はじめてお金を借りる人へ。知らないと損するキャッシングの基礎を解説

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今回は、キャッシングやカードローンをはじめて利用する人に向けて、キャッシングの基礎的な解説をしたいと思います。

最近はテレビCMの影響なのか、「すぐにお金を借りられるキャッシング」のイメージが広まり、利用者も増えました。

しかし、キャッシングは使い道を間違うと、人生を台無しにしてしまう危険があります。

何も勉強せずに利用するのは非常に怖いことなのです。

キャッシングには、金利や実質年率、利用限度額といった難しそうな用語がたくさん出てきますよね。

これらの用語は、電車の中吊り広告にも書かれていますが、こういった用語を知らないだけで、後で痛い目をみることになるかもしれないんですよ。

今回は、そうならないために、キャッシングを利用するうえで必要な知識や用語を、超初心者に向けて丁寧に解説しました。

後になって失敗したくない人はぜひ読んでおいてくださいね。

この記事の編集者・アドバイザー情報

  • 松田 一郎私が編集者です!

    博多生まれ横浜育ち。アラフィフの3児の父。出版社に12年勤務後、フリーランスに。結婚後、住宅ローンに教育費、生命保険に国民年金などなど、否応なしにかさんでいく家計を少しでも節約すべく、お金の勉強をはじめました。自分の体験や節約術が、同じような悩みを抱えている方々のお役に立てばという思いを込めて、ファイグーの記事制作にいそしんでいます。フィナンシャルプランナー2級技能士。日本サッカー協会公認D級指導員。

  • 五十嵐 絢蔵元銀行員・ファイナンシャルプランナー

    メガバンクにて17年間勤務。個人住宅ローン、富裕層への資産運用提案、法人営業、融資案件審査など各種業務に携わる。現在は各種補助金、助成金申請業務に従事。ファイナンシャルプランナー技能士、宅地建物取引士。

キャッシングってそもそも何?

キャッシングとは、簡単にいうと、お金を借りるサービスです。

銀行や消費者金融などの金融業者が運営しています。

どうやって利用するの?利用の流れ

まずは、キャッシングに申込みをしてから返済するまでの流れを簡単にみてみましょう。

申込み

利用者が、キャッシングサービスに申込みます。金融業者によって、「ホームページから申込み」「電話で申込み」「来店して申込み」「郵送で申込み」などさまざまな申込方法があります。

審査

融資の可否や融資の金額を決めるため、金融業者側で審査が行われます。

契約

無事審査に通ったら、金融業者と契約を結びます。金融業者によって、「ホームページ上で契約」「FAXで契約」「来店して契約」「郵送で契約」など、さまざまな契約方法があります。

借入れ

利用者は、金融業者が定めた範囲内で、好きな金額を借入れることができます。主に、カードを使ってATMで借入れる方法と、直接利用者の口座に振込みしてもらう方法があります。

返済

利用者は、毎月、金融業者が定めた金額を返済していきます。金融業者によって、インターネット・ATM・銀行振込・口座振替・来店などさまざまな返済方法があります。

このように、キャッシングは誰でも利用できるわけではありません。

利用するためには、金融業者の審査に通過し、契約を結ぶ必要があります。

そして、無事契約できたら、金融業者が定めた範囲内で、好きな金額を借入れることができます。

また、返済は分割で、月一度の支払いが基本となります。

借りたお金(元金と呼びます)を分割し、それに所定の利息を加えた金額を支払っていくことになります(利息については後ほど詳しく説明します

キャッシングとカードローンは同じもの?

基本的に同じサービスだと思って問題ありません。

金融業者によって呼び方が異なるだけです。

金融業者はなんでお金を貸してくれるの?

銀行や消費者金融会社などの金融業者は、なぜ見ず知らずの利用者にお金を貸すのでしょうか?

もちろん、ボランティアではありません。

利用者が利息を支払ってくれるので、お金を貸すのです。

この利息が金融業者の儲けになっています利息について詳しくは後ほど説明 )。

利息・金利に関するよくある疑問

ここでは、利息や金利についての基本を解説していきます。

利息とは?

利息は、利用者が金融業者に支払う手数料・サービス料と言い換えることができます。

利息を利子と呼ぶこともありますが、意味は同じです。

利息の計算方法は?

利息を計算するときに必要なのが、金利です。

金利は、借りたお金に対する利息の割合を示しています(金利を利率と呼ぶこともありますが、同じ意味です)。

つまり、借入額に金利(%)をかけたら利息が計算でき、金利が低いほど、利息も安く済みます。

また、通常のキャッシングの金利は、年率で表示されています。

年率とは、「1年間お金を借りたときに支払わなければならない利息の割合」です(年利と呼ぶこともあります)。

たとえば、100万円を金利(年率)10%で借りた場合、1年後に返済しなければならないのは

100万円×10%=10万円

10万円となります。

毎月いくらの利息を支払うことになるの?

キャッシングの返済は、一般的に月一度のペースで行います。

そのとき、利息をいくら支払うことになるのかを計算してみましょう。

たとえば、30万円を金利(年率)18%で借りた場合、1ヶ月後に支払う利息はいくらになるのでしょうか?

まず、年間で発生する利息を計算しましょう。

30万円×18%=5万4,000円

次に、1日あたりの利息を計算しましょう。

5万4,000円÷365日=147.9円

さらに、1ヶ月あたりの利息を計算してみましょう(1ヶ月の日数を30日とします)。

147.9円×30日=4,437円

つまり、金利18%で30万円を借りた場合、1ヶ月後に支払う利息は4,437円です。

もし、毎月の返済額が1万円なら、

1万円-4,437円=5,563円

5,563円は元金の返済にあてられることになります。

では、同じ条件で、2回目の返済時に支払う利息はいくらになるでしょうか。

借入額は5,563円減っているので、

(30万円-5,563円)×18%÷365日×30日=4,356円

4,356円となります。

このように、利息は借入額に対して発生するので、通常は返済が進むごとに(借入額が減るごとに)支払う利息が少なくなっていきます。

金利・利息についてのより詳しい説明はこちらを参考にしてください。

実質年率ってなに?

さきほど、「キャッシングの金利は年率で表示されている」と説明しましたが、厳密にいうと、実質年率で表示されています。

では、実質とは何でしょうか?

ここでいう「実質」には、利息だけでなく、あらゆる手数料・費用が含まれています。

仮に、利息や手数料などを別々に支払うことになると、手続きが複雑になりますし、利用者としても「結局いくら支払えば良いのか」がわかりにくいですよね。

そのため、実質年率には、利息、手数料、費用のすべてが含まれているのです。

キャッシングの利用者は、基本的に、実質年率で計算された利息以外の手数料や費用を支払う必要はありません(※1)

※1
別途、借入時や返済時にATM利用手数料や振込手数料が発生する場合があります。

大手キャッシングの金利ってどのくらいのなの?

大手キャッシングサービスの金利はどのくらいなのでしょうか?

金融機関 業者名 金利(実質年率)
消費者金融会社 アコム 3.0~18.0%
プロミス 4.5~17.8%
SMBCモビット 3.0~18.0%
銀行 三菱UFJ銀行カードローン
バンクイック
年1.4%~年14.6%
三井住友銀行カードローン 1.5~14.5%

このように、各社とも金利に幅があります。

詳しくは、大手キャッシングの金利一覧表をご覧ください。

最低金利で借りられないの?

利用者に設定される金利は、審査で決まります。

たとえば、アコムに申込みした場合、「3~18%のうちどの金利が設定されるのか?」は審査で決まります。

つまり、人によって金利が違うということです。

なお、審査で決定した金利は基本的に変わりません。

後になって、上がるようなことはないので、安心してください。

必ず上限金利をチェックしよう!

注目すべきは上限金利です。

たとえば、金利4~18%と記載されているキャッシングの広告をみたら、18%のほうに注目してください。

金利が実際に何%になるのかは審査を受けてみないとわかりません。

これは先ほど説明した通りです。

上限金利が適用されることが少なくないので、最初から上限金利が設定されると思って各社の金利を比較したほうがいいでしょう。

例)

金融業者 金利(実質年率)
A銀行カードローン 4~15%
Bキャッシング 3~18%

この場合、A銀行カードローンの金利は15%、Bキャッシングの金利は18%として比較するようにしましょう。

金利は法律で決められているの?

金利は、各金融業者が好きに決めていいわけではありません。

利息制限法により、ルールが決まっています。

借入額 金利
10万円未満 最大でも年率20%まで
10万円以上100万円未満 最大でも年率18%まで
100万円以上 最大でも年率15%まで

これらを超えた金利で貸付けを行った金融業者は、行政処分の対象となります。

また、利息制限法を守らず貸付けを行う業者は違法業者の可能性が高いので注意してください。

キャッシングは固定金利?

キャッシングサービスは、基本的に固定金利を採用しています(※2)

つまり、審査で金利が決定したら、そこから金利が上がることはありません。

実際に、アコム・プロミスSMBCモビットなどの大手消費者金融や、三菱UFJ銀行カードローンなどの銀行カードローンは、いずれも固定金利を採用しています。

※2
固定金利の反対が変動金利です。変動金利の場合は、景気や物価に合わせて金利が上がる可能性があります。

限度額・極度額に関するよくある疑問

キャッシングでは、限度額極度額という言葉が使われます。

ここでは、限度額・極度額について解説していきますね。

限度額・極度額とは?

簡単にいうと、その業者が1人に貸し出せる最大の金額です。

金融業者 限度額(極度額)
A銀行カードローン 1~500万円
Bキャッシング 1~300万円

この場合、A銀行カードローンなら最大500万円まで貸出可能、Bキャッシングなら最大300万円まで貸出可能ということです。

なお、限度額と極度額は、基本的に同じ意味だと思って問題ありません(業者によっては、融資額と呼ぶこともあります)。

大手キャッシングの限度額はいくら?

金融機関 業者名 限度額(極度額)
消費者金融会社 アコム 1~800万円
プロミス 1~500万円
SMBCモビット 1~800万円
銀行 三菱UFJ銀行カードローン
バンクイック
10万円~800万円
三井住友銀行カードローン 10~800万円

限度額についても、このように各社幅があります。

銀行カードローンの限度額一覧表はこちらを参照してください。

好きな金額を貸してもらえるの?

必ずしも希望した金額を借りられるとは限りません。

申込みの際、利用者は、限度額の範囲内で、希望の金額を申告することができますが、借入額の上限(以降、記事中では利用限度額と呼びます)は、審査で決まります。

たとえば、アコムに申込みした場合、「1~800万円のうち、どの金額が設定されるのか?」は審査で決まります。

なお、審査では、先に利用限度額が決定し、利用限度額に応じて金利が決まるパターンが多いです。

たとえば、下記のような場合、

利用限度額 金利(実質年率)
400万円超500万円以下 6.1%
300万円超400万円以下 7.1%
200万円超300万円以下 9.6%
100万円超200万円以下 12.6%
10万円以上100万円以下 14.6%

利用限度額が50万円と決まれば、金利は14.6%になるということです。

一般的に、利用限度額が高いほど低金利、利用限度額が低いほど高金利になる傾向があります。

利用限度額の範囲内なら何度でも借入れできるの?

利用限度額の範囲内なら、何度でも借入れできます。

たとえば、利用者の鈴木さんがA銀行カードローンに申込み、50万円の利用限度額が設定されたとしましょう。

この場合、鈴木さんは50万円までなら好きな金額を借入れできるのです。

「数万円ずつ借入れる」「50万円一気に借入れる」など、好きなように借入れできます。

また、50万円を借入れ後、返済が進んで借入残高(元金)が減れば、また借入れできるようになります。

たとえば、鈴木さんが50万円を全額借入れた場合、一旦は借入れ不可となります。

しかし、その後、返済が進み、借入残高(元金)が40万円となったら、また追加で10万円借入れることができるのです。

年収の3分の1までしか借りられない?

貸金業法の総量規制により、貸金業者が個人に貸すことのできる金額は限られています。

貸金業者に含まれるのは、主に消費者金融会社やクレジットカード会社です(※3)

総量規制により、「貸金業者は個人の年収の3分の1を超えた金額を貸付けてはならない」と決められています。

そのため、貸金業者は、総量規制の制限を超えない範囲で利用限度額を設定します。

たとえば、年収450万円の佐藤さんがBキャッシングに申込みをした場合、

450万円÷3=150万円

Bキャッシングは最大でも150万円の利用限度額までしか設定できません。

また、年収300万円で、他の貸金業者から50万円を借入れている田中さんがBキャッシングに申込みをした場合、

(300万円÷3)-50万円=50万円

Bキャッシングは最大でも50万円の利用限度額しか設定できません。

貸金業者から借入れできる金額に制限があることは覚えておきましょう。

ちなみに、総量規制のより詳しい説明はこちらが参考になると思います。

※3
貸金業者には、銀行、信用金庫、労働金庫、信用組合などの金融業者は含まれません。また、クレジットカードのショッピング利用も同様です。

キャッシングの一般的な申込資格を知ろう!

各金融業者にはそれぞれ申込資格があります。

その申込資格を満たしていない場合は、審査で必ず落ちます。

具体的に、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか?

大手キャッシングの申込資格

金融業者 申込資格
アコム 20歳以上で、安定した収入と返済能力がある方
プロミス 18歳以上74歳以下で、安定した一定の収入のある方(※)
SMBCモビット 20歳以上74歳以下で、安定した一定の収入のある方(※)
三菱UFJ銀行カードローン バンクイック 満20歳~65歳未満で、国内に居住していて、安定した収入がある方
三井住友銀行カードローン 20~69歳以下で、安定した収入がある方

※お申込時の年齢が18歳および19歳の場合は、収入証明書類のご提出が必須となります。
高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)はお申込いただけません。
※収入が年金のみの場合は申し込みできません。

各社とも、「18~20歳以上であること」と「安定した収入があること」が必須条件のようですね。

主婦や学生は申込めるの?

学生や主婦でも申込みできるのでしょうか?

大手キャッシング業者に確認してみました。

職業(仕事) アコム プロミス SMBCモビット 三菱UFJ銀行カードローン
バンクイック
三井住友銀行カードローン
未成年者
学生
(バイト等の収入あり)
専業主婦
(自身に収入なし)
非正規雇用者
(パート・アルバイト・
派遣社員・契約社員など)
就職内定者
(バイト等の収入なし)
年金生活者
(収入が年金のみ)
生活保護受給者
休職中
(産休・育休中なども含む)

(※4)

(※4)
外国人
(※5)

(※5)

(※5)

(※6)

(※6)
日本在住でない
(住所が海外)
の日本人
住所不定の人

※4 休職中も安定した収入があれば申込み可能
※5 在留カードや特別永住証明書や外国人登録証明書があれば申込み可能
※6 永住許可を受けており、日本語が理解できる方は申込み可能

また、申込資格を満たしていても、属性によって審査に落ちることは十分考えられますので、申込資格は「審査の最低ライン」くらいに思っておいてください。

担保や保証人は必要?

一般的なキャッシングサービスは、担保も保証人も必要ありません。

ちなみに担保とは、債務者(※7)がお金を返せなくなったとき、お金の代わりに債権者(※7)へ差し出すものです(あらかじめ、「返済できない場合はOOを差し出す」という契約を結んでおきます)。

具体的には、土地・家・株券・車といった財産が担保とされることが多いです。

また、保証人とは、債務者がお金を返せなくなった場合、借金を肩代わりする人のことです(あらかじめ、「返済できない場合は「保証人が代わりに返済する」という契約を結んでおきます)。

※7
債務者は、お金を借り、返済する義務を負う人のこと。債権者は、お金を貸し、返済してもらう権利を持つ人のことです。

銀行の口座を持っていないとダメ?

銀行によっては、その銀行の口座を持っていないと キャッシングを利用できないことがあります。

この場合は、まず口座開設をしてからキャッシングに申込むことになります(キャッシングへの申込みと同時に口座開設の手続きができることも多いです)。

なお、三菱UFJ銀行カードローン・三井住友銀行カードローンは、口座がなくても申込みできます。

借りたお金は何に使ってもいいの?

キャッシングで借りたお金の使い道は、基本的に自由です。

ただし、下記のような使い道は認められていません。

  • ギャンブル
  • 事業性資金(仕事や会社の事業費)
  • 返済用の資金(他社への返済用)
  • 又貸し(借りたお金を第三者に又貸しする)
  • 投資(事業への設備投資や株式投資)

ギャンブル、投資、又貸しに利用する場合、お金を回収できない可能性が高いのでNGです。

また、他社への返済のために借金するほど切羽詰っている人にお金を貸すことはできませんよね。

事業のためにキャッシングを利用するのもNGです。

もし事業のためにお金を借りたいなら、ビジネスローンや事業者用ローンなど、専用のローンを検討してください。

キャッシングと他のローンの違いは?

ローンには、キャッシング以外にもさまざまな種類があります。

キャッシングとその他のローンの違いや、ローンにはどのような種類があるのか、簡単に紹介していきましょう。

キャッシングとフリーローン(多目的ローン)の違いは?

フリーローン(多目的ローン)とキャッシングの違いは何でしょうか?

比較してみましょう。

サービス お金の使い道 使い道を証明する書類 追加借入れ
フリーローン 基本的に自由
(見積書・請求書・契約書など)
不可
キャッシング 基本的に自由 不要 可能

フリーローンもキャッシングも、基本的にお金の使い道は自由です。

ただし、フリーローンの場合は、金額や用途を証明する書類の提出を求められることがあります。

また、フリーローンの場合、キャッシングのように利用限度額が設定されることはありません。

審査で融資額が決定したら、全額振込みで入金されます。

その後は返済していくだけで、借入残高(元金)が減っても追加借入れをすることはできません。

キャッシングと目的別ローンの違いは?

目的別ローンとは、自動車ローンや教育ローンなど、目的が限定された専用ローンのことです。

目的別ローンとキャッシングの主な違いは下の表の通りです。

サービス お金の使い道 使い道を証明する書類 追加借入れ 金利
目的別ローン 目的別の専用ローン
(見積書・請求書・契約書など)
不可 キャッシングに比べると低い
キャッシング 基本的に自由 不要 可能 目的別ローンに比べると高い

目的別ローンの場合、お金の使い道が限定されているため、それを証明する書類の提出が求められます。

また、フリーローンと同様、審査で融資額が決定したら、全額入金されます。

その後は返済のみで、追加借入れはできません。

また、キャッシングと比較すると、金利が大幅に低いです。

目的別ローンにはどんな種類がある?

ここで、いくつか代表的な目的別ローンの種類を紹介します。

  • 自動車ローン...主に、自動車購入のために組むローンです。その他、車検費用や免許取得費用のために組むこともできます。カーローン、マイカーローン、オートローンとも呼ばれています。
  • 冠婚葬祭ローン...主に、結婚式費用や葬式費用のために組むローンです。ブライダルローンや葬儀ローンとも呼ばれています。
  • 教育ローン...主に学費のために組むローンです。

それぞれのローンの金利をいくつか紹介しましょう。

種類 金融業者 金利(※8)
自動車ローン 三菱UFJ銀行 ネットDEマイカーローン 2.975%
(※9)
三井住友銀行 マイカーローン 4.475%
(※9)
冠婚葬祭ローン 千葉銀行 ちばぎんブライダルローン 5.20%
(※9)
教育ローン 日本政策金融公庫 国の教育ローン 1.76%
(※10)
三菱UFJ銀行 ネットDE教育ローン 3.975%
(※9)

※8 別途、保証料や手数料が発生する場合があります。
※9 2016年8月現在の金利(変動金利)です。
※10 2016年8月現在の金利(固定金利)です。

さきほど紹介した大手キャッシングの金利と比べると、10%以上低くなっていますね。

目的別ローン選びのポイント

利用目的が決まっている場合は、可能な限り教育ローン、自動車ローンなどの目的別ローンを利用するようにした方がいいでしょう。
自動車ローンといっても、どこで借りるかもポイントです。たとえば日本車のディーラーローンは金利が高い傾向にあります。JAの自動車ローンなどは、同業者から見ても低く感じましたので検討の価値があります。
教育ローンについては、銀行よりも日本政策金融公庫をお勧めします。金利が低い、教育ローン専門スタッフがいる(銀行によっては専任がいない場合や外国為替の担当者が兼務している場合などもあります)、そして窓口が比較的空いていることもメリットです。

五十嵐 絢蔵(元銀行員・ファイナンシャルプランナー)

違法業者に要注意!

貸金業をはじめるには、財務局長、または都道府県知事に届け出をして登録を行う必要があります。

しかし、なかには登録を行わずに貸金業を営んでいる会社があります(※11)

このような業者は違法業者です(※12)

違法業者は、利息制限法を無視した貸付けを行っているケースが非常に多いので、絶対に利用しないようにしましょう。

たとえば、「トイチ(10日で1割の利息=年率換算すると約3,000%)」といった、法外な金利でお金を貸付けているところもあります。

また、悪質な取り立てを行う業者も少なくありません。

関わるのは絶対にやめておきましょう。

※11
正規の業者かどうかは、下記のページから検索することができます。
金融庁「登録貸金業者情報検索入力ページ」
http://clearing.fsa.go.jp/kashikin/

※12
貸金業登録されているのにも関わらず違法行為を行う業者もあるので、注意しましょう。

まとめ

最後に重要なポイントをまとめていきます。

キャッシングの基礎について

  • キャッシングを利用するためには、審査を受け、契約を結ぶ必要がある
  • 契約後は金融業者が定めた範囲内(記事中では「利用限度額」といいます)で、好きな金額を借入れることができる
  • 返済は月に一度、元金(分割したもの)と利息を支払っていく
  • キャッシングとカードローンは基本的に同じサービス

利息・金利について

  • 利息は金融業者に支払う手数料・サービス料
  • 金利は借りたお金に対する利息の割合を示す(%)
  • キャッシングの金利は、一般的に実質年率で表示されている
  • 利息の計算方法は、借入額×金利÷365×借入日数
  • 金利が低いほど利息は安くなり、借入額(残高)が小さいほど利息は安くなる
  • 金融業者の金利は「3%~18%」のように書かれているが、実際に設定される金利は審査で決まる(利用者が決めることはできない)
  • キャッシングの金利をみるときは常に上限金利をチェックする
  • 金利は利息制限法により制限されている(最大20%)
  • キャッシングは基本的に固定金利なので、返済中に金利が上がることはない

限度額について

  • 限度額・極度額とは、1人に貸し出せる最大金額(1業者あたり)
  • 利用者は申込時に借入額を希望できるが、実際に設定される利用限度額は審査で決まる
  • 利用限度額の範囲内なら、何度でも借入れ可能
  • 個人が貸金業者(主に消費者金融会社やクレジットカード会社)から借りられるのは最大で年収の3分の1まで

申込資格について

  • 各金融業者の申込資格は審査の最低ライン(満たしていない場合は審査で落ちる)
  • 「20歳以上であること」と「安定した収入があること」が必須
  • 休職中や専業主婦でも業者によっては申込み可能(ダメ元で問い合わせてみたほうがいい)
  • キャッシングに担保や保証人は不要
  • 銀行によっては、その銀行の口座を持っていないと(もしくは開設しないと)キャッシングに申込めない

使い道について

  • キャッシングで借りたお金の使い道は、基本的に自由
  • ギャンブル資金、事業性資金、返済用の資金、又貸し、投資資金など、一部認められていない用途もある

キャッシング以外のローンについて

  • キャッシングとフリーローンは資金用途自由だが、目的別ローン(自動車ローンや教育ローンなど)は、それぞれ用途が決まっている
  • フリーローンや目的別ローンの場合、金額や用途を証明する書類の提出を求められることがある(キャッシングの場合は不要)
  • フリーローンや目的別ローンの場合、審査で融資額が決定したら、全額振込みなどで入金されるため、あとは返済するのみ。追加借入れは不可(キャッシングは利用限度額の範囲内で追加借入れ可能)
  • 目的別ローンはキャッシングに比べて金利が大幅に低い

違法業者について

  • 財務局長や都道府県知事に届け出をしていない違法業者に要注意
  • 違法業者は、法外な暴利で貸付けを行ったり、悪質な取り立てを行っている

いかがでしたか?

知らないことが多かったのではないでしょうか?

キャッシングはあなた次第で毒にも薬にもなります。

何も知らずに利用するのはとても危険です。

今回お伝えしたことを踏まえ、計画的に利用していきましょう。

このメープルシロップ、なめていいよー

え、いいの? じゃ遠慮なく!(ペロペロ)

じゃあ、利息を付けて返してもらおうか

・・・

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