更新日:2018/07/20
主婦OKでパートはNG!高ステータスクレジットカードの意外な審査
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こう興奮気味に話すのは、ハイステータス クレジットカードとして有名な「Aカード」の元社員、田宮さん。
年会費永年無料のクレジットカードがあふれる昨今ですが、「年会費1万円以上のステータスの高いカードが欲しい!」という人は多いはず。
しかし、ハイステータスのクレジットカードの審査は厳しいイメージがありませんか?
アルバイトやパート、契約社員や主婦などは審査に通らなさそうです。
そこで、今回はハイステータスカードの代名詞である「Aカード」の元社員 田宮さんに、審査の裏側についてお話をうかがうことができました。
「アルバイトやパートでも審査に通るの?」
「審査に通るには、いくらの年収が必要?」
「カードの利用限度額は1,000万円以上って本当?」
などなど、気になる質問をぶつけてみましたので、ハイクラスのクレジットカードを持ちたいという場合はぜひご覧になってください。
- 目次
- ハイステータスの「Aカード」に勤めていた女性にインタビュー
- 社長や重役が愛用する「Aカード」の審査は厳しい?
- 有名企業のお偉いさんは顔パスで審査通過!?
- 利用限度額は天井なし
- 社員もビックリ!VIP会員のゴージャスな買い物
- インタビューを終えて
今回インタビューにご協力いただいたのは...
名前:田宮 優子(仮名)
性別:女性
勤めていた金融機関:外資系クレジットカード会社Aカード
勤めていた年代:2006~2012年頃
主な仕事内容:カード会員の管理業務
ハイステータスの「Aカード」に勤めていた女性にインタビュー
今回お話をうかがったのは、外資系クレジットカード会社の「Aカード」にお勤めだったという田宮優子さん(仮名)。
Aカードはアメリカを中心に世界中で流通しているクレジットカードです。
日本では、「ステータスが高い人向けのカード」として知られています。
田宮さんは、Aカードでカード利用を監視・管理をする業務を行っていたとのこと。
会員がいつ、どこで、いくらの買い物をしているか、Aカードの社内システムで追跡していたそうです。
今回は、Aカードの審査の裏側についてくわしくうかがいました。
社長や重役が愛用する「Aカード」の審査は厳しい?
まずは、Aカードの年会費、客層、審査のハードルについてお話をうかがいました。
― Aカードってお金持ちが持っているイメージが強いですが、年会費はいくらですか?
Aカードには年会費無料のカードはありません。
もっとも下位ランクの一般カードでも、1万2000円の年会費がかかります。
ゴールドカードだと2万9000円です。
また、最高クラスのブラックカードの年会費は30万円以上です。
― Aカードにはどんな機能がありますか?
ショッピング機能以外に、オプションサービスがあります。
たとえば、ポイントのマイル交換、空港ラウンジ使用、スーツケース無料配送、海外旅行保険など。カードのランクによって内容は異なります。
「海外旅行に行くときだけ利用する」というお客さまもいらっしゃいますね。
ちなみに、Aカードにキャッシング機能は付いていません(2012年にサービス終了)。
― Aカードの客層は?
経営者、一流企業の重役をはじめ、高収入のお客さまが多いです。
ただしお金持ちばかりとは限りません。
中小企業にお勤めの方、契約社員や主婦もいらっしゃいますよ。
― やはりAカードへの入会審査は厳しいのでしょうか?
個人的にはそれほど厳しくないと思います。
Aカードに申込みをするのは、年会費が支払える人です。
年会費が支払える時点で、ある程度の条件はクリアしていると考えられます。
― ゴールドカードは一般カードよりも審査が厳しいのでは?
一般カードとゴールドカードの審査基準は同じです。
ゴールドカードのほうが、審査ハードルが高いということはありません。
年会費と、提供するサービスが違うだけです。
ただし、ゴールドカードよりさらに上のプラチナカードは、お客さまからの申込みでは作れません。
一定期間の利用実績があるお客さまに、こちらから「プラチナカードにランクアップしませんか?」と提案します。
ですから、会員でないお客さまがいきなりプラチナ以上のカードを作ることはできません。
有名企業のお偉いさんは顔パスで審査通過!?
ここからは、Aカードの入会審査について詳しくうかがっていきます。
- いくらの年収が求められるのか
- 在籍確認はあるのか
- カード発行までに何日かかるのか
など、気になるところを質問しています。
― 新規入会の審査はどのような形で行われますか?
審査からカード発行までの流れは以下の通りです。
- 1申込み
- 2審査(Aカード社内)
- 3勤務先の在籍確認
- 4本人電話の通電確認
- 5カード発行
それぞれについて詳しくみてみましょう。
1. 申込み
― Aカードの申込みはどこからできますか?
Aカードのカウンター(窓口)、インターネット(ホームページ)、電話と郵送で申込めます。
カウンターは、空港によく設けられていますね。
― 申込み時に必要な書類は?
以下のうち一点を提出していただきます。
- 運転免許証(両面のコピー)
- パスポート(写真と住所のページのコピー)
- 外国人登録証明書(両面のコピー)
- 各種健康保険証(名前、生年月日、住所記載面のコピー)
- 住民票の写し
2. 審査
― どのような審査がありますか?
次のような審査が行われています。
- 申込内容の審査
- 信用情報の照会
順に説明していきましょう。
申込内容の審査
― 申込内容の審査ではどのようなことが行われるのですか?
お客さまに申告していただいた勤務先、年間所得額、職業などを審査します。
この審査では、コンピュータと人間の両方がチェックしています。
― Aカードの申込みでは、勤務先、年間所得額、職業、学歴等を申告します。審査ではどの項目が重要ですか?
審査はさまざまな項目を総合的に判断するので、どれが重要かは一概にいえません。
あえて重要なものを挙げるなら、勤務先と年間所得額ですね。
これによって利用限度額が判断されます。
勤務先
― 勤務先はどのように審査するのですか?
日本のあらゆる会社を登録している信用調査会社、帝国データバンクのデータベースで確認します。
もし帝国データバンクで会社の存在を確認できなければ、カード発行は難しいかもしれません。
また、帝国データバンクで確認できたとしても、従業員数50人以下など会社が小規模だったり、業績が悪化しているとわかったら、審査にはマイナスです。
勤務先が一部上場企業なら問題ないと思います。
※編集より補足
帝国データバンクのデータベースには、会社名、従業員数、資本金、業績など、あらゆる会社のあらゆるデータが記載されています。
年間所得額
― 年間所得額の最低基準はありますか?
最低基準は特にありません。
低いからといって、審査に落とされることはないでしょう。
ただし、年間所得額は利用限度額に大きく影響します。
利用限度額は、年間所得額と支出(家賃や生活費やその他の支払い)をもとに決まるからです。
たとえば、年間所得額が200万円の人の利用限度額は、だいたい10万円くらいでしょう。
※編集より補足
収入から必要経費を引いたものが所得となります。サラリーマンのような給与所得者の場合、収入(給与と賞与など)から必要経費(給与所得控除)を引いたものが所得となります。また、年間所得額に対し、いくらの利用限度額をもらえるかについては、後ほど詳しく説明しています。
職業
― 職業にも、「役員・経営者」から「専業主婦」まで、さまざまな選択肢がありますよね。これらのうち、審査に有利な職業はありますか?
勤務先や所得額によって判断が分かれるので、一概に言えません。
たとえば、「役員・経営者」だからといって審査に有利とは限りません。
なかには業績が悪くて潰れてしまう会社もありますからね。
例をあげるなら、一部上場企業にお勤めで、年間所得額1000万円以上なら、利用限度額は100万円くらいまでは可能性があります。
また、中小企業に勤めていて、年間所得額400~500万円なら、利用限度額は50万円くらいでしょう。
※編集より補足
以上でご紹介したような利用限度額の目安は、いずれも「他社利用がない場合」を想定しています。記事中にでてくる「他社利用」とは、主に、キャッシング・ローン(住宅ローン除く)・クレジットカード・割賦販売のことを指します。
― ブルーカラーとホワイトカラーの人に差はありますか?
ブルーカラーとホワイトカラーは所得額に差があるので、そこから判断します。
― 公務員はどうでしょうか?
公務員だからといって、審査に有利とは限りません。
たとえば、国会議員や市長さんは公務員ですが、こういう人は選挙に落ちると無職になってしまうので、信用が高いとは言えないのです。
普通の地方公務員で年間所得額600~700万円くらいだったら、利用限度額は50万円くらいですかね。
― 派遣社員や契約社員、アルバイト、学生の人はどうですか?
派遣社員や契約社員だと、審査に通っても限度額は少なめでしょうね。
たとえ年間所得額が300万円程度でも、利用限度額は10万円程度でしょう。
アルバイト・パート・学生の人は、申込みいただいた時点でお断りしています。
編集より捕捉
一般的なクレジットカードではパートやアルバイトでも審査に通る可能性があります。パートやアルバイトというだけで審査NGなのは意外でしたね。ちなみに一般的なクレジットカードの審査基準についてもインタビューを行なっていますので、こちらもぜひお読みください。
― 専業主婦でもカードを作れますか?
作れます。
専業主婦の場合は、ご主人の年間所得額を申告していただきます。
パート主婦の場合は、世帯の年間所得額の申告をお願いします。
ただし、ご主人の収入証明書などの書類は必要ありません。
本人確認書類だけでOKです。
利用限度額は、世帯の年間所得額から判断します。
― 年金生活者はどう判断されるでしょうか?
年金生活者もカードは作れます。
年金の年間所得額を申告していただき、そこから利用限度額を決めることになります。
総資産額・学歴
― 預金額や有価証券などの総資産額も申告しますが、これも審査に影響しますか?
審査には大きく影響しない項目です。
総資産額が少ないからといって、審査に落ちることはありません。
― 最終学歴を記入するところがあります。これも審査に影響を与えますか?
審査には影響しないと思います。
そもそも丁寧に書いてくれる人はほとんどいないですね。
信用情報の照会
― 信用情報とは何でしょうか?
信用情報とは、個人のローン・キャッシング・クレジットカードの利用記録のことです。
信用情報を調べれば、「他社でいくら利用しているか」「滞りなく支払いしているか」がわかります。
クレジットカードの審査では、必ず申込者の信用情報を確認します。
※編集より
個人の信用情報は、信用情報機関というところで管理されています。現在、日本には3つの信用情報機関(CIC、全国銀行個人信用情報センター、JICC)があり、クレジットカード会社や銀行、消費者金融などの金融機関はいずれかの信用情報機関に必ず加盟しています。ちなみにAカードは、3つの信用情報機関に加盟していますが、入会審査では特にCICの信用情報を確認しています。CICで確認できるのは、個人のローンやクレジットカードの利用履歴(主に消費者金融・クレジットカード会社・JAバンク・一部の銀行・一部の信用金庫・信販会社のもの)です。また、信用情報についてはこちらで詳しく解説しています。
― 信用情報をチェックするとき、どんな点を見ているのでしょうか?
信用情報では次の点をチェックしています。
- 金融事故がないか
- 他社利用の支払いを延滞してないか
- ひと月で3社以上のクレジットカードに申込んでいないか
- 他社利用の金額
- 勤務先名
※編集より
記事中にでてくる「他社利用」とは、主に、キャッシング・ローン(住宅ローン除く)・クレジットカード・割賦販売のことを指します。
金融事故がないか
― 金融事故とはなんですか?
金融事故とは、債務整理、代位弁済、強制解約など、支払い時に何らかの問題が起きた状態を指します。
そして、金融事故を起こすと、信用情報に記録が残ります。
信用情報に金融事故の記録があれば、カードは発行できません。
※編集より
債務整理とは合法的に借金を整理する手続きです。破産や任意整理など、主に借金を免責としたり、返済額を減らす目的で行われます。代位弁済とは、支払えなくなった利用者の代わりに保証会社等が支払いを行うことです。強制解約とは、会社(銀行、クレジットカード会社、消費者金融など)から一方的に契約を解約されることです。長期延滞など、何か問題を起こさないかぎり強制解約にはなりません。なお、金融事故の記録は最長5年~10年間 信用情報に残ります。
他社利用の支払いを延滞してないか
― どの程度遅れるとNGでしょうか?
3ヶ月以上の延滞があるとアウトです。
3ヶ月以上延滞すると、信用情報に「長期延滞」と記録されてしまいます。
一方、3ヶ月以内の延滞は、判断が難しいです。
3ヶ月以内の延滞は、信用情報に「X」と表示されています。
ただ、いつから「X」をつけるかは信用情報機関に加盟している各金融機関の裁量に任されています。
「X」だけだと どのくらい延滞したのかわからないのです。
1ヶ月かもしれませんし、2ヶ月かもしれません。
したがって、「X」が1~2コあると審査にマイナスに働きますが、それだけで審査に落ちることはないでしょう。
― 他社利用でリボルビング払い(リボ払い)を利用していて、延滞していたらどうですか?
その場合、1日でも遅れたらかなりマイナスですね。
リボ払いは支払金額が少ないので、それすら支払えていないとなると問題です。
もし複数の会社でリボルビング払いをしていて、いずれも延滞しているようなら、カード発行は不可になるかもしれません。
ひと月で3社以上のクレジットカードに申込んでいないか
― 1ヶ月以内で3社以上のカードに申込むと問題なのですか?
問題です。審査に不利になります。
※編集より補足
複数のカード会社へ同時期に申込みをすると、「この人はお金に困っている」と疑われるため、審査に悪影響を与えることがあります。
他社利用の金額
― 他社利用がいくら以上だとNG、などの基準はありますか?
金額の基準は特にありません。
支払いがちゃんと行われているのであれば、基本的に大丈夫です。
― 「カードを持ちすぎるとよくない」と巷で言われますが、カードを多く持っている人をどう判断しますか?
特に問題ありません。
たとえカードを10枚持っていたとしても、審査で不利になることはありません。
ただし10枚のカードを持っていて、すべてのカードを使っている場合は問題ですね。
使い方が荒いと審査に悪影響を与えるでしょう。
勤務先名
― なぜ信用情報で勤務先名をチェックするのですか?
申込み時に申告いただいた勤務先と、信用情報に記録されている勤務先が同じかを確認します。
これにより勤続年数を確認することができるのです。
申告いただいた勤務先と信用情報に掲載されている勤務先が同じなら、同じ会社に長く勤めているということがわかります。
勤続年数は長いほうが審査に有利です。
3. 勤務先の在籍確認
― 勤務先の在籍確認はどのように行いますか?
申告いただいた勤務先に電話をかけます。
ちなみに、 派遣社員の場合は派遣元ではなく派遣先にかけます。
このとき、Aカードの社名は名乗らず、個人名でかけます。
「田宮と申しますが、OOさんいらっしゃいますか?」というかんじです。
「本人は席を外しております」と言われた場合は、「何時頃もどられますか?」とたずねます。
本人が電話に出るまでかけ続けて、必ず確認を取らなければなりません。
※編集より補足
在籍確認において、本人が電話に出るまでかけ続けるパターンは非常に珍しいです(本人が電話に出なくても、在籍していることがわかればそれでOKとするところが多い)。クレジットカードの審査では、在籍確認そのものを省略することも多いです。ちなみに、在籍確認で聞かれることはこちらに詳しくまとめてありますが、キャッシングの在籍確認なので、クレジットカードの在籍確認とは一部異なる部分があるかもしれません。
― いつまでも本人が電話に出ない場合はどうなりますか?
なかなか連絡がつかない場合、大手企業であれば人事部に電話をかけて確認を取ることもありました。
そのときは、「Aカードです」とハッキリ社名を名乗り、「OOさんという方はそちらに在籍されていらっしゃいますか?」と聞きます。
人事部の担当者がこの電話に応じないことはほとんどありません。
これで在籍が確認できればOKです。
― 在籍確認が取れない場合はどうなるでしょうか?
在籍確認が取れない場合、カード発行をお断りすることもあります。
例外的に在籍確認が取れずともカードを発行することがありますが、その条件はここではお話できません。
また、超有名企業のお偉いさんで、インターネットで検索するとすぐに名前が出てくるような人も例外です。
このような人は、在籍確認を含む細かい手続きはすべて省略してカードを発行することもあります。
彼らはすでに社会的な信用があるので、本人確認書類だけ提出していただけばOKです。
― 自営業者や専業主婦の在籍確認はどうなりますか?
個人でお仕事している人や専業主婦の場合、自宅や携帯電話にかけます。
4. 本人電話の通電確認
― 本人電話の通電確認とはどのように行われますか?
ここまでの手続きに問題がなければ、ご本人の自宅や携帯電話に電話します。
本人の電話が通じるかどうか確認するのです。
この電話をかけるのは審査に通過している人のみです。
ただし、審査結果を伝える電話ではありません。
審査結果はメール等でお知らせいたします。
― ちなみに自宅に電話がなく、携帯電話しか持っていない人は審査で不利になるでしょうか?(そういうウワサがあります)
「固定電話がないと審査が不利になる」なんて、A社では聞いたことがありません。
5. カード発行
― 申込みからカード発行までに必要な時間を教えてください
申込みからカード発行まで、最短で2週間、最長で1ヶ月ほどかかります。
審査は日本で行っているのですが、カード発行手続きと郵送作業は海外で行っているからです。
今はたしかシンガポールか香港あたり...。
カードはエアメールで届くので時間がかかります。
編集より捕捉
さらに細かな審査項目やスコアリングについてはこちらをご覧ください。Aカードと同様の高ステータスのクレジットカードの審査のインタビューです。
利用限度額は天井なし
Aカードの利用限度額はいくらなのでしょう。
また、利用限度額を上げる方法についてうかがいました。
― 初回の利用限度額は、いくらでしょうか?
利用限度額は、勤務先、年間所得額など、さまざまな要素から決まるので一概には言えません。
ただ、あえて申し上げるとすれば、下記のようになるでしょう。
年間所得額 | 利用限度額の目安 |
---|---|
100万円以下 | 10万円 |
100~300万円 | 10万~20万円 |
300~500万円 | 50万円 |
500~700万円 | 50万~70万円 |
700~1,000万円 | 100万円 |
1,000万円以上 | 状況による |
※いずれも他社利用額0円の場合。記事中にある「他社利用」とは、主に、キャッシング・ローン(住宅ローン除く)・クレジットカード・割賦販売を指します。
年間所得額が1,000万円以上のお客さまの利用限度額は、著名人かどうかなど、状況によってかなり異なります。
ただし、どんなに所得が高くても、初回は500万円が限度です。
また、Aカードの利用限度額には、他のカードと違って次のような特徴があります。
- 利用限度額が変動的
- 一時的に高額利用ができる
利用限度額が変動的
― 「利用限度額が変動的」とはどういうことでしょうか?
正確に申し上げると、Aカードは利用限度額が決まっていないのです。
その代わり利用限度額の目安はあります。
たとえば、利用限度額の目安が10万円のお客さまがいたとします。
他社の「利用限度額10万円のカード」なら、10万円までしか買い物できませんよね。
しかし、Aカードの場合は12~13万円まで利用できたりするのです。
― お客さまには、利用限度額の目安をどのように伝えるのですか?
利用限度額の目安が10万円の場合、お客さまには「10万円まで使うと、それ以上ご利用できなくなるかもしれません」とお伝えします。
この言い方だと、いくらまで使えるのかはっきりしないですよね。
ですからお客さまに、「いくらまで使えるのかわからない!」と苦情を言われることもありますね。
― 実際に「いくらまで使えるか」は、どのように決められるのですか?
お客さまが利用限度額の目安を超えて利用しようとしていたら、「どこまでの利用を許可するか」を判断します。
過去に支払いを延滞されたことのあるお客さまなら、限度額の目安を減らすことがあります。
審査は、お客さまには知らせずに行われますね。
毎月の支払状況や信用情報などから、総合的に判断されているんです。
ちなみに、私は利用限度額の目安を増やしたり、減らしたりする審査を担当していました。
― 利用限度額の目安が変わったら、お客さまに知らせるのですか?
目安の増額・減額があっても、お客さまにはいちいち伝えません。
もし、現在の利用限度額の目安が知りたければ、A社に電話してご確認いただくしかないです。
― 利用限度額の目安は、最高でいくらですか?
お客さまによって、1000万円以上利用できる方もいらっしゃいます!
それ以上の方もいるのかもしれませんが、いくらが最高なのかは私もわかりません(笑)
一時的に高額利用もできる
― 「一時的に高額利用ができる」とはどういうことでしょうか?
お客さまが、突発的に大きな金額の買い物をしたいとき、一時的に高額利用の許可を出すことがあります。
たとえば、本来の利用限度額の目安が100万円のお客さまがいたとします。
そのお客さまが、「車を買いたいから今月だけ500万円利用したい」という場合、その月だけ利用限度額を上げることができるのです。
これをAカードでは、ワンタイムと呼んでいました。
― ワンタイムにも審査がありますか?
あります。
ワンタイムを利用できるのは、「支払いの延滞がない」「他社利用額が高すぎない」お客さまだけ。
その他、支払状況や所得額などを見て、総合的に判断されます。
ただし、ワンタイムを利用できる頻度や最大の金額は明確に決まっていません。
ちなみに、私はワンタイムの審査も担当していまいした。
利用限度額を上げる裏ワザとは
― 利用限度額の目安を上げる裏ワザは?
下記のような方法を取れば、利用限度額の目安を上げることができるかもしれません。
貯金があることを証明する
貯金があることを証明しましょう。
銀行に預金額証明を発行してもらい、それをA社に提出してください。
ただし、数百万円単位の貯金がなければ難しいでしょう。
頭金を振り込む
カード発行後、Aカードの引落し口座に頭金として100万円を振り込んでいただきます。
そのうえで、100万円をカード決済で支払えば、100万円の利用実績ができます。
利用実績ができれば、限度額の目安を上げることができるかもしれません。
社員もビックリ!VIP会員のゴージャスな買い物
経営者や著名人が利用することも多いAカード。
なかには、庶民がビックリするような使い方をするセレブもいるようです。
最後に、お金持ちならではのエピソードを紹介していただきました。
― お金持ちのお客さまの印象に残っているエピソードを教えて下さい。
1週間で1,000万円使う!?
1000万円ほどの利用限度額をお持ちのお客さま(以降、Bさまとします)のエピソードです。
あるとき、Bさまの利用状況を見ていると、「そろそろ利用限度額の1,000万円に近付くな」というタイミングでした。
そういうお客さまには、Aカードから「まもなくご利用できる範囲を超えますが...」という連絡を入れます。
この連絡はVIP会員にのみ行われるサービスです。
Bさまに連絡を入れると、「では2,000万円を口座に振り込んでおくから」とのこと!
Bさまが利用されたのは1000万円程度なので、2000万円も振り込んでいただく必要はありません。
そのことをBさまに伝えると、「どうせ追加の1000万円も1週間以内に使ってしまうから。あなたも何度も『利用限度額を超えます』という電話を入れるのは面倒でしょう?」という返事。
予告通り、Bさまは追加の1000万円分もすぐに使ってしまいました...。
わずか1週間足らずで1000万円も使ってくれるなんて...本当にいいお客さまです(笑)
100万円のつもりで1000万円振込んでしまった!?
こちらもあるVIP会員(以降、Cさまとします)のエピソードです。
あるとき、Cさまから「100万円のバッグを買いたいから、とりあえず口座に100万円振込みますね」というご連絡がありました(本来、カードの利用限度額の範囲内なら先に振込みをする必要はありません。お金持ちは堅実な人が多いんです)。
Cさまは、ご自身の信用金庫の口座から、Aカードの引落口座に、100万円の振込み手続きをされました。
ただ、その際Cさまは、誤って「100万円」ではなく「1,000万円」を振込んでしまったのです!
すると、その信用金庫の担当者から、すぐAカードに電話がかかってきました。
担当者は、「すみませんが、振込みの金額をお間違えのようなので、すぐに余分な分を戻してくださいっ!」と焦った様子。
「金融機関からみたら1,000万円なんてはした金だろう」と思っていましたが、地方の信用金庫からしたら、1,000万円も大金なんですね(笑)
それにしても、間違えて1,000万円を振込むなんて、お金持ちしかできませんね。
インタビューを終えて
「Aカードの審査はそれほど厳しくない」と話していた田宮さん。
たしかに、「年間所得の最低基準はない」「専業主婦もOK」などの条件を見る限り、思ったより厳しくない印象でした(属性によって利用限度額は10万円程度になってしまうので注意が必要)。
しかし、なかには一般的なクレジットカード審査と異なるポイントがありましたね。
- パート・アルバイトは申込めない
- 職場への在籍確認の際、本人が出るまで電話をかけ続ける
- カード発行までに数週間~1ヶ月かかる
また、一般的なクレジットカードの場合、審査のほとんどがコンピュータによる自動審査ですが、Aカードの場合はコンピュータに加えて人間も審査をしています。
このような細かい審査を行っているからこそ、次のような特典があるのです。
- 利用限度額が変動的
- 高額の買い物をしたい場合は一時的に利用限度額を上げられる
年会費を支払ってでも利用してみたいという方は、一度トライしてみましょう!
ところで、高ステータスのクレジットカードどころか、どのカードの審査にも通らないという場合は、60歳、年金生活の方でも作れたクレジットカードの体験談や、生活保護中に申込んだクレジットカードが奇跡的に通過した話などが参考になるかもしれません。
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