派遣社員の私が住民税通知を1年以上無視し続けた結果とその対処法【体験談】

派遣社員として働いている私のところへ、住民税の納税書が届きました。

「給与からすでに引かれているはずだから、これは架空請求だ」と思い込み、1年7ヵ月もの間放置してしまいます。

ところが架空請求ではなく、本当に滞納をしていたのです。

それが分かった時には、もはや一括で払える金額ではありません。

役所の担当者と話し合った結果、2年かけて分割払いすることになりました。

体験者の情報

名前:坂本 佐智子(仮名)
性別:女
当時の職業:派遣社員
当時の年齢:26
滞納したもの:地方税(市都民税)
滞納していた金額:11万円
滞納していた時期:2005年6月〜2007年1月

税金について無知だった私

大学卒業後、私は地元の会社に就職しました。

当時の私は税金の制度にまったく関心がなく、毎月、給与明細書が届いても、目を通すのは時間外手当と振込額のところぐらいです。

控除については、毎月2~3万円ほど引かれているなと思うだけで、どんな項目なのか、内容はまったく見ていませんでした。

入社から3年経った3月上旬、私はリストラを言い渡され、翌月いっぱいで退職することになります。
私は地元では再就職が難しいと思い、東京に出て働くことにしました。

こうして退職後してから7月まで、上京する準備をしながら過ごしていました。

しかしこの地元にいた無職の数ヶ月間が、住民税の未納期間になってしまうとは、この時は思いもよりませんでした。

初めて住民税の納税書が届いたのは、ちょうど東京へ出発する数週間前のことです。

しかし「今後、この街に住むわけじゃないんだし、払わなくていいだろう」と思い、私はそのまま東京へ行ってしまいました。

引越し後も届く納税書

東京に来てからは、半年は仕事探しをしながら、退職金の50万円と、3ヵ月分の失業保険36万円で生活していました。

この時の家賃は1ヵ月7万円、水道・光熱費は毎月5000円以内、食費も月1万円台に抑え、毎月の支出は月10万円以内だったと思います。

ところが納税書は、引越し先の東京の住所にも、しつこく毎月届きました。

そして、そのうち「督促」と赤い印鑑が押された封書が届くようになったのです。

「督促」の文字に驚いて開けてみると、督促料金は70円と書かれています。
「たった70円」と思って、私はまた無視しました。

しかし、やがて市役所の納税課から、不在着信まで入るようになります。
電話まで来るとさすがに怖くなって、今度は折り返し電話をしてみました。

そして、この時ようやく事実が明らかになったのです。

納税課の担当者は「未納の住民税は、以前住んでいた時の分です。

それまでは毎月の給与から差し引かれていましたが、退職したため自分で納税しなければなりません」と説明し、私は初めて納得しました。

私は「引越しをしたら、以前住んでいた土地の税金は支払わなくてもいいもの」と勝手に解釈していました。

しかし未納の税金は、引越しをしてもなくなることはありません。

滞納していたのは無職で地元に住んでいた3ヶ月分の住民税に加えて、退職金にも税金がかかっており、合計1万9130円でした。

すぐに払える金額だったので、一括払いで完納しました。

住民税の納税書を架空請求と思いこむ

私はその後、東京で派遣社員として働き始めました。

給料は地元にいた頃よりもずっと高く、少し余裕のある生活ができるようになりましたが、相変わらず税金関係には無頓着なままです。

上京して1年後、今度は今住んでいる市から、再び住民税の納税書が届くようになりました。

しかし私は「税金は給与から引かれているはずなのに、なぜ納税書が届くのか」と警戒してしまったのです。

当時は架空請求が社会問題になっていて、テレビなどでさかんに注意を呼びかけていました。
そして「これも架空請求に違いない」と思い込んでしまったのです。

こうして私は、この納税書もそのまま払わずに放置していました。

するとまた、「督促」の赤い文字が入った封書が届くようになります。

それでも私は「悪徳業者が役所のやり方を真似しているのだ」と思い、1年以上無視し続けました。

しかし初めて納税書が来てから、1年半以上経ったある日のこと。

この時、届いた督促状に、なんと私の会社名が記載されており、会社に通達するとまで書かれていたのです。

「何で会社名を知っているの!?会社に知られたらまた解雇されてしまうかも」と、私はとても怖くなってしまいました。

派遣社員の落とし穴

私は怪しい督促状が来たことを、職場の親しい人だけに話しました。

すると「派遣社員は、住民税が給与から引かれないので、自分で納税しないといけない」と教えられ、架空請求と勘違いしていたことにようやく気がついたのです。

私は念のため、昔働いていた会社と現在の会社の給与明細を比較してみました。

昔の会社で正社員だった時の明細では、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税、そして住民税が引かれています。

しかし現在の派遣社員の明細には、やはり「住民税」の文字がありません

派遣会社によっては、特別徴収で給与から納められるところもあるようですが、私の場合は自分で支払う必要があったのです。

ようやく事態の深刻さに気付いた時には、すでに2年分滞納しており、その額は11万円

差し押さえされる可能性もあるというので、私は焦りました。

毎月の給与は20万円ありましたが、いつも洋服や趣味に使ってしまい、貯金はまったくありませんし、派遣社員なのでボーナスもありません。

私はまず納税課に電話をして、税金を支払う意志があることを伝えました。

すると担当者は「早く完納することも大事だけど、今の生活水準を落とさずに、無理のない方法でお支払いいただければいい」と言ってくれたのです。

しかし今度は滞納分を返済するだけでなく、次の年度の住民税、年間15万円も支払わなければなりませんでした。

そこで私は、まず未納分の住民税を毎月5,000円20回払いで支払いうことにしました。

毎月5000円なら、滞ることもなさそうです。

それに加えて、3ヶ月分の住民税38,000円も、今度こそ滞納せずに、年4回に分けて納めることにしました。

住民税は前年の所得額で決まる

こうして私はおよそ2年かけて、未納分の住民税を振込みました。

最後の支払いが終わると、「完納」と書かれた文書が届きます。

この時、文書と一緒に、延滞金5,300円の納税書が同封されていました。

私はすぐに金融機関に行ってこれも支払い終えました。
住民税の滞納からようやく解放された瞬間でした。

私の税金の滞納は、「支払わなくても大丈夫」という思い込みが原因です。

派遣社員の規約や給与明細に、きちんと目を通しておけば、住民税が引かれていないことに気づいたはずでした。

督促に怯える生活は、精神的に追い詰められてしまいます。

そうならないためにも、税金のことは知っておいた方がいいでしょう。

住民税は前年度の所得に応じた税額を、今年度に後払いで支払います

たとえ無職で収入がなくなった場合でも、前年度まで収入があったのなら住民税を支払わなくてはなりません。

仕事を辞めたり転職したりする人は、翌年を納税することを忘れないで下さいね。

→ 税金滞納・料金滞納の事例と対処法

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