マルチ商法、ネズミ講の被害事例・手口。被害に遭った時の対応

マルチ商法とは、「特定商取引に関する法律」で「連鎖販売取引」に分類される商取引の形態です。

マルチ商法自体は合法な取引で、マルチ商法を行っただけで罪に問われることはありません。

これに対し、いわゆる「ねずみ講」と呼ばれるものは、「無限連鎖講」に当たるもので、こちらは違法行為となります。

マルチ商法とねずみ講は、ともに親会員から子会員、子会員から孫会員と、ピラミッド状に会員組織を作っていく点では同じです。

ではどこが違うかと言うと、商品の流通をともなうのがマルチ商法、お金だけが動いていくのがねずみ講と考えればよいでしょう。

では、合法であるマルチ商法がなぜ問題になるのでしょうか。問題のあるマルチ商法には、二つのケースがあります。

一つは、マルチ商法を装ったねずみ講である場合
もう一つは、マルチ商法には間違いないが、その勧誘の仕方に問題がある場合

ここでは、二つのケースの主な手口を紹介し、被害に遭わないための方法を考えてみましょう。

マルチ商法って何?ネズミ講とどう違うの?

マルチ商法は、MLM(Multi Level Marketing)やネットワークビジネスと呼ばれることもあるビジネス形態です。

その仕組みを簡単に説明してみます。

まず、消費者Aさんがメーカーと契約を結んで会員になり、商品を買います。

次にAさんは、別の消費者BさんとCさんを勧誘して会員にします。

BさんやCさんが商品を購入すると、Aさんにはマージンや紹介料が入ります。

続いて、Bさんが別の消費者DさんEさんを、CさんがFさんGさんを勧誘して会員にします。

そして、DさんやEさんが商品を購入すると、AさんとBさんにマージンや紹介料が入ります。

また、FさんやGさんが商品を購入すると、AさんとCさんにマージンや紹介料が入ります。

メーカーからすると、広告費や流通コストを抑えられる分、商品を安く提供できます。

消費者は安く商品を購入できるだけではなく、自分の下に会員が増えていくと、マージンや紹介料を得ることができるため、熱心に勧誘行為を行います。

これが、マルチ商法です。

マルチ商法

ネズミ講も同じような形で会員を増やしていきます。

ネズミ講の参加者は、自分より上位の会員にお金を払います。さらに、自分より下位の会員からはお金を徴収します。

こうして、どんどん会員が増えていって、上位の人に払ったお金よりも、下位の人から徴収する金額の方が多ければ、その人は儲かるわけです。

少し考えてみれば分かるのですが、会員の広がりには限界があります。

ネズミ講という言葉の元となったネズミ算では、「一匹のネズミが10匹の子供を産む。次の月に、その子供がそれぞれ10匹の子供を産む・・・」といった調子で計算すると、爆発的にネズミが増えていき、7ヶ月目で1億匹を超えます。

つまり、ネズミ講で一人が毎月10人の下位会員を勧誘し続けると、7ヶ月目で日本の総人口に匹敵する会員数に達してしまうわけです。

これは現実には起こりえない話ですから、人口が無限に無い限り、ネズミ講は必ずどこかで行き詰まります。(破綻)

その時点で最下位の人たちは、下位の会員がいないわけですから、必ず損をします。

したがってネズミ講は、「無限連鎖講の防止に関する法律」の取り締まりの対象となる、違法行為となるわけです。

過去最大級のネズミ講問題、1980年に破綻した「天下一家の会」事件では、被害者数112万人、被害総額1900億円と伝えられています。

合法とされるマルチ商法では、「会員が無限に増えなくても成り立つ仕組みを持っている」「お金のやりとりだけではなく、商品の流通を必ず伴う」と言った点で、ネズミ講とは異なるビジネスだと言われています。

良心的なマルチ商法では、扱われる商品の品質が高く、商品の購入だけでもメリットがあること、子会員は3代目以上に増やさないなど、健全なビジネス維持のための工夫がなされています。

マルチ商法の主な手口

「特定商取引に関する法律」では、「連鎖販売取引」の勧誘時における禁止行為として、

  • 「必ず儲かる」などといったウソを言う
  • 金銭的・精神的なリスクがあることを言わない
  • 解約を申し出ると、様々な妨害をして、これに応じない
  • あまり人の目に触れない場所で勧誘し、強引に契約させる
  • 契約に当たって、書面を交わさない

などをあげています。

「国民生活センター」に寄せられた相談件数は年々減少傾向にあるものの、それでも年間1万件以上に上っており、解約や返金に関するものが多くを占めています。

被害の事例

《事例1》 高額な商品を買わされた

知人に声をかけられ、ビジネスの説明会に出席した。「必ず儲かるから」と勧められ、知人の顔をつぶしてもまずいと思い、契約して入会した。

会員になると、割引価格で健康食品などが買えること、新規に会員を勧誘して、その人がその商品を買うとバックマージンが入るので、すぐ元が取れるなどと説得され、50万円近い商品を買わされた。

冷静になって考えてみると、そんなに高額な商品を買ってくれそうな人を勧誘できるわけはないと思い、解約と返金を申し入れたが、なかなか応じてくれない。

《事例2》 ネズミ講まがいの勧誘を受けた

友人から「良いバイトがあるから、一緒に話を聞かないか」と誘われ、業者に会った。その業者から、インターネット広告の代理店をやらないかと勧誘された。

誰かを勧誘して代理店契約させれば、紹介料が2万円入り、その人がさらにだれかを勧誘できれば、さらに2万円が手に入ると説明され、契約をすることにした。

すると、契約には30万円の契約金が必要と言われ、現金がないと断ると、「消費者金融から借りて払えばよい」と説得され、仕方なしに契約してしまった。

《事例3》 外国が本部の組織の場合、問題解決が難しい(国民生活センターの相談事例より)

ホームページスペースのレンタルを商品とするマルチ商法に勧誘され、契約した。

別の会員を勧誘するとバックマージンが入る仕組みだが、広告ではホームページを持つ楽しさに重点が置かれ、会員を勧誘してマージンを得ることが主目的だとは感じさせない雰囲気になっていた。

実際は、会員の勧誘はかなり難しかったが、契約書のたぐいは交わされていないため、上位の会員の連絡先は不明、主催者も外国に本部があるため連絡が取りにくいなど、苦情や解約の申し出が難しい状況であった。

学生を中心にした10代から20代の相談者が多く、相談者が上位者に支払った金額の平均は、124,000円にも達した。

被害に遭わないためには?

マルチ商法の被害に遭いやすい人は、どちらかというと人づきあいが良く、人から誘われると嫌と言えないタイプが多いそうです。

そんな気弱な人のために、被害に遭わないための方策を考えてみました。

簡単に金儲けはできないと心得る

世の中そんなにうまい話はないということです。

マルチ商法は、他人の損が自分の利益になるという構造を持っています。自分が損の側に回ることもあると考えましょう。

人間関係にヒビが入るかもしれないという認識を持つ

なかなか収益を上げられないでいると、つい声をかけやすい友人を強引に誘ってしまいがちです。

そして、その友人も収益が上げられないでいると、お互い気まずくなったり、あるいは一方的に相手から非難されたりして、友情にヒビが入ってしまうことがあります。

失うものはお金だけではない、ということを念頭に置くようにしましょう。

借金をしてまで契約しない

勧誘されてお金がないと断ると、クレジットカードや消費者金融でお金を借りて支払うことを強引に勧められることがあります。

そこまでして契約したにもかかわらず、思ったような収益が上げられないと冷静な判断ができなくなってしまい、さらに借金を重ねるといった泥沼に入り込んでしまいます。

仮に契約するにしても、余裕のある資金を利用するような心がけが大事です。

契約の際は、きちんと仕組みの説明を受け、契約書など必要書類を交わす

中には、契約金の領収証すら受け取っていなかったケースもあるようです。

契約書だけでなく、収益の計算方法や取引上のリスクが明示されたシステムの説明書なども受け取っておきましょう。

被害に遭ってしまったらどうすればいい?

クーリング・オフを利用する

マルチ商法は「連鎖販売取引」に該当しますので、契約してから20日以内であればクーリング・オフができます

「72時間以内でなければ解約できない」等の同意書を交わしていても法律的には無効です。

クーリング・オフ期間を過ぎていても、契約の解除はできる

もう払ってしまったお金は戻りませんが、この先払う予定になっているお金については、契約の解除により、不要となります。

また、契約後1年未満の契約解除の場合、購入してから90日未満の商品で未使用ならば、返品して返金を受ける事ができます。

専門機関、専門家に相談する

クーリング・オフ制度を利用する手続きなど、わかりにくい部分があります。また、その他の法的解決方法があるかも知れません。

それらについて、国民生活センター、消費生活センター、弁護士・司法書士など、専門機関・専門家に相談すれば、親身になって対応して貰うことができます。

→ 詐欺の被害事例と対処法

【この記事の筆者】
三条 竜馬
1950年生まれ。某大学の工学部応用物理学科卒。
大学卒業後、広告代理店に就職。代理店時代は、マーケティング部門に属し、市場調査などのデータを積み上げて報告書にまとめる、といった仕事に従事していました。独立後は、主にサイトの企画提案や、IT系のサポート業務を行っておりました。もともと文章を書くことが好きで、最近はライター業務に従事しております。ライティングは、主にブログ向けに債務整理、FX、健康、医療 、保険などをテーマとした記事作成を経験しています。

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