失業保険の支給金額、受給資格、申請方法・手順、計算方法、注意点

失業したら、まず心配なのはお金のことですよね。

じゅうぶんな貯金があったり、助けてくれる人がいればよいのですが、ほとんどの方はそうではないでしょう。

日々の生活費にすら困ってしまうかもしれません。

そこで、失業者が安心して次の仕事を探せるよう、一定のお金を支給する仕組みが失業保険です。

だれでも一度は聞いたことがあると思いますが、その内実は非常に複雑です。

給付を受けられる期間や金額は、離職理由や在職時の収入によってかなり変わってきます。

また、失業者なら誰でももらえるわけではなく、受給資格があります。

今回は、そんな複雑な失業保険についてできるだけわかりやすくまとめてみました。

ハローワークの元職員にもお話をうかがい、さまざまな質問にお答え頂いています。

「気付かないうちにもらい損なっていた!」なんてことがないよう、ぜひご一読ください。

失業保険って何?いくらもらえるの?

失業保険は正式名称じゃない!正しくは「基本手当」

一般的に失業保険として広く知られていますが、実は正式名称ではありません。

いわゆる失業保険は、雇用保険法にある基本手当のことを指します。

かつて、失業保険法という法律がありましたが、昭和50年に現在の雇用保険法が施行されたため、廃止されたのです。

そのときに名称が「失業保険」から「基本手当」に変わりましたが、「失業者に支給される」という性格は変わらないため、失業保険という古い呼び名だけが残ってしまったのです。

給付を受けるための条件

基本手当は誰でも受給できるのでしょうか?

基本手当を受給するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 離職日から1年以内
  • 就職を希望している
  • 雇用保険に加入している

離職日から1年以内

基本手当が受け取れるのは、原則として離職日の翌日から1年間です。

この期間を過ぎると、基本手当を受け取れません。

たとえば、2016年3月31日に離職した場合、基本手当が受け取れるのは2017年の3月31日までとなります。

就職を希望している

基本手当は、失業者が次の仕事を見つけるまでの間を支援するものです。

つまり、就職を希望していることが大前提です。

すぐに働く気がない、働く気はあるけれど病気などで働ける状態ではない人は、受給申請ができません(受給資格を失うわけではなく、受給を先延ばしすることができます。詳しくは後述)。

雇用保険に加入している

雇用保険の加入者でなければ基本手当を受給できません(※1)

正社員だけでなく、契約社員、アルバイト・パートも同じです。

※1
週20時間以上の勤務が31日以上続く場合は、全員雇用保険に加入しなければなりません(会社が加入させる義務を負っています)。雇用保険料は、従業員と会社側の双方が負担します。

通算12ヶ月以上加入している必要がある

一般の離職者の場合、離職日より前の2年間で、通算12ヶ月以上の被保険者期間が必要となります。

また、特定受給資格者および特定理由離職者の場合は、離職日より前の1年間で、通算6ヶ月以上の被保険者期間が必要です。

耳慣れない言葉が出てきましたね。

特定受給資格者、特定理由離職者、一般の離職者とは、それぞれどのような離職者を指すのでしょうか?

また、被保険者期間とは、どういった期間を指すのでしょうか?

特定受給資格者とは?

特定受給資格者とは、会社側の原因で離職した人のこと(一般的には、会社都合退職という呼び方が浸透していますね)。

ここで、特定受給資格者にあてはまる離職理由について一部紹介しましょう。

  • 倒産
  • 解雇
  • 事業所の廃止
  • 勤務先の移転によって通勤が難しくなった
  • 労働契約を結ぶときに提示された条件と実情が大きく異なった
  • 賃金の3分の1を超える金額が給料日までに支払われなかった
  • 突然、賃金がこれまでの85%未満に減少した
  • 度を超えた時間外労働が発生した(例:離職前の半年間のうち、3ヶ月連続で45 時間以上の時間外労働があった)
  • 上司、同僚などから嫌がらせ・パワハラを受けた
  • 直接もしくは間接的に退職して欲しいと言われた
  • 会社のせいで休業となり、それが3ヶ月以上続いた
  • 労働契約を結ぶ際、契約の更新が明示されていたのに、更新されなかった

特定理由離職者とは?

特定理由離職者とは、やむを得ない事情で離職した人を指します。

ここで、特定理由離職者にあてはまる離職理由について、一部紹介しましょう。

  • 労働契約の期間が満了し、労働者が契約の更新を申し出たにも関わらず、更新できなかった
  • 体力不足、障害、病気、ケガ
  • 妊娠、出産、育児
  • 父(もしくは母)を扶養しなければならなくなった
  • 家族が病気やケガをしたため、看護しなければならなくなった
  • やむを得ない事情で通勤が不可能になった
  • 希望退職者の募集に応じた

一般の離職者

特定受給資格者にも特定理由離職者にもあてはまらない、自分の希望で退職した人は一般の離職者となります(世間では、自己都合退職という呼び方が浸透していますね)。

なお、定年退職者も一般の離職者にあてはまります。

被保険者期間とは?

雇用保険に加入していた期間(※2)のうち、働いた日数(有給休暇含む)が11日以上ある月を、「被保険者期間1ヶ月」として計算します。

ここでいう"月"とは、暦の"月"ではなく、離職日を起点として1ヶ月ごとに区切った期間のことを言います。

ややこしいので例をあげましょう。

たとえば、12月31日に離職した場合はどうでしょう。

この場合、

12月1日~12月31日

11月1日~11月30日

10月1日~10月31日...

このように期間を区切っていくことになります(※3)

下記のカレンダーをご確認ください。

区切った期間ごとに色分けしています。

また、日付に「X」がついている日は「働いていない日」です。

被保険者期間10月

被保険者期間11月

被保険者期間12月

オレンジの期間(10月1日~10月31日)のうち、働いたのは18日ですから、被保険者期間にあてはまります。

一方、緑の期間(11月1日~11月30日)のうち、働いたのは9日ですから、被保険者期間にはあてはまりません。

紫の期間(12月1日~12月31日)のうち、働いたのは23日ですから、被保険者期間にあてはまります。

おさらいになりますが、一般の離職者の場合、離職日より前の2年間で、通算12ヶ月以上の被保険者期間が必要となります。

また、特定受給資格者および特定理由離職者の場合は、離職日より前の1年間で、通算6ヶ月以上の被保険者期間が必要です。

ハローワーク元職員Aさんより

雇用保険の加入日と退職日にも注意してください。

たとえば、下記のようなケースは基本手当を受給できません。

「一般の離職者で、4月2日に雇用保険に加入し、翌年3月31日に退職した」

なおかつ

「4月~翌年3月の12ヶ月間すべての月で11日以上働いた」

なぜなら、12ヶ月より1日だけ足りないため被保険者期間が11ヶ月となってしまうからです。

この場合、雇用保険の加入日が4月1日なら基本手当受給の対象となりました。

このように、数日足りないだけで受給対象外になってしまうケースは非常に多いので、加入日と退職日には注意してください。

※2
採用された日や、勤務開始日が雇用保険加入日(雇用保険の資格取得日)とはかぎらないので注意してください。

※3
たとえば、12月15日に離職した場合は、12月15日~11月16日、11月15日~10月16日、10月15日~9月16日...と、期間を区切ってさかのぼっていきます。

途中で転職した場合の被保険者期間はどうなるの?

なお、1年以内に転職した場合は、被保険者期間を通算することもできますが、計算する際は下記の点に注意してください。

  • 1仕事をやめてから転職(再就職)するまでの間に、1年を超える空白があると、被保険者期間を通算できません。この場合は、再就職後の被保険者期間を計算することになります。
  • 2過去に基本手当、再就職手当等の給付を受けていた場合、受給完了以降の被保険者期間を計算してください。
  • 3育児休業給付金を受け取っていた期間を被保険者期間に含めることはできません。育児休業給付金を受け取っていた期間をのぞいて被保険者期間を計算してください。

ハローワークの元職員Aさんより

最後の離職日から1年以内なら、職場が変わっていても被保険者期間を足すことができます。「転職が多いから基本手当を受け取れない」と思っている人は多いですが、一度ハローワークで調べて見る価値はありますよ。

雇用保険に加入しているか確認するには?

雇用保険に加入しているかどうかは、給与明細書で確認することができます。

雇用保険料が徴収されていれば、雇用保険に加入していることになります。

雇用保険について下記のようなことがわからない場合は、ハローワークに相談してください。

  • 自分は雇用保険に加入しているのか
  • 基本手当の受給資格があるか
  • 被保険者期間がどのくらいあるか
  • 過去に基本手当を受給していたか

ハローワークに相談に行くときは、雇用保険の被保険者番号(※4)と、公的機関発行の本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)を持参してください。

ハローワーク元職員Aさんより

アルバイトやパートでも、雇用保険に加入しているかどうかチェックしておいてください。

「君はアルバイトだから雇用保険には入れない」という間違った説明をする会社もあるので注意が必要です。

仮に加入資格があるのに未加入だった場合、ハローワークに申し出れば、2年に限りさかのぼって雇用保険料を支払うことができます。

この場合、会社側にはハローワークから連絡が行きます。

実際、「雇用保険に未加入だったが、後から保険料を支払って基本手当を受取ることができた」というケースはよくあります。

※4
雇用保険の被保険者番号は、就職した時に会社から受け取る被保険者証 もしくは 資格取得等確認通知書に記載されています。それらを紛失した場合は、ハローワークで雇用保険の被保険者番号を再発行できます。ただし、公的機関発行の本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)が必要です。

基本手当はいくらもらえるの?

では、基本手当で実際にいくらの給付を受けられるのでしょう?

基本手当の計算方法

基本手当の計算方法は以下の通りです。

支給総額=基本手当日額×所定給付日数

基本手当日額とは?

基本手当日額とは、基本手当の1日あたりの金額のこと。

基本手当日額は、賃金日額の45%~80%相当となります。

賃金日額とは?

では、賃金日額とは何でしょうか?

賃金日額とは、離職前半年間に支払われた賃金総額(ボーナス、退職金は含まない)を180で割った金額のことです。

所定給付日数とは?

所定給付日数とは、基本手当を受給できる日数のことです。最短で90日、最長で330日となっています。

特定受給資格者の場合

特定受給資格者の場合、雇用保険の加入期間や年齢に応じて所定給付日数が変わります(※5)

雇用保険の加入期間
1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日 -
30歳以上
35歳未満
180日 210日 240日
35歳以上
45歳未満
240日 270日
45歳以上
60歳未満
180日 240日 270日 330日
60歳以上
65歳未満
150日 180日 210日 240日

※5
特定理由離職者のうち、離職日が平成21年3月31日~平成29年3月31日までの方は、「特定受給資格者の場合」と同じ所定給付日数となります。ただし、下記のような理由で退職した場合は別です。
・体力不足、障害、病気、ケガ
・妊娠、出産、育児
・父(もしくは母)を扶養しなければならなくなった
・家族が病気やケガをしたため、看護しなければならなくなった
・やむを得ない事情で通勤が不可能になった
・希望退職者の募集に応じた
上記のような理由で退職した場合は、下記の条件を両方満たさなければなりません。
・離職日が平成21年3月31日~平成29年3月31日まで
・離職日より前の2年間のうち、被保険者期間が通算12ヶ月未満
上記2つの条件を満たす場合は、「特定受給資格者の場合」と同じ所定給付日数となります。

特定受給資格者以外の場合

特定受給資格者以外の場合、雇用保険の加入期間に応じて所定給付日数が変わります。

雇用保険の加入期間
1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
90日 120日 150日

支給額を算出してみよう

基本手当の支給額の計算方法はとても複雑です。

しかも、基本手当日額の上限が、今後変更される可能性もあります。

ちなみに、現在(2017年2月)の上限額は下記のようになっています。

年齢 基本手当日額の上限額
30歳未満 6,370円
30歳以上45歳未満 7,075円
45歳以上60歳未満 7,775円
60歳以上65歳未満 6,687円

基本手当の正確な金額を知りたいなら、自分で計算するよりハローワークで問い合わせたほうが早いでしょう。

とりあえずの目安を知りたいのであれば、下記のような自動計算ツールを使って算出してみてください(※6)

失業大辞典「雇用保険 失業給付の計算」
http://失業.jp/雇用保険失業給付/計算

高精度計算サイト「雇用保険の給付額の計算」
http://keisan.casio.jp/exec/system/1426729546

※6
いずれも公式のツールではないので計算方法が微妙に異なる可能性もあります。正しい金額を知りたいなら、やはりハローワークに行ったほうがいいでしょう。

実際にシミュレーションしてみた結果

試しにいくつかシミュレーションしてみました。

年齢 30歳未満
離職理由 自己都合による離職(一般の離職者)
勤続年数 1年以上5年未満
平均月給 25万円

この場合、下記のような結果になりました。

所定給付日数 90日
基本手当日額 5,344円/日
平均支給額 16万320円/月
支給額合計 48万960円

また、別のケースでもシミュレーションしてみましょう。

年齢 35歳以上45歳未満
離職理由 倒産による離職(特定受給資格者)
勤続年数 10年以上20年未満
平均月給 40万円

この場合、下記のような結果になりました。

所定給付日数 240日
基本手当日額 6,666円/日
平均支給額 19万9,980円/月
支給額合計 159万9,840円

とりあえずの目安が知りたい方は、先ほどのようなツールを使ってシミュレーションしてみてください。

給付の受け方と手順

どのような手順を踏めば基本手当を受給できるのでしょうか?

少々複雑ですが、順を追って見ていきまししょう。

1 離職後、会社から必要書類をもらう

会社から下記2つの書類をもらっておきます。

  • 雇用保険被保険者証
  • 雇用保険被保険者離職票(1),(2)

「雇用保険被保険者証」は、被保険者本人の保管が原則なのですが、実際は会社側が保管していることが多いため、忘れずにもらっておきましょう(※7)

「雇用保険被保険者離職票(1),(2)」には、「雇用保険の加入情報」や「離職の具体的理由」について、会社に記入してもらわなければなりません。

また、会社側と離職者側で食い違いがないよう、両者が内容を確認したうえで印を押す必要があります。

特に離職の理由は、「特定受給資格者・特定理由離職者・一般の離職者のうち、どれにあてはまるか」ハローワークが判断する要素となるため、しっかり確認してください

ハローワーク元職員Aさんより

離職者と会社側が同意・確認したうえで離職票に退職理由を書き、それぞれが押印することになっています。

しかし会社側が勝手に「自己都合による退職」と書いて、後から本人が異議を申し立てるケースが少なくありません。

たとえば、会社が遠まわしに辞めるよう圧力をかけ、本人が耐えられずに辞表を出す場合などは、「会社都合の退職(特定受給資格者)」になる可能性がありますから、ハローワークに相談してみましょう。

※7
雇用保険被保険者証や、雇用保険被保険者離職票(1),(2)を紛失した場合は、ハローワークで再発行できます。公的機関発行の本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)を持参しましょう。また、退職した会社の社名や住所を控えてから行きましょう。

2 求職の申込みと受給資格決定

居住地域を管轄するハローワークに行き、必要な書類を提出し、求職を希望することを伝えましょう(これを求職の申込みといいます)。

このときに必要な書類は下記です。

  • 雇用保険被保険者離職票(1),(2)
  • 公的機関発行の本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
  • 縦3センチ、横2.5センチの証明写真2枚(正面上半身を写したもの、3ヶ月以内に撮影したもの)
  • 印鑑
  • 本人名義の普通預金通帳

そして、提出した書類を元に、基本手当の受給資格があるか審査されます。

問題なければ受給資格の決定がおこなわれ、「特定受給資格者・特定理由離職者・一般の離職者のうちどれにあてはまるか」を判断されます。

そして、最後に雇用保険受給資格者のしおりを渡され、受給説明会の日程を教えてもらったら終了です。

なお、ここで注意点があります。

この求職の申込みに行った曜日が、のちのちでてくる失業認定日の曜日になってしまうので、ご注意ください。

例)
水曜日に求職の申込みをしたら、認定日も原則水曜日になる

3 雇用保険受給者初回説明会

集団で基本手当の受給について説明を受けます。

このとき、下記を持参してください。

  • 雇用保険受給資格者のしおり
  • 印鑑
  • 筆記用具等

ここでは下記の書類を受け取りますが、いずれも基本手当の受給に必要な書類です。

  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書

また、初回の失業認定日(本当に失業しているか確認する日)が知らされるので、その日までに求職活動をしておかなければなりません。

4 待期期間

受給資格決定から7日間待期期間です。この期間は基本手当を受給することができません。

4 給付制限期間(一般の離職者のみ)

一般の離職者(定年退職者のぞく)は、7日間の待期期間を経た後、1ヶ月以上3ヶ月以内の給付制限期間があります。

この期間は基本手当を受給することができません。

ハローワーク元職員Aさんより

給付制限期間はケースによって異なります。ただ実際はほとんどが3ヶ月です。

5 求職活動

失業認定をもらうには、求職活動と認められる活動をする必要があります。

求職活動とは、下記のようなことです。

  • ハローワークの窓口で相談をする、仕事の紹介を受ける
  • ハローワーク主催のセミナーへ出席する
  • ハローワークが指定する自治体や就職支援会社が行うセミナーに出席する
  • 求人に応募する

認定日までに必要な求職活動の回数は原則2回です。

ただ、初回は雇用保険受給者初回説明会が1回としてカウントされるので、もう1回以上 活動すればOKです。

6 失業の認定

指定された認定日にハローワークへ行き、求職活動の報告をおこないます。

このとき、下記の書類を提出する必要があります。

  • 失業認定申告書
  • 雇用保険受給資格者証

失業認定報告書に、それまでにおこなった求職活動の詳細を記し提出しましょう。

ここで問題がなければ失業が認定され、次回の認定日が伝えられます。

認定日は、原則として4週間に一度やってきます。

7 受給

認定日から5営業日以内に、指定した口座に基本手当が振り込まれます。

なお、特定受給資格者および特定理由離職者の場合、初回に振り込まれる金額は、「基本手当日額×12~13日分」です。

たとえば都内のハローワークの場合、求職の申込みをした日から3週間後に初回の認定日が設定されます。

4月1日に求職の申込みをしたなら、初回の認定日は4月20日です。

この場合、4月8日~4月19日までの12日間分の基本手当日額を受給できることになります(4月7日までは待期期間なので、除外される)。

なお、一般の離職者の場合については後述します。

8 その後

初回の認定日以降は、原則として4週間に一度 認定日がやってきます。

認定日にハローワークに行き、認定対象期間に行った求職活動(最低2回必要)について報告し、失業の認定を受けたら、基本手当を受給するという繰り返しです。

再就職が決まるまで、もしくは、所定給付日数が終了するまで続きます。

給付制限期間なし

※上記の例は、土日祝日も関係なく認定日を設定しています。ただ実際は、認定日がハローワークの休業日とぶつかったら、別の日(前日など)に変更されます。

ハローワーク元職員Aさんより

会社都合で退職した場合は、求職の申込み手続きをしたらすぐに基本手当が受け取れると思っている方も少なくありません。

しかし実際は、求職の申込みから初回の認定日まで最短で3週間はかかります。

初回の認定日から基本手当の振込みまでは、さらに数日~1週間かかります。

また、3月など離職者が殺到する時期は、受給まで1ヶ月近くかかることもあるので注意してください。

給付制限期間ありの場合は何がちがうの?

一般の離職者(定年退職者のぞく)の場合、待期期間の後、1ヶ月~3ヶ月間の給付制限期間があるので、上記で紹介した流れとは異なる部分があります。

ここで詳しく説明しましょう。

まず、給付制限期間の間に初回の失業認定日がきてしまいますが、給付制限期間が終わるまで基本手当を受給できません(ただ、初回の認定日には必ずハローワークに出向く必要があります)。

給付制限期間終了後にやってくる認定日の後、ようやく受給することができます(給付制限期間終了後にやってくる認定日までに、2回以上の求職活動しておく必要があります)。

そのときにもらえる金額は、給付制限期間終了の翌日~認定日の前日までの日数分です。

たとえば、4月1日に求職の申込みをし、受給資格が決定したとします。

この場合、4月1日~7日までは待期期間です。
その後、4月8日から7月7日まで給付制限期間となります。

そして、給付制限期間終了後の認定日が7月22日だった場合、ここでもらえるのは 7月8日(給付制限期間終了の翌日)から7月21日(認定日の前日)までの14日間分です。

つまり、基本手当日額×14日分となります。

一般の離職者の図

※上記の例は、土日祝日も関係なく認定日を設定しています。ただ実際は、認定日がハローワークの休業日とぶつかったら、別の日(前日など)に変更されます。

ただし、これはあくまで一例です。

認定日はハローワークが指定するので、給付制限期間終了の翌日~認定日の前日までの日数が必ず14日となるわけではありません。

また、一般の離職者の場合、給付制限期間終了後の最初の認定日までに3回以上の求職活動実績が必要となるケースがあります。

ハローワークの元職員Aさんより

原則、基本手当を受給できるのは、離職日から1年以内なので、給付制限期間がある場合は特に急いで手続きを始めましょう。

たとえば、ある方は、20年以上 勤めた会社を自己都合で退職。

退職後、7ヶ月ほど経ってからハローワークで求職の申込みをしました。

この方の場合、一般の離職者で、さらに3ヶ月の給付制限期間があります。

そのため、本来なら最大150日分の基本手当を受けとることができたのに、50日分しか受給できませんでした。

病気やケガで求職活動できない場合はどうなるの?

病気にかかったり、ケガを負っている場合は、すぐに求職活動ができませんよね。

こうした場合はどうすればいいのでしょうか?

受給開始を延長してもらう

病気・ケガ・介護・出産・育児などですぐに活動できない場合は、受給開始を延長することができます。

基本手当を受給できる期間は、通常、離職日の翌日から1年間です。

ただし、病気・ケガ・介護・出産・育児などで30日以上働けなくなった場合は、働けなくなった日数だけ受給開始を延長してもらえます。

延長期間は、最大3年間です。

延長を希望する場合は、離職日の翌日から1ヶ月以内に、ハローワークに行って手続きしてください。

手続きに必要な書類は下記です。

  • 雇用保険被保険者離職票(1),(2)
  • 印鑑
  • 必要に応じて医師の診断書といった証明書類
  • 委任状(本人以外が手続きする場合のみ)

ハローワーク元職員Aさんより

出産や育児のために退職した場合、受給開始延長の手続きをしておらず、後々、基本手当がもらえないというケースはよくあります。

「しばらく働けないからどうせもらえない」と思い込んでいる人が多いのです。

もったいないので、できれば手続きをしてから退職してください。

ちなみに、60歳以上65歳未満の定年退職者のうち、当面は就職を希望しない人も受給開始延長の申請ができます。

ただし、延長できる期間は最大で1年であることを覚えておきましょう。

また、延長の手続きは、離職日の翌日から2ヶ月以内におこなってください。

傷病手当をもらう

ハローワークで求職の申込みをした後、病気やケガのため15日以上求職活動できなかった場合、基本手当の代わりに傷病手当を受給できます(※8)

支給される金額は、基本手当の額と同じです(基本手当の代わりに支給されるので、基本手当に上乗せされるわけではありません)。

傷病手当を受給した日数は、基本手当の給付日数からマイナスされます。

傷病手当を受取りたい場合は、病気やケガが治った後、次の認定日までに、傷病手当支給申請書(※9)をハローワークに提出し、傷病の認定を受けてください。

こちらは郵送での提出も可能ですし、代理人の提出も可能です。

※8
雇用保険の傷病手当は、健康保険の傷病手当金とは別物です。なお、健康保険の傷病手当金をもらっている場合は、雇用保険の傷病手当を受取ることはできません。

※9
傷病手当支給申請書は、ハローワークで受け取れます。申請者と医師が各々記入する欄があります。

あなたは本当に「一般の離職者」?

ここまでご紹介したように、離職理由によって受けられる基本手当に大きな差があります。

特定受給資格者、もしくは特定理由離職者と認められれば、一般の離職者より所定給付日数が3倍以上長くなることがあります。

また、一般離職者だと給付制限期間が発生するので、基本手当の受給が最大で3ヶ月先延ばしにされます。

余裕のない時にはツライですよね。

このように、離職理由の見極めは非常に大切です。

一見、自己都合の退職に見えても、本当は会社都合の退職であることが少なくありません。

たとえば、下記のようなケースです。

  • 従業員に対し、毎日ひどい暴言や侮辱の言葉を浴びせ、それに耐えられなくなった本人が退職したケース
  • ほとんど嫌がらせのような意味のない仕事を押し付けられ、耐えられなくなった本人が退職した
  • 連日、度を超えた残業が発生し、それが何ヶ月も続いたため耐えられなくなった本人が退職した

泣き寝入りする前に、かならずハローワークに相談してみましょう。

ハローワークが調査した結果、「離職の原因は会社にある(特定受給資格者である)」と認めてもらえることもあります。

ただし、担当者に訴えるだけでは足りません。

ハローワークに動いてもらうため、在職中から証拠を集めておきましょう。

  • 証拠となる会話や発言をICレコーダーで録音
  • 証拠となるものをカメラで撮影
  • 毎日、どのようなことがあったか事細かに日記をつける
  • 同僚に証言してもらう

このようなものがない場合、覚えていることを紙に書き出すだけでもかまいません。

また、ハローワークには捜査権がないため、より会社の内情に踏み込んでもらいたい場合は、捜査権がある労働基準監督署に相談を持ちかけてみましょう。

全国労働基準監督署の所在案内
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html

離職前でも、離職後でもかまいません。

「自分の能力が足りなかったからだ、弱かったからだ...」と泣き寝入りせず、必ず相談するようにしてください。

まとめ

最後に、今回のポイントをまとめていきましょう。

基本手当受給の条件

下記の条件をすべて満たす必要があります。

  • 基本手当が受け取れるのは、原則として離職日の翌日から1年間
  • 就職を希望していることが大前提
  • 一般の離職者の場合、離職日より前の2年間で、通算12ヶ月以上の被保険者期間が必要
  • 特定受給資格者および特定理由離職者の場合、離職日より前の1年間で、通算6ヶ月以上の被保険者期間が必要

基本手当はいくらもらえるの?

  • 支給総額=基本手当日額×所定給付日数
  • 基本手当日額は、賃金日額の45%~80%相当
  • 所定給付日数は、最短で90日、最長で330日
  • 正確な支給総額を知りたいならハローワークで問い合わせたほうがいいが、目安を知りたい場合は自動計算ツールを使って算出できる
    例)
    失業大辞典「雇用保険 失業給付の計算」
    http://失業.jp/雇用保険失業給付/計算

給付の受け方と手順(一般の離職者の場合)

  • 1離職後、会社から必要書類をもらう
    【必要書類】
    • 雇用保険被保険者証
    • 雇用保険被保険者離職票(1),(2)
  • 2居住地域を管轄するハローワークに行き、必要な書類を提出し、求職を希望することを伝える
    【必要なもの】
    • 雇用保険被保険者離職票(1),(2)
    • 住所・年齢を確認できる写真付き公的証明書
    • 縦3センチ、横2.5センチの証明写真2枚(正面上半身を写したもの、3ヶ月以内に撮影したもの)
    • 印鑑
    • 本人名義の普通預金通帳
  • 3雇用保険受給者初回説明会で、基本手当の受給について説明を受ける
    【必要なもの】
    • 雇用保険受給資格者のしおり
    • 印鑑
    • 筆記用具等
  • 4受給資格決定から7日間は待期期間で、その後、3ヶ月の給付制限期間がある
  • 5給付制限期間中に初回認定日があるので、ハローワークに行く
  • 6給付制限期間終了後の認定日までに2回以上の求職活動を行う
  • 7給付制限期間終了後の認定日にハローワークへ行き、求職活動の報告を行う
    【必要なもの】
    • 失業認定申告書
    • 雇用保険受給資格者証
  • 85営業日以内に、指定した口座に基本手当が振込まれる

受給開始延長の手続き

  • 病気・ケガ・介護・出産・育児などで30日以上働けなくなった場合は、働けなくなった日数だけ受給開始を延長できる(最大3年間)
  • 離職日の翌日から1ヶ月以内に、ハローワークにて手続きが必要
    【必要なもの】
    • 雇用保険被保険者離職票(1),(2)
    • 印鑑
    • 必要に応じて、医師の診断書などの証明書類
    • 委任状(本人以外が手続きする場合のみ)

傷病手当の手続き

  • ハローワークで求職の申込みをした後、病気やケガによって15日以上求職活動ができなかったときは、基本手当ではなく傷病手当を受け取れる(傷病手当の金額は基本手当と同額)
  • 病気やケガが治った後の次の認定日までに、傷病手当支給申請書をハローワークに提出する必要がある

離職理由はよく確認を

  • 会社が決めた離職理由に不満がある場合は、必ずハローワークに相談を
    【必要なもの】
    • 離職理由の証拠となる会話や発言を録音したもの
    • 離職理由の証拠となるものをカメラで撮影したもの
    • 離職理由について記した日記
    • 離職理由について語った同僚の証言

いかがでしたか?
基本手当について、だいたいのことがおわかりいただけたのではないでしょうか。

やや複雑なことが多いので、詳しいことはハローワークの担当者に問い合わせてみましょう。

ちなみに、ハローワークでの仕事の探し方はこちらで解説していますので、ご興味があればぜひ。

受給資格のある失業者の方は、基本手当を受給して就職活動をがんばってくださいね

そして、基本手当を受け取る失業者は、ハローワークで公共職業訓練を受けられるってご存知でしたか?

公共職業訓練を受講することで受けとれる技能習得手当についても取り上げていますので、こちらもあわせて読んでみてください。

また、基本手当受給中でもアルバイトをすることはできます。

しかし、それにはいくつか制約があり、アルバイトできない期間などいくつか決まりがあるので注意してください。

詳しくは失業保険受給中でもアルバイトでお金を稼いじゃう方法と注意点まとめに目を通してみてください。

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