当者へのインタビューまとめを参考にしてみてください。

最後になりましたが、業者ごとの細かな審査基準、たとえばアコムの審査基準プロミスの審査基準はこちらをご確認ください。

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