今回、私が借金をすることになったのは「仲の良い友達の頼みごと」がきっかけでした。それが自分を苦しめることになるとは知らずに。

【体験者の情報】
名前：望月 久子（仮）
性別：女
会社名（借入先）：武富士、アコム
借入件数：2件
利用期間：2年
当時の職業：フリーター
当時の年齢：21歳
当時の借金の合計金額：60万円
返済期間：2000年5月～2002年12月

きっかけは友達からの一本の電話

友達　「もしもし。ちょっとお金を貸してほしいんだけど...」

唐突の電話。
電話をかけてきた友達は、会わない日がないくらいいつも一緒にいる仲の良い友達でした。

私はお金を貸すことを拒みましたが、彼女は諦めていなかったようで、3日後また私にお金を貸してほしいと頼んできました。

友達　「1～2週間で返すから、迷惑はかからないし。」

いや、『人からお金を借りる』時点ですでに迷惑かかってるでしょ...
私は心のなかで思いました。
切羽詰っている様子の彼女は、なんとか私を説得しようと必死です。

私は、お金を貸すことによって今までの関係が壊れてしまうのでは？かといって貸さなかったとしても、今の関係がギクシャクするのではないか？と思い悩みました。

今思うと、貸しても貸さなくても彼女との関係は壊れることになったのでしょうが、このときは彼女がお金を返してくれることを信じて貸すことに決めたのです。

はじめてのキャッシング

私たちは、その日のうちに国道沿いの無人契約機に出向きました。そこには武富士とアコム、2社の無人契約機がありました。正直どちらでもよかったのですが、当時は武富士のCMがよく放映されていたので、自然と武富士の入り口へ。

無人契約機の外見はコンビニみたいだと思いましたが、自動ドアの前にスリガラスのようなものがあり、道路側から入る人が見えないようになっていました。武富士側の配慮なのでしょうか。

私は借り入れをするのも初めてだったので、極度の緊張で身体が強張っていました。そもそも、『私がお金を借りられるのか』不安でした。

しかし手続きが始まると、あっという間にお金が借りられてしまい拍子抜け。あまりのスムーズさに細かいことは覚えていませんが、用紙に個人情報等を書き、身分証明書をスキャンし、備え付けの電話でオペレーターと少し話した後、審査（申告した職場に実際に勤務しているかの確認の電話があったようです）、終了です。

審査が終わると、その場でカードが発行されてすぐにお金を借りることができました。私の借入限度額は30万円。金利は25％で毎月1万円ずつ返済していくことになりました。

借りたお金はその場で全て友達に渡し、お金が返ってくることを期待しました。

案の定 返されない借金

結局、その後1年が過ぎても友達は返済してくれませんでした。

半年たった頃、私は「このままだとやばい」と思い、昼夜でバイトを掛け持ちするようになりました。それまでは、アコムから新たに借りたお金を武富士の返済にまわし、武富士から借りたお金をアコムの返済に回す――いわゆる『自転車操業』でなんとか返済していたのですが。

2社から借りたお金は、1年でなぜか60万にものぼっていました。

お金を貸してから2年経つ頃には、もうお金を貸した彼女と連絡が取れなくなっていました。

私はというと、昼間はレストランのウェイトレスで夕方まで働き、夜は水商売で働いていたので借金の方はもうほとんど返済が終わっており、残るはアコムの15万円を残すのみとなっていました。

もうこの頃には、彼女からの返済はまったく期待していませんでした。

何とか返してもらうことに成功

当時付き合っていた彼に借金のことを話すと、「貸したお金はちゃんと返してもらわないとだめだよ。」と、彼。彼は（お金を貸している）彼女の家まで何度も足を運び、私にお金を返すよう説得を始めました。

そしてついに話がまとまり、月に5万円ずつお金を返してくれることに決まったのです。その後6カ月間で30万円全額取り戻すことができました。

お金の貸し借りは人間関係破綻のはじまり

仲の良い友だちからお金を貸して欲しいと頼まれたとき、皆さんだったらどうしますか？今の私なら　『断固として断る』と思います。

断わったことで友情が壊れてしまうのであれば、それはそこまでの関係だった、と割り切るしかありません。

きっと私の場合、彼女にとって　『言えば簡単に貸してくれる』　相手で、一番頼みやすい存在だったのだと思います。普段から一緒にいた彼女は、私の押しに弱い部分を知っていたからこそ、何度も頼んできたのです。

私は、今回のことで仲の良かった友達を失いましたが、この事でどんなに親しい仲でもお金の貸し借りはしてはいけないということを学びました。

知人・友人との金銭トラブルの体験談