国民健康保険を滞納した時の交渉術。差押えの回避。減額・減免も

かつて私は、1,200万円もの借金を抱えたことがありました。

借金を抱えてしまった経緯は今回の話には関係ないので割愛しますが、そんな状況のなか、勤めていた会社をクビになり、無職になってしまった時期があります。

多額の借金があるうえに無職...ピンチですよね。

実際、にっちもさっちもいかない状況で、私はありとあらゆる支払いを滞納していました。

さらに、当時は持病を抱えていたので、病院通いが欠かせません。保険証は必須でしたが、国民健康保険料の支払いも滞納したままでした。

「このままでは保険証が失効になってしまう...!」

焦った私は、保険料の支払いについて何度も役所に相談に行きました。

今回は、そのときの経験をふまえ、「国民健康保険料を滞納している方に知っておいてほしいこと」をまとめて記事にしてみました。

役所に相談・交渉するときのポイント、延滞金を節約する裏ワザ、差し押さえまでの流れなど、気になることを重点的におさえたつもりです。

かつての私のように、「事情があって保険料を支払えない」という方はぜひ目を通してみてください。

「保険料が支払えない!」役所に相談・交渉するときのポイント

日本は国民皆保険です。

20歳以上の社会保険未加入者は国民健康保険へ加入する義務があります。

しかし、かつての私のように、多額の借金を抱えているなどやむをえない理由で保険料を支払えない方もいるでしょう。

支払えないからといって滞納したまま放置していると、最終的に差し押さえになる可能性もあります。

そうならないためにも、できるだけはやく役所へ相談に行きましょう。地域の役所にある国民健康保険の窓口に足を運び、そこの担当者に話を聞いてもらうのです。

ここでは、「役所へ相談に行く前に知っておきたいこと」をまとめて紹介していきます。

国民健康保険料の減免条件に該当しないか調べてみよう

役所に出向く前に、自分が国民健康保険料の減免条件に該当しないか調べてみましょう。

条件は各自治体によって異なるので、地域の役所か国民健康保険の窓口に問い合わせてみてください。また、各自治体のホームページから調べてみるのもいいでしょう。

例)
大阪市「国民健康保険料の減額・減免等」
http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000008171.html

保険料の減免が適用される条件(例)

  • 地震や大雨といった天災が原因で住宅や職場が被害を受けた
  • 障害や病気、解雇などが理由で失業中のため収入が極端に減っている
  • 生活保護を受けることになった

自分の状況を正直に説明しよう

役所の担当者に相談する際は、自分の経済状況やなぜ保険料を支払えないのかを具体的に説明しましょう。

たとえば、「無職で経済的に苦しい」「収入はあるものの借金返済に追われている」「自営業だが収入が伸びず、生活が大変だ」など、やむをえない事情はいろいろありますよね...。

ただ、担当者の同情を買いたいからといって、嘘をつくのは絶対NGです。

嘘をついた場合、後々詳しいことを調べられ、バレてしまったら心証は最悪です。それっきり相談には応じてもらえないでしょう。

あなたの説明を裏付ける証拠を持参しよう

あなたの現状を具体的に説明することは大事なのですが、それだけではダメです。より説得力をだすために、説明を裏付ける証拠を持参していきましょう。

たとえば、下記のようなものです。

  • 収入状況を示す書類(源泉徴収票や給与明細書、住民税課税(非課税)証明書など)
  • 生活の実態をあらわす書類(家計簿など)

相談の途中、話の進み具合に合わせて担当者に提示するとより説得力が増します。

分割払いを申し出よう

担当者に現在の状況を理解してもらったら、次は滞納している保険料の分割払いを申し出ましょう。

また、「最低でも毎月5,000円支払う」など、少額でもいいので確実な計画を提示するようにしましょう。「お金が入ったら払います」など曖昧な提案をしても、担当者は承諾しません。

延滞金の減免申請をしてみよう

保険料を滞納しているなら、延滞金も発生しているはずです。

延滞金は、納付期限を過ぎた翌日から滞納している保険料・期間に応じて加算されていきます。

ダメもとで、延滞金の減免申請もおこなってみましょう。

ただし、自治体によって減免が認められるケースは異なるので、実際に申請してみないと結果はわかりません。

延滞金を節約する裏ワザ

延滞金の減免が許可されなかったとしても、そこであきらめないでください。延滞金を節約する裏ワザがあるのです。

「まず、滞納している保険料をすべて支払い、それが完了したら延滞金を支払うようにしたい」と交渉してみましょう。

滞納している保険料を支払う場合、通常は下記の流れで支払いがすすんでいきます。

『A期の保険料を支払う⇒A期の延滞金を支払う⇒B期の保険料を支払う⇒B期の延滞金を支払う...』

しかし、このやり方だと延滞金がどんどん膨らんでいってしまいますね。

延滞金は、滞納している保険料と延滞期間によって計算されます。延滞金に延滞金は加算されません。

『A期の保険料⇒A期の延滞金』の順で支払っていくと、それが終わるまでB期の保険料には手つかずの状態となります。その間にB期の延滞金がドンドン膨らんでいってしまうのです。

よって、下記の流れで支払っていけば通常よりも延滞金(総額)をおさえることができます。

『A期の保険料を支払う⇒B期の保険料を支払う⇒A期とB期の延滞金を支払う』

なお、実際に国民健康保険料を減額交渉された方のお話もあります。

滞納を放置すると給料や預金を差し押さえられる!?

さきほど少しだけ差し押さえについて触れましたが、ここで少し補足したいと思います。

保険料を滞納したからといって即刻差し押さえになるわけではありません。差し押さえまでにはいくつか段階があります。

各自治体によって対応は異なりますが、おおむね下記の通りになります。

短期被保険者証が発行される

保険料を滞納すると、通常の保険証が発行されません。そのかわり、「短期被保険者証」が発行されます。

短期被保険者証は、通常の保険証と同じ効力がありますが、有効期間は1ヶ月~6ヶ月です(自治体によって異なる)。なお、通常の保険証の有効期間は2年です。

また、通常の保険証と色が異なるため、見る人が見れば保険料滞納者であることがわかってしまいます。

資格証明書が発行される

1年以上滞納すると(短期被保険者証の有効期限が切れると)、次は「資格証明書」が発行されます。これは、短期被保険者証を返還すると代わりに発行されるものです。

資格証明書には通常の保険証と同じ効力はありません。資格証明書を医療機関に提示しても、医療費は全額自己負担になってしまいます。

「それなら、資格証明書を提示する意味がないのでは?」

いえ、それは違います。

資格証明書を医療機関に提示しておけば、本来保険でまかなわれるはずだった部分(医療費の7割)をあとから返還してもらえるのです。

ただし、そのためには滞納分の保険料を支払い+所定の手続きをおこなう必要があります。

差し押さえ執行日が記載された通知が届く

その後も再三にわたる督促を無視して滞納を続けると、差し押さえが実行されます(銀行口座や給与の差し押さえが一般的です)。

といっても、ある日突然差し押さえとなるわけではありません。

差し押さえが決まると、「差し押さえ執行日」が記載された通知が届くのです。

ここで気になるのが、「どのくらい滞納すると差し押さえの対象となるのか」ということですよね。

法律的にはどうなのでしょうか。

地方税法では、「保険料の納付期限後20日以内に督促状を発行すること」が定められています。

さらに、「督促状の発行日から10日経過しても納付されない場合、差し押さえなければならない」とも定められています。

つまり、本来 自治体は「納付期限から30日経過すれば差し押さえを実行できる」のです。

しかし、実際はその程度の滞納で差し押さえがおこなわれることはまずありません。

では、どのくらいの滞納で差し押さえが実行されるのでしょうか?

残念ながら、差し押さえ対象者の選定は各自治体の判断に委ねられるので、一概にいうことはできません。

ただ、「じゅうぶんな収入や資産があるのにもかかわらず滞納を続けている」など、悪質な滞納者ははやめにターゲットにされるようですね。

なお、国民健康保険料の滞納については、『国民健康保険料の滞納。督促を無視すると医療費全額負担になる?』でも特集しています。あわせて読んでみてください。

おまけ ~社会保険から国民健康保険への切り替え~

冒頭で、会社をクビになって無職になったことをお話しましたが、通常は退職したら社会保険から国民健康保険に切り替えなければいけませんよね?

私は当時病院に通っていたので切り替えを忘れることはありませんでしたが、普段病院にかからない方は切替えを失念してしまうことが多いようです。

たとえ退職後2~3か月で再就職し、再度社会保険に加入することになったとしても、それまでの間は国民健康保険に加入する必要があります。

切替えを指示されるのは退職時だけ?

退職時に社会保険証を返却しますが、その際 国民健康保険へ加入するよう会社側から指導があるはずです。

そのあとは自分で役所に出向き、切替え手続きを行わなければなりません。

切り替え手続きをおこなわないと、保険証が手元にない状態になります。役所からはなんの通知も届かず、保険料の請求も届かないので気付かず放置してしまう方も多いでしょう。

「じゃあ、病院に行く用事ができたら切り替えればいいんじゃないの?」

たしかにそれでもかまわないのですが、国民健康保険への加入義務は、社会保険を抜けた時点から発生しています。

たとえば、社会保険を抜けてから(国民健康保険への加入義務が発生してから)半年後に切り替えの手続きをしても、半年前から保険料は発生しているのです。

「社会保険を抜けた日付」は該当する役所に通知されているので、この場合、保険料は「社会保険を抜けた日付」からさかのぼって一括で請求されます。

切替え手続きを面倒だと思う方も多いでしょうが、後々大きな額を一括請求されるほうがイヤですよね。忘れないうちに手続きしておくことをおすすめします。

→ 税金滞納・料金滞納の事例と対処法

【この記事の筆者】
林 俊江(仮名)
1968年生まれ。20歳のときに自営業者だった父親の着金返済のために、初めてのキャッシングをする。そこから幾度と無く返済と借入れをくり返し、最高1,200万円の借金を背負うことになる。その後、任意整理を経て、結果的に自己破産により借金からは開放された。現在はその当時の経験を元に、個人的に借金返済で苦しむ人の相談に乗っている。

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