ディーラーローンの具体的な審査基準と良い点、悪い点、注意点まとめ

この記事は、自動車ディーラーに25年間勤めていた筆者がディーラーローンの審査基準や審査を有利に進めるためのポイントなどを解説したものです。

インターネット上のQ&Aサイトなどでは、一般人のアドバイスが多いと思いますが、ここでは私の実体験から説明をしていきますので、よりディーラーの現状に近い情報をお伝えできるかと思います。

中立・客観的な立場を意識したので、ディーラー側に偏った内容にはなっていません。

筆者の知りうる限り、正確な情報だけを伝えています。

ディーラーローンを検討している人は、ぜひローン選びの参考にしてみてください。

  • 目次
  • ディーラーローンの審査を有利に進めるには?
  • 審査スピードと申込みの簡単さが人気のディーラーローン
  • 高金利だけじゃないディーラーローンのデメリット
  • ディーラーローンを比較するときの注意点

ディーラーローンの審査を有利に進めるには?

まずは、ディーラーローンの審査基準や、審査を有利に進めるためのポイントを紹介していきます。

審査基準

多くのディーラーは信販会社と提携しているため、ディーラーローンの審査基準も信販会社に準じます。

ここで、一般的なディーラーローンの審査基準をまとめてみました。項目別にみていきましょう。

年齢

  • 20歳未満は原則不可(連帯保証人を付けることで可となる場合もある)
  • 完済時の年齢が65歳~70歳以上は原則不可(職業、資産状況により可となる場合もある)

年収

  • 年収200万円以下は審査通過が難しい

雇用形態(左にいくほど有利)

  • 正社員契約社員派遣社員アルバイト・パート

勤務先(左にいくほど有利)

  • 公務員大手企業中小企業自営業

勤続年数

  • 勤続1年未満は審査通過が難しい
  • 同一会社での勤続年数が長いほど有利

居住形態

  • 借家より持ち家の方が有利
  • 居住年数が長いほど有利

他社借入

  • 4件以上貸金業者(※1)から借入れがある場合は審査通過が難しい
  • 今回、申し込むディーラーローンも含め、年間の返済額(※2)の合計が年収の1/3を超える場合は審査通過が困難
  • 申込み時に、他社借入れに関してウソをつくと審査通過は厳しくなる

※1
貸金業者とは、主に消費者金融とクレジットカード会社のことです。ただし、「貸金業者からの借入れ」にはクレジットカードのショッピングは含まれないのでご注意ください(クレジットカードのキャッシングは含まれる)。

※2
ここでいう「年間の返済額」には、ありとあらゆる返済が含まれます。住宅ローン、カーローン、教育ローン、キャッシング、カードローン、クレジットカードの分割払いやリボ払いなど。

信用情報

下記の情報が信用情報(※3)に記録されていた場合、審査通過は困難

  • 債務整理(任意整理、特定調停、民事再生、個人再生、破産など)
  • 延滞(3回以上)
  • 長期の延滞(2,3ヶ月以上)
  • その他、事故情報

※3
信用情報とは、簡単にいえば利用者のローンやクレジットカードの利用履歴のことです。信用情報の詳しい解説はこちらです。

ディーラーローンは融通が利く?

さきほどあげたディーラーローンの審査基準のうち、クリアできないものがあっても審査通過の可能性はあります。

もっとも重要なのは、一定の継続収入があること、そして、信用情報に問題がないこと

この2つさえクリアしていれば望みがあります。

審査に通るか微妙な人には、ディーラーがいろいろ提案してくれるはずです。

たとえば、「連帯保証人をつけてください」「もっと頭金を増やせませんか?」「車種やグレードを変更しませんか?」など提案です。

いずれも、審査を有利に進めるための作戦です。

もし提案がない場合は、こちらからプッシュしてみてもいいかもしれません

また ディーラー側も、車本体価格の値引きや、下取りがあれば下取り価格を上げるなど、ローンの元金を減らす努力をしてくれます。

ディーラーローンは、ディーラーにとっても利益となるからです。

お客さんがディーラーローンを契約すると、その利息の一部を手数料として信販会社からディーラーへバックします(バックマージン、キックバックと呼ばれていますね)。

そのため ディーラーは、ローンの審査に通るよう融通をきかせてくれるのです。

キャッシングやカードローンは解約しておこう

審査が不安なら、不利な要素はできるだけ排除しておきましょう。

たとえば、貸金業者から借入れがある場合は要注意です。

貸金業者からの借入れが4件以上あると審査通過が難しくなるので、該当するならできるだけ完済して数を減らしましょう。

また、実際に借入れてなくても、キャッシングやカードローンを契約しているだけで、「1件」とカウントされることがあります。

クレジットカードのキャッシング枠も同様です。使っていなくても、枠があるだけで「1件」にカウントされる可能性があるのです。

したがって、使っていないキャッシングやカードローン、クレジットカードがあったら事前に解約しておきましょう。

クレジットカードの場合は、キャッシング枠をゼロにしておくだけでOKです。

携帯料金の支払い延滞に注意

さきほど、「信用情報に延滞の記録があると審査通過が難しい」と紹介しましたが、ここで気をつけたいのが携帯電話料金の支払い延滞です。

「携帯電話料金の支払いはローンじゃないし、問題ないんじゃないの?」

たしかに、携帯電話の利用料金を延滞しただけなら問題ありません。

しかし、最近は多くの人が携帯電話の端末代を割賦で購入し、月々の利用料金と一緒に支払っています。

端末代の割賦支払いは、ローンと同じ扱いになります。

したがって、支払いを延滞すると、そのことが信用情報に記録されてしまうのです。

携帯料金を滞納しがちな人は注意してくださいね。

自分の信用情報を調べよう

さきほども説明したとおり、信用情報は審査のうえで特に重要です。

自分の信用情報がどうなっているか不安なら、開示請求して確認しましょう。

日本には3つの信用情報機関があり、いずれも本人であれば開示請求できます。

たとえばCICの場合、本人確認書類を提示し、手数料1,000円を支払えば自分の情報を確認できます(1,000円はインターネットおよび郵送で開示請求した場合の手数料です)。

信用情報には、クレジットカードやローンの利用に関するさまざまな情報が載っています。

例)

  • 申込みに関する情報
  • 契約に関する情報
  • 返済に関する情報
  • 延滞の有無
  • 事故情報の有無

審査スピードと申込みの簡単さが人気のディーラーローン

ディーラーローンを利用するメリットは、主にこの5つです。

  • 銀行より審査に通りやすい
  • 銀行のマイカーローンより審査が早い
  • 簡単に申し込める(手間がかからない)
  • 土日祝日も対応
  • 値引きしてもらえることも

順番に解説していきます。

銀行より審査に通りやすい

銀行のマイカーローンより、ディーラーローンのほうが審査に通りやすい傾向にあります。

なぜなら、ディーラーローンのほうがリスクをおさえられるからです。

どういうことか説明しましょう。

ディーラーローンの場合、返済中の車の所有権はディーラーもしくは信販会社が持つことになります。

そのため、もし返済が滞ったら、ディーラーは車を引き上げ、中古車として売ることができます。

その売却代金は、未払い分に補填されます。

一方、銀行マイカーローンの場合、車の所有権は最初から申込者自身です。

仮に返済が滞っても、銀行側が車を引き上げて売ることはできません。

そのため、回収不能の未払い分が多額になってしまうリスクが大きいですよね。

このように、ディーラーローンのほうがリスクをおさえられるぶん、審査に通りやすくなっているのでしょう。

銀行のマイカーローンより審査が早い

ディーラーローンの場合、店頭で申込めば、だいたい 30分~1時間程度で審査結果がでます(場合によっては2日ほどかかることもあります)。

銀行マイカーローンの場合、早いところでも結果がわかるまでに1~3営業日かかるので、それに比べるとかなりスピーディですね。

簡単に申し込める(手間がかからない)

ディーラーローンなら、車を購入するとき 同時にローンも申込めます。

申込書類もディーラーの営業スタッフが用意してくれますし、書類の書き方についてアドバイスもくれます。

また、信販会社とのやりとりは、すべて営業スタッフが代行します。

一方、銀行でマイカーローンを組む場合は、わざわざ銀行の窓口に出向かなければなりません。

もちろん、申込みや契約手続きもすべてお客さん自身で行う必要があります。

土日祝日も対応

ほとんどのディーラーが土日祝日営業なので、休日でも審査を受けられますし、契約できます。

一方、ほとんどの銀行が土日祝日休業、平日も15時までの営業です。

銀行のマイカーローンを組むには、平日15時までに窓口に出向いて手続きしなければなりません。

フルタイムで勤めている人はなかなか厳しいのではないでしょうか。

ただし、最近は必ずしも店舗に出向く必要のない銀行マイカーローンもありますから、一概にはいえないかもしれませんね。

値引きしてもらえることも

さきほど説明した通り、ディーラーも「できればディーラーローンを組んでほしい」と考えています。

値引き交渉でその思惑を利用してください。

最初は、現金支払いの方針で話を進めましょう。

そして、商談で値段の折り合いがつかなかったときに、「支払いをローンにするので値引きをして欲しい」ともちかけてみてください。

こうした駆け引きで、大胆に値引きしてもらえる可能性があります。

高金利だけじゃないディーラーローンのデメリット

では次に、デメリットはどうでしょうか。

こちらも、元ディーラー社員の視点で検証していきたいと思いますが、大きくは下記の○です。

  • 金利が高め
  • 返済期間が短い
  • 登録に必要な諸経費は先に現金払い
  • 完済しないと所有権がない

金利が高め

銀行マイカーローンとディーラーローンの金利を比較してみました(トヨタのプリウスの新車を60回払いで購入する場合を想定)。

銀行のマイカーローン(変動金利) ディーラーローン(固定金利)
住信SBIネット銀行 1.777%~3.975% 東京トヨタ 7.80%
横浜銀行 2.50%~2.90% 札幌トヨタ 6.50%
千葉銀行 2.35%~2.55% 岐阜トヨタ 4.90%
関西アーバン銀行 2.70%~3.80% 福岡トヨタ 3.90%

※ いずれも実質年率、保証料込み
※ 2015年3月現在

この表を見るかぎり、全体的に銀行のマイカーローンのほうが低金利ですね。

ケースバイケースですが、銀行のマイカーローンのほうが低金利となるケースが多いようです。

ただし、ディーラーローンがキャンペーンなどで金利を下げている場合はこの限りではありません(キャンペーンについては後ほど詳しく説明しています)。

なお、なかには金利と別に数%の保証料を取るローンもあるので、注意してください。

その場合は、「金利+保証料」をチェックする必要があります。

返済期間が短い

ディーラーは、基本的に早めの買い替えをすすめたいと考えています。

2014年内閣府統計によると、車の買替年数は平均7.7年。

そのせいか、7年以上の返済期間を設けているディーラーはほとんどありません。

だいたい2年から5年が主流です。

一方、銀行マイカーローンの多くは8年~10年の返済期間を設けています。

登録に必要な諸経費は先に現金払い

銀行のマイカーローンなら、車の購入に必要な諸経費をローンに組み込むこともできますが、ディーラーローンはそれができません(車両本体価格および付属品の費用のみローンに組み込めます)。

ディーラーローンを契約したら、諸経費は前もって現金で支払わなければいけません。

これはキャンセル防止の意味も兼ねています。

ただし、ディーラーによって細かい対応は異なります。

諸経費の一部だけ支払えばよかったり、下取り車があればそれを諸経費にあててもらえることもあります。

交渉には応じてもらえるので、支払いが難しいときも交渉してみましょう。

登録に必要な諸経費とは

自動車税 車の所有者または使用者が登録地の都道府県に毎年納める地方税(初年度は登録月から翌年3月までを分納)
自動車重量税 自動車と軽自動車に対して課される国税
自動車取得税 50万円を超える自動車を取得すると課される地方税
消費税 車両本体、オプションなど、法定費用以外の諸費用に対して課税される
自動車賠償責任保険 自動車を使用する際、加入が義務づけられている損害保険
検査登録費用 ナンバー取得などをディーラーが代行する際の手数料
リサイクル費用 自動車解体の際、エアバックなどを処分する費用
車庫証明手数料 車の保管場所の申請(車庫証明)をディーラーが代行する際の手数料

登録に必要な諸経費には色々なものが含まれますが、大まかな計算で、車本体価格の10%から15%くらいです。

たとえば、200万円の車を購入するなら、20万円から30万円が目安となります。

完済しないと所有権がない

さきほども説明したとおり、ディーラーローンを完済するまでは、ディーラーもしくは信販会社が車の所有権を持つことになります。

自分で運転しているうちには困りませんが、困るのは車を売りたくなったときです。

もし返済中に車を売りたくなったら、一括でローンの残金を返済しなければなりません。

一方、銀行のマイカーローンなら、はじめから車の所有権はあなたのもの。

売りたくなったらすぐに売ることができます。

ただし、この場合は引き続きローンの返済が続くことになります。

ディーラーローンを比較するときの注意点

ディーラーは、「ひとつのメーカーにつき、ひとつのディーラー」というわけではありません。

たとえば、下記すべてのディーラーでトヨタプリウスを取り扱っていますが、それぞれが全く別の会社なのです。

  • ○○トヨタ
  • ○○トヨペット
  • ネッツトヨタ○○
  • トヨタカローラ○○

※ ◯◯には地名が入る

当然、会社によってローンの仕組みや金利が異なります。

ディーラーローンの利用を検討しているなら、まず下記のことを確認してください。

  • 購入予定の車を販売しているディーラー
  • 各ディーラーのローンの詳細

各ディーラーのホームページなどで確認できます。

そして、次は比較です。

ディーラーローンを比較するときは、具体的にどのポイントをチェックすればいいのでしょうか?

金利引き下げキャンペーンをやっているか

多くのディーラーは、半年ごと(主に3月と9月)に決算を行うので、それを見すえてさまざまなキャンペーンを行います。

そして、キャンペーンの一環でローンの金利を下げることが多いのです。

モデルチェンジ前は在庫車を売り切るため、モデルチェンジ後は新型車の促進のために金利を下げます。

例)
通常金利4.9% ⇒ キャンペーン特別金利2.9%

私の知る限り、キャンペーン中は2%ほど金利を下げるディーラーが多かったように思います。

もし 比較対象に、金利引き下げキャンペーンありのディーラーとなしのディーラーがあったら、ひとまず前者を選ぶといいでしょう。

実質年率か?アドオン方式か?

ほとんどのディーラーが実質年率を採用していますが、なかにはアドオン方式を採用しているところもあるので注意しましょう。

実質年率とは

実質年率とは、利息(諸経費含む)を年率に換算したもの。

実質年率の場合、利息は下記の式で計算されます。

借入金額(残高)×金利(実質年率)÷365日×借入日数=利息

たとえば、10万円を、金利(実質年率)10%で借り、30日ごとに1万円の元金を支払っていく場合、

初回に支払う利息は、

10万円×10%÷365日×30日=822円

したがって、初回の返済額は、

1万円+822円=1万822円

となります。

そして、2回目に支払う利息は、

(10万円-1万円)×10%÷365日×30日=740円

したがって、2回目の返済額は、

1万円+740円=1万740円

となります。

このように、返済が進むごとに、借入額(残高)が減っていくため、支払う利息もじょじょに減っていきます。

このまま返済していけば、

返済回数: 10回
利息総額: 4,521円
返済総額: 10万4521円

となります。

アドオン方式とは

一方、アドオン方式はどうでしょうか。

アドオン方式では、利息総額を先に計算してしまいます。

借入金額×アドオン率(年率)=利息総額

そして、算出された利息総額に借入金額を足し、返済総額を算出します。

利息総額+借入金額=返済総額

そこから算出した返済総額を返済回数で割ります。

返済総額÷返済回数=1回の返済額

たとえば、10万円をアドオン率(年率)10%で借り、10回で返済する場合、

10万円×10%=1万円
10万円+1万円=11万円
11万円÷10回=1万1000円

この場合、

返済回数: 10回
利息の総額: 1万円
返済総額: 11万円

となります。

アドオン方式に注意

先の計算の結果をまとめてみましょう。

10万円を借り、10回で返済していく場合、

実質年率10%の利息総額: 4,521円
アドオン率10%の利息総額: 1万円

借入金額、返済回数、利率は同じ条件にも関わらず、利息総額はアドオン方式のほうがだんぜん高くなりました。

つまり、アドオン方式を採用しているところは避けたほうが無難です。

支払総額を確認せよ

ディーラーローンの比較においてもっとも大事なポイントは支払総額です。

ここでいう支払総額とは、車の購入にあたり支払うすべての費用を指します。

おおまかにいえば、

頭金+ローンの返済総額+登録に必要な諸経費+その他費用ですね。

たとえば、車体価格の値引きが多くても、金利が高ければ、支払総額は高額になってしまうかもしれません。

また、利率が同じ3%でも実質年率とアドオン方式では返済総額に大きな差がでます。

さらに、さきほどふれた「登録に必要な諸経費」に関しても、ディーラーによって手数料の金額に差がでます。

見積り時は、毎月の返済額だけではなく、トータルの支払額を必ず確認しましょう。

いかがでしたか。

この記事をお読みになって、すこしでも賢い自動車ローン選びのお手伝いができればと思っております(ちなみに、こちらでカーローンを比較するときのチェックポイントをまとめていますので、あわせてご覧ください。)。

最後になりましたが、25年間、ディーラーローンに携わった人間からのお節介をさせてください。

車を持つのに必要なお金は、ローンの返済だけではありません。

ガソリン代、任意保険料、自動車税、点検費用、駐車場代など、けして安くはない維持費がかかります。

こういった維持費を踏まえたうえで、ローンの返済計画を立てましょう。

最初からローンの返済しか考えていないと、あとあと維持費が支払えなくなったり、返済が滞ってしまうかもしれませんよ。

→ 自動車ローン比較の話。とにかく損している人が多いから読んで欲しい

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