国保滞納で持病が悪化!職も失いどん底の生活から立ち直った体験談

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「病気のせいでお金がかかる。でも働けない!」

当時の私はまさに絶対絶命...。

一度は自殺も考えましたが、国の制度に助けてもらい、なんとか生き延びることができました。

今回は、私がどのような経緯でどん底に陥り、そして立ち直っていったのかお話したいと思います。

私と同じような境遇の方の助けになれば幸いです。

※ 編集より補足
記事の後半では、「生活保護を受けるための条件」について編集から補足しています。こちらもあわせてご確認ください。

体験者の情報

名前:田中 登(仮名)
性別:男性
お金に困った経緯:パニック障害と不眠症により会社を退職し収入がゼロとなった為
当時の職業:コールセンター勤務
当時の年齢:30歳
当時の借金総額:50万円

パートの収入では国民健康保険料を払えない

私には、もともとパニック障害と不眠症の持病がありました。

安定剤を飲まないと働けないほどだったので、フルタイムでの勤務はあきらめ、コールセンターでパート勤務をしていました。

しかし、その収入だけだとお金が足りないのです。

家賃、水道光熱費、食費を支払うと手元にお金が残りません。

病院代を出すのもやっとだったので、国民健康保険料の支払いまで手が回りませんでした。

だんだん支払いが遅れがちになり、滞納額が増えていったのです。

「このままでは、保険証をもらえなくなるかも...」

私は、半年滞納した時点で役所の国民健康保険課の窓口へ行き、1ヶ月有効の短期の保険証をもらいました。

通常の保険証は、保険料の納付後でないと発行できないと言われました。

しかし、1ヶ月で保険料が支払えるようになるわけもなく、保険証はあえなく期限切れ。

こうして、保険証なしの生活が始まりました。

保険証がなければ、医療費は10割負担。

保険料も支払えない私が支払えるわけもありません。

とうとう、病院に行けなくなってしまったのです。

薬がなくなるとうまく眠れず、何もやる気がしない、死にたい、という気持ちになりました。

外出するのも面倒になり、バートの仕事すら辞めてしまいました。

そこから少ない貯金を切り崩す生活がはじまりましたが、1ヶ月もしないうちに底をつきます。

なんども「死」という文字が頭をよぎりましたが、なかなか実行に移せません。

働かなければならないとわかっていても、体がいうことをききません。

その後は、家賃、水道光熱費、税金関係など、一切の支払いができなくなってしまいました。

こころよくお金を貸してくれた親戚・友人

働かなければ生活がなりたたないのに働けない。

どうしようもなくなった私は、まず叔母にお金を借りました。

しかし、叔母も年金生活でお金に余裕があるわけではなく、何度も借りるわけにはいきません。

叔母を頼れなくなってからは、幼い頃からの友人や、前の職場の同僚など、多くの人に借金を申込みました。

借金の総額は50万円くらいになっていたと思います。

みなさんこころよく貸してくれたので本当に助かりました。

「登さんにはお世話になったから気にしないで。生活を立て直してから返してくれれば良いから」と言ってくれたのです。

そういえば、私は頼まれると断れない性格なので、まわりの人からお願いごとをされたら できるかぎり応えていました。

たとえば、悩みの相談にのったり、お金を貸したり、仕事の紹介をしたり。

困った人にはできるだけの手助けをしてきました。

そのことをみなさん覚えていてくれたのです。

いつ自分が逆の立場になるかわかりません。

「情けは人のためならず」という言葉は、本当にそのとおりだと思います。

使い古しの家電でも買い取ってもらえる

働かずしてお金を得る方法は限られています。

借りる以外には、持っているものを売るしかありません。

私は家にあるモノを売ることにしたのです。

検討の結果、テレビ、DVDプレイヤー、ファンヒーターをリサイクルショップで売ることに。

無事買い取ってもらい、全部で5,000円ほどになりました。

どれも使い古しなので、買い取ってくれるお店あるか不安でしたが、3店舗ほどまわると、買い取りOKの店を見つけることができたのです。

ある店では買い取らないものでも、ほかのお店なら買い取ってくれる可能性があります。

店によって、買取基準がちがうのですね。

いずれにしても、あきらめずに探してみるものだと思いました。

働きはじめた矢先に...!入院と病気発覚

なんとかお金をつくり保険料を支払うことができた私。

ようやく保険証がもらえて、ふたたび薬を飲み始めることができました。

そうしたら体調がよくなって、次のアルバイトも決まり、精神的に落ちついてきました。

そんな矢先。

なんと、帯状疱疹(ヘルペス)にかかっていまいました。

診察を受けて、その場で即入院!

1週間の入院中、念のために行った血液検査でHIVキャリア(エイズを引き起こすHIVウイルスが体の中にひそんでいる)ということもわかりました。

入院費の支払いはもちろんのこと、エイズを発症させないための薬も飲み続けなければなりません。

このとき、自分ひとりで生活を立て直すことは不可能だとさとりました。

思い切って病院のケースワーカーに相談すると、生活保護の申請をすすめられました。

そして、入院費は月5,000円の分割払いで支払っていくことになったのです。

生活保護からの復活

その後、様々な手続きを経て生活保護の申請が受理されました。

生活保護でもらえるお金は必要最低限です。

ギリギリの出費で乗り切るには節約しかありません。

食事はもちろん自炊です。一度に大量に作って保存し、あとから温め直して食べるようにしました。

カレーは特にオススメです。野菜も肉もバランス良く入っており、栄養がかたよりにくいです。

そんなこんなで半年ほど療養しましたが、就職が決まったこともあり、生活保護は打ち切りになりました。

それからはパニック障害、不眠症、HIVとも比較的落ち着いた症状が続いており、社会人として普通に働けています。

借金もまだ半分くらい残っていますが、待っていただきながら定期的に返済しています。

また、HIVキャリアであることから障害者と認定され、医療費の補助が受けられることになりました。

病院の通院費は月に2,000円程度で済み、大きな負担にはなりません。

さらに、精神障害者の申請も認めてもらえたので、パニック障害の治療も無料で受けられるようになったのです。

死ぬくらいならまわりの助けを借りよう

一時は、死のうとまで思いつめた私。

ひとりでできる解決方法には限界があると思い知りました。

自分の力でどうにもならないときは、病院や役所に相談するべきです。

当時の私は、生活保護や医療費の補助が受けられるとは考えもしませんでした。

思いきって病院のスタッフに相談してよかったと思います。

たしかに、他人が納めた税金でご飯を食べるのは気がひけるという人もいるでしょう。

私もそうでしたから。

でも、一時的に助けてもらったとしても、病状が安定して働くことができれば、そこから税金を納めてお返しできます。

今は就職して安定した生活ができるようになりました。

いかがでしたか?
今回は、本当につらい経験をしました。

しかし、今までの自分はちょっとえらぶっていたので、それを反省するよい機会になりました。

結局、まわりの人に助けられて生きていることがわかり、感謝することが多くなったと思います。

まとめ

ここまでの話をまとめましょう。

  • 資産はない(現在住んでいる家・土地以外)
  • できる範囲で働いている、もしくは働くことができない
  • 親族からできるだけの援助は受けた、もしくは受けることができなかった
  • 借金は整理する方向で

以上の条件をすべてクリアした状態で、世帯全体の収入が最低生活費(※2)に満たない場合は、生活保護を受給できます。(生活保護の申請方法についてはこちらで解説しています)

なお、最低生活費は、各自治体や世帯の構成などによって異なるので、詳しくは近くの役所か福祉事務所に相談してみてください。生活保護費の計算方法はこちらをご覧ください)

最後になりましたが、生活保護の申請方法や、生活保護が認められない事例をまとめていますので、あわせて読んでみてください。

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