長期借入前に知っておきたい便利な制度と長期、10年超ローンの選び方

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キャッシングというと、お金に困ったときに少しだけ借りて短期で返す――短期利用のイメージが強いと思うのですが、中には長期で利用したい場合もあると思います。

実際、巷のキャッシング業者の中には、長期利用に対応しているプランがあるところも多いです。

今回は、まず「長期の借入が必要になる状況」を推測し、長期のキャッシングが本当にベストな方法なのか検証しました。他に良い方法があれば、それもご紹介しています。

そして、それでもキャッシングが必要な方のために、長期借入に適した業者の選び方、おすすめの業者、長期借入の際の注意点についてまとめてみました。(短期の借入をするときとは違った注意点があり、それによって業者の選び方も変わってきます。)よかったら参考にしてください。

なお、ここでの長期ローンは不動産などの担保を必要としない無担保ローン、なおかつ使途自由のフリーローンを想定しています。

長期借入を希望する理由と理由別対策

「長期借入をしたい!」と考える理由とは、どのようなものでしょうか?

まずはその理由になりそうな事例をピックアップし、キャッシング以外の方法がないか検証していきたいと思います。

住宅ローンの返済

まとまったお金を長期で借りて、住宅ローンの返済にあてたい!というケースがあると思います。

住宅ローンの返済期間は20~30年など長期に渡る場合が多いので、途中で計画通りの返済が難しくなることもあるでしょう。

しかし、ローンの支払いのために新たにローンを組むことは、決しておすすめできる解決法ではありません

住宅ローンの金利はおおよそ3%前後です。
その返済でさえ苦しい状況なのに、さらに10%や15%の利息を払っていけるでしょうか?

今回はそれで乗り切っても、次はどうなるか分かりません。最悪、借金のために新たな借金を増やす、自転車操業状態になってしまいます。

「家計を見直す」「収入を増やす努力をする」などいろいろ試行錯誤しても毎月の返済が苦しい!という場合は、住宅ローンを組んでいる金融機関に条件変更(リスケジュール)の交渉をしてみてください。

金融機関は金融庁から、「顧客の経済状況に応じた融資をするように!」との指導を受けています。

うまくいけば、毎月の返済額の減額など何か対応をしてもらえるかもしれません。

高額な医療費

重い病気で手術をしたり入院が長引いたりすると、医療費が高額になります。

手持ちの資金がない場合は、長期借入のローンでまかなうのもひとつの手段ですが、その前に知っておいていただきたい制度があります。

高額療養費制度

医療費が高額になってしまった場合、自己負担額が一定以上にならないよう社会保険が差額を支払ってくれる制度です。

国民健康保険など、健康保険に加入していれば誰でも受けることができます。

年齢・収入・加入している保険などによって自己負担額の上限(自己負担限度額)は異なります。

たとえば、国民健康保険加入・70歳未満・年収600万円以下の人が医療費としてひと月に20万円支払ったとします。

この人の場合、ひと月の自己負担限度額は84,097円。
高額療養制度を利用すれば、

200,000 - 84,097 = 115,903

なんと、11万円以上の返還を受けることができるのです。

健康保険に加入しているのに利用しない手はないですね。医療費が高額になる場合は、ぜひ利用してください。

医療費控除

税制面での支援を受けることもできます。

確定申告で申請すれば、その分所得税が安くなります。医療費が10万円以上かかった場合は必ず税務署に申告してください。

実際にいくらお金が返ってくるかは、所得によって違います。

たとえば、課税所得が300万円の人が20万円の医療費を支払ったら、1万円の還付金が支給されます。

民間の医療保険

自分が加入している民間の医療保険についてちゃんと把握していますか?自分で加入していない場合は、家族の方に確認してみましょう。

日本では、医療費の負担をできるだけ軽くするための制度がいくつか用意されています。

あわててキャッシングをする前に、こういった制度でどのくらい負担が軽くなるのか確認してみましょう。

なお、医療費の負担を減らす方法特集もございます。あわせて読んでみてください。

借り換え

既に複数社からキャッシングをしている場合、一旦大口の融資を受けてそれぞれの借金を完済⇒その後、大口の借金を長期で返していきたい、というケースもあると思います。

いわゆる借換えですね。借り換えのために長期借入を利用するのはひとつの手段だと思います。

巷のキャッシング業者では、借り換え専用のプランも多数用意されています。(例:「借り換えローン」や「おまとめローン」)限度額が高めで、返済期間も通常のローンよりも長く設定されているのが特徴です。

また、通常借り換え専用のプランは改正貸金業法の例外規定にあたるので、総量規制の対象になりません。

ただし、借り換えを考えるときに注意したいポイントがあります。せっかく借り換えたのに、以前より負担が大きくなったり、結果的に返済総額が大きくなっては意味がありません。

  • 月々の返済額の負担が軽くなるか
  • 支払う利息の総額が安くなるか

など、自分に有利な借り換えになるかどうかよく計算して見極める必要があります。

ちなみに、おまとめローンのデメリット・落とし穴についてより詳しく説明していますので、あわせてご確認ください。

学費など教育費

高額な教育費をカバーするために、長期借入を利用することもあるかもしれません。

しかし、同じ借りるならキャッシングのようなフリーローンではなく、教育ローンや奨学金の利用を検討しまししょう。

教育ローン

教育ローンには、国がやっている「教育一般貸付」と、銀行などがやっている教育ローン・学資ローンがあります。

国の教育ローンは、金利が年率1.76%と大変低く、返済期間が15年とゆとりがあります。ただし、所得制限がある上に審査が厳しいと言われています。

銀行の教育ローンは、変動金利の場合は2013年現在2.5%程度、固定金利なら3~4%です。

いずれにしても、フリーローンよりはるかに金利が低く、返済期間が長めに設定されています。

奨学金

奨学金制度には、「独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)」、「地方自治体」、「民間団体」、「学校」の4つの運営団体があります。

最も利用されているのがJASSO。
金利は成績や経済状況によっては無利子ですが、有利子でも上限は3%です。

JASSO以外の奨学金は運営しているところによって条件がバラバラなので、自分に合うものがないか確認してみてください。

教育資金を借りて長期で返していきたい場合は、まず国か銀行の教育ローン、または奨学金制度の利用を検討しましょう。

教育資金を借りて長期で返していきたい場合は、まず国か銀行の教育ローン、または奨学金制度の利用を検討しましょう。

生活の困窮

慢性的に生活が困窮しているため、まとまった額を借りて解決し、あとはゆっくり返していこう、という考え方は危険です。

生活費不足の問題は、借金では解決できません。

まずは、「支出を減らす(=生活を見直す)」、「収入を増やす(=仕事を見直す)」、「援助を受ける」ことによって対応することが望ましいでしょう。

支出を減らす(=生活を見直す)

節約をして出ていくお金を減らすようにします。

特に住居費は生活費に占める割合が高いので、家賃の低いところに引っ越すことも考えてもいいかもしれません。家計簿をつけると問題点がみえてくるのでオススメです。

収入を増やす(=仕事を見直す)

入ってくるお金を増やします。
アルバイト、残業、副業など、たとえ数万円でも全然違ってきます。

転職もひとつの手段ですが、転職で収入がアップするのは少数派なので、じっくり検討してからの方が良いですね。

公的支援を受ける

国や自治体による支援制度があります。

最終手段は生活保護ですが、そこまでいかなくても生活扶助、就業支援、健康不安などの相談に乗ってもらえます。

住んでいるところによって支援内容が違うので、地元の市役所をおとずれてみてください。

ここまでで、住宅ローン、高額医療費、借金の借り換え、教育資金、生活の困窮など、長期借り入れを必要とするケースには、フリーローン以外の手段がいくつかあることを紹介してきました。

まずはそれらの手段を活用することを考えてください。

「それでもキャッシングが必要!」という方のために、長期借入の業者の探し方やオススメ業者について説明していきます。

長期で借りられるローンの探し方

長期で借りられるキャッシング業者は、どのようにして探せばよいのでしょうか?探す際のポイントは、以下の通りです。

  • 返済期間が長い
  • 限度額が十分にある
  • 金利が低い
  • 経営の安定性が高い

各社の返済期間を知りたい場合、キャッシングの商品説明ページの「最長返済期間」または「最大返済回数」を参照してください。
この期間や回数が長く設定されている業者が、長期借り入れ可能な業者です。

  最長返済期間
(最大返済回数)
金利
(年率)
限度額 総量規制
アコム 30万以下:31回
30万超:51~80回
3.0~18.0% 最高1~800万円 対象
プロミス 原則、最終借入れから最長6年9ヶ月(1~80回) 4.5~17.8% 最高1~500万円 対象
レイク 5年(60回) ※個別に返済の設定ができるため、返済期間や回数は返済計画によって変わります 4.5~18.0% 最高1~500万円 対象外
SMBCモビット 最長60回(5年)。ただ、返済能力次第では最長106回(8年10ヶ月)に変更可能です(SMBCモビットが認めた場合のかぎり) 3.0~18.0% 最高1~800万円 対象
アイフル 13年6ヶ月(140回) 3.0~18.0% 最高1~800万円 対象
ノーローン 6年9ヶ月(80回) 4.9~18.0% 最高1~300万円 対象
オリックス カードレスVIP 16年8ヶ月(199回) 1.7~17.8% 最高30~800万円 対象
オリックスカードレスVIP 16年1ヶ月(192回) 1.7~17.6% 最高30~800万円 対象
三菱UFJ銀行カードローン
「バンクイック」
6年6ヵ月(78回) 年1.8%~年14.6% 最高10万円~500万円 -
楽天銀行スーパーローン 1年毎の自動更新 1.9%~14.5% 最高10~800万円 対象
住信SBIネット銀行MR.カードローン(プレミアムコース) 1年毎の自動更新 1.59~7.99% 10~1,200万円 対象外
りそなプレミアムカードローン 1年毎の自動更新 3.5~12.475% 最高10~800万円 対象外
みずほ銀行カードローン 1年毎の自動更新 2.0~14.0% 最大10~800万円 対象外
じぶん銀行じぶんローン 1年毎の自動更新 2.2~17.5% 最大10~800万円 対象外
三井住友銀行カードローン 1年(当初ご契約日より1年後の応当日)の自動更新 1.5~14.5% 最高10~800万円 -

※借入額と金利で返済期間が異なるものは、一部を抜粋

一般的に、消費者金融よりも銀行カードローンの方は返済期間が長くなっています。

しかし上の表を見て分かる通り、銀行カードローンのバンクイックが消費者金融のプロミスよりも返済期間が短いこともあり、一概には言えません。

返済期間のほか、限度額や金利にも注目しましょう。長期借入は高額になることが多いので、一定以上の限度額が必要です。

また、支払う回数が多いので、金利は低いにこしたことはありません。

たとえば、100万円を10年間借りた場合、金利が12%なら利息総額は約120万円ですが、15%なら利息総額は約150万円。30万円も差が出ます(年365日の日割計算)。

長い付き合いになるので、経営の安定性にも注意を払う必要があります。

返済中に経営破たんという事態になっても借金はチャラになりません。それどころか、債権が債権回収会社に移ったりして、より厳しく返済を求められるケースが多いのです。

経営の安定性をはかる目安として、

  • 銀行によって運営されているカードローン
  • 銀行の傘下にある会社のキャッシング

は、そうでない業者にくらべて安定性が高いといえます。銀行が後ろ盾にあるので、資金力、経営の安定性などさまざまな面で優れているのです。

では、実際に長期借り入れが可能な業者はどこでしょうか?次の章でみていきましょう。

ある程度長期の借入が可能で低金利、安定性の高い業者

金利の低さと安定性を重視するなら、銀行カードローンがいいと思います。

ある程度長期の借入が可能で、低金利の条件を備えている銀行カードローンを紹介します。

三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」

三菱UFJ銀行カードローンは、業界最大手の三菱UFJ銀行が運営するカードローンです。安定性という点ではどこよりも説得力があります。

金利は年率年1.8%~年14.6%。限度額は10万円~500万円あるので十分でしょう。

最長返済期間は6年6か月(78回)です。できれば10年欲しいところですが、6年半ならなんとか及第点です。

10年以上の借り入れが可能な業者はココ!

10年以上の借り入れが可能なオススメ業者を紹介します。

オリックスカードレスVIP(1.7~17.6%)

借入額や金利によっては、10年以上の借り入れができます。たとえば、限度額500万円・金利6.9%コースの場合、129回(11年弱)の返済が可能です。

30~800万円と限度額が高く、金利が低めなので、長期借入に最適です。

問題は、総量規制の対象になってしまうこと。

また、銀行が後ろ盾にないので銀行カードローンにくらべて「経営の安定性」の面で劣ってしまうかもしれません。

アイフル(3.0~18.0%)

消費者金融としては異例の、13年6ヶ月(1~140回)という長期の返済が可能です。

限度額が1~800万円 までなので、それ以下におさまる予定なら検討してみてもいいかもしれません。

金利は幅が広く設定されているので、どの利率が適用されるかは審査してみないと分かりません。こちらも総量規制の対象です。

また、銀行が後ろ盾にないので銀行カードローンにくらべて「経営の安定性」の面で劣ってしまうかもしれません。

レイクALSA(4.5~18.0%)

10年以上借りられるかどうかは借入額と適用利率によりますが、500万円・12%の場合は可能です。限度額は1~500万円です。

返済期間の設定がない業者はどうしたらいいの?

さて、長期で借りられるローンを探すには、最長返済期間を見ればいいとお話ししましたが、これが表示されていない業者が時々あります。主に銀行です(上記の表をご覧頂いてもわかると思います)。

こういった業者の多くは、取引期間を「○年ごとの審査のうえ自動更新」と設定しています。

これは、1年なら1年、5年なら5年ごとに審査をする、という意味です。

更新のタイミングが来たら、業者はその顧客の信用情報(現在の自社・他社ローンの利用状況、返済状況など)をチェックします。問題がなければ自動更新となります。

問題があった場合は、今後その顧客は追加の借入ができなくなり、返済していくのみになります。

「数年ごとの自動更新」の業者で長期借り入れをしたい場合、とにかく相談してみてください。長期で借り入れが可能かどうかはあなたの信用力次第です。

ただし、信用力があっても年齢によっては更新されない場合がありますので、各ローンの「商品概要書」を参照してください。

長期借り入れの審査は短期よりもずっと厳しい!

あなたが友人にお金を貸すとき、「1日」貸す場合と「1年」貸す場合なら、どちらが慎重になりますか?

当然「1年」のほうですよね。
キャッシング会社も同じで、長期でお金を貸す場合のほうがより審査を厳しくしています

長期借入の審査が厳しいのは、期間が長い分金額も大きくなるからです。そうなると当然、それだけ信用がある人にしか貸せません。

初めての業者で借入をする場合、限度額が限られます

アコムを例にしてみましょう。
年収200万超500万以下の人への初回平均貸付金額は、なんと15万円程度。

年収1,000万円超でも初回平均貸付金額は27万円ですから、たとえ属性がよくても最初から高額融資を受けるのは難しいのです。

限度額をアップするには、借りたお金を期日までに返済する実績を積むことです。

何年分の実績が必要かは業者や金額にもよりますが、100万円にまでアップするのに2年かかったという声もあります。途中で他社からの借入を増やしたりするとより難しくなるでしょう。

なお、限度額は勝手には上がりません。申請する必要があります

消費者金融ならネットから申請できるところがありますが、銀行の場合は窓口やコールセンターに相談します。審査があるので、必ず増額してもらえるわけではありません。

リスクはないの?長期借り入れの注意点

高い審査基準をパスして、無事に数百万円の長期借入に成功したとします。資金は有効活用できそうです。
これでめでたしめでたし・・・ではありませんよね。

借金は、借りる時よりも返す時の方が重要なのです。

長期借入は返済期間が長くなるので、支払う利息の額も大きくなります。

500万円を利率6.9%で借りた場合、返済回数129回、支払う利息の総額はなんと200万円を超えます(オリックスVIPの返済シミュレーションより。新残高スライド返済の場合)。

長期は短期よりも金利が低くなりますが、返済回数が増えるので決しておトクではないことを覚えておいてください。

また、もうひとつ気をつけたいのが、「変動金利」です。

住宅ローンでよく耳にする用語ですが、キャッシングの場合も金利が変動する場合があります。

その場合、返済中に経済情勢やあなたの収入に変化があると利率が上がることがあります。もちろんずっと「固定金利」のケースもあるので、契約の時に必ずチェックすることが大切です。

このように、長期借入は短期借入とは違う業者の選び方や注意点があります。長い付き合いになるので、キャンペーンなどに惑わされず、じっくり比較して決めましょう。

この記事の筆者

正岡 さな(仮名)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。元外資系経営コンサルタント、現在は2児の母をしながら在宅フリーランスで働く。得意分野は「お金」。好きなものも「お金」。売る側の論理ばかりが多いキャッシングに関する情報を、買う側の視点から徹底解説します。

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