個人間融資の掲示板に潜む詐欺・悪徳金融の罠、悪質な貸し手の見分け方とは?

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「個人間融資」という言葉を知っていますか?

個人間融資とは、その名の通り個人間で行うお金の貸し借りです。

銀行や消費者金融で借りる場合と異なり、厳しい審査や手続きがなく、手軽にやりとりできることが人気の理由。利用者は年々増加しているとのことです。

「厳しい審査も面倒な手続きもなしで貸してもらえるならそれに越したことはない!」

確かにその通りです。

しかし、個人間融資には危険な面もあります。

近年、個人間融資を利用した詐欺が横行してきています。

詐欺被害に遭ってしまったら、お金を貸してもらえないばかりか、騙し取られることもありえます。

事前に個人間融資についてよく学んでおけば、これから詐欺に遭う可能性を大幅に減らすことができますから、今回は、個人間融資における詐欺の手口、できるだけ安全に個人間融資を利用する方法などを調べてまとめてみました。

  • 目次
  • 個人間融資って?
  • 詐欺業者の手口
  • 悪徳金融業者の手口
  • あやしい書き込みの特徴
  • 金利はどのくらい?
  • チェックポイントまとめ
  • トラブルに巻き込まれてしまったら
  • 個人間融資よりも大手消費者金融・銀行を利用すべし

個人間融資って?

その名の通り個人の間でお金の貸し借りをすることです。

近年、インターネットの普及により、顔も知らない個人同士でお金の貸し借りを行うことも珍しくなくなりました。

インターネットで「個人間融資」と検索すれば、その手の掲示板がたくさん出てくると思います。

お金を借りたい人(もしくは貸したい人)が掲示板に書き込み、お金の借り手(もしくは貸し手)を探すのです。

よくある書き込み例(お金を借りたいver.)

氏名:ゆか
希望額:50,000円
年齢:32歳
性別:女
職業:フリーター
住所:東京都荒川区
月収:12万円
他の借金:100万円
債務整理歴:あり
自己破産歴:なし
借りたい理由:急に入院することになり、お金がなく困っています。

このような書き込みを見て、「この人にお金を貸してあげたい」と思ったら、この書き込みの主にメールなどで連絡をとり、実際会うなり振り込むなりでお金を貸してあげます。

もしくは、

よくある書き込み例(お金を貸したいver.)

氏名:斉藤
融資可能額:10万円
住所:東京都品川区
融資期間:3ヶ月
融資方法:振り込み
債務整理歴:ありでもOK
自己破産歴:ありでもOK

このような書き込みを見て、「この人にお金を貸してもらいたい」と思ったら、この書き込みの主にメールなどで連絡を取り、お金を貸してもらいます。

そして、双方、相談の上 決めた方法でお金を返済していきます。(お金を貸す側が、あらかじめ返済についての条件を提示して募集している場合も多いです。)

例)
借入金額:5万円
金利:18%
期間:半年
返済金額:元金5万円+半年分の利息
返済方法:銀行振り込み

ちなみに、「個人間融資」には以下のような特徴があります。

  • 貸主(お金を貸す側)も借主(お金を借りる側)も、お互い自己責任でお金の貸し借りをする必要がある(何かトラブルが起こった場合も自分たちで解決しなければならない)
  • 消費者金融や銀行のような審査は行われない(中には、独自の基準で審査を行う貸主もいます)
  • 詐欺業者、悪徳業者が多く潜んでいる

特に多いのが、お金に困っていて「どこからでもいいからお金を借りたい」と必死になっている人を狙った悪質な詐欺です。

そこで次項では、個人間融資に潜む詐欺業者や悪徳業者の手口について詳しく紹介していきたいと思います。

詐欺業者の手口

詐欺業者の手口にはいろいろなものがあります。騙し取られるのはお金だけではありませんよ。

個人情報を騙し取られるケース

「念のため本人確認書類の提示をお願いしたします。」などと言って、免許証や保険証、パスポートなどの写メを要求してくるケース。

送るとそのまま音信不通になり、個人情報だけが奪われてしまいます。

また、奪われた個人情報は、本人確認書類として悪用される恐れがあります。

実際、不正に手に入れた他人の本人確認書類(コピー)を利用して勝手にお金を借りるという犯罪も頻発しているのです。

免許証やパスポートの偽造など、大きな犯罪に利用される可能性もあります。

この詐欺の怖いところは、事前に見ぬくのが難しいところです。

個人間融資においても、通常 貸主は借主に本人確認書類の提出を求めます。身元のはっきりしていない人にお金なんて貸せないから当然ですよね。

したがって、本人確認書類の提示を要求された時点(まだお金を借りていない時点)で相手が詐欺かどうか見抜くのは非常に難しいのです。

「保証金」「手数料」などと称し、お金を騙し取られるケース

「融資には手数料が必要です」

「あなたの返済能力を確認したいので、保証料を先に振り込んでもらっています」

「保証金」「手数料」などの名目で先に少額のお金を要求され、相手の指示通りに振り込んでしまうと、そのまま音信不通になってしまうケース。

「振り込め詐欺」の一種と考えていいでしょう。

もちろんその後、実際にお金を貸してもらえることはありません。

わいせつ目的のケース

女性の融資希望者に対し、「わいせつな行為に応じてくれたらお金を貸してあげますよ」などと誘い、弱みを握ってわいせつ行為に及ぶケースです。

もちろん、わいせつ行為に応じてもお金を貸してくれることはありません。

そのまま音信不通になってしまいます。

また、例えば「胸を写メで撮って送ってもらいたい」などと写真を要求された場合、応じてしまうとアダルトサイトで悪用されたり、ネット上に流出する危険もあります。

サイトへの登録を促すケース

融資をする条件として、アフィリエイトサイトや出会い系サイトへの登録、最近ではFXなどの証券会社の口座開設を要求してくるパターンです。

この場合も実際にサイトに登録したり口座開設したところで、お金は貸してもらえません。

そもそも融資とは関係ない誘いなのですが、切迫した状況にある人は冷静な判断ができず、応じてしまう人もいるようです。

悪徳業者の手口

悪徳業者が個人間融資を装って、融資の勧誘をしてくることがあります。

悪徳業者の場合は、詐欺集団と違い実際にお金を貸してくれます

しかし、ほとんど悪質かつ違法なものなので注意が必要です。

法外な金利

実際に現金を貸してくれますが、代わりに法外な手数料や金利を求められます。

例えば、「2万円お貸ししますので、10日後に4万円返済をお願いしたします。」などのように。

希望していた金額以上の額を無理やり貸し付けてくることもあります。

そして、返済できない場合は、さらにお金を貸し付けたり、他の悪徳業者を紹介して無理やり借入れをさせたりして、こちらが縁を切らない限り、厳しい取り立てが続くのです。

本人名義の口座や携帯電話を要求してくる

融資の見返りに、銀行口座や携帯電話を要求してきます。

例えば、「貸付を行う代わりに、あなたの銀行口座を買い取ります」「あなた名義の携帯電話を売ってください」などの誘い文句でお金に困っている人を誘惑するのです。

言われたとおりに携帯電話を売ったり口座を売ったりすると、見返りとしてお金を渡してくれますが、口座の売買は法律で禁止されています。「知らなかった」では済まされません。

また、こうして売買された口座や携帯電話は「振り込め詐欺」など犯罪に使用される可能性が高いので、いつのまにか犯罪に巻き込まれてしまうかもしれません。

悪徳業者については別ページでも解説していますので、あわせて読んでみてください。

あやしい書き込みの特徴

個人間融資で悪徳業者や詐欺などの被害に遭わないためには、あやしい書き込みを見分ける必要があります。

あやしい書き込みにはいくつか特徴があるのでまとめてみました。

「~OK」などと謳っている

「~OK」などと謳っている書き込みは要注意です。

例)

  • 他では借入れが難しい方OK
  • 過去に借金を整理した経験のある方OK
  • 現在働いていない方でもOK

自分が貸主だったら、このような人にお金を貸したいと思うでしょうか?

個人間融資の貸主はあくまで個人のはずです。

消費者金融や銀行のように大きなお金を動かしているわけではありませんし、貸し倒れになるリスクを恐れるのが普通です。

「~OK」などの言葉が並んでいる書き込みは、疑ってかかったほうがいいでしょう。

大手消費者金融の名前をかたっている

大手消費者金融の名前をかたって融資希望者を募っている書き込みがありますが、これも詐欺集団や悪徳業者の手口です。

「通常 貸し出し実施には審査がありますが、ここからお申し込みいただければ審査なしでご融資します」などと謳っているようですが、そんなことありえません

また、例え大手でなくても、「消費者金融会社」として掲示板で融資希望者を募っている場合は、必ずその業者のことを調べてみましょう。

まず、金融庁のホームページに設置されているhttp://clearing.fsa.go.jp/kashikin/index.phpを利用して、その業者を検索します。

ここに登録がない業者は違法業者です。

また、違法な金融業者についての情報も金融庁ホームページで公開されていますので、こちらを確認するのもよいでしょう。

金融庁『http://www.fsa.go.jp/ordinary/debt.html

また、その業者名や住所、電話番号などをネットで検索し、あやしいウワサや利用者の口コミなどがないかも確認しましょう。

融資を申し込む前に、入念な調査が必要です。

24時間体制をとっている、電話番号を公開している

24時間受付」を謳っているのは、詐欺や違法業者の可能性が非常に高いです。

さらに電話番号まで公開していたらまず疑った方がよいでしょう。

「どこの審査も通らない方必見!24時間対応!下記に連絡ください!」

「個人で融資しています。20万円くらいまでなら対応できます。まずは電話でご相談ください。」

このように表示されていることが多いですが、普通 個人の貸主が24時間体制をとるのは難しいと思います。

また個人であれば、不特定多数の人間が目にする掲示板に、気軽に電話番号を公開したりしないでしょう。

彼らは切羽詰まった人を絡めとるために、複数人体制で待機しているのです。

また、公開している電話番号は足がつかないよう、簡単に捨てられるモノになっています。

個人間融資の金利はどのくらい?

金銭消費貸借の金利を定めた法律に、「利息制限法」という法律があります。

利息制限法では

元本10万円以下 上限金利 年20%
元本10万円以上~100万円未満 上限金利 年18%
元本100万円以上~ 上限金利 年15%

というふうに、元本に対して適用可能な金利が定められています。

そして個人間融資の場合も、基本的にこの「利息制限法」が適用されるのです。

したがって、「利息制限法で定められた金利」以上の金利で融資を持ちかけられた場合は必ず断りましょう。

例えば、10万円を1ヶ月借りる約束をした際に、貸主から「利息は5,000円。1か月後に合計105,000円返してね」と言われたとします。

「5,000円ならいいか...」と思ってしまいそうですが、ちょっとまってください!きちんと利息を計算して確認しましょう。

利息の計算方法 = 元本×金利(年率)÷365×日数

元本が10万円の場合に適用される金利は年18%まで!

仮に10万円を年18%で1ヶ月間借りた場合の利息は、

100,000×18%÷365×30=約1,479円

この場合、最高でも約1,479円までしか利息をとることはできません。

5,000円は暴利です!

個人間融資チェックポイントまとめ

最後に、個人間融資を検討する際に気をつけたいポイントをまとめました。

融資の条件に注意

  • 直接顔を合わせることなく、写メなどで個人情報を要求してこないか
  • 保証料や手数料名目で、先に金銭を要求してこないか
  • わいせつ行為を要求してこないか
  • お小遣いサイト登録や口座開設を要求してこないか
  • 携帯電話や銀行口座を要求してこないか
  • 利息制限法で定められた金利を超過していないか?

掲示板の誘い文句に注意

  • 「~OK」などと謳っていないか
  • 「24時間体制」を謳っていないか
  • 電話番号が公開されていないか
  • 大手消費者金融の名前をかたっていないか
  • 違法な業者ではないか(金融庁のホームページhttp://www.fsa.go.jp/でチェック)

余談ですが、非常に変わり者?といいますか、個人で金銭の貸し借りの実況中継のようなことをされている方もいらっしゃいます。

個人間融資ってどうなのよ 普通の人がネットで個人にお金を貸してみたら・・・・

http://okanekashikari.blog.fc2.com/

知らない方なので、よくわかりませんが、詐欺などの目的でなく、まじめに個人間融資をされている方もいらっしゃるようです。

トラブルに巻き込まれてしまったら

最後に、実際にトラブルに巻き込まれたときに、相談できる公的機関を紹介しておきます。

警察

パスポートや保険証のコピーを送ってしまった、先に保証料を振り込んだが融資されなかった、ひどい取り立てをされた など、犯罪に巻き込まれた可能性がある場合や緊急性がある場合は、一度、警察に相談しましょう。

法テラス

法テラスは、法務省所管の公的法人です。

法律に関するトラブル全般の相談に応じてもらえます

「弁護士に相談したいけれど、いきなり弁護士にお金を払って相談するのはちょっと」という方の為に、無料で相談を受け付けています。

必要なら、弁護士など専門家の紹介もしてくれます。

また、経済的に余裕がなく弁護士に依頼できない場合、訴訟となった場合などに、一時的に弁護士報酬を法テラスが立て替えるサービスも行なっています。(民事法律扶助制度)

もちろん一定の審査はありますし、費用は分割で支払うことになりますが。

法テラスでは、専門職員がトラブルの内容に応じて、適切な相談機関や団体の紹介を行ってくれますので、まずは法テラスに相談してみてはいかがでしょうか?

法テラス公式ホームページ
http://www.houterasu.or.jp/

個人間融資よりも大手消費者金融・銀行を利用すべし

今回、個人間融資に潜む悪徳業者の手口とその見抜き方にについてお話してきました。

しかし、どんなに気をつけていても100%悪徳業者を見ぬくのはなかなか難しいです。

できれば極力利用しないことをおすすめします。

個人間融資に頼る前に、大手消費者金融・銀行のキャッシング・カードローンの利用を考えましょう。

最近は、最短で当日に融資してくれる大手の消費者金融、銀行も増えています。

万一、個人間融資を利用する際は後々トラブルにならないよう、法的に効力のある「借用書」を利用しましょう。

また、当たり前ですが、借りたお金はきっちり返すように。

相手が個人だからといって、返済をいい加減にしてはいけません。

返済をいい加減にしてしまったら、あなた自身が悪徳業者ならぬ悪徳利用者になってしまいますよ。

この記事の筆者

吉岡 優(仮名)
1991年生まれ。法律・経済の分野を主なテーマに活動中。
所持資格に、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者などがある。

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